tally
第一音節にアクセントがあります。母音 /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し大きく開けて発音します。/l/ は舌先を上の歯茎につけて発音し、そのあとすぐに /i/ の音へ移行します。/i/ は日本語の「イ」よりも少し短く、口角を左右に引くように発音するとより自然になります。
合計
個々の数値を集めて最終的な数値を表すこと。会計や集計の文脈でよく使われる。比喩的に、得点や成果の総計を指すこともある。
The cashier finished scanning all items and showed me the final tally.
レジ係はすべての商品のスキャンを終え、私に最終的な合計金額を見せてくれました。
※ スーパーマーケットのレジで、店員さんが商品をスキャンし終え、最後に「はい、合計金額です」と画面やレシートを見せてくれる場面です。「final tally」で「最終的な合計」という意味になります。お店での買い物の合計金額を伝えるときなど、具体的な数字の合計を指すのによく使われます。
The kids finished counting their scores and checked the final tally.
子どもたちは自分たちの得点を数え終え、最終的な合計点を確認しました。
※ ゲームや遊びの最中、子どもたちが「僕は何点?」「私は何点?」とそれぞれ得点を数え、最後に「じゃあ、合計は何点だったかな?」とみんなで結果を見ている、そんな楽しそうな場面です。スポーツの試合やゲーム、クイズなどで「点数の合計」を言うときによく使われます。勝敗を決める大切な数字ですね。
She keeps a daily tally of people who visit her shop.
彼女は毎日、自分の店を訪れる人数の合計を記録しています。
※ 自分の小さなお店を持つ店主さんが、日々の来客数をノートに書き留めたり、カウンターで数えたりして、「今日は何人来てくれたかな」と確認している、真面目な仕事の場面です。特定の期間(毎日、毎週など)で何かを数え続け、その「累計」や「総数」を記録するような状況で使われます。「a daily tally」で「日ごとの合計」となります。
集計する
個々の数値や項目を数え上げて、総数を出す行為。投票結果、在庫、アンケート結果など、様々なものを数える際に使用される。
She carefully tallied the points for each team during the game.
彼女は試合中、各チームの点数を慎重に集計した。
※ 子供たちのスポーツの試合や、ボードゲームの場面を想像してみてください。審判役の人が、どちらのチームが何点取ったか、間違えないように慎重に数えている様子です。「tally」は、このように「点数やスコアを記録・集計する」場面でよく使われます。「carefully」は「慎重に」という意味で、動詞「tally」の動作を詳しく説明しています。
The staff worked late to tally all the votes after the election.
選挙後、スタッフはすべての票を集計するために遅くまで働いた。
※ 選挙の開票所を思い浮かべてみましょう。夜遅くまで、たくさんの人が投票用紙を一枚一枚数え、正確な結果を出すために一生懸命働いている様子です。「tally」は、投票や調査の「結果を集計する」という、責任を伴う重要な場面で非常によく使われます。「worked late to tally...」は「~するために遅くまで働いた」という、目的を表す形です。
I always tally my daily steps to see if I reached my goal.
私は目標を達成したか確認するために、いつも毎日の歩数を集計しています。
※ スマートフォンのアプリで、今日の自分の歩数を確認している場面を想像してみてください。目標達成に向けて、毎日どれくらい歩いたか、自分で記録を集計している様子です。このように、個人的な目標や記録を「数えて合計を出す」場面でも「tally」は自然に使われます。「to see if...」は「~かどうかを確認するために」という意味で、目的を表します。「I reached my goal」は「目標を達成した」という意味です。
記録する
何かをリストやデータベースなどに書き留める行為。出来事、支出、顧客情報など、後で参照できるように情報を残すことを指す。
The kids excitedly watched their dad tally the points for their soccer game.
子供たちは、お父さんがサッカーの試合の点数を数えるのをワクワクしながら見ていました。
※ 「tally」は、スポーツの試合などで点数やスコアを数え上げて記録する際によく使われます。子どもたちが楽しみにしている様子が目に浮かびますね。
The committee leader carefully began to tally the votes for the new project.
