teeter
最初の母音 /iː/ は、日本語の「イー」よりも少し長く伸ばすイメージです。/t/ の音は、日本語の「タ」行の発音よりも、舌を前歯の裏に当てて、息を強く破裂させるように意識すると、よりクリアに聞こえます。最後の -er の音は、口を軽く開けて、舌を少し丸めるようにすると、よりネイティブに近い発音になります。
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ぐらつく
不安定な状態で、倒れそうになる様子。物理的なものだけでなく、比喩的に精神状態や状況が不安定な場合にも使う。例:teeter on the brink of disaster(破滅の瀬戸際にぐらつく)
The tall stack of books began to teeter on the wobbly table.
高く積まれた本が、ぐらつくテーブルの上で今にも倒れそうにぐらつき始めました。
※ この例文は、高く積まれた本が不安定なテーブルの上で「今にも倒れそうにゆらゆらしている」情景を描いています。物理的に不安定なものが「倒れる寸前で揺れる」様子を表すのに'teeter'はぴったりです。'wobbly'(ぐらぐらする)という単語も、不安定さを強調するのに役立っています。
She tried to walk on the narrow beam, but she started to teeter.
彼女は細い平均台の上を歩こうとしましたが、ぐらつき始めました。
※ この例文は、人が「バランスを失いそうによろめく、ぐらつく」様子を表しています。体操の平均台や、細い板の上を歩くような、少し緊張する場面が目に浮かびますね。'teeter'は、特に不安定な場所でバランスを取ろうとして失敗するような状況によく使われます。
The toddler took his first steps and began to teeter and sway.
そのよちよち歩きの幼児は最初の一歩を踏み出し、ぐらぐらと揺れ始めました。
※ この例文では、小さな子供が初めて歩くときの「不安定ながらも頑張ってバランスを取ろうとする」微笑ましい姿が描かれています。'teeter'は、このように不安定ながらも動こうとする様子を表すのに最適です。'sway'(揺れる)と組み合わせることで、より揺れ動く様子が強調されます。
ためらう
決断を迷い、どちらに進むべきか決めかねる様子。心理的な揺れ動きを表す。
The small boy teetered at the edge of the high diving board, afraid to jump.
小さな男の子は高い飛び込み台の端でためらい、飛び込むのが怖かった。
※ この例文では、「男の子が飛び込み台の端で、怖くてなかなか飛び込めずにいる」という状況が目に浮かびますね。「teeter」は、物理的にぐらつく状態から転じて、決心がつかず心が揺れ動く様子を表します。ここでは、恐怖で一歩踏み出せない気持ちが伝わります。「at the edge of ~」で「〜の端で」という場所を示します。
He teetered for a moment, wondering if he should speak up in the meeting.
彼は一瞬ためらい、会議で発言すべきかどうか考えていた。
※ この例文では、「会議中、何か言いたいけれど、言うべきか黙っておくべきか迷っている人」の姿が想像できます。「teeter」は、行動を起こすかどうかで心が揺れる、不安定な状態を表すのによく使われます。ここでは、発言するかどうか躊躇する気持ちがよく伝わります。「wondering if ~」で「〜かどうか考えている」という心の動きを示します。
She teetered between two job offers, unsure which path to take for her career.
彼女は2つの仕事のオファーの間でためらい、キャリアのためにどちらの道を選ぶべきか確信が持てなかった。
※ この例文では、「人生の大きな岐路に立ち、どちらの選択肢も魅力的で決めかねている」という状況が目に浮かびます。「teeter between A and B」で「AとBの間で心が揺れ動く、どちらにするか決めかねる」という、まさに「ためらう」の中心的な意味合いを表します。「unsure which path to take」は「どちらの道を選ぶべきか確信がない」という意味で、迷っている心情を補強しています。
不安定
ぐらぐらと揺れる状態、または精神的・状況的な不安定さを指す。動詞のteeterから派生した名詞。
The little boy teetered on the wall, about to fall.
その小さな男の子は壁の上でよろめき、今にも落ちそうだった。
※ 【情景】小さな男の子が、危ない壁の上でバランスを崩し、今にも落ちそうなハラハラする瞬間です。 【解説】「teeter」は、不安定な場所で「ぐらつく」「よろめく」ような動きを表します。特に、今にも倒れそうなギリギリの状態によく使われます。 【ヒント】今回は過去形 "teetered" で、その時の状況を描写しています。
The tall stack of dishes began to teeter.
