英単語学習ラボ

steam

/stiːm/(スティーム)

母音 /iː/ は日本語の「イー」よりも長く伸ばし、口角を左右に引くことを意識しましょう。日本語の『イ』よりも緊張感のある音です。語尾の 'm' は、口を閉じて鼻から息を出すように発音します。唇をしっかりと閉じることがポイントで、口を閉じる前に母音の音が弱まらないように注意してください。

名詞

蒸気

水が沸騰して気体になった状態。湯気。比喩的に、エネルギーや勢いを表すこともある。

I saw steam rising from my hot coffee cup this morning.

今朝、熱いコーヒーカップから湯気が立ち上っているのが見えました。

この例文は、温かい飲み物から立ち上る「湯気」という、日常で最もよく目にする「steam」の光景を描いています。朝のコーヒータイムの情景が目に浮かび、温かい気持ちになりますね。「rising from ~」で「~から立ち上る」という、湯気の動きを自然に表現できます。

Steam gently rose from the cold lake in the early morning.

早朝、冷たい湖から湯気が静かに立ち上っていました。

寒い日の朝、水面から霧のように立ち上る「湯気(蒸気)」の情景です。自然の中で見られる美しい現象を表現しており、「steam」が単に熱いものから出るだけでなく、温度差によって発生する様子も示しています。「rose」は「rise(立ち上る)」の過去形です。

Lots of steam came out of the pot when I opened the lid.

蓋を開けると、鍋からたくさんの湯気が出てきました。

料理中のキッチンでの「steam」の典型的な使い方です。鍋ややかんでお湯を沸かしたり、蒸し料理をしたりする際に、勢いよく出てくる「湯気」をイメージできます。五感に訴えかけ、熱気や料理の匂いまで伝わってきそうです。「came out of ~」は「~から出てきた」という意味で、勢いよく湯気が出る様子を表すのにぴったりです。

動詞

蒸す

水蒸気で食品を加熱調理すること。また、蒸気機関などで動力を発生させること。

My mom always likes to steam fresh vegetables for dinner.

母はいつも夕食に新鮮な野菜を蒸すのが好きです。

この例文は、家庭での日常的な調理風景を描いています。お母さんが家族のために、湯気の立つ蒸し器で色とりどりの野菜を蒸している様子が目に浮かびますね。「steam」は、食べ物を健康的に調理する方法として非常によく使われます。特に野菜は、蒸すことで栄養を逃がさず、素材本来の甘みや食感を楽しめます。

The chef carefully steamed the whole fish to keep it tender.

シェフは魚全体を丁寧に蒸して、柔らかく保ちました。

この例文は、プロの料理人が食材を扱う場面をイメージさせます。高級レストランの厨房で、シェフが繊細な魚料理のために、最高の状態を保つよう心を込めて蒸している情景が伝わりますね。「carefully(丁寧に)」という言葉が、そのプロ意識を際立たせています。魚を蒸すことで、身がふっくらと柔らかく仕上がる様子がよくわかります。

I often steam chicken and broccoli for a healthy lunch.

健康的な昼食のために、私はよく鶏肉とブロッコリーを蒸します。

この例文は、健康意識の高い人が、自分のためにヘルシーな食事を用意する場面を描いています。忙しい中でも、栄養バランスを考えて手軽に蒸し料理を作る、そんな日常が目に浮かびますね。「steam」は、油を使わずに調理できるため、ダイエット中や健康に気を配りたい時にぴったりの方法です。シンプルな食材でも、蒸すことで美味しくいただけます。

動詞

立ち上る

感情やエネルギーが勢いよく湧き上がる様子。抑えきれない感情が表に出るイメージ。

Every morning, my freshly brewed coffee always steams gently.

毎朝、淹れたてのコーヒーはいつも静かに湯気を立てます。

これは、朝のキッチンで淹れたてのコーヒーから湯気がゆらゆらと立ち上る、穏やかな情景を描いています。温かい飲み物や料理が「湯気を立てる」という、動詞「steam」の最も一般的で自然な使い方です。静かに立ち上る様子が「gently」で表現され、五感に訴えかけます。

The freshly cooked pasta steamed on the plate, making me hungry.

