set aside ~
'set' の /e/ は日本語の『エ』よりも口を少し横に引いて発音します。 'aside' の最初の 'a' は弱母音 /ə/ (曖昧母音)で、ほとんど聞こえないくらい軽く発音するのがコツです。 'side' の /aɪ/ は二重母音で、日本語の『アイ』よりも、意識して口を大きく開けて発音するとよりネイティブらしくなります。 強勢は 'side' に置かれるため、そこを意識して発音しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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確保する
特定の人や目的のために、時間・お金・場所などを取っておくこと。計画や準備において、資源を有効活用するニュアンスを含む。
I try to set aside 30 minutes every morning for my English study.
私は毎朝30分、英語学習のために時間を確保するようにしています。
※ この例文は、忙しい大人が、それでも英語を上達させたいと願い、朝の貴重な時間を自分で「確保する」様子を描いています。「set aside + 時間 + for ~」は、「~のために時間を確保する」という、大人が何かを習慣にする際によく使う、とても実用的な表現です。
They set aside some money to buy a new car next year.
彼らは来年新しい車を買うためにお金を確保しました。
※ この例文は、夫婦や家族が、将来の大きな買い物(この場合は新しい車)に向けて、計画的に貯金をしている場面を想像させます。夢や目標のためにコツコツと準備する気持ちが伝わってきますね。「set aside + お金 + to do ~」で「~するために(お金を)確保する」という、目標のための貯蓄によく使われる形です。
The chef set aside the freshest vegetables for tonight's special dish.
シェフは今夜の特別な料理のために、一番新鮮な野菜を取り分けました。
※ 一流のシェフが、最高の料理を作るために、数ある食材の中から特に良いものを選び、大切に脇に置いているプロの姿が目に浮かびます。「set aside + 物 + for ~」は、「~のために(物を)確保する/取っておく」という、特定の目的のために何かをより分けておく、というニュアンスがよく伝わります。
無視する
問題・感情・反対意見などを、意図的に考慮に入れないこと。一時的に保留したり、見て見ぬふりをしたりする状況で使われる。
The team leader decided to set aside my suggestion because we were running out of time.
リーダーは時間が足りなくなってきたので、私の提案をいったん見送ることにしました。
※ 会議や議論で、時間や状況の都合で「今は考慮しないでおく」「後回しにする」という場面でよく使われます。あなたの提案が、残念ながら今回は脇に置かれてしまった、という情景が目に浮かびますね。
Even though she felt tired, she decided to set aside her exhaustion and finish the work.
彼女は疲れていると感じていましたが、その疲労を無視して仕事を終えることにしました。
※ 個人的な感情や体の状態、困難などを「一時的に脇に置いて、それにとらわれずに進む」という状況で使われます。目標達成のために、自分の感情を「あえて考えないようにする」強い意志が伝わる例文です。
He chose to set aside his friend's warning and went hiking alone in the storm.
彼は友人の忠告を無視して、嵐の中を一人でハイキングに行きました。
※ 誰かの意見や忠告、あるいは証拠などを「意図的に考慮に入れない」「聞かないことにする」という、少し強めの「無視」のニュアンスです。危険な状況にもかかわらず、忠告を振り切って行動する人の姿が目に浮かびます。
無効にする
判決・法律・契約などを取り消し、効力がない状態にすること。法的な文脈で使われることが多い。
The judge decided to set aside the previous ruling because of new evidence.
裁判官は、新しい証拠に基づいて、以前の判決を無効にすると決定しました。
※ この例文は、裁判官が新たな情報(新しい証拠)を受けて、以前に出した決定(判決)を取り消す、という場面を描いています。法的な文脈で「set aside」が「無効にする」「破棄する」という意味で使われる典型的な例です。判決が覆る瞬間の緊張感が伝わるでしょう。
The committee voted to set aside the old rule, which was no longer fair.
委員会は、もはや公平ではない古い規則を無効にすることに投票しました。
※ ここでは、委員会が議論の末、古くなった規則を「無効にする」ために投票した状況です。何らかの規則や決定が、状況の変化によって適切でなくなった場合に、それを「廃止する」「取り消す」という意味で「set aside」が使われます。集団で何かを決め直す場面でよく使われる表現です。
They had to set aside the contract due to unexpected problems.