高く積まれた皿の山がぐらつき始めた。
※ 【情景】食器棚から取り出したお皿を高く積み重ねていたら、バランスを崩して今にも倒れそうな状況です。思わず「あっ!」と声が出そうな瞬間ですね。 【解説】「teeter」は、人だけでなく、不安定に積まれた物や、バランスが悪い物にも使えます。いつ倒れてもおかしくないような「不安定さ」を強調します。 【ヒント】"began to ~" で「〜し始めた」という変化を表しています。
Her courage teetered as she stood on the high diving board.
高い飛び込み台に立ったとき、彼女の勇気は揺らいだ。
※ 【情景】高い飛び込み台の端に立ち、足がすくむような恐怖を感じ、飛び込む勇気が今にも消え去りそうな、心細い瞬間です。 【解説】「teeter」は、物理的な不安定さだけでなく、感情や状況が「不安定になる」「揺らぐ」といった比喩的な意味でも使われます。ここでは「勇気」が揺らぐ様子を表しています。 【ヒント】"as she stood" は「彼女が立ったとき」という意味で、二つの出来事が同時に起こることを示します。
コロケーション
〜の瀬戸際に立つ、〜の間際である
※ 文字通りには「ふちに立ってぐらつく」様子を表し、比喩的には「危険な状態に非常に近い」状況を指します。on the brink of disaster(破滅の瀬戸際)、on the brink of war(戦争の瀬戸際)のように使われます。政治、経済、環境問題など、重大な危機が差し迫っている状況でよく用いられます。フォーマルな響きがあり、ニュース報道や論文などにも見られます。単に「near」や「close to」と言うよりも、より切迫感や危機感を強調するニュアンスがあります。
不安定にぐらつく、危うくバランスを保つ
※ precariouslyは「不安定に」「危うく」という意味の副詞で、teeterの状態を強調します。物理的に不安定な状態(例えば、積み重ねられた本が倒れそうになっている)だけでなく、比喩的に不安定な状況(例えば、危うい経済状況)を表すこともできます。視覚的なイメージを喚起しやすく、文章に臨場感を与えます。口語よりも、やや文学的な表現として用いられることがあります。
(AとBの)間で揺れ動く、迷う
※ 二つの選択肢や状態の間で心が定まらず、どちらつかずの状態を表します。例えば、teeter between hope and despair(希望と絶望の間で揺れ動く)、teeter between two opinions(二つの意見の間で迷う)のように使われます。精神的な葛藤や優柔不断さを表現するのに適しています。また、物理的な意味合いが薄れ、抽象的な概念を表す際に用いられることが多いです。
シーソー
※ teeter-totterは、シーソーそのものを指す名詞です。動詞のteeterが繰り返されることで、シーソーの上下運動を表現しています。アメリカ英語でよく使われる表現で、イギリス英語では「seesaw」が一般的です。子供向けの言葉として認識されており、大人同士の会話ではあまり使われません。比喩的に、二つのものが交互に上下する、または変動する状況を表すこともあります。
ハイヒールでよろめく
※ ハイヒールを履いてバランスを崩しそうになる様子を具体的に描写します。特に、ハイヒールを履き慣れていない人が歩く際に、不安定になる様子を想像させます。女性がハイヒールを履く際の苦労や、その危うさをユーモラスに表現する際に用いられることがあります。ファッションやライフスタイルに関する記事などで見られる表現です。
市場が不安定になる、相場が変動する
※ 株式市場や経済状況が不安定で、大きく変動する可能性がある状態を表します。経済ニュースや金融関連の記事でよく使われる表現です。単に「fluctuate」と言うよりも、市場の不安定さやリスクを強調するニュアンスがあります。「The market teeters on uncertainty(市場は不確実性の中で不安定になっている)」のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、抽象的な概念や状況が不安定であることを示す際に使われます。例えば、経済学の論文で「市場の均衡が~の要因で崩れかけている(ぐらついている)」状況を説明したり、政治学の分野で「政権が支持率低下により~の政策をためらっている」状況を分析したりする際に用いられます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、プレゼンテーション資料や報告書などのフォーマルな文書で、組織やプロジェクトの状況が不安定であることを婉曲的に表現する際に用いられることがあります。例えば、「新規事業の収益性が不確実なため、投資判断がぐらついている」といった状況や、「市場の変化に対応できず、競争上の優位性が揺らいでいる」という状況を説明する際に使われます。口語よりは文語的な表現です。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、社会情勢や個人の心理状態が不安定であることを伝える際に使われることがあります。例えば、「経済状況の悪化により、人々の生活が不安定になっている」というニュースや、「主人公が過去のトラウマに苦しみ、心が揺れ動いている(ためらっている)」というドキュメンタリーなどで見かけることがあります。やや硬い印象を与える表現です。
