pint
二重母音 /aɪ/ は、日本語の『ア』と『イ』を繋げた音ですが、口を大きく開けて『ア』から滑らかに『イ』へ移行するのがコツです。/nt/ は、舌先を上の歯の裏につけて発音する /n/ の後、すぐに唇を閉じて /t/ の音を出すことを意識しましょう。『ト』と発音しないように注意。
(ビールなどの)パイント
液量の単位。イギリスでは約568ml、アメリカでは約473ml。ビールを飲む際の標準的な量として使われることが多い。パブでビールを注文する際に使われる単位として一般的。
After a long day, John ordered a cold pint of beer at the pub.
長い一日を終え、ジョンはパブで冷たいビールを1パイント注文した。
※ 仕事の終わりにパブで冷たいビールを飲むのは、イギリスなどではよくある光景です。一日の疲れを癒す、待ちに待った一杯のイメージが目に浮かびますね。
Let's grab a pint together this weekend, I'll buy the first round!
今週末、一緒に一杯飲みに行こうよ、最初はおごるからさ!
※ 「grab a pint」は「一杯飲みに行こう」という意味の、とてもカジュアルで友人を誘う時によく使われる表現です。「最初の1杯はおごるよ!」という気持ちが伝わる、親しい間柄での会話です。
The menu says a large glass of cider is a full pint.
メニューによると、大きなグラスのサイダーは丸々1パイントだそうです。
※ 「pint」はビールだけでなく、サイダー(りんご酒)など、他の飲み物の量を示すのにも使われます。メニューを見ながら「どのくらいの量なのかな?」と確認している、具体的な場面を想像できます。
(パイント入りの)容器
パイントの容量を持つ容器。アイスクリームなどを販売する際に使われることがある。容器そのものを指す場合。
He smiled, feeling the chill of the cold pint in his hand after a long day.
長い一日の終わりに、彼は手に持った冷たいパイントのひんやりとした感触に笑みを浮かべた。
※ 仕事の後にパブでリラックスしている男性の情景です。「pint」は、特にビールが入った「パイントグラス」を指すときによく使われます。冷たさ(chill)を感じることで、まさにその容器を手にしている様子が伝わります。
My little brother eagerly opened a pint of milk for his cereal.
私の幼い弟は、シリアル用にパイントの牛乳を嬉しそうに開けた。
※ 朝食の準備をしている家庭の情景です。「pint」は、牛乳などの液体が入った「容器」としても使われます。弟が「eagerly(熱心に/嬉しそうに)」開ける様子から、その容器が朝食に欠かせないものだとわかります。
The friendly barista handed me a fresh pint of iced coffee.
親切なバリスタが、私に冷たいコーヒーのパイントを差し出した。
※ カフェで飲み物を受け取る時の情景です。ここでは、「pint」がアイスコーヒーが入った「大きなカップや容器」を指しています。バリスタが「friendly(親切な)」という情報で、温かい雰囲気も伝わります。
コロケーション
ビール1パイント
※ 最も一般的なコロケーションの一つで、イギリスやアイルランドなどのパブでビールを注文する際の定番表現です。単に"pint"と言うだけでも、多くの場合ビール1パイントを指します。パイントは液量の単位で、イギリスでは約568ml、アメリカでは約473mlです。文化的な背景として、パブ文化が根強い国々では、ビールをパイントで飲むことが社交の基本となっています。
牛乳1パイント
※ ビールと同様に、牛乳の量を表す際にも使われます。イギリスでは、牛乳配達の単位としてパイントが用いられていた歴史があり、現在でもスーパーなどでパイント入りの牛乳パックが販売されています。日常的な買い物でよく使われる表現です。
パイントで飲む
※ ビールなどをパイントグラスで飲む行為を表す動詞+名詞のコロケーションです。「Have a pint?」は「一杯どう?」というカジュアルな誘い文句として、特にイギリス英語圏でよく使われます。例文: "Let's go to the pub and drink a pint after work."(仕事帰りにパブに行って一杯やろう)。
小柄な、小さい
※ "pint-sized"は、文字通りには「パイントサイズの」という意味ですが、比喩的に「小柄な」「小さい」という意味で使われます。特に人を形容する際に用いられ、親しみを込めたニュアンスや、少しからかうようなニュアンスが含まれることがあります。例: "She's a pint-sized dynamo."(彼女は小柄だけどエネルギッシュだ)。
1パイントの血液
※ 医療現場や献血などで、血液の量を表す際に用いられます。パイントはアメリカとイギリスで量が異なるため、使用する文脈に注意が必要です。医学的な文脈やニュース記事などで見られる表現です。
ハーフパイント
※ パイントの半分の量を指します。ビールを飲む際に、パイントでは多すぎる場合にハーフパイントを注文することがあります。特に女性や、アルコールに弱い人がよく注文します。
(パブで)ビールを一杯飲む
※ イギリス英語のスラングで、パブでビールを一杯飲むことを意味します。「get」は「手に入れる」という意味合いで、カジュアルな会話でよく使われます。例文: "I'm going to get a pint in. Do you want to join me?" (ちょっと一杯飲んでくるけど、一緒に行く?)