予期せぬ問題のために、彼らはその契約を無効にしなければなりませんでした。
※ この例文は、ビジネスの場面で、予期せぬトラブルが発生し、結んだばかりの契約を「無効にする」「破棄する」必要が生じた状況を表しています。約束や合意、契約といったものを「取り消す」際に「set aside」が使われます。残念な気持ちや決断の重さが感じられる場面です。
コロケーション
時間を確保する、時間を割く
※ 特定の活動のために時間を予定に組み込むことを意味します。仕事のタスク、趣味、家族との時間など、優先順位をつけて時間を使う必要がある場合に使われます。単に'make time'と言うよりも、計画性や意図が強調されるニュアンスがあります。ビジネスシーンや自己啓発関連で頻繁に使われ、『忙しい毎日の中で意識的に時間を確保する』という文脈でよく見られます。
お金を貯める、貯蓄する
※ 特定の目的のために、お金を別にしておくことを意味します。例えば、将来の学費、住宅購入の頭金、退職後の生活資金など、長期的な目標のためにお金を蓄える場合に使われます。 'save money'よりも、目的意識が明確で、計画的な貯蓄を意味合いが強くなります。ファイナンスや経済に関する記事でよく用いられます。
意見の相違を脇に置く、違いを棚上げにする
※ 意見や立場の違いを一時的に無視して、共通の目標のために協力することを意味します。交渉、会議、チームプロジェクトなど、対立を避け、建設的な議論を進める必要がある場面で使われます。政治的な文脈や国際関係においても頻繁に用いられる表現です。'put aside differences'も同様の意味ですが、'set aside'はよりフォーマルな響きがあります。
評決を破棄する、判決を取り消す
※ 裁判所が以前の判決を無効にすることを意味します。これは、法律上の誤りや新たな証拠が発見された場合に行われます。法律、裁判、犯罪に関するニュース記事やドキュメンタリーでよく見られる表現です。一般的には法律の専門用語として認識されています。
契約を無効にする、契約を破棄する
※ 法的拘束力のある契約を、裁判所または当事者間の合意によって解除することを意味します。契約違反、不正行為、または契約条件の不履行が理由となる場合があります。ビジネス法や契約法に関する議論で用いられます。
偏見を捨てる、先入観を脇に置く
※ 特定の人々やグループに対する不当な先入観や偏った感情を意識的に排除することを意味します。公平な判断や客観的な評価を行うために必要な行為です。社会問題、人種差別、ジェンダーに関する議論でよく使われます。 'overcome prejudice'よりも、意識的な努力を強調するニュアンスがあります。
伝統を捨てる、慣習を廃止する
※ 長年守られてきた習慣や慣習を意図的にやめることを意味します。新しい方法やアイデアを取り入れるために、古いやり方を捨てる必要がある場合に使われます。社会の変化、技術革新、組織改革などの文脈で用いられます。 'break with tradition'と似た意味ですが、'set aside'はより客観的で、感情的なニュアンスが少ない表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特定の理論や先行研究を「一旦脇に置いて検討する」という意味で使用されることがあります。例:「本研究では、従来の合理性モデルを一旦set asideし、感情の影響に焦点を当てる。」また、研究資金を「確保する」という意味でも使われます。例:「研究プロジェクトのために、予算の一部をset asideする。」
ビジネスシーンでは、会議やプロジェクトにおいて、時間やリソースを「確保する」という意味で使われます。例:「次の四半期のマーケティング予算の一部を、新製品のプロモーションのためにset asideする。」また、議論において、特定の懸念事項を「一旦保留にする」という意味でも使われます。例:「その問題は一旦set asideにして、今日の議題に集中しましょう。」
日常会話では、あまり頻繁には使われませんが、例えば、ある目的のために時間やお金を「確保する」という意味で使うことがあります。例:「旅行のために、毎月少しずつお金をset asideしている。」または、意見の相違がある場合に、一時的に問題を「脇に置く」という意味合いで使われることもあります。例:「その話は一旦set asideにして、楽しい時間を過ごしましょう。」
関連語
類義語
『予約する』という意味で、ホテル、レストラン、座席などを事前に確保する際に使用される。ビジネスシーンや旅行の計画で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が『取っておく』という広い意味合いであるのに対し、『reserve』は特定の目的のために明確に確保するというニュアンスが強い。フォーマルな印象を与える。 【混同しやすい点】『set aside』はお金や時間など抽象的なものにも使えるが、『reserve』は基本的に物理的な場所や物に対して使用されることが多い。
