dependence
強勢は2番目の音節「pen」にあります。母音 /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音します。/ə/ は曖昧母音で、力を抜いて発音するのがコツです。最後の 's' は無声音で、日本語の『ス』よりも息を多く出すイメージで。
専門的な内容に関するご注意
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依存
物理的、精神的、経済的に頼り、支えがないと生きていけない状態。ネガティブな意味合いが強い。addiction(嗜癖)と似た文脈でも使われる。
Our daily lives have a strong dependence on electricity.
私たちの日常生活は電気に強く依存しています。
※ 【情景】「電気が止まったらどうなるだろう?」と想像してみてください。照明、冷蔵庫、スマホの充電など、私たちの生活がいかに電気に頼っているかを実感する場面です。 【解説】「dependence on ~」で「~への依存」という意味になります。何かが必要不可欠で、それなしでは成り立たない状況を表す典型的な使い方です。
A baby's complete dependence on its parents is natural.
赤ちゃんの親への完全な依存は自然なことです。
※ 【情景】生まれたばかりの赤ちゃんが、ミルク、おむつ替え、抱っこなど、全てを親に任せている温かい光景を思い浮かべてください。赤ちゃんが親に全身で甘えている様子が目に浮かびますね。 【解説】この文は「主語 is 形容詞」の基本的な形です。「complete dependence」は「完全な依存」という意味で、依存度が高いことを強調します。
Many people feel a growing dependence on their smartphones.
多くの人がスマートフォンへの依存が高まっていると感じています。
※ 【情景】電車の中やカフェで、ほとんどの人がスマホを操作している光景を想像してみてください。少しでも手元にないと不安になる、そんな現代人の感覚を表しています。 【解説】「feel a growing dependence」で「依存が高まっていると感じる」という、感情を伴う変化を表します。現代社会でよく話題になるテーマですね。
従属
他者の決定や行動に左右される状態。自律性や独立性がないことを意味する。政治的、経済的な文脈で使われることが多い。
A young child's dependence on their parents is natural.
幼い子供が親に頼ることは自然なことです。
※ 小さな子供が不安げに親の手を握る様子を想像してみてください。この文は、幼い子が食事や安全、愛情など、あらゆる面で親に頼って生きている、ごく自然な「従属」の関係を表しています。'dependence on ~' で「〜への依存/従属」という意味になります。
Our dependence on smartphones for daily life is growing.
私たちの日常生活におけるスマートフォンへの依存は増しています。
※ 電車の中でみんながスマートフォンを眺めている光景を思い浮かべてください。現代社会では、連絡を取ったり、情報を得たり、買い物をしたりと、私たちは日常生活の多くの面でスマートフォンに強く頼っています。このように、特定の技術や物に「頼っている状態」を表す典型的な例です。
The country's economy has a strong dependence on oil exports.
その国の経済は石油輸出に強く依存しています。
※ ニュースで、ある国が特定の資源や産業に経済的に「頼り切っている」と報じられる場面を想像してください。この文は、国の経済が石油の輸出に大きく左右される、つまり石油に「従属している」状態を示しています。ビジネスや国際ニュースでよく使われる、重要な「従属」の形です。
信頼
何らかの機能やサービスが正常に動作することを当てにすること。ITシステムやインフラなど、無機的な対象に使われることが多い。
The baby's sweet dependence on her mother for food warmed everyone's hearts.
赤ちゃんが食べ物をお母さんに頼っている可愛らしい様子は、みんなの心を温かくしました。
※ この文では、赤ちゃんが、お母さんが必ず世話をしてくれると「信頼」しているからこそ、安心して食べ物を待っている情景が目に浮かびます。無条件に「頼ること」が、深い「信頼」の表れとして描かれています。
Our team's success comes from our strong dependence on each other's skills.
私たちのチームの成功は、お互いのスキルを強く信頼していることから来ています。
※ チームのメンバーが、お互いの能力を「信頼」し、安心して自分の役割を果たすために、互いに頼り合っている様子を表しています。この「頼り合うこと」が、チーム内の深い信頼関係を示している典型的な例です。
We place great dependence on this weather report to plan our outdoor trip.
