naturally
第一音節に強勢があります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し横に開いて発音します。「チュ」は唇を丸めて突き出し、息を摩擦させるように発音するとよりネイティブに近い響きになります。最後の/i/は日本語の「イ」よりも曖昧で弱く、口を軽く開けて発音します。
当然ながら
ある状況や結果が、予測通り、あるいは期待通りに起こることを表す。無理がない、自然な成り行きであることを強調するニュアンス。
It was a very cold winter day, so I naturally wanted a warm cup of coffee.
とても寒い冬の日だったので、私は当然ながら温かいコーヒーが飲みたくなりました。
※ 窓の外に雪が降っているような寒い日に、温かい飲み物が「当然」欲しくなる、という気持ちを表す例文です。「naturally」は、ある状況から「ごく自然にそうなる」「そう感じるのが当然だ」という個人の感覚や欲求を伝えるときに非常によく使われます。ここでは「wanted」という動詞を修飾し、「当然~したくなった」というニュアンスを出しています。
If you practice playing the piano every day, you will naturally get better at it.
もし毎日ピアノを練習すれば、当然ながら上達するでしょう。
※ この例文は、努力と結果の間に「当然の因果関係」があることを示しています。練習すれば上達するのは「当たり前の道理」ですよね。このように、「ある行動や状況が、当然の結果や進展につながる」ことを説明する際に「naturally」はとても便利です。これは、一般的な法則や真実を語る際にも使えます。
The mountain view was breathtakingly beautiful, so everyone naturally took out their cameras.
その山からの眺めは息をのむほど美しかったので、誰もが当然ながらカメラを取り出しました。
※ 目の前に広がる絶景を前にしたら、「当然」写真を撮りたくなりますよね。この例文では、ある状況や光景に対して、人々が「ごく自然に、そして当然のように」とる行動や反応を描写しています。「naturally」を使うことで、その行動が特別なことではなく、誰もがそうするだろうという共通の認識が伝わります。
生まれつき
人の性質や能力が、後天的な努力ではなく、最初から備わっていることを示す。才能や素質を強調する際に用いられる。
He is naturally kind to everyone, making them feel comfortable.
彼は生まれつき誰にでも優しく、周りの人を安心させます。
※ この例文は、人の性格や性質が「生まれつき」備わっていることを描写しています。彼が努力して優しくなったのではなく、元々そうである、という温かい情景が目に浮かびますね。「naturally」は、その人の本質的な部分を表すときによく使われます。
A small kitten naturally chases mice, even without training.
小さな子猫は、訓練なしでも生まれつきネズミを追いかけます。
※ 動物が持っている「本能」や「先天的な能力」について話すときに「naturally」を使う典型的な例です。可愛い子猫が初めてネズミを見つけて、教えられなくても追いかける様子が目に浮かびますね。「even without training」という言葉が、「生まれつき」の意味をさらに強調しています。
When she felt sad, tears naturally flowed down her face.
彼女が悲しいと感じた時、涙は自然に頬を伝い落ちました。
※ ここでは、感情に対する「生理的な反応」や「ごく自然な成り行き」として「naturally」が使われています。悲しみがこみ上げてきて、抑えようとしても涙が勝手に出てしまう、という人間の普遍的な感情の動きが伝わってきますね。感情が動いた結果、体が自然に反応する様子を描写しています。
気取らずに
作為的な行動や態度を避け、ありのままの自然な様子を表す。飾らない、率直な印象を与える。
She smiled and talked naturally, even though it was our first time meeting.
彼女は初めて会ったのに、気取らずに笑顔で話してくれました。
※ この例文は、初めて会う人との会話で、相手が全く緊張せず、飾らない態度で接してくれた場面を描いています。まるで昔からの友人のように、心地よく自然体で話してくれた様子が伝わりますね。「naturally」が「無理なく、素のままで」というニュアンスを強調しています。
Even in a fancy suit, he acted naturally at the party.
彼は派手なスーツを着ていたけれど、パーティーで気取らずに振る舞いました。
※ この例文は、フォーマルなパーティーのような場面で、服装は立派でも、その人の態度が全く気取っていなかったことを示します。見栄を張ったり、かしこまったりせず、普段通りにリラックスして振る舞っている様子が目に浮かびます。「acted naturally」で『自然に振る舞う』という典型的な使い方です。
The little girl always laughs naturally in front of the camera.
