英単語学習ラボ

synthesis

/ˈsɪnθəsɪs/(スィンサシス)

第一音節に強勢があります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し横に引いて短く発音します。/θ/ は無声音で、舌先を上下の歯で軽く挟んで息を出す音です。最後に「ス」と発音しないように、/s/ で終わることを意識しましょう。

名詞

統合

複数の要素や情報を組み合わせて、より複雑で完全な全体を作り出すこと。レポート、論文、計画などで、様々なデータをまとめて結論を導き出す際に使われる。単なる寄せ集めではなく、有機的な結合を意味する。

Our team worked hard to make a synthesis of everyone's ideas for the new project.

私たちのチームは、新しいプロジェクトのために、みんなのアイデアを統合するために懸命に働きました。

この例文は、チームで様々な意見を出し合い、それを一つにまとめて新しい計画やアイデアを作る場面を描いています。みんなのバラバラな意見を「一つにまとめる」ことが、まさに「synthesis」の中心的な意味です。このように「make a synthesis of A (for B)」の形でよく使われます。

Learning about different cultures helped her make a beautiful synthesis of ideas for her story.

異なる文化について学ぶことは、彼女が物語のためにアイデアを美しく統合するのに役立ちました。

色々な国の文化を知ることで、彼女の頭の中で新しい物語のアイデアが鮮やかに組み合わさっていく様子を想像してみてください。「synthesis」は、このように「知識や経験を組み合わせて、新しいものを生み出す」という創造的な意味合いでも使われます。ここでは「help + 人 + (to) 動詞の原形」の構文も確認できますね。

The architect designed a building that was a perfect synthesis of modern style and traditional elements.

その建築家は、モダンなスタイルと伝統的な要素の完璧な統合である建物を設計しました。

この例文では、現代的なデザインと昔ながらの美しい要素が、見事に融合したユニークな建物を想像できます。「synthesis」は、異なる種類のものを組み合わせて、調和の取れた全体を作り出す、具体的な「融合」の意味合いも持ちます。特に「be a synthesis of A and B」の形でよく使われます。

名詞

合成

複数の物質や要素を化学反応によって結合させ、新たな物質を作り出すこと。化学、生物学、医学などの分野で、物質の生成過程を指す。

The chemist carefully worked on the synthesis of a new medicine in the lab, hoping for success.

化学者は研究室で、新しい薬の合成に成功を願いながら、注意深く取り組んでいました。

この例文は、科学者が新しい物質を『作り出す』、特に化学的な文脈での「合成」のイメージを鮮明に伝えます。白衣を着た科学者がフラスコを覗き込み、慎重に作業を進めている様子が目に浮かびますね。この『synthesis』は、複数の要素を組み合わせて新しいものを作り出す行為を指します。

The student spent hours on the synthesis of ideas for her big report, surrounded by many books.

その学生は、たくさんの本に囲まれて、大作レポートのためのアイデアの合成に何時間も費やしました。

ここでは『synthesis』が、様々な情報やアイデアを『まとめ上げて、新しい結論や議論を作り出す』という意味で使われています。机いっぱいの本や資料に囲まれ、必死に考えを巡らせる学生の姿が目に浮かびます。学術的な文脈でよく使われる典型的な例です。

Plants use sunlight for the synthesis of their own food, which is truly amazing to observe.

植物は、自分たちの食べ物を合成するために太陽の光を使います。それは本当に驚くべきことだと観察できます。

この例文は、植物が光を使って栄養を作り出す『光合成(photosynthesis)』のように、生物が体内で物質を作り出すプロセスとしての「合成」を表しています。太陽の光を浴びてすくすく育つ植物の生命力と、その仕組みの神秘性が伝わる場面です。科学的な説明でよく耳にする使い方ですね。

名詞

融合

異なる文化、思想、芸術などが混ざり合い、新しいものが生まれること。異なるスタイルの音楽を組み合わせる、異なる文化圏の料理を組み合わせる、といった場面で使用される。

This soup is a perfect synthesis of various herbs.

