英単語学習ラボ

self-determination

/ˌself.dɪˌtɜːrmɪˈneɪʃən/
名詞

自己決定

外部からの干渉を受けずに、自分の意志で行動や選択をすること。個人、集団、国家など、様々なレベルで用いられる。政治的な文脈では、民族自決権の意味合いも含む。

She showed great self-determination when she chose her own path in life.

彼女は自分の人生の道を選ぶ際、素晴らしい自己決定の精神を示しました。

この例文は、若者が自分の将来について、周りの意見に流されず、自分の強い意志で決断する場面を描いています。「自己決定」は、このように個人の「選択の自由」や「自立」を表現する際によく使われます。 **ポイント:** "show (great) self-determination" で「(素晴らしい)自己決定の精神を示す」という自然な言い回しです。

Even when facing difficult choices, she always made decisions with self-determination.

困難な選択に直面した時でも、彼女は常に自己決定の精神を持って決断しました。

この例文は、困難な状況やプレッシャーがある中で、他人に頼らず、最終的に自分の意思で決断を下す人の強さを描いています。自分の運命を自分でコントロールするという「自己決定」の核となる意味が表れています。 **ポイント:** "make decisions with self-determination" は「自己決定の精神を持って決断する」という意味で、具体的な行動を伴う場合によく使われます。

The school encourages students to develop self-determination from a young age.

その学校は、生徒たちが幼い頃から自己決定力を育むことを奨励しています。

この例文は、教育現場で、生徒たちが自分で考え、行動する能力を育むことの重要性を強調する場面です。「自己決定」は、個人の成長や自立を促す教育目標としても頻繁に用いられます。 **ポイント:** "develop self-determination" は「自己決定力を育む・発展させる」という、成長や能力向上に関連する文脈で使われます。

名詞

自主性

他者に頼らず、自分自身で判断し行動する性質。個人の成長や自立を促す文脈で使われることが多い。教育現場やビジネスシーンで重視される。

The teacher encouraged the students' self-determination by letting them choose their own project topics.

先生は、生徒たちに自分たちでプロジェクトのテーマを選ばせることで、彼らの自主性を促しました。

この例文は、学校で先生が生徒たちの自立した学びを応援している情景を描いています。生徒が「自分で選びたい!」と感じ、先生がその気持ちを大切にする、教育現場でよく見られる「自主性」の典型的な使い方です。何かを「促す、奨励する」という意味のencourageと合わせてよく使われます。

He felt a strong sense of self-determination when he decided to quit his job and follow his dream.

彼は仕事を辞めて自分の夢を追いかけると決めた時、強い自主性を感じました。

長年抱えていた夢のために、安定した仕事を辞めるという、人生の大きな決断をする男性の姿が目に浮かびます。他人に流されず、「自分の人生は自分で決めるんだ」という内側から湧き上がる強い意志や決意を表すときに、「a strong sense of self-determination」という形で使われます。

The young woman showed her self-determination by deciding to move abroad and study on her own.

その若い女性は、自分で海外へ移り住み、独学で学ぶことを決めることで、彼女の自主性を示しました。

この例文は、若い女性が誰にも頼らず、自分の力で新しい環境に飛び込み、挑戦する姿を描いています。困難な道でも、自分の意志で行動し、自分の道を切り開いていく強さや決断力を「show self-determination」という形で表現しています。