その小さな女の子は、カメラの前でいつも気取らずに笑います。
※ この例文は、写真撮影の場面で、モデルのようにポーズを取ったり、作り笑いをしたりせず、本当に心から楽しんでいるような、飾らない笑顔を見せる様子を描いています。カメラを向けられても緊張せず、ありのままの可愛らしい表情を見せてくれる情景が伝わりますね。動詞「laugh」や「smile」と「naturally」は非常によく一緒に使われます。
コロケーション
自然に発生する、天然の
※ 人工的に作られたものではなく、自然界に元々存在していることを指します。科学、環境、食品などの分野でよく用いられます。例えば、「naturally occurring isotopes(天然に存在する同位体)」のように使われます。類似表現に "naturally derived" がありますが、こちらは自然由来の原料を加工して作られたものを指すのに対し、"naturally occurring" は未加工の状態を指すニュアンスがあります。
当然のことながら、案の定
※ 予想通りの結果や状況を強調する際に使われるフレーズです。「驚くにはあたらない」「無理もない」といったニュアンスを含みます。口語的な表現で、文頭に置かれることが多いです。例えば、「Naturally enough, he was late.(案の定、彼は遅刻した)」のように使います。 "as might be expected" と似た意味合いですが、 "naturally enough" の方がより口語的で、話し手の感情が込められていることが多いです。
生まれつき才能に恵まれた
※ 特定の分野において、生まれつき高い能力や才能を持っていることを表します。スポーツ、音楽、芸術など、様々な分野で使用されます。「He is a naturally gifted musician. (彼は生まれつき音楽の才能に恵まれている)」のように使われます。 "talented" と似ていますが、 "naturally gifted" は努力よりも先天的な才能を強調するニュアンスがあります。
生まれつき痩せやすい体質
※ 努力しなくても自然に痩せている体質を表します。健康や美容に関する話題で用いられます。例えば、「She is naturally thin and can eat whatever she wants.(彼女は生まれつき痩せやすい体質で、好きなものを何でも食べられる)」のように使われます。体質的な特徴を強調する表現です。
自然吸気式の(エンジン)
※ 自動車や航空機のエンジンに関する専門用語で、ターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機を使用せず、大気圧を利用して空気をシリンダーに取り込む方式を指します。自動車雑誌や技術的な文脈でよく見られます。対義語は "turbocharged" (ターボチャージャー付き) です。
自然発生する
※ 何かが人為的な介入なしに、自然のプロセスによって生じることを意味します。科学的な文脈や、環境問題に関する議論でよく使われます。例えば、「This phenomenon occurs naturally in the atmosphere. (この現象は大気中で自然に発生する)」のように使われます。 "happen naturally" とほぼ同義ですが、 "occur naturally" の方がよりフォーマルな響きがあります。
生まれつき人見知りである
※ 性格を表す表現で、生まれつき内向的で、初対面の人や大勢の人の前で緊張しやすい性質を指します。心理学や自己啓発の分野で用いられることがあります。例えば、「He is naturally shy, but he is very kind once you get to know him. (彼は生まれつき人見知りだが、打ち解けるととても優しい)」のように使われます。 "introverted" と似た意味ですが、 "naturally shy" はより日常的な表現です。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、ある事柄が論理的に導かれる結果であることを示す際に用いられます。例:『実験の結果から、A群の方がB群よりも学習効果が高いことが**当然ながら**示された(Naturally, the results of the experiment showed that group A had a higher learning effect than group B)。』 統計データや観察結果の解釈において、客観性と論理性を強調する目的で使用されます。
ビジネスシーンでは、会議での発言や報告書において、ある状況が自然に発生した結果であることを説明する際に使われます。例:『市場のニーズを考慮すれば、この製品が売れるのは**当然のこと**です(Naturally, this product will sell well given the market needs)。』フォーマルな場面で、客観的な視点を示すために用いられますが、口語的な場面ではやや硬い印象を与える可能性があります。
日常会話では、相手の行動や状況に対する共感や理解を示す際に使われます。例:『そりゃあ、あんなに頑張ったんだから、**当然**疲れるよね(Naturally, you're tired after working so hard)。』 あるいは、相手の才能や性格について述べる際に、『彼女は**生まれつき**歌が上手い(She is naturally a good singer)』のように用いられます。ニュースやドキュメンタリーなどでも、ある現象が自然に発生したことを説明する文脈で見られます。
関連語
類義語