このスープは、様々なハーブの完璧な融合だ。

温かいスープを一口飲んだ時、様々なハーブの香りが絶妙に混ざり合い、今までになかった新しい美味しさが口いっぱいに広がる場面を想像してみてください。ここでは、異なるハーブが「融合」して、素晴らしい一つの味を作り出しています。「synthesis of A」や「synthesis of A and B」の形で、何と何が融合したのかを表すことが多いですよ。

The team achieved a good synthesis of everyone's ideas.

チームは皆のアイデアの良い融合を達成した。

会議室で、最初はバラバラだった皆のアイデアや意見が、活発な議論の末、最終的に一つにまとまり、より良い解決策や計画が生まれた場面です。ビジネスやプロジェクトの場面で、異なる要素をまとめ上げて、新しい結論を導き出すときに「synthesis」はよく使われます。「achieve a synthesis」で「融合を達成する」という自然な言い回しです。

Her new song is a fresh synthesis of pop and traditional music.

彼女の新しい曲は、ポップと伝統音楽の斬新な融合だ。

コンサート会場で、聴衆が初めて聴くその曲に心を奪われている場面を想像してください。ポップスの軽快さと伝統音楽の深みが、これまでにない形で組み合わさり、新しい感動を生み出しています。音楽や芸術の世界で、異なるジャンルやスタイルが混ざり合って、新しい魅力的な作品が生まれる時にも「synthesis」はぴったりです。「fresh」をつけることで、「斬新な」というニュアンスが伝わりますね。

コロケーション

synthesis of ideas

複数のアイデアを統合・融合すること

「synthesis」の中でも最も基本的なコロケーションの一つです。単にアイデアをまとめるだけでなく、それぞれの長所を生かし、新しい視点や解決策を生み出すニュアンスを含みます。ビジネスシーンや学術論文で頻繁に使われ、創造的な問題解決や戦略立案の文脈で重要視されます。類語の 'combination of ideas' より、より有機的で、相互作用を伴う結合を意味します。

chemical synthesis

化学物質を合成すること

化学分野で用いられる専門用語ですが、教養として知っておくと他の分野への応用も効きます。複数の化合物から、新たな化合物を作り出すプロセスを指します。有機化学、無機化学、生化学など、さまざまな分野で重要な技術です。比喩的に、異質な要素を組み合わせて新しいものを生み出すことを表す場合もあります。

data synthesis

複数のデータソースから情報を統合・分析すること

ビッグデータ時代において、非常に重要なスキルです。異なる形式や性質を持つデータをまとめ、全体像を把握したり、新たな洞察を得たりするプロセスを指します。統計学、情報科学、ビジネス分析など、幅広い分野で用いられます。'data analysis' が個々のデータの分析に焦点を当てるのに対し、'data synthesis' は複数のデータを組み合わせてより大きな意味を見出すことに重点を置きます。

literary synthesis

複数の文学作品や思想を統合して新たな解釈を生み出すこと

文学研究や批評において、複数の作品や思想を比較検討し、共通点や相違点を見出すことで、新たな解釈や理論を構築することを指します。単なる要約や比較を超え、より深い理解や洞察をもたらすことが目的です。例えば、複数の作家の作品を比較し、時代背景や社会状況との関連性を考察することで、新たな文学史観を提示するような場合が該当します。

policy synthesis

複数の政策を統合して、より効果的な政策を立案すること

政治学や行政学において、異なる分野の政策や、異なる立場の意見を調整し、全体として整合性の取れた政策を策定することを指します。対立する利害関係を調整し、より多くの人々にとって有益な政策を生み出すことが目的です。'policy coordination' が関係機関の連携を重視するのに対し、'policy synthesis' は、複数の政策を根本的に統合し、新たな政策を生み出すことに重点を置きます。