コロケーション

exercise self-determination

自己決定権を行使する、自主性を発揮する

このコロケーションは、個人または集団が外部からの干渉を受けずに、自分たちの意思で行動や選択を行うことを意味します。文法的には「動詞 + 名詞」の組み合わせで、法律、政治、教育などの分野でよく用いられます。例えば、患者が治療方針を自分で決める場合や、民族が自分たちの政治体制を決定する場合などが該当します。単に『自己決定する』と言うよりも、権利や能力を行使するというニュアンスが強まります。フォーマルな場面や公的な文書で頻繁に使用されます。

right to self-determination

自己決定権

これは国際法や政治学における重要な概念で、民族や国家が外部からの支配を受けずに、自らの政治体制、経済体制、文化などを自由に決定する権利を指します。「名詞 + 前置詞 + 名詞」の構造を持ち、しばしば国際連合憲章などの法的文書や、人権に関する議論で登場します。単に『自己決定』と言うよりも、権利としての側面を強調する際に用いられます。例えば、独立運動や民族自決の文脈で頻繁に用いられます。

principle of self-determination

自己決定の原則

これは、自己決定権を具体的な行動や政策の指針として適用する際の基本理念を指します。教育現場で生徒の自主性を尊重する原則、医療現場で患者の意思を尊重する原則など、様々な分野で用いられます。「名詞 + 前置詞 + 名詞」の構造で、倫理学や社会学の議論でよく見られます。例えば、インフォームドコンセントの原則は、医療における自己決定の原則の具体例と言えます。抽象的な権利を具体的な行動規範に落とし込むニュアンスがあります。

struggle for self-determination

自己決定のための闘争、自主性を求める戦い

これは、自己決定権を確立するために行われる、政治的、社会的、あるいは個人的な努力や戦いを指します。独立運動、公民権運動、個人の自立に向けた努力など、様々な形態があります。「名詞 + 前置詞 + 名詞」の構造で、歴史的、政治的な文脈でよく用いられます。例えば、植民地からの独立運動や、マイノリティグループの権利獲得運動などが該当します。困難を乗り越えて権利を勝ち取るニュアンスがあります。

internal self-determination

内部的自己決定

これは、国家の枠組みの中で、民族や地域住民が自らの文化、言語、政治などを自由に決定する権利を指します。連邦制国家における州の自治権や、少数民族の文化的な権利などが該当します。「形容詞 + 名詞」の構造で、政治学や法学の議論で用いられます。例えば、多文化共生社会における少数民族の言語教育の権利などが該当します。国家の主権を侵害しない範囲での自己決定権を意味します。

external self-determination

外部的自己決定

これは、国家が外部からの干渉を受けずに、自らの政治体制、経済体制、国際関係などを自由に決定する権利を指します。植民地からの独立や、他国からの軍事占領からの解放などが該当します。「形容詞 + 名詞」の構造で、国際法や国際政治学の議論で用いられます。例えば、ある国が他国の指示を受けずに、独自の外交政策を決定する場合などが該当します。国家の主権に関する自己決定権を意味します。

limit self-determination

自己決定を制限する

自己決定権には限界があることを意味し、他者の権利や公共の利益を侵害しない範囲で認められるという考え方を示します。「動詞 + 名詞」の構造で、法学、倫理学、医療倫理などの分野で用いられます。例えば、個人の信仰の自由は尊重されるべきだが、他者の権利を侵害するような行為は制限されるべきである、といった文脈で使用されます。自己決定権は絶対的なものではないというニュアンスを含みます。

使用シーン

アカデミック

社会科学、政治学、心理学などの分野で頻繁に使用されます。例えば、政治学の論文で「民族自決権」について議論する際や、心理学の研究で「自己決定理論」を説明する際に使われます。学生がレポートや論文を書く際にも、関連する概念を説明するために使用する可能性があります。

ビジネス

人事評価や組織論に関する議論で使われることがあります。例えば、「従業員の自己決定権を尊重する」という文脈で、社員の自主性を促すマネジメントスタイルを説明する際に用いられます。また、企業の倫理綱領やCSR報告書などで、「自己決定を支援する」という方針を示す場合もあります。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、個人の権利や自由に関する話題で登場することがあります。例えば、「患者の自己決定権」という文脈で、医療におけるインフォームドコンセントの重要性を説明する際に用いられます。また、教育方針に関する議論で、「子どもの自己決定を尊重する」という意見が述べられることもあります。