『割り当てる』という意味で、資源、資金、時間などを特定の目的や人に割り当てる際に使用される。プロジェクト管理や予算編成など、ビジネスや組織運営でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が単に『確保する』という意味合いであるのに対し、『allocate』はより計画的、組織的に資源を分配するというニュアンスが強い。フォーマルな文脈で使用される。 【混同しやすい点】『set aside』は必ずしも明確な目的を伴わないことがあるが、『allocate』は通常、具体的な目的のために割り当てられる。
『節約する』、『貯める』という意味で、お金、時間、エネルギーなどを無駄にしないように蓄える際に使用される。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が『特定の目的のために取っておく』というニュアンスを含むのに対し、『save』はより一般的な意味での節約や貯蓄を表す。緊急時や将来のために備えるという含みがある。 【混同しやすい点】『set aside』は特定の目的を意識して確保するニュアンスが強いが、『save』は必ずしも目的が明確でなくても使用できる。
- put away
『片付ける』、『しまう』という意味で、物を見えない場所や元の場所に戻す際に使用される。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が特定の目的のために取っておくというニュアンスであるのに対し、『put away』は単に物を整理整頓するという意味合いが強い。よりカジュアルな表現。 【混同しやすい点】『set aside』は時間やお金など抽象的なものにも使えるが、『put away』は基本的に物理的な物に対して使用される。
- earmark
『(資金などを)特定用途に指定する』という意味で、特定の目的のために資金や資源を確保する際に使用される。政府や組織の予算編成でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が単に『取っておく』という意味合いであるのに対し、『earmark』はより公式かつ明確に特定の用途を定めるというニュアンスが強い。非常にフォーマルな表現。 【混同しやすい点】『set aside』は必ずしも公式な決定を伴わないことがあるが、『earmark』は通常、正式な決定や合意に基づいて行われる。
- shelve
『(計画などを)一時保留にする』という意味で、プロジェクト、アイデア、提案などを一時的に中断または延期する際に使用される。ビジネスシーンでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『set aside』が『取っておく』という意味合いであるのに対し、『shelve』は一時的に中断し、後で再検討する可能性があるというニュアンスが強い。必ずしも完全に放棄するわけではない。 【混同しやすい点】『set aside』は必ずしも中断を意味しないが、『shelve』は一時的な中断や延期を意味する。
派生語
『再び設定する』という意味の動詞。接頭辞『re-(再び)』が『set(設定する)』に付加され、初期状態に戻す、再調整するという意味合いを持つ。電子機器やシステム、目標設定など、幅広い文脈で使用される。日常会話からビジネスシーンまで頻出。
『設定』という意味の名詞。動詞『set』に名詞化の接尾辞『-ing』が付加された形。具体的な場所の設定(舞台設定など)から、抽象的な環境設定(ソフトウェアの設定など)まで、幅広い意味で使用される。小説、演劇、映画、ITなど、多様な分野で使われる。
- setter
『設定者』や『配置する人』を意味する名詞。動詞『set』に人を表す接尾辞『-er』が付加された形。バレーボールのセッターのように、特定の役割を指す場合もある。専門的な文脈で使用されることが多い。
反意語
『保持する』、『維持する』という意味の動詞。『set aside(脇に置く、取っておく)』とは反対に、何かを手放さずに持ち続けるニュアンスを持つ。ビジネス文書や法律文書でよく用いられ、知識、権利、資源などを保持する場合に使用される。日常会話よりもフォーマルな場面での使用頻度が高い。
『使用する』という意味の動詞。『set aside(取っておく)』とは対照的に、資源や機会を積極的に活用する意味合いを持つ。日常的な場面からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用される。例えば、『set aside money for savings(貯蓄のためにお金をよけておく)』の対義語として、『use money for expenses(経費のためにお金を使う)』のように用いる。
『適用する』、『応用する』という意味の動詞。『set aside(無視する、考慮しない)』とは反対に、ある規則や原則、知識などを特定の状況に適用する意味合いを持つ。学術論文や技術文書で頻繁に使用され、理論や方法論を実践に応用する際に用いられる。例えば、『set aside previous findings(過去の知見を無視する)』の対義語として、『apply previous findings to new research(過去の知見を新しい研究に応用する)』のように用いる。
