stubborn
第一音節にアクセントがあります。/ʌ/ は日本語の「ア」と「オ」の中間のような曖昧な音で、口をリラックスさせて短く発音します。「bər」の部分は、口を軽く開けて喉の奥から音を出すイメージです。最後の「n」は、舌先を上の歯の裏につけて発音します。日本語の「ん」よりも意識して発音するとより正確になります。
意地を張る
自分の意見や態度を固く守り、なかなか変えようとしない様子。論理的な理由よりも感情的な反発が強いニュアンスを含む。状況によっては「頑固な」「強情な」と訳される。
My little brother is so stubborn; he won't share his toys.
私の弟は本当に意地っ張りで、おもちゃを共有しようとしない。
※ 小さな子供が、自分のおもちゃを誰にも貸したくないと強く主張している場面が目に浮かびます。親が「もう、この子ったら!」と困っている様子です。`stubborn`は、特に子供が自分の意見や欲求を強く主張し、他人の言うことを聞かない「意地っ張り」な様子を表すときによく使われます。`won't` (will not) は「〜しようとしない」という強い拒否の意思を示す表現です。
My friend is too stubborn to admit he made a mistake.
私の友達は間違いを認めるにはあまりにも頑固だ。
※ 友達と何かについて話している最中に、相手が自分の非を絶対に認めようとしない、という状況です。あなたは少し呆れているかもしれません。`too A to B` は「BするにはAすぎる」という意味で、「あまりにも頑固なので、間違いを認めることができない」というニュアンスを表します。大人が自分の意見を頑として変えない、あるいは非を認めない場合にも`stubborn`が使われます。
The old dog was stubborn and refused to move from his favorite spot.
その老犬は頑固で、お気に入りの場所から動こうとしなかった。
※ 飼い主が犬に「さあ、お散歩に行こう」と声をかけても、お気に入りの場所から一歩も動こうとしない、そんな愛らしいけれど困った老犬の姿が目に浮かびます。`stubborn`は人間だけでなく、動物にも使われます。特に犬やロバなど、言うことを聞かず、頑として動こうとしない様子を表すのにぴったりです。`refused to do`は「~するのを拒否した」という意味で、`stubborn`な行動を具体的に示しています。
言うことを聞かない
指示や忠告に耳を傾けず、反抗的な態度を示す様子。子供や動物に対して使われることが多い。
The little boy was stubborn and didn't want to leave the park.
その小さな男の子は言うことを聞かず、公園から帰りたがりませんでした。
※ この例文では、公園で遊び続けたい子供が、お母さんが「もう帰ろうね」と言っても聞かずに、その場に踏みとどまっている様子が目に浮かびます。「stubborn」は、特に子供が自分の要求を通そうとして言うことを聞かない、わがままな態度を表すときによく使われます。親が「困ったなぁ」と感じている場面が想像できますね。
My dog is very stubborn when he sees a squirrel. He won't move!
うちの犬はリスを見るととても言うことを聞きません。まったく動きません!
※ 散歩中に愛犬がリスを見つけて、その場から一歩も動こうとしない、そんな日常のワンシーンです。リードを引っ張っても、どんなに声をかけても、目的を達成するまでは動かない犬の「頑固さ」が伝わってきます。「stubborn」は、このように動物が特定の状況で言うことを聞かない、動かない様子を表すのにもぴったりな言葉です。
My boss is very stubborn about his ideas, so it's hard to change his mind.