私たちは屋外旅行の計画を立てるために、この天気予報を大いに信頼しています。
※ ここでは、天気予報が正確で信用できると「信頼」しているからこそ、その情報に頼って重要な計画を立てている状況が描かれています。「place dependence on ~」は「~に頼る」という意味ですが、その背景には「~を信頼している」という気持ちが強くあります。
コロケーション
薬物依存
※ 文字通り、薬物に身体的または精神的に依存している状態を指します。医学・心理学の分野で頻繁に使われ、単に『addiction』と言うよりも、より専門的で客観的なニュアンスがあります。身体依存(withdrawal symptoms)と精神依存(craving)の両方を含む場合があります。関連語として『substance dependence』という表現もあります。
経済的依存
※ ある国や地域、あるいは個人が、経済的に他者に頼っている状態を指します。国際関係においては、貿易や援助における依存関係を指すことが多いです。個人レベルでは、親への経済的依存や、配偶者への依存などが該当します。文脈によっては、ネガティブな意味合いを持つことがあります(例:植民地時代の経済的従属)。
情緒的依存
※ 他者の感情や承認に過度に依存する状態を指します。心理学の分野で用いられ、自己肯定感の低さや不安感が背景にあることが多いです。恋愛関係における共依存(codependency)もこの一種と言えます。日常会話でも使われますが、専門的な文脈で使用されることが多いです。
原油の海外依存
※ エネルギー資源を海外からの輸入に頼っている状態を指します。特に原油に関して使われることが多く、地政学的なリスクやエネルギー安全保障の問題と関連付けられます。政治・経済ニュースで頻繁に登場する表現で、renewable energy(再生可能エネルギー)への転換の必要性を訴える文脈でよく用いられます。
技術への依存
※ 生活や仕事において、テクノロジーに過度に依存している状態を指します。便利さの反面、セキュリティリスクや、テクノロジーが利用できない状況への脆弱性を指摘する文脈で使われます。近年、スマートフォンの普及やAI技術の発展に伴い、ますます注目されるテーマとなっています。
増大する依存
※ 何らかの対象への依存度合いが徐々に高まっている状態を表します。例えば、「growing dependence on social media (SNSへの依存の増大)」のように使われます。社会問題や個人の行動変化を論じる際に用いられることが多いです。形容詞 "growing" は、徐々に進行するニュアンスを強調します。
依存を助長する
※ 意図的または無意識的に、他者の依存状態を強める行為を指します。例えば、「overprotective parenting fosters dependence (過保護な子育ては依存心を助長する)」のように使われます。教育や心理学の分野で用いられ、ネガティブな意味合いを持つことが多いです。"foster" は「育む、助長する」という意味を持ちます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用される。特に社会科学、心理学、経済学などの分野で、変数間の依存関係や、ある現象が別の現象に依存している状態を説明する際に用いられる。例えば、「経済成長は技術革新への依存度が高い」という文脈で使用される。
ビジネス文書や会議で、組織間の依存関係、プロジェクトの依存関係、あるいは特定のサプライヤーへの依存などを議論する際に用いられる。例えば、「このプロジェクトの成功は、外部コンサルタントの専門知識への依存度が大きい」というように、リスクや機会を評価する文脈で使われる。
日常会話ではあまり使われないが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、社会問題や国際関係を説明する際に用いられることがある。例えば、「発展途上国の先進国への経済的依存」といった文脈で、ややフォーマルな場面で登場する。
関連語
類義語
『信頼』や『頼ること』を意味し、人や物事に対する信頼感に基づいて依存している状態を表します。ビジネス、学術、日常会話など、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Dependence"よりもややフォーマルで、より意識的な信頼感や信用を置いているニュアンスがあります。主語は人であることが多く、客観的な状況を説明する際に適しています。また、良い意味で使われることが多いです。 【混同しやすい点】"Dependence"は必ずしもポジティブな意味合いを持たない場合がありますが、"reliance"は信頼に基づいて頼るという肯定的な意味合いが強いです。"Reliance"はしばしば"on"と共に使われ、"reliance on X"という形で「Xへの信頼」という意味を表します。
『依存性』や『条件付き』という意味合いを持ち、ある事象が別の事象に左右される状態を指します。主にビジネスや学術的な文脈で使用され、計画や契約における条件や不測の事態を考慮する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"Dependence"が一般的な依存関係を指すのに対し、"contingency"は特定の条件や状況に依存していることを強調します。より限定的で、仮定や予測に基づいた依存関係を表す場合に適しています。 【混同しやすい点】"Contingency"は名詞として使われる場合、「不測の事態」や「緊急事態」という意味も持ちます。"Dependence"は単に「依存」という意味ですが、"contingency"は文脈によって意味が大きく変わる点に注意が必要です。また、"contingency plan"(緊急時対応計画)のような特定のコロケーションで使用されることが多いです。