関連語
類義語
よろめく、ふらつく。主に高齢者や体調の悪い人が、足元が不安定で倒れそうになる様子を表す。日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』よりも、実際に倒れそうになる、あるいは倒れる寸前の状態に近いニュアンスが強い。物理的な不安定さを強調する傾向がある。 【混同しやすい点】『totter』は自動詞であり、目的語を取らない。また、比喩的な意味合いは『teeter』よりも少ない。
- wobble
ぐらつく、揺れる。物理的に不安定な状態を表し、物体や乗り物などが揺れる様子を示す。日常会話や技術的な説明で使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』がバランスを保とうとするニュアンスを含むのに対し、『wobble』は単に不安定で揺れている状態を表す。制御不能な揺れを表すことが多い。 【混同しやすい点】『wobble』は自動詞としても他動詞としても使えるが、『teeter』は主に自動詞として使われる。『wobble』は、例えば「テーブルがぐらつく (The table wobbles)」のように、具体的な物体に対して使われることが多い。
よろめく、千鳥足で歩く。怪我や疲労、酩酊などにより、歩行が不安定になる様子を表す。主に日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』よりも、歩行困難な状態がより深刻であることを示唆する。バランスを失い、制御できない動きを伴うことが多い。 【混同しやすい点】『stagger』は、比喩的に「圧倒される」という意味でも使われる(例:staggering amount)。『teeter』にはこの意味はない。また、『stagger』は他動詞としても使われ、「時間差で配置する」という意味になる(例:stagger the payments)。
揺れる、傾く。風や何らかの力によって、ゆっくりと左右に揺れる様子を表す。文学的な表現や、自然現象の描写でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』がバランスを失いかける状態を表すのに対し、『sway』はより穏やかで、連続的な揺れを表す。強制的な力が加わっているニュアンスを含む。 【混同しやすい点】『sway』は、比喩的に「影響を与える、左右する」という意味でも使われる(例:sway public opinion)。『teeter』にはこの意味はない。また、『sway』は名詞としても使われ、「揺れ」という意味になる。
急に傾く、よろめく。予期せぬ動きや衝撃によって、突然バランスを崩す様子を表す。事故や災害の状況を描写する際によく使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』よりも、動きが急で、制御が難しいニュアンスが強い。突発的な動きによる不安定さを強調する。 【混同しやすい点】『lurch』は、通常、予期せぬ事態によって引き起こされる動きを表す。また、『lurch』は名詞としても使われ、「突然の傾き、よろめき」という意味になる。
ためらう、口ごもる、勢いを失う。物理的な不安定さだけでなく、精神的な動揺や躊躇も表す。ビジネスや政治的な文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】『teeter』が物理的なバランスの不安定さを主に表すのに対し、『falter』は比喩的に、自信や勢いが衰える様子を表す。スピーチや計画などがうまくいかなくなる状況を示す。 【混同しやすい点】『falter』は、物理的な意味合いよりも、精神的な意味合いで使われることが多い。『teeter』のように、具体的な物体の不安定さを表すことは少ない。例えば、「彼の決意は揺らいだ (His resolve faltered)」のように使われる。
派生語