a synthesis of art and science

芸術と科学の融合

一見すると対照的な芸術と科学を組み合わせ、新たな価値や創造性を生み出すことを意味します。レオナルド・ダ・ヴィンチのように、芸術的な感性と科学的な知識を兼ね備えた人物を指す場合や、アートとテクノロジーを融合させた新しい表現方法を指す場合もあります。近年では、STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)の推進によって、ますます注目されています。

in synthesis with

~と調和して、~と一体となって

「synthesis」を前置詞句として用いる場合、全体の一部として調和している状態や、互いに補完し合っている状態を表します。例えば、「His philosophy is in synthesis with the natural world.(彼の哲学は自然界と調和している)」のように使われます。フォーマルな表現で、特に思想や哲学、芸術などの分野で用いられることが多いです。

使用シーン

アカデミック

学術論文、研究発表、教科書などで頻繁に使用されます。特に、複数の情報源を統合して新しい理論や結論を導き出す際に用いられます。例:『この研究は、過去の複数の研究の知見を総合(synthesis)し、新たなモデルを提唱している』。文語的で、客観性と論理性が重視される文脈です。

ビジネス

ビジネスの報告書、提案書、戦略会議などで使用されます。複数のデータや意見をまとめ、意思決定をサポートする際に用いられます。例:『市場調査のデータを総合(synthesis)すると、新たなターゲット層が見えてくる』。フォーマルな文体で、効率性と正確性が求められる場面に適しています。

日常会話

日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリー、あるいは趣味の話題などで、複雑な要素が組み合わさって何か新しいものが生まれる状況を説明する際に使われることがあります。例:『様々な音楽ジャンルの総合(synthesis)によって、このバンド独特のサウンドが生まれた』。やや硬い表現であり、より平易な言葉で言い換えられることが多いです。

関連語

類義語

  • 複数の要素を混ぜ合わせて一つにする、一般的な意味で使用される。日常会話、ビジネス、学術など幅広い場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"synthesis"よりも単純な結合や混合を指すことが多い。要素間の相互作用や新しい性質の創出といったニュアンスは弱い。 【混同しやすい点】"synthesis"が複雑な過程を経て新しいものを生み出すニュアンスを含むのに対し、"combination"は単に要素を組み合わせるという点で意味が異なる。例えば、料理のレシピはcombinationだが、新しい化学物質の生成はsynthesisである。

  • 複数の要素を統合し、全体として機能させることを意味する。システム、組織、社会などの文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"synthesis"が要素の融合による新しいものの創出を強調するのに対し、"integration"は要素間の協調と全体の一体化を強調する。ビジネスにおける部門統合や、社会における移民の受け入れなどが該当する。 【混同しやすい点】"integration"は、要素が互いに独立性を保ちつつ、全体の一部として機能することを示すのに対し、"synthesis"は要素が完全に融合し、元の形を留めない場合がある。統合されたシステムは各要素が独立して機能するが、合成された化合物は元の元素の性質を失う。

  • amalgamation

    異なるものを混ぜ合わせて一つにすること。特に、組織や企業などの合併を指すことが多い。フォーマルな文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"synthesis"と同様に、要素の融合を意味するが、より大規模で公式な合併や統合を指すことが多い。また、比喩的に、異なる文化や思想の融合を指す場合もある。 【混同しやすい点】"amalgamation"は、しばしば経済的、政治的な文脈で使用され、組織や企業の合併に限定されることが多い。一方、"synthesis"はより広い範囲で使用でき、抽象的な概念やアイデアの融合にも適用できる。

  • 溶け合って一体になること。物理的な融合(核融合など)や、文化、音楽などの融合を指す。比喩的な意味でも使われる。 【ニュアンスの違い】"synthesis"と同様に、要素の融合による新しいものの創出を意味するが、より劇的でエネルギーを伴う融合をイメージさせる。音楽のフュージョンや、核融合などが該当する。 【混同しやすい点】"fusion"は、熱や圧力などの強い力によって要素が融合するイメージが強いのに対し、"synthesis"はより穏やかで計画的な融合を意味することがある。フュージョン料理は異なる料理の要素を組み合わせるが、化学合成は計画的に分子を結合させる。