- subordination
『従属』や『服従』を意味し、階層構造における下位の位置にあることや、上位の権力や意思に従う状態を表します。主に組織、政治、法律などのフォーマルな文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Dependence"が一般的な依存関係を指すのに対し、"subordination"は上下関係や権力関係における依存を強調します。より強い服従や隷属のニュアンスを含み、自由や独立性が制限されている状態を示唆します。 【混同しやすい点】"Subordination"はしばしばネガティブな意味合いを持ち、不平等な関係や抑圧的な状況を示唆することがあります。"Dependence"は必ずしもネガティブな意味合いを持つとは限りませんが、"subordination"は権力関係が絡むため、より慎重な使用が求められます。
『中毒』を意味し、薬物、アルコール、ギャンブルなどに対する病的で制御不能な依存状態を表します。医学、心理学、社会学などの文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Dependence"が一般的な依存関係を指すのに対し、"addiction"はより深刻で、身体的・精神的な苦痛を伴う依存状態を指します。強い渇望や禁断症状を伴い、個人の生活や健康に深刻な影響を与える点が特徴です。 【混同しやすい点】"Addiction"は必ずしも物質的なものに限らず、行動中毒(ギャンブル依存症、ゲーム依存症など)も含まれます。"Dependence"はより広範な依存関係を指しますが、"addiction"は特定の物質や行為に対する病的で否定的な依存を意味します。
- enslavement
『奴隷化』を意味し、強制的に他者の所有物として扱われ、自由を奪われた状態を表します。歴史、政治、社会学などの文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Dependence"が一般的な依存関係を指すのに対し、"enslavement"は極めて深刻で、非人道的な依存状態を指します。自由意志や人権が完全に否定され、他者の支配下に置かれる状態を強調します。 【混同しやすい点】"Enslavement"は歴史的な奴隷制度だけでなく、現代的な人身売買や強制労働などの形態も含まれます。"Dependence"は必ずしも強制的なものではありませんが、"enslavement"は強制的な支配と搾取を伴う点が大きく異なります。
- leaning
『傾倒』や『頼ること』を意味し、特定の考え方や人物に強く惹かれ、影響を受けている状態を表します。日常会話や文学的な文脈で使用されることがあります。 【ニュアンスの違い】"Dependence"が一般的な依存関係を指すのに対し、"leaning"は感情的な親近感や共感を伴う依存を強調します。より主観的で、個人的な好みや信念に基づいた依存関係を表す場合に適しています。 【混同しやすい点】"Leaning"は物理的な傾きを意味することもありますが、比喩的に「~寄りである」「~の傾向がある」という意味で使われることもあります。"Dependence"はより客観的な依存関係を指しますが、"leaning"は個人的な感情や信念が強く影響する点が異なります。
派生語
『依存している』という意味の形容詞。『-ent』は形容詞を作る接尾辞で、状態や性質を表します。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われ、『dependence』の状態にあることを示します。例えば、『dependent on foreign oil(海外石油に依存している)』のように使われます。
『独立して』という意味の副詞。形容詞『independent』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形です。『dependence』からの意味的な広がりとして、依存がない状態を表し、行動や思考が他からの影響を受けないことを強調します。ビジネスシーンで『work independently(独立して働く)』のように使われます。
- interdependence
『相互依存』という意味の名詞。『inter-(相互の)』という接頭辞が付き、『dependence』が相互に及んでいる状態を表します。グローバル化が進む現代において、国際関係や経済、生態系など、様々な分野で重要となる概念です。学術論文や国際的なニュースで頻繁に見られます。
反意語
『独立』という意味の名詞。『in-(否定)』という接頭辞が『dependence』に付くことで、意味が反転し、他からの支配や影響を受けない状態を表します。政治的な独立や個人の自立など、様々な文脈で使用されます。例えば、『national independence(国家の独立)』のように使われます。