「よろめく、ぐらつく」という意味の動詞。teeter と同様に、不安定な動きを表しますが、より弱々しく、倒れそうなニュアンスを含みます。日常会話で、特に体力の衰えや病気などでバランスを崩す様子を描写する際に使われます。語源的にはゲルマン祖語に遡り、繰り返しの動作を示す畳語に由来すると考えられています。teeter が比較的ゆっくりとした揺れを意味するのに対し、totter はより急速で制御不能な動きを連想させます。
- titubation
医学用語で「小脳性運動失調」を意味し、体が前後に揺れる症状を指します。teeter の「揺れる」という意味合いが、医学的な文脈で専門用語として発展した例です。学術論文や医学書で使用され、日常会話ではほとんど使われません。-ation は名詞化の接尾辞で、抽象的な状態や行為を示します。
- titter
「クスクス笑う、忍び笑う」という意味の動詞。teeter と直接的な語源関係はありませんが、音の響きや、不安定で抑制された状態を表すニュアンスが共通しています。感情が揺れ動く様子を、音で表現した擬音語的な要素を持つと考えられます。日常会話で、特に恥ずかしさや緊張からくる笑いを表す際に使われます。
反意語
「安定させる」という意味の動詞。teeter が不安定な状態を表すのに対し、stabilize は安定化させる行為を示します。ビジネスや科学技術の分野で、状況やシステムを安定させるために用いられます。接尾辞 -ize は動詞化の接尾辞で、状態や性質を変化させる意味を持ちます。例:stabilize the economy(経済を安定させる)。
「安定した、しっかりした」という意味の形容詞または動詞。teeter が示す不安定さとは対照的に、揺るぎない状態を表します。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用されます。形容詞としては「着実な」、動詞としては「安定させる」という意味で使用されます。例:steady progress(着実な進歩)。
「とどまる、残る」という意味の動詞。teeter が動きや変化を示唆するのに対し、remain は静止し、変化しない状態を表します。抽象的な概念や状態が持続することを強調する際に用いられます。ビジネス文書や学術論文で、特定の状態や条件が継続することを述べる際に頻繁に使用されます。例:remain constant(一定のままである)。
語源
"Teeter"の語源ははっきりとは特定されていませんが、古ノルド語の *titra(震える、揺れる)や、古英語の *titerian(不安定に動く)といった、揺れや震えを表すゲルマン祖語に由来すると考えられています。これらの語は、動きが定まらず、不安定な状態を示す基本的な感覚を表しており、「ぐらつく」「ためらう」といった現代英語の "teeter" の意味合いに繋がっています。日本語の「よろめく」や「ふらつく」といった表現が、視覚的な不安定さを表すと同様に、"teeter" もまた、物理的な不安定さや決断の迷いを表す言葉として、人々の経験から自然に生まれたと考えられます。
暗記法
「teeter」は、子供のシーソー遊びから、国家の危機、心の葛藤まで、英語圏の文化に深く根ざした言葉。物理的な不安定さだけでなく、重大な決断を迫られる瀬戸際を意味します。希望と絶望の間で心が揺れ動くように、常にバランスを求められる人間の অবস্থableな存在を象徴する、教養豊かな表現なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、どちらも二重母音的な響きを含むため聞き分けにくい。'teeter' が不安定な動きを表すのに対し、'titter' は『クスクス笑う』という意味。スペルも 'ee' と 'i' の違いだけなので注意が必要。日本語の『テヘペロ』のようなニュアンスを持つコミカルな表現。
'teeter' と同様に、不安定な動きを表す単語であるため、意味の面で混同しやすい。'totter' は、特に足元がふらつく様子を表す。発音も似ており、どちらもリズミカルな二音節語であるため、セットで覚えると良い。
スペルが似ており、'tether' は『(動物などを)つなぐ、束縛する』という意味。'teeter' の不安定な動きとは対照的に、'tether' は固定された状態を表す。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、古英語の『teag』(ロープ) に由来する。
語尾の '-er' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。'heater' は『暖房器具』という意味で、'teeter' の動きとは全く関係がない。発音も異なるため、注意して区別する必要がある。ただし、暖房器具の熱で何かが不安定になる様子を想像すると、イメージが繋がるかもしれない。