  • 複数の要素から構成されること。音楽、美術、文章など、芸術作品の構成を指すことが多い。また、物質の成分を指す場合もある。 【ニュアンスの違い】"synthesis"が要素の融合と新しいものの創出を強調するのに対し、"composition"は要素の配置と構造を強調する。音楽の作曲や絵画の構図などが該当する。 【混同しやすい点】"composition"は、要素が独立性を保ちつつ、全体の一部として機能することを示すのに対し、"synthesis"は要素が完全に融合し、元の形を留めない場合がある。オーケストラの構成は各楽器が独立して演奏するが、化学合成された化合物は元の元素の性質を失う。

  • compilation

    複数の情報を集めて一つにまとめること。音楽アルバムやデータ集など、既存のものを集めたものを指す。 【ニュアンスの違い】"synthesis"とは異なり、新しいものを創造するというよりは、既存のものを整理・収集するという意味合いが強い。 【混同しやすい点】"synthesis"は要素を組み合わせて新しいものを生み出すのに対し、"compilation"は既存のものを集めてまとめるだけである。新しい化学物質を合成するのはsynthesisだが、ベストアルバムを作るのはcompilationである。

派生語

  • 『合成する』という意味の動詞。『synthesis』から直接派生し、物質、情報、アイデアなどを組み合わせて新しいものを生み出す行為を表す。科学論文、ビジネス戦略、音楽制作など、幅広い分野で使用される。

  • 『合成の』『人工的な』という意味の形容詞。『synthesis』によって作られたものを指す。天然物に対して、人工的に作られた物質や概念を指すことが多い。化学、医学、哲学などの分野で頻繁に使用される。

  • synthesizer

    『シンセサイザー』。電子楽器の一種で、電気信号を合成して音を作り出す装置。『synthesize』する機械、という意味合い。音楽業界で広く使われ、音響技術の進歩を象徴する言葉でもある。

反意語

  • 『分析』。全体を構成要素に分解し、それぞれの性質や関係を明らかにするプロセス。『synthesis』が要素を統合して全体を構築するのに対し、『analysis』は全体を分解して理解を深める。研究、問題解決、意思決定など、様々な文脈で対比される。

  • 『分解』。特に物質がより単純な要素に分かれる過程を指す。物理的、化学的な文脈で用いられることが多い。『synthesis』が要素を組み合わせてより複雑なものを生み出すのとは対照的に、複雑なものが単純なものへと変化する過程を表す。

語源

"synthesis"は、ギリシャ語の"synthesis"(結合、構成)に由来します。これは"syn-"(共に、一緒に)と"thesis"(置くこと、配置)という二つの要素から成り立っています。つまり、文字通りには「一緒に置くこと」を意味します。"syn-"は、日本語の「シンフォニー」(交響曲)の「シン」と同じで、「共に響き合う」イメージです。"thesis"は、「テーゼ」(命題)などでおなじみで、「何かを提示する」意味合いを持ちます。したがって、synthesisは、複数の要素を一緒に配置し、組み合わせて新しい全体を構成するプロセスを指すようになりました。化学における「合成」や、複数のアイデアをまとめて結論を導き出す「統合」といった意味合いは、この語源的な意味から自然に派生したものです。

暗記法

「synthesis」は単なる結合ではない。ヘーゲルの弁証法のように、対立を経て高次な統一へ至る創造的行為を指す。それはまるで錬金術。異なる要素が結びつき、全く新しい性質を生み出す変容のプロセスだ。音楽のシンセサイザーのように、芸術や科学で革新をもたらす。グローバル化が進む現代、異なる文化や価値観の交錯から、新たな synthesis が生まれる。創造性、協調性、未来への希望を象徴する言葉なのだ。