委員会のリーダーは、新しいプロジェクトのための票を慎重に数え始めました。
※ 会議や選挙などで、票の数を正確に数え上げて記録する場面で「tally」が使われます。「carefully (慎重に)」という言葉から、その責任感が伝わります。
She felt happy as she tallied the number of books donated for the charity sale.
彼女はチャリティセールのために寄付された本の数を数えながら、幸せな気持ちになりました。
※ 「tally」は、目標達成のために集まった物の数を数えたり、在庫を確認したりする際にも使われます。数を数えることで、達成感を感じる状況が目に浮かびますね。
コロケーション
記録を取り続ける、集計する
※ 「tally」は元々、刻み目を入れた棒で数を数える方法に由来します。そこから派生して、「keep a tally」は、数値データやポイントなどを継続的に記録・集計することを意味します。ビジネスシーンや会計処理でよく使われ、「keep a running tally」という表現も同様の意味で使われます。口語よりもフォーマルな場面で使われることが多いでしょう。例えば、「We need to keep a tally of all expenses」というように使います。
(点数/結果)を合計する、集計する
※ 「tally up」は句動詞で、何かの結果や点数を最終的に合計する行為を指します。スポーツの試合のスコア、選挙の投票結果、アンケートの回答などを集計する際に用いられます。似た表現に「add up」がありますが、「tally up」はより正確な集計、特に手作業で行うニュアンスを含むことが多いです。例えば、「Let's tally up the votes to see who won.」のように使います。
(事実や情報と)一致する、符合する
※ 「tally with」は、ある情報やデータが別の情報と一致することを示すイディオムです。主にイギリス英語で使用され、アメリカ英語では「agree with」がより一般的です。科学的なデータ、証言、会計記録などが互いに矛盾なく合致している状況を説明する際に適しています。例えば、「His account of the events doesn't tally with the police report.」のように使います。
集計係、点検係
※ 「tally clerk」は、主に港湾や倉庫で、貨物の数量や種類を記録・点検する係員を指します。歴史的な背景を持つ言葉で、現代では「inventory clerk」や「stock clerk」といった表現がより一般的になっています。しかし、古い文献や歴史小説などでは、この言葉が使われることがあります。例えば、「The tally clerk carefully checked each crate as it was unloaded.」のように使います。
集計用紙、記録用紙
※ 「tally sheet」は、データを手動で集計・記録するための用紙を指します。アンケート調査、在庫管理、品質管理など、さまざまな分野で使用されます。現代では、コンピュータによるデータ処理が主流ですが、小規模な調査や現場での一時的な記録には、依然として「tally sheet」が利用されています。例えば、「Please use this tally sheet to record the number of defects.」のように使います。
~の記録を保つ/失う
※ 数量や経過などの記録を維持、または見失うことを意味します。「I lost tally of how many coffees I had today.(今日、何杯コーヒーを飲んだか分からなくなった)」のように使われ、日常的な場面でも使えます。ビジネスの文脈では、在庫数やプロジェクトの進捗などを管理できているか否かを示す際に使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや結果をまとめる際に使用されます。例えば、アンケート調査の結果を「回答者の意見を集計すると〜という傾向が明らかになった (Tallying the responses revealed a trend of...)」のように記述する際に使われます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、会議の議事録や業務報告書で、進捗状況や結果を記録・集計する際に用いられます。例として、「今月の売上を集計した結果、目標を達成しました(Tallying the sales for this month, we achieved our target.)」のように使われます。フォーマルな文脈で使用されます。
日常会話ではあまり使われませんが、ゲームのスコアや、イベントの参加人数などをざっくりと数える場面で使われることがあります。例えば、「誰が何ポイント獲得したか記録しておこう (Let's tally who got how many points.)」のように使います。ややくだけた言い方です。
関連語
類義語