できたてのパスタが皿の上で湯気を立てていて、私をお腹が空かせました。

この例文は、食卓に運ばれてきたばかりの温かい料理が湯気を立てている様子を伝えます。湯気が食欲をそそるという、具体的な感情の動きも描写されていますね。このように「~が湯気を立てる」と、料理そのものが主語になる使い方も非常に自然です。

The hot spring water steamed gently into the chilly air.

温泉の湯は、冷たい空気の中へ静かに湯気を立てた。

寒い屋外で、温かい湯気(蒸気)が立ち上る様子を描写しています。特に温泉地や、寒い日の地面などから湯気が立ち上る情景でよく使われます。「into the chilly air」という表現で、湯気がどこへ向かっているのか、その場の冷たさも感じ取れる、鮮やかなミニ・シーンです。

コロケーション

steam up

(窓や鏡などが)曇る

物理的に水蒸気が冷たい表面に触れて凝縮し、視界を遮る状態を指します。特に、寒い日に暖房の効いた車内や、お風呂場の鏡などでよく見られる現象です。比喩的に、感情が高ぶりすぎて冷静さを失うという意味で使われることもあります(例: "He got all steamed up about the issue.")。口語表現として一般的です。

steam ahead

(計画や活動などが)勢いよく進む、順調に進む

文字通りには蒸気船が勢いよく進む様子を表しますが、比喩的には、困難をものともせずに計画や活動が順調に進展することを意味します。ビジネスシーンやプロジェクトの進捗状況を説明する際によく用いられます。「The project is steaming ahead despite the initial setbacks.(当初の遅れにもかかわらず、プロジェクトは順調に進んでいます。)」のように使います。

full steam ahead

全速前進、全力を尽くして

"steam ahead"をさらに強調した表現で、文字通り蒸気機関車が全速力で進む様子から来ています。比喩的には、計画やプロジェクトなどを最大限の努力と資源を投入して進めることを意味します。ビジネスシーンでよく使われ、強い決意やコミットメントを示す際に適しています。例えば、新製品の発売に向けて「full steam ahead」で準備を進める、といった使い方をします。

run out of steam

息切れする、失速する、やる気をなくす

文字通りには蒸気機関車が蒸気を使い果たして動けなくなる様子を表します。比喩的には、人やプロジェクトがエネルギーや熱意を使い果たし、勢いを失うことを意味します。長期間にわたる努力や活動の後によく見られる現象です。「After months of hard work, he ran out of steam.(数ヶ月のハードワークの後、彼は息切れしてしまった。)」のように使われます。

blow off steam

ストレスを発散する、憂さ晴らしをする

蒸気機関車の余分な蒸気を放出することから派生した表現で、比喩的には、溜まった怒りやストレスを発散することを意味します。運動をする、趣味に没頭する、友人とおしゃべりするなど、様々な方法で「blow off steam」することができます。日常会話でよく使われる表現です。例:「I went for a run to blow off some steam.(ストレスを発散するために走りに行った。)」

steam from (something)

(何かが)湯気を立てる

物理的な現象を表す表現で、熱いものが冷たい空気と触れて湯気を発生させる様子を指します。例えば、「The hot soup steamed from the bowl.(熱いスープが器から湯気を立てていた。)」のように使われます。比喩的な意味合いはあまりありませんが、視覚的な描写を豊かにするために用いられます。

steam iron

スチームアイロン

衣服のしわを伸ばすために、蒸気を利用するアイロンのこと。比較的新しい技術を用いたアイロンで、従来のドライアイロンよりも生地を傷めにくいとされています。家電製品のカテゴリーでよく使われる表現です。