関連語

類義語

  • 自主性、自治権。個人または集団が外部からの干渉なしに、自分の意思で行動・決定できる状態を指す。学術的な文脈や政治的な議論でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、より政治的、集団的な文脈で使われることが多い(民族自決など)。"autonomy"は、個人の自律性や、組織・機関の自治権を指すことが多い。また、"autonomy"は、"self-determination"よりも個人の能力や状態に焦点を当てることがある。 【混同しやすい点】どちらも「自律性」を表すが、適用範囲が異なる点に注意。"self-determination"は国家や民族など集団の意思決定に、"autonomy"は個人や組織の独立性に重点が置かれる。

  • 独立、自立。他者からの支配や影響を受けずに、自分自身で物事を決定・実行できる状態を指す。国家の独立、個人の経済的自立など、幅広い場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、自分の運命や進路を自分で決定する意思や権利を強調するのに対し、"independence"は、他者への依存からの解放、独立した状態そのものを指す。"independence"は、より客観的な状態を表す。 【混同しやすい点】"independence"は状態を表し、"self-determination"は意思や権利を表すという違いに注意。例えば、「経済的自立」は economic independence だが、「自分のキャリアを自分で決める」は self-determination に近い。

  • 主権、統治権。国家が他国の干渉を受けずに、自国の領土と国民を統治する最高の権力。国際法や政治学の文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、民族や集団が自分たちの政治的地位や発展を自由に決定する権利を指すのに対し、"sovereignty"は、国家が持つ最高権力を指す。"sovereignty"は、国家の権威や支配力を強調する。 【混同しやすい点】どちらも「自己決定」に関わる概念だが、主体が異なる点に注意。"self-determination"は民族や集団、"sovereignty"は国家が主体となる。

  • 自由意志。自分の意思で行動を選択できる能力。哲学や心理学の文脈で、人間の行動原理や道徳的責任を議論する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、具体的な目標や目的を達成するための意思決定を指すことが多いのに対し、"free will"は、より抽象的な概念で、人間の行動の根源的な自由を指す。"free will"は、道徳的、倫理的な議論で用いられることが多い。 【混同しやすい点】"self-determination"は具体的な行動選択に結びつくことが多いが、"free will"は行動の自由という哲学的な概念であるという点に注意。例えば、「自分のキャリアを自分で決める」は self-determination だが、「人間は自由意志を持っているのか」という議論は free will。

  • self-governance

    自治、自主管理。ある地域や組織が、自分たちで政治や行政を行うこと。地方自治や企業の自主管理など、様々な場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、外部からの圧力や干渉を受けずに、自分たちの意思で将来を決定する権利を強調するのに対し、"self-governance"は、実際に自分たちで運営・管理を行うことを指す。"self-governance"は、具体的な制度や組織の運営に関わる。 【混同しやすい点】"self-determination"は権利を主張する側面が強いが、"self-governance"は具体的な運営・管理を伴うという違いに注意。例えば、「民族自決権」は self-determination だが、「地方自治」は self-governance。

  • 裁量、自由裁量。自分の判断で物事を決定・処理できる権利や能力。ビジネスや法律の文脈で、担当者の判断に委ねられる範囲を指す。 【ニュアンスの違い】"self-determination"は、集団や個人の運命を決定するような、より大きな規模の意思決定を指すことが多いのに対し、"discretion"は、与えられた権限の範囲内での個別の判断を指す。 "discretion"は、より限定的な状況で用いられる。 【混同しやすい点】"self-determination"は自己決定権という権利を指すのに対し、"discretion"は与えられた範囲内での判断能力を指すという違いに注意。例えば、「患者の自己決定権」は self-determination だが、「担当者の裁量」は discretion。