『当然のこと』『言うまでもなく』という意味で、相手の発言に対する同意や確認、または何かを当然のこととして述べる際に用いられる。日常会話で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】『naturally』よりも直接的で、ややカジュアルな印象を与える。相手の意見に強く同意する場合や、自明の理を強調する際に適している。ビジネスシーンでも使用されるが、フォーマルな場ではより丁寧な表現が好ましい。 【混同しやすい点】『naturally』は事柄の性質や成り行きとして当然であることを示すのに対し、『of course』は話し手の認識や判断に基づいて当然であることを示す点。
『明白に』『明らかに』という意味で、誰の目にも明らかな事実や状況を述べる際に使用される。フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】『naturally』よりも客観的で、議論の余地がないほど明白であることを強調する。ただし、使いすぎると相手を見下しているような印象を与える可能性がある。 【混同しやすい点】『naturally』は自然な成り行きや性質から導かれる当然さを表すのに対し、『obviously』は視覚的、論理的に明白であることを表す。そのため、主観的な判断や推測には使いにくい。
『本質的に』『生まれつき』という意味で、ある事物や性質が最初から備わっていることを示す。学術的な文脈や、哲学的な議論でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『naturally』が自然な成り行きや結果を示すのに対し、『inherently』は事物そのものが持つ性質に焦点を当てる。より抽象的で、深いレベルでの必然性を表す。 【混同しやすい点】『inherently』は、後天的な要素ではなく、そのものが持つ本質的な性質を表すため、一時的な状況や変化には適さない。また、日常会話ではあまり使われない。
『自発的に』『自然発生的に』という意味で、計画や意図なしに、内側から自然に湧き上がってくる行動や感情を表す。芸術や心理学の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『naturally』が一般的な自然さを表すのに対し、『spontaneously』は特に内発的な、制御できない自然さを強調する。行動や感情が主体から自然に発生することを示す。 【混同しやすい点】『spontaneously』は、外部からの影響や強制ではなく、あくまで内部からの自発的な行動や感情に限定される。計画的な行動や、状況に合わせた行動には適さない。
『疑いなく』『間違いなく』という意味で、確信を持って断言する際に用いる。ビジネスやフォーマルな場面でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『naturally』が事の成り行きとして当然であることを示すのに対し、『undoubtedly』は話し手の確信に基づく断定を表す。より強い確信や自信を示す場合に適している。 【混同しやすい点】『naturally』は客観的な事実に基づいていることが多いが、『undoubtedly』は話し手の主観的な判断が含まれる場合がある。そのため、客観的な証拠がない場合には注意が必要。
『それに応じて』『従って』という意味で、前述の事柄や状況を受けて、それにふさわしい行動や措置を取ることを示す。フォーマルな文脈やビジネスシーンでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『naturally』が自然な成り行きや結果を示すのに対し、『accordingly』は意図的な対応や調整を表す。論理的な繋がりや因果関係を強調する。 【混同しやすい点】『accordingly』は、常に先行する事柄や状況が必要であり、単独で使用することはできない。また、日常会話ではやや硬い印象を与える。
派生語
『自然』という意味の名詞。『naturally』の語源であり、物事の本質や生まれつきの性質を指す。日常会話から学術論文まで幅広く用いられ、『自然保護(nature conservation)』のような複合語も多い。ラテン語の『nasci(生まれる)』に由来し、『naturally』が『自然に』という意味を持つのは、物事がその本質から自然発生的に起こる様子を表しているため。
- naturalize
『帰化させる』または『(外来種を)定着させる』という意味の動詞。『nature』に『〜化する』という意味の接尾辞『-ize』がついた。元々は人をある国の国民として『自然な』状態にするという意味合いから。生物学や政治学などの分野で使われるほか、日常会話でも移民に関する話題などで用いられる。
- naturalist
『博物学者』や『自然主義者』という意味の名詞。『nature』に『〜を専門とする人』という意味の接尾辞『-ist』がついた。自然を観察・研究する人を指し、ダーウィンのような進化論研究者も含まれる。学術的な文脈でよく用いられる。
- naturalism
『自然主義』という意味の名詞。『naturalist』に抽象名詞を作る接尾辞『-ism』がついた。哲学、文学、美術などの分野で、自然を重視する思想や表現方法を指す。学術論文や批評文などで用いられる。
反意語
『人工的に』という意味の副詞。『naturally』が自然の成り行きや本質に従うことを意味するのに対し、こちらは人間の作為や技術によって作り出された状態を表す。食品、素材、環境など、さまざまな文脈で対比される。例えば、『naturally flavored(天然の風味)』と『artificially flavored(人工的な風味)』のように使われる。
- unnaturally
『不自然に』という意味の副詞。接頭辞『un-』は否定の意味を付加し、『naturally』の反対を表す。ただし、単に『自然でない』だけでなく、どこか異常である、不気味であるといったニュアンスを含むことが多い。例えば、人の行動や表情が『unnaturally calm(不自然なほど冷静)』であるといったように用いられる。