使用シーン

アカデミック

工学系の論文や講義で、蒸気機関や熱力学に関する説明で頻繁に使用されます。「The steam turbine efficiency was evaluated.(蒸気タービンの効率が評価された)」のように、研究結果の記述に用いられることが多いです。また、比喩表現として、心理学や社会学の研究で、ある傾向や雰囲気が徐々に高まる様子を「steam」を使って表現することもあります。「The movement is gaining steam.(その運動は勢いを増している)」といった用法が見られます。

ビジネス

ビジネス文書や会議で、プロジェクトや計画が勢いを増している状況を表現する際に使われることがあります。「The project is gathering steam.(プロジェクトは勢いを増している)」のように、進捗報告などで用いられます。また、チームメンバーがプレッシャーを感じている状況を指して、「They are running out of steam.(彼らは息切れしている)」と表現することもあります。ただし、日常会話ほど頻繁には使われません。

日常会話

料理をする際に「蒸す」という意味で使われることがあります。「I'm going to steam the vegetables.(野菜を蒸します)」のように、日常的な会話で用いられます。また、サウナや温泉で「蒸気」を意味する名詞としても使われます。「The steam in the sauna was very hot.(サウナの蒸気はとても熱かった)」のように、体験を語る際に登場します。比喩表現としては、怒りや興奮がこみ上げてくる様子を「steaming mad(激怒している)」と表現することがあります。

関連語

類義語

  • 気体となった水の状態を指す。科学的な文脈や、物理的な現象を説明する際に用いられる。不可算名詞。 【ニュアンスの違い】"steam"はより日常的な表現で、目に見える湯気や蒸気を指すことが多い。一方、"vapor"はより一般的な気体や、化学物質の蒸気など、広範な意味を持つ。 【混同しやすい点】"steam"は動詞としても名詞としても使われるが、"vapor"は主に名詞として使われる。また、"steam"は蒸気機関など、特定の用途を連想させる場合がある。

  • (通常、有害な)煙や蒸気を意味する。化学物質や燃焼によって発生する、刺激臭のある煙を指すことが多い。名詞、動詞として使用。 【ニュアンスの違い】"steam"は単に水蒸気を指すが、"fume"は有害または不快な物質を含んだ蒸気を指す。感情的な意味合いとして、怒りで興奮することを"fume"で表現することもある。 【混同しやすい点】"fume"は常にネガティブな意味合いを持つが、"steam"は中立的な意味合いで使用される。例えば、料理の蒸気は"steam"だが、工場の排煙は"fume"となる。

  • reek

    不快な臭いを放つことを意味する。動詞として、または名詞として使われる。主にネガティブな意味合いを持つ。 【ニュアンスの違い】"steam"は臭いを伴わない水蒸気を指すが、"reek"は強い悪臭を伴う。比喩的に、不快な状況や不正な行為を指すこともある。 【混同しやすい点】"steam"は物理的な現象を指すのに対し、"reek"は臭いという感覚的な経験を指す。また、"reek"は"of"を伴って臭いの源を示すことが多い(例:reek of corruption)。

  • 汗をかくこと、または汗そのものを指す。肉体的な努力や暑さ、緊張などによって生じる。名詞、動詞として使用。 【ニュアンスの違い】"steam"は水蒸気を意味するが、"sweat"は体から分泌される液体を指す。比喩的に、困難な状況や努力を表すこともある。 【混同しやすい点】"steam"は熱や蒸気によって生じるが、"sweat"は体温調節や感情的な反応によって生じる。また、"sweat"は努力や苦労の象徴として使われることが多い(例:no sweat=問題ない)。

  • condense

    気体が液体に変わることを意味する。物理学や化学の文脈でよく使われる。動詞。 【ニュアンスの違い】"steam"は気体の状態を指すが、"condense"はその気体が液体に変化する過程を指す。 "steam"は名詞としても動詞としても使われるが、"condense"は基本的に動詞。 【混同しやすい点】"steam"は結果の状態(水蒸気)を指し、"condense"はその変化のプロセスを指す。 例えば、窓に水滴がつくのは"steam"が"condense"した結果。