私の上司は自分の考えについてはとても頑固なので、彼の意見を変えるのは難しいです。
※ 会議や議論の場で、上司が自分の意見を絶対に曲げようとしない、そんな状況を表しています。周りの人が説得しようとしても、頑として自分の考えを変えない「頑固さ」が「stubborn」で表現されています。ここでは「自分の意見や考えを変えない」という、大人の「意地っ張り」な側面が伝わります。'change his mind'(彼の考えを変える)とセットで覚えると、さらに使いこなせるようになりますよ。
コロケーション
頑固な一面、気難しいところ
※ 「streak」は「一筋の線」や「傾向」を意味し、人の性格を表す際に「(特定の)気質、性質」という意味合いで使われます。「a stubborn streak」は、その人が普段はそうでないかもしれないが、時折見せる頑固な一面を指します。例えば、「He's usually easygoing, but he has a stubborn streak when it comes to his work.(彼は普段は大らかだけど、仕事のことになると頑固な一面がある)」のように使われます。これは、完全な「a stubborn person」よりも、ニュアンスが柔らかく、受け入れやすい表現です。家族や親しい友人について話す際によく使われます。
断固とした拒否、頑としての拒絶
※ 「refusal」は「拒否」という意味ですが、「stubborn」がつくことで、その拒否が単なる嫌悪感からくるものではなく、強い意志に基づいていることを強調します。例えば、「his stubborn refusal to compromise(彼の断固とした妥協拒否)」のように使われ、交渉や議論の場面で、相手が一切譲歩する気がないことを表す際に用いられます。ビジネスや政治的な文脈で比較的よく見られる表現です。
ラバのように頑固
※ ラバは非常に辛抱強く、力持ちですが、一度嫌なことがあると動かなくなることで知られています。このことから、「stubborn as a mule」は、非常に頑固で、説得が難しい人を指す典型的な比喩表現です。口語的で、ユーモラスな響きがあり、親しい間柄で使われることが多いです。同様の意味で「stubborn as an ox」という表現もありますが、こちらはより力強さ、不屈の精神といったニュアンスを含みます。
落ちにくいシミ、頑固な汚れ
※ 物理的な汚れだけでなく、比喩的に「過去の汚点」や「拭い去れない記憶」を指すこともあります。文字通りの意味では、洗濯や掃除の場面で使われ、「This stubborn stain won't come out no matter what I try!(何をしてもこの頑固なシミが落ちない!)」のように使われます。比喩的な意味では、例えば「the stubborn stain of slavery on American history(アメリカ史における奴隷制という拭い去れない汚点)」のように使われ、より深刻な問題や過去の過ちを表す際に用いられます。
しつこい咳、なかなか治らない咳
※ 風邪やインフルエンザが治った後も長引く咳を指します。医学的な文脈でも、日常会話でも使われます。「I've had a stubborn cough for weeks.(数週間、しつこい咳が続いている)」のように使われ、症状の持続性と苦痛を強調します。類似の表現として「persistent cough」がありますが、「stubborn cough」の方が、症状がなかなか改善しないというニュアンスがより強く伝わります。
苦戦する、困難な戦いに挑む
※ 「battle」は「戦い」を意味しますが、「stubborn」がつくことで、その戦いが非常に困難で、なかなか勝利が見えない状況を表します。病気との闘いや、不況下での事業継続など、様々な困難な状況に使われます。例えば、「fight a stubborn battle against cancer(癌との苦しい闘い)」のように使われ、困難な状況に立ち向かう強い意志を表現します。ビジネスシーンでも、「fighting a stubborn battle against declining sales(売上減少との苦戦)」のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、対象の性質や特性を客観的に記述する際に用いられます。例えば、心理学の研究で「被験者は自身の意見に対して頑固な傾向を示した (The subjects showed a stubborn tendency regarding their own opinions)」のように使われます。また、経済学において「市場は構造的な変化に対して頑固に抵抗する (The market stubbornly resists structural changes)」のように、変化への抵抗を示す際に用いられることもあります。
ビジネスシーンでは、会議の議事録や人事評価などの文書で、人の性質を婉曲的に表現する際に使われることがあります。例えば、「彼は交渉において頑固な面がある (He has a stubborn side in negotiations)」のように、直接的な批判を避けつつ、改善点を伝えるニュアンスで使用されます。また、プロジェクトの進捗が遅れている状況を説明する際に、「問題点がなかなか解決されず、状況は頑固として変わらない (The situation stubbornly remains unchanged)」のように、停滞状態を表すこともあります。