『自治』や『自律性』という意味の名詞。『auto-(自己)』と『nomos(法)』という語源を持ち、自己の法に従う、つまり他からの干渉を受けずに自己決定できる状態を指します。『independence』が外部からの自由を意味するのに対し、『autonomy』は内部からの自立を強調します。学術論文や哲学的な議論でよく用いられます。
- self-reliance
『自立』や『自己依存』という意味の名詞。複合語であり、自身(self)に頼る(reliance)ことを意味します。経済的な自立や精神的な強さを表す際に用いられ、『independence』よりも個人の能力や努力に焦点を当てた表現です。自己啓発書やビジネス書などでよく見られます。
語源
"Dependence」は、「依存、従属、信頼」といった意味を持つ英単語です。その語源はラテン語の「dependere」に遡ります。「de-」は「~から、下に」という意味の接頭辞で、「pendere」は「ぶら下がる、吊るす」という意味です。つまり、「dependere」は文字通りには「~からぶら下がる」という意味合いを持ちます。このイメージから、何かに支えられて存在するという「依存」や、上位の存在に「従属」するという意味が派生しました。さらに、何かに頼ることから「信頼」という意味も持つようになりました。日本語で例えるなら、「頼りになる木」からぶら下がって安心するようなイメージでしょうか。このように、語源を知ることで、単語の意味をより深く理解し、記憶に定着させることができます。
暗記法
「依存」は単なる頼ること以上の意味を持つ。植民地支配における不平等な関係、文学作品における自己喪失の危機…自由を奪い、尊厳を傷つける構造がそこにある。現代社会では、依存症という形で現れ、孤独や疎外感と深く結びつく。愛情や絆の裏に潜む支配と被支配の関係。この言葉は、個人の問題に留まらず、社会構造や歴史的背景を映し出す鏡として、我々に問いかける。
混同しやすい単語
『dependence』と『dependent』は、語尾が異なるだけで発音もスペルも似ています。しかし、品詞が異なり、『dependence』は名詞(依存)、『dependent』は形容詞(依存している)または名詞(扶養家族)です。文脈によってどちらを使うべきか判断する必要があります。特に、文法問題では品詞を意識することが重要です。語源的には、どちらもラテン語の『dependere』(ぶら下がる)から来ていますが、文法的な役割が異なるため、意味合いも変わってきます。
『dependence』と『independently』は、どちらも語幹が『depend』であるため、スペルが似ています。しかし、『independently』は副詞(独立して)であり、意味は正反対です。接頭辞『in-』が否定を表すことを理解していれば、意味の混同を防ぐことができます。また、副詞は動詞や形容詞を修飾するため、文中の役割も異なります。語源的には、『in-』は否定、『dependere』はぶら下がる、『-ly』は副詞を作る接尾辞です。
『dependence』と『respondence』は、語尾が『-dence』で共通しており、スペルが似ています。しかし、『respondence』は『応答、返信』という意味であり、意味は大きく異なります。動詞『respond』を知っていれば、『respondence』の意味も推測しやすいでしょう。『respond』はラテン語の『respondere』(答える)から来ており、語源的に『dependence』とは関連がありません。
『dependence』と『descendance』は、どちらも語尾に『-dence』を持ち、スペルが似ています。『descendance』は『子孫、降下』という意味で、『descend』という動詞から派生しています。発音も後半部分が似ているため、聞き間違いやすいかもしれません。『descend』はラテン語の『descendere』(降りる)から来ており、語源的に『dependence』とは異なります。文脈から判断することが重要です。
『dependence』と『defiance』は、スペルの一部が似ており、特に『-ence』の部分が共通しています。『defiance』は『反抗、挑戦』という意味で、動詞『defy』から派生しています。発音も似ている部分があるため、注意が必要です。『defy』は古フランス語の『desfier』(信頼を置かない)から来ており、語源的に『dependence』とは関連がありません。意味の違いを明確に意識することが重要です。
『dependence』と『confidence』は、どちらも語尾に『-ence』を持ち、スペルが似ています。『confidence』は『自信、信頼』という意味で、全く異なる概念を表します。ただし、どちらも抽象名詞であるため、文脈によっては混同される可能性があります。『confidence』はラテン語の『confidere』(完全に信頼する)から来ており、語源的に『dependence』とは関連がありません。それぞれの単語が持つコアイメージを掴むことが大切です。
誤用例
日本語の「依存度が高い」を直訳しようとすると、名詞形の"dependence"を使ってしまいがちですが、英語では"dependent"(形容詞)を使うのが自然です。"dependence"を使う場合は、"degree of dependence"のようにする必要があります。また、"heavily dependent"という表現は、依存の度合いが非常に高いことを強調する際に適しています。これは、日本語の「〜度」という表現にとらわれず、英語の自然な語法に従うべき良い例です。日本人は、名詞を多用する傾向がありますが、英語では形容詞や副詞を効果的に使うことで、より簡潔で自然な表現になります。