  • 液体が気体に変わることを意味する。物理学や化学の文脈でよく使われる。動詞。 【ニュアンスの違い】"steam"は水蒸気そのものを指すが、"evaporate"はその水蒸気が発生するプロセスを指す。 "steam"は名詞としても動詞としても使われるが、"evaporate"は基本的に動詞。 【混同しやすい点】"steam"はある時点での水蒸気の存在を示すが、"evaporate"は時間経過を伴う変化を示す。例えば、水たまりが干上がるのは"evaporate"による。

派生語

  • steamer

    『蒸気船』や『蒸し器』を指す名詞。動詞の『steam(蒸す)』に、名詞を作る接尾辞『-er』が付加され、『〜するもの』という意味合いが加わった。日常会話から、歴史や料理に関する話題まで幅広く使われる。

  • steamroll

    『圧倒する』という意味の動詞(比喩表現)。元々は『蒸気ローラーで押しつぶす』という意味で、そこから転じて、反対意見を無視して強引に進める様子を表す。ビジネスや政治の文脈でよく用いられる。

  • steamy

    『蒸気でいっぱいの』『むし暑い』という意味の形容詞。名詞の『steam』に、形容詞化する接尾辞『-y』が付加され、『〜で満ちた』という意味合いが加わった。天気やサウナ、恋愛小説など、様々な場面で使われる。

  • steamfitting

    『蒸気管工事』を意味する名詞。動詞『steam(蒸気を送る)』に『fitting(取り付け)』が組み合わさった複合語。専門的な分野、特に建設やエンジニアリング関連の文書で使用される。

反意語

  • 『凍る』という意味の動詞。『steam(蒸気)』が高温・気体であるのに対し、『freeze』は低温・固体への変化を表し、物理的な状態変化において対義語となる。日常会話から科学的な説明まで幅広く使われる。

  • condense

    『凝縮する』という意味の動詞。『steam(蒸気)』が気体であるのに対し、『condense』は気体が液体に戻る状態を表し、状態変化の方向性が逆である。科学や気象の文脈でよく用いられる。

  • 『乾いた』という意味の形容詞。『steam』が水分を多く含む状態を示すのに対し、『dry』は水分が少ない状態を示す。洗濯物や気候など、様々な文脈で対比される。

語源

「steam」の語源は、ゲルマン祖語の*staumaz(蒸気、湯気)に遡ります。これはさらに、印欧祖語の*steu-(押す、打つ)という語根に関連づけられます。この「押す」という根本的な意味から、「蒸気」という概念がどのように生まれたのかを考えると、水が熱によって押し上げられる様子、あるいは水蒸気が圧力をかけて立ち上る様子がイメージできます。日本語で例えるなら、お風呂で湯気が「勢いよく立ち上る」様子を思い浮かべると、この「押す」という語源との関連性が理解しやすいでしょう。「蒸気」が持つ、内側からの力強さや上昇するエネルギーが、語源に反映されているのです。

暗記法

蒸気は産業革命の象徴。進歩の原動力であると同時に、制御を失えば大惨事を招く危険なエネルギーでもありました。ヴィクトリア朝時代には、蒸気機関車が国土を駆け巡り「進歩」と同義でしたが、その裏で労働問題や環境汚染も引き起こしました。現代では「勢い」「情熱」の比喩としても使われ、文化に深く根付いています。スチームパンク作品にも、そのロマンと危険性が描かれています。

混同しやすい単語

『steam』と『stream』は、母音と子音の順番が異なるだけで、発音が非常に似ています。特に、語尾の子音の組み合わせ(-m)に注意が必要です。『stream』は『小川、流れ』という意味で、名詞または動詞として使われます。日本人学習者は、発音記号を意識して、わずかな音の違いを聞き分ける練習をすると良いでしょう。英語の『ea』と『ee』の発音の違いは、日本語の感覚では区別しにくいですが、意識することで改善できます。