派生語

  • 『決定する』という意味の動詞。ラテン語の『terminare(境界を定める)』に由来し、『de-(完全に)』が加わって意味を強める。目標や計画を定める行為を指し、ビジネスや学術論文で頻繁に使用される。自己決定(self-determination)の根幹となる行為を示す。

  • 『決意した』『断固とした』という意味の形容詞。determineの過去分詞形から派生し、強い意志を持って目標に向かう様子を表す。自己決定の主体的な姿勢を強調する際に用いられ、人物描写や目標設定に関する文脈でよく見られる。

  • 『決意』『決定』という意味の名詞。determineから派生した抽象名詞であり、目標達成への強い意志や、困難に立ち向かう覚悟を表す。自己決定のプロセスや結果を指し、学術論文や政治的な議論でよく用いられる。語尾の『-ation』は名詞化を表す接尾辞。

反意語

  • 『依存』という意味の名詞。自己決定が『自立』を意味するのに対し、dependenceは他者に頼る状態を表す。個人の行動や意思決定において、外部からの影響を強く受ける状況を指し、自己決定とは対照的な概念として、社会学や心理学の文脈で用いられる。

  • 『強制』という意味の名詞。自己決定が個人の自由な選択に基づくのに対し、coercionは外部からの圧力や強制力によって行動や意思決定が左右される状態を表す。政治学や法律の分野で、個人の自由や権利が侵害される状況を指す際に用いられ、自己決定の否定として捉えられる。

  • 『従属』という意味の名詞。自己決定が対等な関係における自由な選択を意味するのに対し、subordinationは上位の存在に従う状態を表す。組織や社会構造において、権力や地位の差によって意思決定の自由が制限される状況を指し、自己決定の対義語として、社会学や組織論の文脈で用いられる。

語源

"Self-determination"は、「自己決定」「自主性」を意味する英単語です。この単語は、"self"(自己)と "determination"(決定)という二つの部分から構成されています。"Self"は古英語の"self"に由来し、現代英語でも「自分自身」という意味を持ちます。一方、"determination"はラテン語の"determinare"(境界を定める、決定する)に由来し、"de-"(分離、離れて)と "terminare"(終える、境界を設ける)から成り立っています。"Terminare"はさらに"terminus"(境界、終点)に遡ります。つまり、"determination"は元々「限界を設定すること」や「明確に区切ること」を意味し、そこから「決意」「決定」といった意味に発展しました。したがって、"self-determination"は文字通り「自己による決定」を意味し、自分自身の意思で物事を決める能力や権利を指す言葉として使われています。例えば、自分の進路を自分で決めることや、国家が他国の干渉を受けずに自国の政治体制を決定することなどが挙げられます。

暗記法

「self-determination(自己決定)」は、個人や集団が自らの運命を決める権利です。20世紀の植民地解放運動で重要な概念となり、西洋の自由思想と被抑圧者の抵抗が結びつきました。第一次世界大戦後の民族自決原則が背景にありますが、適用範囲の矛盾が運動を加速。文学作品では、自己決定を奪われた人々の苦悩が描かれています。現代では医療や教育分野でも重視されますが、自己責任とのバランスも重要です。自由と責任を両立させ、より良い社会を築く鍵となる言葉なのです。

混同しやすい単語

determination

『self-determination』の『self-』がない形。発音もスペルも非常に似ているため、文脈をよく読まないと意味を取り違える可能性があります。『determination』は『決意』『決定』という意味で、自己決定権という複合語の一部であるかどうかが重要です。日本語では『自己』という言葉が省略されることも多いため注意が必要です。

denomination

語尾の『-mination』が共通しており、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『宗派』『単位』『額面』などで、政治的な自己決定とは全く異なる文脈で使われます。発音アクセントの位置も異なる(denominationは『ネ』の部分にアクセント)ため、音で区別することも重要です。

domination

語幹が似ており、発音も一部共通するため混同される可能性があります。『domination』は『支配』『統治』という意味で、自己決定とは対照的な意味合いを持ちます。文脈によっては、自己決定の権利を奪う『支配』という関係性で登場することもあり、意味の対比を意識することが重要です。