こちらも語尾が '-er' で終わるため、スペルが似ていると感じやすい。'meter' は『メートル』や『計器』という意味で、'teeter' とは意味が全く異なる。ただし、計器の針が不安定に揺れる様子を想像すると、'teeter' のイメージと少し繋がるかもしれない。発音も異なる点に注意。
アメリカ英語では 'theatre' と綴られることもある単語で、意味は『劇場』。スペルが長く、'teeter' とは視覚的に大きく異なるが、発音記号をよく見ると、曖昧母音の箇所が似ているため、発音練習の際に混同する可能性がある。'teeter' が動詞であるのに対し、'theater' は名詞である点も重要な違い。
誤用例
『teeter』は物理的に不安定な状態、例えば『ぐらぐら揺れる』様子を表すのに適しています。会社の将来など、抽象的な危機的状況を表現する際には、よりフォーマルで深刻な印象を与える『hanging in the balance』を使う方が適切です。日本語の『危うい』を安易に当てはめると、ニュアンスがずれることがあります。
『teeter』は『(物理的に)よろめく』という意味合いが強く、成功の瀬戸際で迷う様子を表現するには少し不自然です。成功を『手に入れる寸前だった』というニュアンスを出すには、『flirt with success』のような表現がより適切です。日本語の『瀬戸際』という言葉に引きずられ、バランスを崩すイメージの『teeter』を選んでしまうのは、典型的な誤用パターンです。
『teeter』は、バランスを崩して倒れそうになるイメージですが、スキャンダル後の政治家のキャリアが徐々に崩壊していく様子を表すには、『unravel(ほつれる、崩壊する)』の方が適切です。日本語の『傾く』という言葉が持つ、比喩的な意味合い(権勢が衰える)をそのまま英語に置き換えようとすると、不自然な表現になることがあります。『teeter』はあくまで物理的な不安定さを表す言葉であることを意識しましょう。
文化的背景
「teeter」は、不安定さ、ためらい、そして決断の瀬戸際を象徴する言葉です。子供の遊びから政治的な駆け引きまで、バランスを崩しそうな、あるいは崩しかねない状況を表す普遍的なイメージとして、英語圏の文化に深く根ざしています。
子供の頃、シーソーに乗って「teeter-totter」と叫びながら遊んだ記憶は、多くの英語話者にとって共通の原風景でしょう。この遊びは、文字通り物理的なバランスを取り合う行為ですが、同時に、人間関係や社会における力関係のメタファーでもあります。一方が上がれば他方が下がる、シーソーの動きは、人生における交渉や妥協の必要性を教えてくれます。「teeter」という言葉には、このような遊び心と、その背後にあるシリアスな意味合いが同居しているのです。
政治の世界では、「teetering on the brink of war(戦争の瀬戸際に立つ)」のように、危機的な状況を表現する際に「teeter」が用いられます。ここでは、単なる不安定さだけでなく、一線を越えれば破滅的な結果を招きかねない、極度の緊張状態が強調されます。また、経済状況を表す際にも、「teetering on the edge of recession(景気後退の瀬戸際に立つ)」というように、危険な状態を表す比喩として使われます。どちらの例も、「teeter」が単なる物理的な揺れ動きではなく、重大な決断や行動が求められる、極めて重要な局面を表していることを示しています。
さらに、「teeter」は、個人の感情や心理状態を表すこともあります。例えば、「teetering between hope and despair(希望と絶望の間で揺れ動く)」のように、相反する感情の間で心が定まらない状態を表現します。この場合、「teeter」は、心の葛藤や迷いを象徴し、人間が常に不確実な状況の中で、自己のバランスを保ちながら生きていることを示唆します。このように、「teeter」は、物理的な不安定さから、社会的な危機、そして個人的な心の揺れまで、幅広い意味合いを持つ、豊かな文化的背景を持つ言葉なのです。
試験傾向
この単語は英検では出題頻度は低めです。出るとすれば準1級以上の長文読解において、比喩的な意味で使われる可能性があります。会話文ではあまり見かけません。
TOEICでも出題頻度は高くありません。ビジネスシーンで「不安定な状態」を表す文脈で稀に使われる程度です。Part 7の読解問題で、比喩表現として登場する可能性があります。
TOEFLのアカデミックな文章では、比喩的な意味で使われることがあります。特に、経済や政治の不安定な状況を説明する際に登場する可能性があります。名詞形、動詞形両方の用法に注意が必要です。
大学受験でも頻出単語ではありません。難関大学の長文読解で、比喩表現として使われる可能性があります。文脈から意味を推測する力が問われます。