『steam』と『stem』は、母音字が『ea』と『e』で異なり、発音も異なりますが、スペルが似ているため混同しやすいです。『stem』は『茎、幹』という意味で、名詞または動詞として使われます。単語のイメージをvisualizeして区別すると効果的です。また、語源的に『stem』は『立つ』という意味合いがあり、植物の茎が直立している様子を連想すると覚えやすいでしょう。

steem

『steem』は、あまり一般的ではない単語ですが、『steam』とスペルが非常に似ており、発音もほぼ同じです。『steem』は『(尊敬などを)抱かせる、蒸気を出す』という意味の古い動詞で、現代英語ではほとんど使われません。もし見かけた場合は、『steam』の古い形である可能性を考慮してください。現代英語では『esteem』(尊敬する)という単語の方が一般的です。

『scheme』は、発音の最初の部分(/sk/)が『steam』とは異なりますが、スペルの一部(-eam)が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『scheme』は『計画、陰謀』という意味で、名詞または動詞として使われます。特にビジネスや政治の文脈でよく使われます。語源的には、ギリシャ語の『skhema』(形、姿)に由来し、ある特定の形や計画を指すことを覚えておくと良いでしょう。

『seem』は、発音が似ているわけではありませんが、スペルの一部(-eem)が共通しており、視覚的に混同しやすいです。『seem』は『~のように見える、思われる』という意味の動詞で、主観的な判断や印象を表す際に使われます。例えば、『He seems happy.』(彼は幸せそうだ)のように使います。文法的には、linking verb(連結動詞)として機能し、主語の状態や性質を説明する役割を果たします。

『team』は、母音字の組み合わせが『ea』で共通しており、『steam』と発音が似ています。特に、早口で話される場合や、音声があまりクリアでない場合に聞き間違えやすいことがあります。『team』は『チーム、組』という意味で、名詞として使われます。スポーツやビジネスなど、協力して目標を達成するグループを指します。発音の練習をする際は、『ea』の音を意識的に区別するように心がけましょう。

誤用例

✖ 誤用: I'm really steaming about the delayed train.
✅ 正用: I'm really annoyed/frustrated about the delayed train.

日本語の『むかつく』を直訳的に『steam』に結びつけてしまう誤用です。確かに『steam』には『蒸気』という意味があり、そこから比喩的に『怒り』を表すこともありますが、これは主に『(怒りを)発散する』という意味合いが強いです。そのため、『I'm steaming』と言うと、まるで自分が怒りを周囲にまき散らしているような印象を与えてしまいます。単に『〜についてむかついている』という場合は、より一般的な『annoyed』や『frustrated』を使うのが適切です。日本人は感情をストレートに表現することを避けがちですが、英語では状況に応じて適切な感情を表す語彙を選ぶことが重要です。

✖ 誤用: She steamed the vegetables for a long time, so they became mushy.
✅ 正用: She steamed the vegetables for too long, so they became mushy.

『長時間』を意味する『long time』を『steamed』と組み合わせてしまう誤用です。この場合、時間的な長さを強調したいのであれば、『too long』を使う方が自然です。『long time』は、例えば『I haven't seen you for a long time.(久しぶり)』のように、ある期間会っていないことを表す場合などに適しています。英語では、程度を表す副詞(too, very, quiteなど)の選択が重要で、文脈によって適切なものを選ぶ必要があります。日本人は、つい直訳的な発想で『long time』を使ってしまいがちですが、英語のニュアンスを理解して使い分けることが大切です。

✖ 誤用: He is full of steam.
✅ 正用: He is full of energy/enthusiasm.