使用シーン
学術論文においては、液量単位としての「パイント」が実験や調査の記述で用いられることがあります。例えば、化学実験における液体の分量や、食品科学における飲料の容量を示す際に使われます。ただし、日常会話ほど頻繁ではありません。
ビジネスシーンでは、特に海外との取引や、飲食・食品関連の業界で「パイント」が使われることがあります。例えば、海外のビールメーカーとの契約書で容量が記述されたり、市場調査レポートで消費者の飲用量をパイントで示したりする場合があります。しかし、一般的なビジネス文書ではあまり見かけません。
日常生活では、主にパブやバーでビールを注文する際に「パイント」が使われます。「Can I have a pint of beer, please?(ビールを1パイントください)」のように、具体的な飲み物の量を指定する際に使われる一般的な表現です。また、アイスクリームなどの容器のサイズを示す場合にも使われることがあります。
関連語
類義語
液体を飲むための容器全般を指す。材質(ガラス、プラスチックなど)、形状、大きさは様々。日常会話で広く使われる。 【ニュアンスの違い】"pint"が特定の容量(約568ml)を示すのに対し、"glass"は容量を特定しない。また、"pint"は通常ビールなどのアルコール飲料に使われることが多いが、"glass"は水、ジュース、ワインなど、あらゆる液体に使える。 【混同しやすい点】"glass"は可算名詞であり、単数形/複数形によって意味が変わることがある。"a glass of water"は『コップ一杯の水』、"glasses"は『眼鏡』を意味する。
取っ手がついた、厚手の円筒形の容器。コーヒー、紅茶、ビールなどを飲むのに使われる。カジュアルな場面で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"pint"がパブやバーでビールを飲む際に使われることが多いのに対し、"mug"は家庭やオフィスなど、よりカジュアルな環境で使われる。容量は"pint"よりも小さいことが多い。 【混同しやすい点】"mug"は動詞としても使われ、『(人を)襲う』という意味になる。文脈によって意味が大きく異なる点に注意。
- tankard
取っ手と蓋がついた、主に金属製の大型ジョッキ。歴史的にはビールやエールを飲むのに使われた。現代では装飾品や贈答品として見られることが多い。 【ニュアンスの違い】"pint"が現代のパブで一般的な容量を指すのに対し、"tankard"はより古風で、歴史的なイメージが強い。また、"tankard"は金属製であることが多い。 【混同しやすい点】"tankard"は現代英語ではあまり一般的ではなく、歴史小説やファンタジー作品などで見かけることが多い。日常会話で使うと不自然に聞こえる可能性がある。
- schooner
オーストラリアや一部の国で使われる、特定の容量(通常は425ml)のビールを入れるグラス。地域によって容量が異なる場合がある。 【ニュアンスの違い】"pint"が国際的に広く使われる容量の単位であるのに対し、"schooner"は地域限定の単位。また、"schooner"はグラスの形状を指す場合もある。 【混同しやすい点】日本人学習者にとって"schooner"は馴染みが薄く、特にオーストラリア英語を学んでいない場合は意味が通じない可能性がある。
主に紅茶やコーヒーを淹れるための容器を指す。また、俗語としてマリファナを指す場合もある。 【ニュアンスの違い】"pint"がビールの量を表すのに対し、"pot"は飲み物(特に紅茶やコーヒー)を淹れるための容器を指す。アルコール飲料には使われない。また、"pot"はスラングとしてマリファナを指す場合があるため、文脈に注意が必要。 【混同しやすい点】"pot"は文脈によって意味が大きく異なる。飲み物を指す場合は容器、スラングとしてはマリファナを指す。会話の流れでどちらの意味かを判断する必要がある。
派生語
- quart
『クォート』。pintの2倍の容量を示す単位。pintと同様に液量や乾量を測る際に用いられ、日常会話やレシピなどで使われる。pintとquartは、それぞれ異なる容量を表す兄弟のような関係にある。