混同しやすい単語

『synthesis』と『analysis』は、どちらも科学や研究で頻出する重要な単語ですが、スペルと意味が非常に似ているため混同されやすいです。『synthesis』は『統合、合成』を意味し、複数の要素を組み合わせて新しいものを作り出すプロセスを指します。一方、『analysis』は『分析』を意味し、全体を構成要素に分解して詳しく調べるプロセスを指します。接頭辞『syn-』(共に)と『ana-』(上に、離れて)が意味の違いを表しています。日本語でも『総合』と『分析』を間違えないように、英語でも意識的に区別することが重要です。

『synthesis』は名詞、『synthesize』は動詞であり、意味はそれぞれ『統合、合成』、『統合する、合成する』です。スペルも発音も非常に似ていますが、文脈によって品詞が異なるため、注意が必要です。例えば、『We need a synthesis of these ideas.(これらのアイデアの統合が必要だ)』と『We need to synthesize these ideas.(これらのアイデアを統合する必要がある)』のように使い分けます。英文を読んだり書いたりする際には、品詞を意識することが大切です。

『synthesis』と『thesis』は、どちらも語尾が『-sis』で終わる名詞であり、アカデミックな文脈でよく使われます。そのため、スペルと文脈から混同されることがあります。『thesis』は『論文、主張』を意味し、特に学位論文や研究論文における中心的な主張を指します。語源的には、ギリシャ語の『tithenai(置く)』に由来し、何かを『提示する』という意味合いがあります。論文のテーマを議論する際に、どちらの単語を使うべきか注意が必要です。

『synthesis』と『sympathy』は、どちらも接頭辞に『sym-』を含み、発音も似ているため、特に聞き取りにおいて混同しやすいです。『sympathy』は『同情、共感』を意味し、他者の感情を理解し、共有する感情を指します。語源的には、ギリシャ語の『sympatheia(共に感じる)』に由来します。例えば、『I have sympathy for you.(あなたに同情します)』のように使われます。文脈が全く異なるため、意味を理解していれば区別は容易ですが、発音に注意が必要です。

sinus

『synthesis』と『sinus』は、スペルの一部が似ており、特に母音の並び(i, u, e)が曖昧な発音になりがちなため、混同されることがあります。『sinus』は『洞(どう)』、特に医学用語で『副鼻腔』を意味します。また、数学では『正弦』を意味します。語源的には、ラテン語の『sinus(湾曲、くぼみ)』に由来します。医学や数学の文脈で登場することが多いため、そのような分野の文章を読む際には注意が必要です。

『synthesis』と『parenthesis』は、どちらも長めの単語で、スペルの一部が似ているため、視覚的に混同されることがあります。『parenthesis』は『丸括弧』または『挿入句』を意味します。文法用語として使われることが多く、文章の中で補足的な情報を加える際に用いられます。例えば、『This is a parenthesis (an extra comment).(これは括弧書きです(追加のコメント))』のように使われます。文章構造を理解する上で重要な単語ですが、『synthesis』とは文脈が大きく異なるため、意味を理解していれば区別は容易です。

誤用例

✖ 誤用: The synthesis of the project was completed successfully.
✅ 正用: The synthesis report for the project was completed successfully.

日本語の『プロジェクトの総括』という表現を直訳するとこのようになりがちですが、『synthesis』は名詞として『統合』『合成』という抽象的な概念を表し、具体的な成果物(レポート、論文など)を指すことは稀です。英語では、総括の内容をまとめた成果物(synthesis report, summary documentなど)を明示的に示す必要があります。日本人が『〜の総括』という表現を安易に『synthesis of ~』と訳してしまう典型的な誤用例です。

✖ 誤用: His speech was a good synthesis.
✅ 正用: His speech provided a good synthesis of the key arguments.