self-deception

『self-』が共通しているため、意味の関連性を誤解しやすい。『self-deception』は『自己欺瞞』という意味で、自分自身を欺くことを指します。自己決定とは異なり、倫理的な文脈で使われることが多いです。発音も似ている部分があるため、文脈で判断する必要があります。

termination

語尾の『-mination』が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。『termination』は『終了』『解雇』という意味で、自己決定とは全く異なる概念です。自己決定のプロセスの『終了』という意味で関連する文脈もありえますが、基本的な意味は大きく異なります。

subordination

語尾の構成要素(-ordination)が似ているため、スペルから連想して意味を誤解しやすい。『subordination』は『従属』『下位』という意味で、自己決定とは反対の概念を表します。自己決定の権利が制限される状況を説明する際に使われることもあります。語源的には『秩序』を意味する『order』と関連があり、それが『下位』という意味につながっていることを知っておくと、意味を覚えやすいでしょう。

誤用例

✖ 誤用: The company's self-determination led to internal conflicts because everyone did what they wanted.
✅ 正用: The company's autonomy led to internal conflicts because each department pursued its own goals without coordination.

『Self-determination』は、個人の自己決定権や国家の自主性を指す、やや重みのある言葉です。組織や企業が『好き勝手にする』という意味合いで使うと、語感が不適切です。日本語の『自主性』を安易に当てはめると、文脈にそぐわない硬い表現になることがあります。ここでは、各部署が連携せずにバラバラに動いたというニュアンスを出すために、『autonomy』を用いるのが適切です。また、個人の『want』ではなく、組織的な『pursue its own goals』を使うことで、より教養ある大人が使いそうな表現になります。

✖ 誤用: I admire his self-determination to become a manga artist, even if his parents disapprove.
✅ 正用: I admire his resolve to become a manga artist, even if his parents disapprove.

『Self-determination』は、強い意志や決意を示す言葉ですが、個人の夢や目標に対して使うと、やや大げさな印象を与えることがあります。特に、親が反対している状況で使うと、反抗的なニュアンスが強まる可能性があります。ここでは、より穏やかで尊敬の念を込めた表現として、『resolve』(決意)を使うのが適切です。日本人が『自己決定』という言葉を安易に使う背景には、個人の権利を強く主張する欧米的な価値観への憧れがあるかもしれませんが、文脈によっては場違いな印象を与えることを理解しておく必要があります。

✖ 誤用: The self-determination of the colonial territories was a long and arduous process, but ultimately successful.
✅ 正用: The attainment of self-determination by the colonial territories was a long and arduous process, but ultimately successful.

『Self-determination』自体は正しいですが、この文脈では、名詞として使うよりも、『attainment of self-determination(自己決定権の獲得)』という表現がより適切です。なぜなら、『self-determination』は抽象的な概念であり、それが『達成』されるという具体的な行為を表現するためには、動名詞や名詞句を用いる方が自然だからです。日本語の『自己決定』をそのまま英語の名詞で表現しようとすると、不自然な英語になることがあります。英語では、抽象的な概念を具体的に表現するために、動詞や名詞句を巧みに使うことが重要です。また、『attainment』という語を使うことで、よりフォーマルでアカデミックな印象を与えることができます。

文化的背景

「self-determination(自己決定)」は、単なる個人の自由を超え、集団や国家が自らの運命を決定する権利を象徴する言葉です。特に20世紀以降、植民地解放運動や少数民族の権利擁護運動において、その思想的根幹をなしてきました。この言葉は、個人の尊厳と自由を尊重する西洋近代思想と、被抑圧者が自らの手で未来を切り開くという強い意志が結びついた、歴史的に重みのある概念なのです。