『数える』という意味で、最も一般的な語。人や物を一つずつ数え上げる行為を指し、日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『tally』よりも中立的で、特定の目的や結果を強調しない。単に数を把握することに重点が置かれる。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使える。 【混同しやすい点】『count』は自動詞としても他動詞としても使えるが、『tally』は通常、他動詞として使われ、具体的な数や合計を目的語にとることが多い。また、『count on』で『頼る』という意味になるイディオムがある。
『計算する』という意味で、数学的な演算や複雑な計算を行う際に用いられる。ビジネスや科学技術分野で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】『tally』が単純な合計や記録を意味するのに対し、『calculate』はより複雑な処理や予測を含む。抽象的な概念や将来の予測にも使われる。 【混同しやすい点】『calculate』は、具体的な数値だけでなく、確率や可能性なども対象とする点が『tally』と異なる。また、『calculate』は名詞形『calculation』で『計算』という意味になる。
『計算する』『推測する』という意味で、主にイギリス英語で使われる。アメリカ英語では『思う』『考える』という意味合いが強い。インフォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『tally』が客観的な数値を数えるのに対し、『reckon』は主観的な判断や推測を含むことが多い。また、『reckon』は古風な響きを持つ。 【混同しやすい点】『reckon』は、アメリカ英語とイギリス英語で意味が異なるため、注意が必要。また、『reckon with』で『考慮に入れる』という意味になるイディオムがある。
『列挙する』という意味で、項目を一つずつ挙げて説明する際に用いられる。フォーマルな場面や学術的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『tally』が合計を出すことに重点を置くのに対し、『enumerate』は個々の項目を明確に示すことに重点が置かれる。詳細な説明や記録が必要な場合に適している。 【混同しやすい点】『enumerate』は、単に数えるだけでなく、それぞれの項目に言及する必要がある点が『tally』と異なる。また、『enumerate』はフォーマルな語であり、日常会話ではあまり使われない。
『合計する』という意味で、金額や数量などを合計する際に用いられる。ビジネスや会計の分野で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】『tally』とほぼ同義だが、『total』は名詞として『合計』という意味でも使われる点が異なる。また、『total』は形容詞として『全体の』という意味も持つ。 【混同しやすい点】『total』は、動詞、名詞、形容詞として様々な用法があるため、文脈によって意味を判断する必要がある。また、『total』は『完全な』という意味合いも持つことがある。
- sum up
『要約する』『合計する』という意味で、議論や情報をまとめる際や、金額や数量を合計する際に用いられる。日常会話からビジネスまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『tally』が単に数える行為を指すのに対し、『sum up』は結果をまとめる、結論を出すというニュアンスが強い。また、『sum up』はイディオムであり、動詞句として用いられる。 【混同しやすい点】『sum up』は、物理的な数だけでなく、抽象的な概念や状況をまとめる際にも使用できる点が『tally』と異なる。また、『sum up』は常に2語で構成される動詞句である。
派生語
- tallyman
『集計係』や『割賦販売人』を意味する名詞。中世英語で『tally』は割り符(割って数を記録する木片)を意味し、それを扱う人を指したことに由来。現代ではあまり使われないが、歴史的な文脈や特定の業界(例えば、税務や会計)で目にすることがある。語源的なつながりを理解する上で有用。
『合計』や『総計』を意味する名詞・動詞・形容詞。『tally』が集計の行為や結果を指すのに対し、『total』は最終的な合計値そのものを強調する。日常会話、ビジネス、学術論文など、あらゆる場面で非常に頻繁に使用される。語源的には、中世ラテン語の『totalis(全体の)』に遡り、『tally』と同様、数を数える概念と関連がある。
- untold
『語られていない』、『莫大な』という意味の形容詞。『tally』が集計・記録するという意味から派生し、『untold』は文字通りには『数えられていない』状態を指す。そこから転じて、『莫大な』、『計り知れない』という意味合いを持つようになった。ニュース記事や文学作品で、その規模や程度が非常に大きいことを強調する際に用いられる。
反意語
『不一致』や『相違』を意味する名詞。『tally』が合意や一致を示す文脈で使用される場合、その反対の意味を表す。単に数値が合わないだけでなく、意見や見解の不一致も含む。ビジネス会議や交渉、政治的な議論など、合意形成が重要な場面で頻繁に使われる。接頭辞『dis-』は否定や分離を表す。