『ガロン』。液量や乾量の単位で、アメリカでは1ガロンは約3.8リットル。pintの8倍の容量。ガソリンの販売や牛乳の容器などで日常的に目にする。pint, quart, gallonは容量の異なる単位としてセットで理解されることが多い。
語源
「pint」の語源は、古フランス語の「pinte」(液体を測る単位)に遡ります。さらに遡ると、俗ラテン語の「pincta」(塗られた、印をつけられた)に由来します。これは、液体の量を測る容器に印がつけられていたことに起因します。つまり、元々は「印のついた容器」という意味合いがあったのです。容器に印をつけることで量を測るという行為は、例えば日本の計量カップに目盛りがついている様子を想像すると理解しやすいでしょう。このように、「pint」は、容器に施された印から、その容器で測られる液体の量を示す単位へと意味が変化していったと考えられます。
暗記法
パイントは単なる液量の単位ではない。英国のパブ文化を象徴する言葉だ。中世以来、ビールは生活に不可欠で、パイントはその標準単位として定着。パブは社会の中心であり、人々はパイント片手に語り合った。文学や映画では、パイントは人生や感情が交錯する場を象徴する。現代でもパイントはパブ文化を支え、多様なグラスが個性を表現する。パイントは英国の伝統、文化、生活に深く根ざした特別な存在なのだ。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に paint の 't' を弱く発音する場合、pint と区別がつきにくいことがあります。paint は『ペンキ』または『塗る』という意味の動詞であり、pint(液体などの単位)とは意味が全く異なります。スペルも一文字違いなので、注意が必要です。pint は古英語の『点』を意味する単語に由来し、液体の量を測る際の目印だったことに由来します。
語尾の子音 'nt' の組み合わせが共通しており、特に早口で発音されると聞き間違えやすいです。mint は『ミント』という植物、または『造幣局』という意味を持ちます。また、『新品同様の』という意味の形容詞としても使われます。pint とは意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。mint の語源は、ローマ神話の女神メンタに由来すると言われています。
発音が短く、母音も似ているため、特に会話の中では pint と pin を聞き間違えやすいです。pin は『ピン』、『留め針』という意味の名詞、または『ピンで留める』という意味の動詞です。pint は液体の単位なので、文脈が大きく異なります。pin の語源は、ラテン語の『羽』を意味する penna に由来するとされています。
point も pint と同様に、語尾に 'nt' がつくため、発音が似ていると感じることがあります。point は『点』、『要点』、『指す』など、非常に多くの意味を持つ単語です。pint と point では意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。point はラテン語の punctum(点)に由来します。
spent は spend の過去形・過去分詞であり、発音記号も似ています。spent は『(お金や時間を)費やした』という意味を持ちます。動詞の過去形である spent と、単位を表す名詞である pint では、文脈が大きく異なるため、混同することは少ないと考えられます。ただし、発音に注意が必要です。
print も pint と同様に、語尾に 'nt' がつくため、発音が似ていると感じることがあります。print は『印刷』という意味の名詞、または『印刷する』という意味の動詞です。視覚的にスペルが似ているため、特に文章を読む際には注意が必要です。
誤用例
日本では、飲み物を注文する際に、単に『コップ一杯の水』という意味で『pint』を使ってしまう誤りが見られます。しかし、英語圏では『pint』は主にビールやサイダーなどを注文する際に使う単位であり、水の注文には不自然です。これは、日本人が単位を意識せず、単に『量』を表す言葉として『pint』を捉えてしまうことに起因します。英語では、飲み物の種類によって適切な単位や容器の表現が異なり、水を注文する際は『glass』や『cup』が一般的です。背景には、パブ文化におけるビールの単位としての『pint』の強い結びつきがあります。