日常会話では、家族や友人など親しい間柄で、相手の行動や態度をややユーモラスに、または軽い非難を込めて表現する際に使われることがあります。例えば、「彼は一度決めたら頑固だから、何を言っても無駄だよ (He's so stubborn once he's made up his mind, there's no point in saying anything)」のように使われます。ただし、相手によっては不快感を与える可能性もあるため、使用には注意が必要です。ニュースやドキュメンタリーでは、紛争や政治的な対立などを報道する際に、「交渉は決裂し、双方は頑固な態度を崩していない (Negotiations have broken down, and both sides remain stubbornly opposed)」のように、膠着状態を表すために用いられることがあります。
関連語
類義語
自分の意見や行動を固執し、他人の説得や忠告を受け入れない様子。フォーマルな場面や、やや否定的なニュアンスで使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"stubborn"よりも強く、理屈や論理よりも感情的な意固地さを示す傾向がある。また、対象は人だけでなく、問題や状況に対しても使われる。 【混同しやすい点】"stubborn"よりも使われる頻度が低いこと、そして、より強く、非難に近いニュアンスを持つ場合があることを意識する必要がある。また、学術的な文脈でも見られる。
- pigheaded
非常に頑固で、愚かなほどに自分の意見にしがみつく様子。非常にネガティブな意味合いを持ち、侮蔑的な表現。 【ニュアンスの違い】"stubborn"よりもずっと強い非難の意を含む。相手を侮辱するニュアンスが強く、親しい間柄でも慎重に使うべき表現。 【混同しやすい点】この言葉は非常に攻撃的な意味合いを持つため、使用する状況を慎重に判断する必要がある。フォーマルな場面では絶対に避けるべき。
自分の意志が強く、人の意見を聞かずに自分のやりたいように行動する様子。若者や子供に対して使われることが多い。必ずしもネガティブな意味ではなく、自立心の強さを示す場合もある。 【ニュアンスの違い】"stubborn"が単なる頑固さを示すのに対し、"headstrong"は意志の強さ、独立心の強さを強調する。文脈によっては肯定的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】大人が"headstrong"と表現される場合は、批判的な意味合いが強くなることが多い。対象年齢や文脈によって意味合いが大きく異なる点に注意。
- willful
自分の意志で何かをしようとする様子。良い意味でも悪い意味でも使われる。悪い意味では、わがままで言うことを聞かないという意味になる。 【ニュアンスの違い】"stubborn"よりも強い意志の力を示唆し、良い意味では決意の固さ、悪い意味では意図的な反抗を表す。文脈によって評価が変わる。 【混同しやすい点】良い意味と悪い意味の両方があるため、文脈をよく理解する必要がある。特に、法律用語では「故意の」という意味で使われることがある。
柔軟性がない、融通が利かないという意味。人だけでなく、規則や制度など、抽象的なものに対しても使える。 【ニュアンスの違い】"stubborn"が人の性質を表すのに対し、"inflexible"は性質だけでなく、組織やシステムなどの硬直性を表すことができる。より客観的な表現。 【混同しやすい点】人に対して使う場合、"inflexible"は性格だけでなく、考え方や行動様式が固定化されていることを指す。感情的な頑固さよりも、論理的な硬直性を強調する。
- obdurate
冷酷で、感情に訴えても動かない様子。非常にフォーマルな表現で、日常会話ではほとんど使われない。 【ニュアンスの違い】"stubborn"よりも感情的な共感の欠如を強調し、相手の苦しみや訴えを無視するようなニュアンスを含む。文学作品や法律関係の文章でよく見られる。 【混同しやすい点】日常会話ではほとんど使われないため、使用する場面を誤ると不自然に聞こえる。また、意味が難解なため、誤解を招く可能性もある。
派生語
- obstinacy
『頑固さ』『強情』という意味の名詞。「stubborn」が持つ性質や状態を抽象化した語。日常会話よりも、ややフォーマルな文脈や、人の性格を分析する際に使われることが多い。例えば、『彼のobstinacyが交渉を困難にした』のように使われる。
『頑固な』『強情な』という意味の形容詞。「stubborn」とほぼ同義だが、よりフォーマルな印象を与える。学術論文やビジネス文書でも使用される。例えば、『obstinate resistance(頑強な抵抗)』のように使われる。
『設立する』『確立する』という意味の動詞。語源的に「sta-(立つ、固定する)」という要素を共有し、「頑固さ」のイメージから「しっかりと確立する」という意味に発展した。ビジネスや学術分野で頻繁に使われ、『establish a company(会社を設立する)』や『establish a theory(理論を確立する)』のように用いられる。
反意語
『柔軟な』という意味の形容詞。「stubborn」が変化を拒むのに対し、「flexible」は状況に応じて容易に変化できることを意味する。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、『flexible working hours(フレックスタイム制)』のように用いられる。
『従順な』『言いなりになる』という意味の形容詞。「stubborn」が自己の意志を強く貫くのに対し、「compliant」は他者の指示や要求に素直に従うことを意味する。ビジネスシーンで、『compliant with regulations(規制に準拠する)』のように使われる。