『不和』や『不協和音』を意味する名詞。比喩的な意味合いが強く、『tally』が調和や一致を示すのに対し、『discord』は対立や混乱状態を表す。音楽、人間関係、社会情勢など、様々な文脈で使用される。特に、意見や感情の対立が激しい状況を表現する際に適している。
『過小評価する』という意味の動詞。『tally』が正確な数え上げや評価を意味するのに対し、『underestimate』はその反対に、実際よりも低い評価を与えることを指す。ビジネス、投資、リスク管理など、予測や評価が重要な場面で用いられる。接頭辞『under-』は『下』や『不足』を表す。
語源
「tally」は、中世ラテン語の「talea(刻み目のある棒、割り符)」に由来します。この「talea」は、さらにラテン語の「taleare(切る)」から派生しています。元々は、物を数える際に、木や棒に刻み目を入れて記録する方法に使われていました。この刻み目を入れた棒を半分に割って、取引の当事者がそれぞれ保管し、後で照合することで証拠としました。現代英語では、「合計する」「集計する」「記録する」といった意味で使用され、原義である「刻み目を入れる」という行為が、数を数える、記録するという意味に発展したことがわかります。日本の割り勘で使う「割符(わりふ)」の考え方と似ており、古代から情報を共有し、正確性を担保するための工夫が垣間見えます。
暗記法
「tally」は中世の割り符にルーツを持ちます。文字の読めない時代、木片の刻み目が取引の証でした。半分ずつを当事者が持ち、不正を防ぐ。それは単なる記録ではなく、信頼の証。現代では選挙の票集計、スポーツの得点計算、ビジネスの在庫管理…社会のあらゆる場面で「tally」は使われ、合意形成や責任の所在を明確にする、社会を支える象徴なのです。
混同しやすい単語
『tally』と『daily』は、語尾の『-ly』が共通しているため、発音を聞き間違えたり、スペルを混同しやすい。意味は『daily』が『毎日の』という形容詞または副詞であるのに対し、『tally』は『集計』や『記録』といった意味の名詞または動詞。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。また、発音も『tally』の /æ/ と『daily』の /eɪ/ は異なるため、注意して発音する必要がある。
『tally』と『valley』は、スペルが似ており、特に母音字の配置が似ているため、視覚的に混同しやすい。意味は『valley』が『谷』であるのに対し、『tally』は『集計』や『記録』。日本人学習者は、スペルを正確に記憶し、文脈から意味を判断する必要がある。発音も異なり、『tally』の /æ/ に対して、『valley』は /æ/ もしくは /ɪ/ で発音される。
『tally』と『ballet』は、語尾の音の響きが似ているため、発音を聞き間違えやすい。特に、語尾の弱母音の発音が曖昧になりがちな日本人学習者は注意が必要。意味は『ballet』が『バレエ』であるのに対し、『tally』は『集計』や『記録』。スペルも大きく異なるため、視覚的な混同は少ないと思われる。語源的には、『ballet』はイタリア語の『balletto』に由来し、『踊り』を意味する。
『tally』と『totally』は、どちらも副詞として使われる場合があり、語尾が『-ly』で終わるため、混同しやすい。意味は『totally』が『完全に』や『全く』といった程度を表すのに対し、『tally』は『集計する』という意味合いが強い。例えば、『totally agree』は『完全に同意する』という意味だが、『tally agree』は意味をなさない。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。
『tally』と『talon』は、最初の3文字が同じであるため、スペルを混同しやすい。意味は『talon』が『(猛禽類の)爪』であるのに対し、『tally』は『集計』や『記録』。発音も異なり、『tally』の /æ/ に対して、『talon』は /æl/ もしくは /eɪ/ で発音される。語源的には、『talon』は古フランス語の『talon』に由来し、『かかと』や『爪』を意味する。
『tally』と『tell』は、発音の最初の音が似ているため、聞き間違えやすい。特に、/t/ の音の後に続く母音の違いに注意する必要がある。意味は『tell』が『言う』や『伝える』といった意味の動詞であるのに対し、『tally』は『集計』や『記録』といった意味の名詞または動詞。例えば、『tell a story』は『物語を語る』という意味だが、『tally a story』は意味をなさない。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。
誤用例
「tally」は、数や量を数えたり、合計したりする意味合いが強い単語です。意見を『tally』すると、まるで意見の数を機械的に集計するような印象を与え、個々の意見のニュアンスや背景を軽視しているように聞こえる可能性があります。より適切なのは、意見の内容や重要性を考慮して『take stock of』(吟味する、評価する)を使うことです。日本人が『tally』を使いがちな背景には、日本語の『集計する』という言葉に安易に結びつけ、意見の多様性や深さを考慮しない、形式主義的な発想があるかもしれません。