『steam』を『勢い』や『活力』の意味で捉え、『彼は勢いがある』を『He is full of steam』と表現してしまう誤用です。確かに『steam』には『勢い』という意味もありますが、『full of steam』はどちらかというと『息切れしている』『へばっている』というネガティブな意味合いが強いイディオムです。ポジティブな意味で『勢いがある』『活力に満ちている』と言いたい場合は、『full of energy』や『full of enthusiasm』を使うのが適切です。日本人は、比喩的な表現を字面通りに解釈してしまいがちですが、英語のイディオムは文化的背景や歴史的な経緯によって意味が変化している場合があるので注意が必要です。

文化的背景

「蒸気(steam)」は、産業革命の象徴であり、進歩と変革の力強いイメージを喚起します。同時に、制御を失えば危険なエネルギーともなり、その両義性が文化的な意味合いを深めています。

18世紀後半に始まった産業革命において、蒸気機関は社会構造を根底から変えました。ジェームズ・ワットによる改良以降、蒸気機関は工場、鉄道、船舶など、あらゆる場所で動力源となり、人々の生活、労働、移動のあり方を劇的に変化させました。「蒸気」は、それまでの人力や水力に代わる、圧倒的なエネルギーの源泉として、技術革新と経済発展の象徴となったのです。ヴィクトリア朝時代には、蒸気機関車が国土を駆け巡り、都市を結びつけ、人や物資の輸送を加速させました。この時代、蒸気は「進歩」と同義であり、未来への希望を託された存在だったと言えるでしょう。

しかし、「蒸気」は、その強大な力ゆえに、負の側面も持ち合わせています。蒸気機関の爆発事故は、しばしば人命を奪い、その危険性を人々に印象付けました。また、蒸気機関による大量生産は、労働者の搾取や環境汚染といった社会問題を引き起こし、「進歩」の代償として影を落としました。チャールズ・ディケンズの小説『ハード・タイムズ』には、産業都市の過酷な労働環境が描かれており、「蒸気」がもたらした社会の歪みが浮き彫りになっています。スチームパンクというジャンルでは、ヴィクトリア朝時代の技術とSF的な想像力が融合し、「蒸気」の持つロマンと危険性が入り混じった独特の世界観が表現されています。

現代において、「蒸気」は、必ずしも物理的な蒸気だけを指すものではありません。「勢い」「エネルギー」「情熱」といった抽象的な概念を表す比喩としても用いられます。「彼はスチームを上げていた(He was building up steam)」という表現は、怒りや興奮が蓄積している状態を意味します。また、「フルスチームで進む(go full steam ahead)」という表現は、全力を尽くして物事に取り組むことを意味します。このように、「蒸気」は、単なる物質的な存在を超えて、人間の内面的なエネルギーや社会的な動きを象徴する言葉として、文化の中に深く根付いているのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニングでも。

- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。特に1級の長文読解で重要。

- 文脈・例題の特徴: 科学技術、環境問題、歴史など、アカデミックな文脈が多い。動詞としての比喩的な用法も頻出。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(蒸気)と動詞(蒸す、立ち上る)の意味を区別し、文脈に応じた適切な訳語を選ぶこと。比喩的な用法(例:steam ahead = 勢いよく進む)も覚えておく。

TOEIC

- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)で登場。

- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。ビジネス関連の長文でよく見られる。

- 文脈・例題の特徴: 工場の製造プロセス、エネルギー効率、環境対策など、ビジネスや産業に関連する文脈で使われることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「蒸気」の意味だけでなく、「勢い」「エネルギー」といったニュアンスで使われる場合もある。文脈から意味を判断することが重要。

TOEFL

- 出題形式: リーディングセクションで頻出。

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出するため、TOEFLにはよく出る。

- 文脈・例題の特徴: 科学、工学、環境問題など、アカデミックな文脈で登場。比喩的な意味合いで使用されることも多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞と動詞の両方の意味を理解しておくこと。特に、動詞の「蒸す」「蒸気で動かす」といった意味合いを把握しておくことが重要。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。

大学受験

- 出題形式: 長文読解問題で頻出。

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題でよく見られる。

- 文脈・例題の特徴: 科学技術、産業、環境問題など、幅広いテーマで登場。比喩表現も含まれることがある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味(蒸気)に加えて、動詞としての用法(蒸す、勢いよく進む)も覚えておく。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。類義語(vapor, mistなど)との違いも理解しておくと良い。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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