「自己決定」の概念が広く知られるようになった背景には、第一次世界大戦後の民族自決の原則があります。アメリカのウィルソン大統領が提唱したこの原則は、敗戦国から解放された地域の人々が、自らの意思で国家の形態や帰属先を決定できるというものでした。しかし、実際にはこの原則が適用されたのはヨーロッパの一部地域に限られ、アジアやアフリカの植民地には適用されませんでした。この矛盾が、後の植民地解放運動の大きな原動力となりました。自己決定の権利を求める運動は、単なる政治的な独立だけでなく、経済的、文化的な自立をも目指すものであり、その過程で「self-determination」という言葉は、被抑圧者の連帯と抵抗の象徴となっていきました。

文学の世界においても、「self-determination」は重要なテーマとして描かれてきました。例えば、チヌア・アチェベの小説『崩れゆくもの』は、ナイジェリアの部族社会がヨーロッパの植民地支配によって変容していく過程を描いていますが、主人公のオコンクウォは伝統的な価値観を守ろうと必死に抵抗します。彼の行動は、自己決定の権利を奪われた人々の苦悩と抵抗を象徴していると言えるでしょう。また、映画『ガンジー』は、インドの独立運動を率いたマハトマ・ガンジーの生涯を描いていますが、彼の非暴力抵抗運動は、自己決定の権利を平和的に実現しようとする試みとして、世界中の人々に感銘を与えました。これらの作品は、「self-determination」が単なる政治的な概念ではなく、人間の尊厳と自由をかけた闘いであることを示しています。

現代社会においても、「self-determination」は重要な意味を持ち続けています。例えば、医療現場における患者の自己決定権や、教育現場における生徒の主体的な学習姿勢の尊重など、様々な分野で「自己決定」の概念が重視されています。しかし、自己決定は、常に他者との関係の中で行われるものであり、自己責任の原則と結びついて、時に個人の負担を増大させる可能性も孕んでいます。そのため、「self-determination」の概念を理解するためには、その歴史的背景や文化的文脈を踏まえつつ、現代社会における課題を多角的に考察する必要があります。自己決定は、自由と責任のバランスを取りながら、より良い社会を築いていくための重要なキーワードなのです。

試験傾向

英検

出題形式

主に長文読解、まれに語彙問題。

頻度と級・パート

準1級以上で比較的頻出。1級でも出題可能性あり。

文脈・例題の特徴

社会問題、教育、政治など、アカデミックなテーマの長文。

学習者への注意点・アドバイス

「自己決定権」「自主性」など、文脈によって意味が微妙に変わるため、類義語との使い分けを意識。関連語句(autonomous, independentなど)も覚えておくと有利。

TOEIC

出題形式

Part 7(長文読解)で稀に出題。

頻度と級・パート

頻度は低い。

文脈・例題の特徴

人事、組織論、企業戦略など、ビジネス関連の長文。

学習者への注意点・アドバイス

TOEICでは専門的な語彙の知識よりも、文章全体の意味を把握する力が重要。ビジネス文脈での使用例をいくつか確認しておくと良い。

TOEFL

出題形式

リーディングセクションで頻出。

頻度と級・パート

アカデミックな文章で頻繁に登場。

文脈・例題の特徴

社会学、心理学、政治学など、学術的な内容の文章。

学習者への注意点・アドバイス

TOEFLでは、パラフレーズ(言い換え)が頻繁に行われるため、類義語(autonomy, agencyなど)を幅広く知っておく必要がある。文脈から意味を推測する練習も重要。

大学受験

出題形式

長文読解問題で頻出。

頻度と級・パート

難関大学ほど出題頻度が高い。

文脈・例題の特徴

社会問題、哲学、倫理など、抽象的なテーマの文章。

学習者への注意点・アドバイス

単語の意味だけでなく、文章全体の内容を理解する力が求められる。文脈の中でどのような意味で使われているかを意識し、過去問で演習を重ねることが重要。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年8月4日

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