語源
"set aside ~" は、文字通り「~を脇に置く」というイメージから派生した表現です。"set" は古英語の "settan"(置く、定める)に由来し、物理的に何かを置く行為を示します。"aside" は "a"(~へ)+ "side"(側面)で、「横へ」や「脇へ」という意味合いを持ちます。この二つが組み合わさることで、文字通りの意味から転じて、比喩的に「確保する」(特定の目的のために取っておく)、「無視する」(問題や障害を一旦脇に置いておく)、「無効にする」(効力がないものとして脇に置く)といった意味合いを持つようになりました。例えば、緊急時のために貯金を「set aside」する場合、それは文字通りお金を「脇に置く」行為であり、そこから「確保する」という意味が生まれます。また、意見の相違を一旦「set aside」して議論を進める場合は、問題を「脇に置く」ことで「無視する」という意味合いになります。
暗記法
「set aside」は単なる配置換えではない。中世の修道院では祈りの時間を確保し、王侯貴族は狩猟地を確保した。これらは単なる行為ではなく、神への献身や権威の象徴だった。現代では研究開発費の確保は未来への投資であり、夢のための貯蓄は自己実現への意志だ。しかし、環境保護のための森林保護のように、倫理的ジレンマも孕む。何を「set aside」するかは、個人の価値観や社会構造を映す鏡なのだ。
混同しやすい単語
『set aside』と『sit aside』は、動詞が異なるため意味が大きく変わります。発音は非常に似ていますが、『sit aside』は文字通り『脇に座る』という意味合いになり、頻繁には使われません。一方、『set aside』は『取っておく』『確保する』といった意味で非常によく使われます。文脈を注意深く読む必要があります。
『set aside』の『side』だけを取り出して考えると、『側』という意味の名詞であるため、文法的な役割が異なります。発音も似ていますが、『set aside』は句動詞としてまとまった意味を持つため、単独の『side』とは区別する必要があります。例えば、『on the side』のように使われる場合の『side』とは全く違う意味になります。
『aside』は副詞または名詞として使われ、『わきへ』『片隅に』といった意味を持ちます。『set aside』と異なり、動詞と組み合わせて特定の意味を成すわけではありません。発音は似ていますが、文法的な機能が異なるため、文中でどのように使われているかを確認することが重要です。演劇で使われる『アサイド(傍白)』という言葉を覚えておくと、名詞としての用法も理解しやすいでしょう。
『set』と『settle』はスペルが似ており、特にタイプミスで混同しやすいです。発音も一部似ていますが、『settle』は『落ち着く』『解決する』といった意味の動詞であり、『set』とは意味が異なります。また、『settle』は自動詞としても他動詞としても使えるのに対し、『set』は主に他動詞として使われる点も異なります。語源的には、『set』はゲルマン祖語の『*satjanan』(置く)に由来し、『settle』は『seat』(座席)と関連があることを知っておくと区別しやすくなります。
『set』と『asset』は、最初の文字と母音の組み合わせが似ているため、スペルミスや発音の誤りが発生しやすいです。『asset』は『資産』という意味の名詞であり、『set aside』とは文法的な役割も意味も全く異なります。会計や経済の記事を読む際には特に注意が必要です。
『set aside』の『side』と『upside』は、どちらも『〜side』という形を含むため、なんとなく似たような意味合いで使われているように感じられるかもしれません。『upside』は『良い面』『有利な点』という意味の名詞であり、『set aside』とは意味が異なります。『the upside of ~』という形で使われることが多いです。
誤用例
「set aside」は、法的または公式な文脈で「(判決などを)破棄する」「(決定を)無効にする」という意味合いが強いです。緊急時のために貯蓄するという意味合いでは、より一般的な「put aside」を使う方が自然です。日本人が「set aside」を選んでしまう背景には、「脇に置く」という日本語を直訳的に捉え、よりフォーマルな印象のある「set」を選んでしまう傾向があります。しかし、日常的な貯蓄の文脈では、平易な「put」が適切です。
「set aside」は、提案や議題を「保留にする」という意味でも使えますが、ニュアンスとしては「(問題点が多く)一旦脇に置いて、後で検討する」という一時的な中断を意味します。完全に拒否するわけではありませんが、否定的な含みがあります。単に時間がないために「延期する」という意図であれば、「defer」を使う方が適切です。日本人が「set aside」を選んでしまうのは、「一旦置く」という日本語に引きずられ、その後の処置(検討するのか、拒否するのか)を明確にしないまま使用してしまうためです。英語では、意図を明確にするために、より具体的な動詞を選ぶ必要があります。