- yielding
『素直な』『譲歩的な』という意味の形容詞。「stubborn」が譲らないのに対し、「yielding」は相手の意見を受け入れたり、状況に応じて譲歩したりする態度を表す。交渉や議論の文脈で、『yielding to pressure(圧力に屈する)』のように用いられる。
語源
"stubborn"は、中英語の"stoborn"に由来し、さらに古い英語の"stubb"(切り株、根株)に関連しています。もともとは、切り株のように動かない、頑固な様子を表していました。"stub"自体は、古ノルド語の"stubbr"(切り株)から来ていると考えられています。つまり、文字通り「木の切り株」のように、一度根を下ろすと動かない、譲らないイメージが、人の性質を表す言葉として転用されたのです。日本語で例えるなら、「石にかじりついてでも」という表現に近いかもしれません。切り株が地面にしっかりと根を張っているように、人が意見や態度を固守する様子を連想させます。このように、自然界の具体的なイメージが抽象的な概念を表す言葉へと発展した好例と言えるでしょう。
暗記法
「頑固さ」は、西洋では信念を貫く強さの象徴。開拓時代には、不屈の精神として肯定的に捉えられました。文学では、社会規範に挑む主人公の姿に。しかし、産業革命以降は変化を拒む保守性として否定的に。現代では多様性尊重の文脈で再評価されるも、自己中心的であれば反発も。信念と共感のバランスが重要。頑固さは、時代と文脈で意味を変える、奥深い言葉なのです。
混同しやすい単語
『stubborn』と『stubble』は、最初の数文字が同じで、発音も似ているため、混同しやすいです。『stubble』は名詞で「(刈り取った後の)切り株、無精ひげ」という意味です。特に、発音記号の母音部分が曖昧母音で似ているため、注意が必要です。
『stubborn』と『suborn』は、最初の3文字が同じで、発音も一部似ています。『suborn』は動詞で「(人を)買収する、そそのかす」という意味です。意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。接頭辞 'sub-' が共通しているため、語源的な関連を連想してしまうかもしれませんが、直接的な関係はありません。
『stubborn』と『stub』は、語幹が共通しており、発音も似ています。『stub』は名詞で「(鉛筆などの)短い残り、半券」という意味です。形容詞『stubborn』と名詞『stub』という品詞の違いに注意し、文脈で判断しましょう。語源的には『stubborn』は『stub』から派生した言葉で、元々は「切り株のように動かない」という意味合いがあります。
『stubborn』の後半部分と『burn』は、発音が似ています。特に、ネイティブの発音では『stubborn』の 'orn' の部分が弱く発音されるため、『burn』と聞こえることがあります。『burn』は動詞で「燃える、焼ける」という意味です。全く異なる意味なので、文脈で判断する必要があります。また、『born』などの類似音の単語にも注意が必要です。
『stubborn』の末尾の発音 '-born' と、動詞『bear』の過去分詞である『borne』の発音が非常に似ています。『borne』は「運ばれた、耐えられた」という意味を持ちます。スペルも似ているため、リスニングだけでなく、リーディングの際にも注意が必要です。文脈から判断することが重要です。
『stubborn』という単語の中に含まれる母音の音の響きが、英語の『pattern』という単語の母音の音の響きと共通する部分があるため、スペルや発音がごっちゃになりやすいという点で選びました。『pattern』は名詞で「模様、型」という意味です。発音記号を確認して違いを意識することが重要です。
誤用例
『stubborn』は日本語の『頑固』と訳されることが多いですが、多くの場合ネガティブなニュアンスを持ちます。単に議論に強い、意見を曲げないという状況を表すには、より中立的な『assertive(自己主張が強い)』を使う方が適切です。日本人は『頑固』を『信念がある』と好意的に解釈することがありますが、英語の『stubborn』は柔軟性の欠如や反発心を意味することが多い点を理解する必要があります。日本語→英語変換の際に、安易に『頑固=stubborn』としないことが重要です。
『stubborn』は形容詞であり、特定の前置詞と結びつきやすい性質があります。『stubborn to』という形は一般的ではなく、『stubborn about』または『stubborn in』が正しい形です。例えば、『He is stubborn about his beliefs.(彼は自分の信念を頑なに守っている)』のように使います。日本人は、動詞の『accept』を伴う際に『to』を使ってしまいがちですが、これは不定詞の用法と混同している可能性があります。形容詞の後に続く前置詞は、特定のコロケーションとして覚える必要があります。
『stubborn』はネガティブな意味合いが強く、特にフォーマルな文脈では不適切になることがあります。相手の意見を聞き入れない態度を表現する際に、より客観的で尊敬の念を含んだ表現として『resolute(断固とした)』を使う方が適切です。ビジネスシーンや公的な場では、相手を尊重する姿勢が重要であり、『stubborn』のような直接的な表現は避けるべきです。日本人は、相手に直接的な批判をすることを避ける傾向がありますが、英語でも同様に、状況に応じた適切な語彙を選ぶことが大切です。特に、相手の行動に対する評価を下す際には、言葉選びに注意が必要です。
文化的背景