ここでの誤りは、synthesisが単独で『良い総括』という意味を持つと誤解している点にあります。synthesisは、複数の要素を統合して新しい全体像を作り出すプロセスや、その結果として得られる『統合されたもの』を指します。したがって、何について(of what)の統合なのかを具体的に示す必要があります。例えば、議論の要点をまとめたのであれば『synthesis of the key arguments』のように表現します。日本語の『彼のスピーチは良いまとめだった』という漠然とした表現を、英語でより具体的に表現する必要があるという良い例です。

✖ 誤用: The company is looking for a synthesis of new ideas.
✅ 正用: The company is looking for a synergy of new ideas.

『synthesis』は複数の要素を統合して新しいものを作り出すことを指しますが、『synergy』は複数の要素が組み合わさることで、個々の要素の合計よりも大きな効果を生み出すことを意味します。企業が新しいアイデアを求める文脈では、単に統合するだけでなく、相乗効果を期待している場合が多いので、『synergy』を使う方が適切です。日本語の『新しいアイデアの融合』という表現は、文脈によって『synthesis』と『synergy』のどちらにも解釈可能ですが、ビジネスシーンでは『synergy』の方がより適切です。また、ビジネスの場で安易にカタカナ英語の「シンセシス」を使うと、的外れな印象を与える可能性があります。

文化的背景

「synthesis(統合、合成)」は、単に要素を組み合わせるだけでなく、異なる思想や文化が融合し、新たな価値を生み出す創造的な行為を象徴します。西洋哲学においては、ヘーゲルの弁証法における「正・反・合」の概念の中心をなし、相反する意見や要素が対立・葛藤を経て、より高次の統一へと発展していく過程を表します。

この概念は、単なる足し算や混ぜ合わせとは異なり、錬金術的な変化、つまり、異なる性質を持つものが結びつき、全く新しい性質を持つものが生まれるプロセスを連想させます。中世ヨーロッパの錬金術師たちは、卑金属を金に変えようと試みましたが、彼らの探求は単なる物質変換に留まらず、精神的な変容、自己の完成を象徴するものでもありました。synthesisは、このような錬金術的なイメージを帯びて、個々の要素を超えた、より大きな全体性、調和、そして革新的な創造を意味する言葉として、文化的な深みを持つようになりました。

さらに、synthesisは、芸術や科学の分野においても、異なる要素を統合し、新たな表現や発見を生み出すプロセスを指します。例えば、音楽におけるシンセサイザーは、様々な音色を合成し、これまでになかった新しい音楽を生み出すことを可能にしました。また、科学においては、異なる分野の知識を統合することで、複雑な問題を解決したり、新しい理論を構築したりすることができます。このように、synthesisは、創造性、革新性、そして全体性を象徴する言葉として、現代社会においても重要な意味を持ち続けています。

現代社会においては、グローバル化の進展に伴い、異なる文化や価値観が交錯し、新たなsynthesisが求められています。異なる背景を持つ人々が協力し、知識や経験を共有することで、より創造的で革新的な解決策を生み出すことができるでしょう。synthesisは、単なる技術的なプロセスにとどまらず、人間の創造性、協調性、そして未来への希望を象徴する言葉として、私たちの社会においてますます重要な役割を果たすことになるでしょう。

試験傾向

英検

準1級・1級の長文読解、語彙問題で出題される可能性あり。特に、複数の情報源を統合して結論を導くような文脈で使われることが多い。級が上がるほど、抽象的な内容理解が求められる。動詞(synthesize)の形でも覚えておくこと。

TOEIC

Part 7の長文読解で稀に出題される。複数の情報を組み合わせて最終的な報告書を作成する、といったビジネスシーンで使われることが多い。類義語(integration, combination)との区別を意識する。Part 5,6での出題はまれ。

TOEFL

リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章、特に科学、社会科学分野でよく見られる。複数の研究結果を統合して新たな理論を構築する、といった文脈が多い。ライティングセクションでも、複数の情報源を引用・統合する際に使用できる。同義語・反意語を意識すること。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性あり。複数の要素を組み合わせて新しいものを生み出す、といった意味合いで使われることが多い。文脈から意味を推測する能力が重要。動詞形(synthesize)も合わせて覚えておくこと。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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