『pint』は容量の単位ですが、特定の飲み物との相性が強く、紅茶に対して使うのは不自然です。日本人が『量』を強調したい場合に安易に『pint』を選んでしまうのは、日本語の『(お茶を)たっぷり飲む』という表現を直訳しようとする意識が働いていると考えられます。英語では、紅茶を大量に飲む場合は『large cup』や『mug』といった表現が適切です。また、イギリス文化では紅茶は比較的フォーマルな飲み物であり、パブでビールを飲むようなカジュアルな状況とは異なるため、『pint』という単位がそぐわないという文化的背景も考慮する必要があります。
『pint』という単位自体は牛乳にも使えますが、牛乳をパン屋で買うという状況設定が不自然です。日本では、コンビニエンスストアなどでパンと牛乳を一緒に買うことが一般的ですが、欧米ではパン屋と食料品店(grocery store)は業態が異なることが多く、牛乳は食料品店で買うのが一般的です。日本人が日常的な行動をそのまま英語に当てはめようとすると、このような文化的背景のずれが生じることがあります。英語を学ぶ際は、単語の意味だけでなく、その単語が使われる状況や文化的な背景も理解することが重要です。
文化的背景
パイント(pint)は単なる液量の単位ではなく、英国文化、特にパブ文化を象徴する言葉です。ビールを量る単位として、仲間との交流、心地よい酔い、そして伝統的な社交の場であるパブの雰囲気を連想させます。
パイントという単位は、古くから英国の生活に根ざしています。中世の時代から、ビールやエールは人々の生活に欠かせないものであり、パイントはその飲み物を計るための標準的な単位として定着しました。パブは単なる酒場ではなく、地域社会の中心であり、人々が集まり、語り合い、情報を交換する場所でした。パイントグラスを片手に談笑する人々、それは英国の社会生活の一つの典型的な風景であり、パイントは単なる液量の単位を超えた、社会的なつながりを象徴するものでした。
文学作品や映画においても、パイントはしばしば登場します。例えば、英国の小説や戯曲では、登場人物がパブでパイントを傾けながら重要な会話をしたり、人生について深く考えたりする場面が描かれます。パイントは、喜びや悲しみ、友情や別れなど、人間の様々な感情が交錯する場を象徴する小道具として機能します。また、映画では、パブのシーンでパイントグラスが並んでいる光景は、英国らしさを表現するための視覚的な要素として用いられることがあります。
現代においても、パイントは英国のパブ文化を支える重要な要素です。多くのパブでは、様々な種類のビールがパイント単位で提供されており、人々はそれぞれの好みに合わせてビールを選び、仲間と楽しい時間を過ごします。パイントグラスのデザインも多様であり、それぞれのパブやビールブランドが独自のグラスを使用することで、個性を表現しています。パイントは、単なる液量の単位ではなく、英国の伝統、文化、そして人々の生活に深く根ざした、特別な意味を持つ言葉なのです。
試験傾向
この単語は英検では出題頻度は低めです。ただし、海外文化や日常生活に関するテーマの長文読解問題で、背景知識として間接的に問われる可能性があります。特に、2級以上では、パッセージの内容理解を深めるために知っておくと役立つでしょう。
TOEIC L&Rテストでは、直接的な語彙問題として出題されることは稀です。しかし、Part 3(会話問題)やPart 7(長文読解)で、飲み物やレストランに関する話題の中で、間接的に登場する可能性があります。ビジネスシーンでの使用頻度は低いですが、日常会話的な文脈で意味を理解できることが望ましいです。
TOEFL iBTでは、直接的な語彙問題としての出題はほとんどありません。ただし、アメリカの文化や生活習慣に関するリーディングパッセージで、具体例として言及されることがあります。例えば、ビールやミルクなどの量を表す単位として登場し、文脈から意味を推測する必要があるかもしれません。アカデミックな文脈での使用は稀です。
大学受験の英語では、ごく稀に長文読解問題で登場する可能性があります。特に、海外の文化や食生活に関する文章で、具体的な例として言及されることがあります。ただし、この単語自体が直接的な合否を左右する可能性は低いと考えられます。文脈から意味を推測できることが重要です。