「set aside」を使って「感情を脇に置く」という行為を表すことは可能ですが、実際にはかなり強い意志や努力が必要なニュアンスを含みます。日本語の「感情を抑える」という表現を安易に「set aside」と訳してしまうと、大げさな印象を与える可能性があります。より謙虚に「感情を抑えようとした」というニュアンスを伝えたい場合は、「tried to set aside」とするか、「I attempted to put aside my personal feelings」など、別の表現を検討する方が適切です。 日本人は、自己主張を控えめにする文化的な背景から、「set aside」の持つ強いニュアンスに気づきにくいことがあります。英語では、感情のコントロールに関する表現は、相手に与える印象を考慮して慎重に選ぶ必要があります。
文化的背景
「set aside ~」は、文字通りには「脇に置く」という意味ですが、単に物理的な配置換えだけでなく、時間、感情、資源などを意図的に「取っておく」「確保する」「無視する」といった、人間の意志や優先順位が絡む行為を象徴します。この語句は、個人の日常生活から社会的な意思決定まで、さまざまな場面で「何が重要か」という価値判断を伴って用いられてきました。
中世の修道院では、祈りの時間や聖務のために特定の時間を「set aside」することが厳格に定められていました。これは、神への奉仕という至上の目的のために、他の活動を一時的に脇に置き、聖なる時間と空間を確保するという行為であり、精神的な優先順位を明確にするものでした。同様に、王侯貴族が狩猟のために広大な土地を「set aside」することも、食料の確保だけでなく、権威の象徴としての側面がありました。土地を自由にできる力、そして娯楽を優先できる余裕は、社会的な地位の高さを表していたのです。
現代社会においては、「set aside」は、より多様な意味合いを持つようになりました。例えば、企業が研究開発費を「set aside」することは、将来への投資であり、革新へのコミットメントを示すものです。また、個人が将来の夢のために貯蓄を「set aside」することは、自己実現への強い意志を表しています。しかし、同時に、「set aside」は、しばしば倫理的なジレンマを伴います。例えば、環境保護のために森林を「set aside」することは、短期的な経済的利益を犠牲にすることを意味します。また、歴史を「set aside」することは、過去の過ちから学ぶ機会を失うことにもつながりかねません。
このように、「set aside」という言葉は、単なる行動を表すだけでなく、その背後にある価値観や社会的な文脈を映し出す鏡のような存在です。何を「set aside」するのか、そしてその理由は何か、を考えることは、私たち自身の優先順位、そして社会全体の価値観を深く理解するための手がかりとなるでしょう。この言葉を学ぶことは、単に語彙を増やすだけでなく、文化的な視点から世界を理解する力を養うことにもつながるのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。特に長文読解での出現率が高い
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな話題、ニュース記事、エッセイなど。フォーマルな文脈が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(時間・お金などを)取っておく」「(意見・感情などを)捨てる・無視する」の2つの主要な意味を理解する。文脈によって意味が異なるため、注意が必要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、レポート、記事など)。契約、プロジェクト、予算などに関する文脈が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(お金・時間などを)確保する」「(意見・問題などを)脇に置く」といった意味で使われることが多い。ビジネスシーンでの具体的な用法を覚えることが重要。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(科学、歴史、社会科学など)。研究、理論、実験などに関する文脈が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(時間・空間などを)確保する」「(意見・感情などを)無視する」という意味で使われる。抽象的な概念を扱う文脈で登場することが多い。類義語(reserve, allocate, disregard)とのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、論説文、物語など。社会問題、科学技術、文化などに関する文脈が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(時間・場所などを)確保する」「(考え・感情などを)捨てる」という意味で使われる。文脈から意味を推測する能力が求められる。比喩的な用法にも注意。