ここでの誤りは、前置詞の選択と、品詞の誤用です。"dependence"は名詞であり、通常"a dependence on"という形で使われますが、日常的な習慣について述べる場合には、"I am dependent on..."という形容詞構文がより適切です。"have a dependence to"という表現は不自然であり、英語ネイティブには奇異に聞こえます。これは、日本語の「〜に対する依存」という表現をそのまま英語に置き換えようとする際に起こりやすいミスです。英語では、状態を表す場合にはbe動詞+形容詞の形が一般的であり、日本語の「〜を持つ」という表現に引きずられないように注意が必要です。
"Dependence behavior"という表現は、心理学や行動科学の分野では使用されることがありますが、一般的なビジネスや政治の文脈では不自然です。より適切な表現は"reliance"(信頼、依存)であり、"exhibited a strong reliance"(強い信頼を示した)とすることで、交渉における国の姿勢をより適切に表現できます。また、"dependence"は、時にネガティブなニュアンス(依存症など)を含むため、文脈によっては"reliance"や"contingency"(依存関係)といった語を選択する方が適切です。これは、単語の字面だけでなく、文脈や語感、レジスター(フォーマルさの度合い)を考慮する必要があることを示しています。日本語の「依存」という言葉は、比較的広い範囲で使用されますが、英語では文脈に応じて適切な語を選択することが重要です。
文化的背景
「dependence(依存)」という言葉は、単に頼るという行為を超え、時に自由や自立を制限する関係性、あるいは自己決定権の喪失といった、人間存在の根源的な問題を象徴します。歴史的に見ると、この言葉はしばしば社会階層や政治構造と結びつき、個人の尊厳や権利が十分に確立されていない状況を表すために用いられてきました。
例えば、植民地時代において、「dependence」は宗主国と植民地との間の不平等な関係を正当化する言葉として用いられました。植民地は経済的、政治的に宗主国に依存することで「保護」されるとされましたが、実際には資源の搾取や文化の抑圧が行われました。この文脈における「dependence」は、自由と平等を奪われた人々の苦しみ、そして抵抗の歴史を物語る言葉として、今もなお深い意味を持っています。
また、文学作品においても、「dependence」は複雑な人間関係を描く上で重要なテーマとなります。例えば、ある登場人物が経済的、あるいは精神的に他者に依存することで、自己喪失やアイデンティティの危機に陥るという物語は、古今東西で見られます。依存関係は時に愛情や絆として美化されることもありますが、その裏には常に支配と被支配、自由の喪失という影が潜んでいることを、文学作品は私たちに教えてくれます。依存からの脱却、自立への道のりは、自己発見と成長の物語として、多くの人々の共感を呼ぶのです。
現代社会においても、「dependence」は様々な形で現れます。薬物依存、アルコール依存、インターネット依存など、現代社会特有の依存症は、個人の心の問題だけでなく、社会構造や経済状況とも深く関わっています。これらの依存症は、自己肯定感の欠如、孤独感、社会からの疎外感など、現代人が抱える様々な問題の表れであると言えるでしょう。「dependence」という言葉は、私たち自身の生き方、社会との関わり方を見つめ直すための鏡として、常に私たちに問いかけ続けているのです。
試験傾向
準1級・1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性あり。特に長文読解では、文脈からdependenceの意味を推測する問題や、派生語(dependent, independent)との使い分けが問われる。リスニングで直接問われることは少ないが、会話の内容理解に必要な語彙として登場することはあり得る。
Part 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)で登場する可能性がある。ビジネスシーンでの依存関係(例:システムへの依存、市場への依存)を表す文脈で使われることが多い。dependent/independentなどの関連語彙も合わせて覚えておくことが重要。正答を導くためには、文脈から適切な意味を選ぶ必要がある。
リーディングセクションで、アカデミックな文章の中で頻出。環境問題、経済、社会など、様々な分野の文章で登場する可能性がある。dependenceが抽象的な概念を表す場合が多く、文脈から正確に意味を把握する必要がある。ライティングセクションでは、自分の意見を論理的に説明する際に、dependenceという語を効果的に使うことができる。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性が高い。社会科学系のテーマ(経済、政治、国際関係など)の文章でよく見られる。文脈から意味を推測する問題や、同意語・反意語を選ぶ問題が出題されることがある。dependent, independentといった派生語の知識も必要となる。文法問題で問われることは少ない。