『tally』は、客観的な事実や数字を数え上げ、結果を報告する際に適しています。政府の『成功』のような抽象的な概念を『tally』すると、成功の定義や評価基準が不明確になり、客観性に欠ける印象を与えます。ニュース報道で政府の成功を伝える場合は、『highlighted(強調した)』のように、特定の側面や成果を強調する表現がより適切です。日本人は『tally』を『まとめる』のような意味で捉え、抽象的な事柄にも安易に使ってしまう傾向がありますが、英語では具体的な数値や事実に基づいて結果を出す場合に限定されます。
『tally』は、勘定を記録したり、計算したりする意味合いがありますが、日常的な会話で『後で精算する』という意味で使うのは不自然です。友人や同僚との間でコーヒー代を精算するような場面では、『settle up(精算する)』や『square up(清算する)』といった口語的な表現がより適切です。日本人が『tally』を使いがちな背景には、『勘定を合わせる』という日本語を直訳的に捉え、フォーマルな印象のある『tally』を選んでしまうという傾向があるかもしれません。しかし、英語では日常的な場面ではよりカジュアルな表現が好まれます。
文化的背景
「tally」は、元来、物を数える際に使われた刻み目から派生し、記録、勘定、集計という行為そのものを象徴する言葉です。中世の会計システムに深く根ざし、社会の進歩とともにその意味合いを広げてきました。
中世ヨーロッパでは、識字率が低く、紙も貴重だったため、「tally stick(割り符)」という、木片に刻み目を入れて取引を記録する原始的な方法が広く用いられました。一本の棒を二つに割り、取引当事者がそれぞれ片方を保持することで、不正を防ぎました。この「tally stick」こそが、「tally」の語源であり、信頼と約束の証としての役割を担っていたのです。現代においても、「tally」は、単なる数字の集計を超え、合意形成や責任の所在を明確にするという、社会的な意味合いを帯びています。
「tally」は、単に過去の遺物ではありません。現代社会においても、様々な場面でその影響を見ることができます。例えば、選挙の開票速報で「票をtallyする」という表現は、単なる集計作業ではなく、民主主義の根幹を支える重要なプロセスを意味します。また、スポーツの世界では、得点を「tally up」することで、勝利への道筋を可視化します。ビジネスシーンでは、在庫を「tally」することで、経営状況を正確に把握し、戦略的な意思決定を支援します。
このように、「tally」は、単なる計算や記録を超え、社会の信頼、合意形成、そして進歩を支える象徴的な言葉として、私たちの生活に深く根ざしています。その背景にある歴史と文化を理解することで、「tally」という言葉が持つ奥行きと重みを、より深く感じることができるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で出題される可能性。級が上がるほど頻度も高まる。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題など、やや硬めのテーマで使われることが多い。意見論述問題の根拠としても用いられる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「集計する」「一致する」と、名詞としての「記録」「勘定」の意味を区別して覚える。派生語である「tally up」も覚えておくと良い。
1. 出題形式: Part 5, 6, 7(短文穴埋め、長文穴埋め、読解問題)。
2. 頻度と級・パート: 頻度は中程度。ビジネス関連の文書(報告書、会議の議事録など)で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 売上、在庫、アンケート結果など、数値データを扱う文脈で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「total」や「count」など、類似語との使い分けを意識する。ビジネスシーン特有の言い回しを覚えておくと有利。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。
2. 頻度と級・パート: アカデミックな内容の文章でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、学術記事など、データや数値を分析する文脈で用いられることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞・名詞の両方の用法を理解しておく。複雑なデータ分析に関する文章で出てくることが多いので、統計や数学に関する基本的な知識があると理解しやすい。
1. 出題形式: 主に長文読解。
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど出題頻度が高い。標準的な単語帳には掲載されていないことも。
3. 文脈・例題の特徴: 社会科学系のテーマ(経済、政治など)で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。和訳問題で「集計する」「記録」などの訳語を適切に使い分けられるようにする。