「stubborn」(頑固)は、西洋文化において、必ずしも否定的な意味合いだけを持つわけではありません。時にそれは、信念を貫く強さや、逆境に立ち向かう不屈の精神の象徴ともなりえます。しかし、その頑固さが、自己中心的で融通の利かない態度として現れる場合、周囲との摩擦を生み、孤立を招くこともあります。
「stubborn」という言葉が持つ二面性は、歴史的な文脈からも見て取れます。例えば、開拓時代のアメリカでは、厳しい自然環境の中で生き抜くために、頑固なまでの意志の強さが求められました。土地を開墾し、家を建て、コミュニティを築き上げるには、困難に屈しない不屈の精神が必要だったのです。そのため、「stubborn」は、時に「self-reliant」(自立心旺盛)や「determined」(決意が固い)といった肯定的な意味合いと結びついて用いられました。文学作品においても、頑固な主人公は、社会の規範や既成概念に挑戦し、自身の信念を貫く存在として描かれることがあります。彼らはしばしば、社会の進歩や変革の原動力となるのです。
一方で、産業革命以降の社会では、「stubborn」は、変化を拒む保守的な態度や、組織の効率性を阻害する要因として、否定的に捉えられる傾向が強まりました。画一的な働き方や、上意下達の組織構造においては、個人の頑固さは、組織全体の足並みを乱すものと見なされたのです。また、階級社会においては、下層階級の人々が、現状に甘んじている、あるいは教育を受け入れない態度を指して「stubborn」という言葉が使われることもありました。これは、社会的な不平等や偏見を反映した使われ方であり、言葉の持つ負の側面を浮き彫りにしています。
現代社会においては、「stubborn」は、個人の価値観や多様性を尊重する文脈で、再び肯定的な意味合いを取り戻しつつあります。自分の意見をしっかりと持ち、他者の意見に流されない姿勢は、自己主張の強さとして評価されるようになりました。ただし、その頑固さが、相手の立場や気持ちを理解しようとしない、一方的な主張に終始する場合には、やはり否定的な評価を受けることになります。「stubborn」という言葉は、その使われ方や文脈によって、肯定的な意味にも否定的な意味にもなりうる、非常にニュアンス豊かな言葉なのです。自己の信念を貫く強さと、他者への理解と共感のバランスを保つことが、現代社会における「stubborn」との賢い付き合い方と言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにライティングの自由英作文で類義語を避けるために使用。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で出題頻度が高い。特に1級の語彙問題で問われる可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、人物評伝など、意見や性格を表す文脈で登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「頑固な」「強情な」という意味に加え、良い意味での「断固とした」ニュアンスも含む場合がある。類義語の「obstinate」「persistent」との使い分けを意識。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。
2. 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻繁に出題される。ビジネスシーンでの人物評価や交渉の場面で使われることが多い。
3. 文脈・例題の特徴: プロジェクトの進捗、チーム内の人間関係、顧客との交渉など、ビジネス関連の文脈で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでは、必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、「信念を持って譲らない」というポジティブな意味合いで使われることもある。文脈から判断することが重要。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。ライティングセクションで意見を述べる際に使用することもある。
2. 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で議論や意見を述べる際に使われる。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、心理学など、様々な分野のアカデミックな文章で登場。人物の性格描写や行動原理の説明に用いられる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈では、単に「頑固」という意味だけでなく、「容易には意見を変えない」というニュアンスで使われることが多い。同意語・反意語をセットで覚えておくと理解が深まる。
1. 出題形式: 長文読解問題が中心。文脈から意味を推測する問題や、同意語を選ぶ問題として出題される。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で頻出。評論文や物語文など、様々なジャンルの文章で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 人物の性格描写、社会現象の説明、歴史的事件の背景など、幅広い文脈で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味合いが異なるため、前後の文脈から正確な意味を把握することが重要。類義語との微妙なニュアンスの違いを理解しておくと、より正確に読解できる。