- forcedly
『無理に』という意味の副詞。『naturally』が自然に、抵抗なく行われることを意味するのに対し、こちらは外部からの圧力や強制によって行われることを表す。例えば、『forcedly smile(作り笑い)』のように、感情や行動が自然でないことを強調する際に用いられる。
語源
"naturally」は、「自然に、当然に」という意味を持つ副詞です。その語源はラテン語の「naturalis」(生まれつきの、自然の)に遡ります。さらに遡ると、「natura」(自然)という名詞にたどり着きます。この「natura」は、「nasci」(生まれる)という動詞から派生しており、「生まれること」や「本質」といった意味合いを含んでいます。つまり、「naturally」は、文字通りには「生まれつきの状態から」という意味合いを持ち、それが転じて「自然に、無理なく」という意味を表すようになりました。日本語で例えるなら、「生来(せいらい)的に」という言葉が近いかもしれません。「生まれながらに持っている性質から」という意味で、自然な成り行きや、当然の結果であることを示すニュアンスが共通しています。
暗記法
「naturally」は単なる自然現象でなく、西洋では「あるべき姿」を意味し、道徳観と結びつきます。啓蒙思想では理性と自然の調和が理想とされ、「naturally」は理性的な社会秩序を支えました。人権思想では、自由や平等が人間にとって本質的であることを示唆します。感情の正当化にも使われますが、社会規範からの逸脱を正当化する危険性も。現代では環境保護や健康志向も内包しますが、価値観を反映していることを意識すべきです。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、語尾に 'ly' が付いているかどうかだけの違いです。意味は『自然な』『当然の』で、形容詞です。'naturally' は副詞で『自然に』『当然ながら』。品詞が異なるため、文法的な役割に注意が必要です。発音もアクセント位置は同じですが、語尾が異なります。
スペルが長く、'natural' が含まれているため、視覚的に混同しやすいです。意味は『全国的に』で、副詞です。発音も似ていますが、音節数が異なります。文脈から意味を判断することが重要です。
スペルがやや似ており、どちらも副詞で 'ly' で終わるため、混同されることがあります。意味は『文字通りに』『実際に』で、'naturally' の『自然に』とは大きく異なります。発音も異なりますが、早口で話されると聞き間違える可能性があります。
発音が一部似ており、スペルも '-ally' の部分が共通しているため、混同されることがあります。意味は『中立的に』で、副詞です。'naturally' の『自然に』とは意味が異なります。文脈から判断することが重要です。
どちらも副詞で、'-ally' で終わるため、混同されることがあります。意味は『一般的に』『たいてい』で、'naturally' の『自然に』とはニュアンスが異なります。スペルも発音も似ていますが、意味の違いを意識することが重要です。
'natural' に否定の接頭辞 'un-' が付いた単語で、スペルが似ています。意味は『不自然な』で、形容詞です。'naturally' は副詞なので、品詞が異なります。発音もアクセント位置は同じですが、接頭辞が付いている分長くなります。否定的な意味合いを持つことに注意が必要です。
誤用例
日本語の『当然ながら』というニュアンスで文頭に『Naturally』を置くと、英語ではやや不自然に聞こえます。英語の『Naturally』は、文頭に置くと『言うまでもなく』という意味合いが強くなり、相手が既に知っている事柄を前提とするような印象を与えます。ここでは『I naturally think...』のように、副詞として動詞を修飾し、『自然とそう思う』というニュアンスを出す方が適切です。日本人が『当然』という言葉を多用する癖が、この誤用を生みやすいと考えられます。英語では、自分の意見を述べる際に『Naturally』を文頭に置くことは、相手に押し付けがましい印象を与えかねないので注意が必要です。
この文脈では、『naturally』は『当然』という意味で使おうとしていますが、英語では『Understandably』の方が適切です。『Naturally』は、人の行動が『自然な成り行き』であるというニュアンスを持ちますが、ここでは『彼の主義原則からすれば当然だ』という理由を強調したいので、『Understandably(理解できる)』がより適しています。日本人は、理由や根拠がある場合の『当然』を『naturally』で表現しがちですが、英語では理由が明確な場合は『understandably』や『logically』を使う方が自然です。また、英語では、人の行動原理について『当然』という言葉を使う場合、背景にある価値観や文化を共有していることが前提となるため、注意が必要です。
『She is naturally beautiful.』は文法的に誤りではありませんが、『彼女は生まれつき美しい』というニュアンスを強調したい場合、『She is beautiful by nature.』の方がより自然です。『Naturally』は副詞として、『自然に』という意味合いが強く、美しさの根源が『生まれつき』であることを表現するには不向きです。日本人は『自然な美しさ』を『naturally beautiful』と表現しがちですが、英語では『by nature』を使うことで、内面から湧き出る美しさや、持って生まれた性質としての美しさを表現できます。英語では、『nature』という言葉が、その人の本質や生まれ持った性質を表す際に頻繁に使用されることを覚えておくと良いでしょう。
文化的背景
「naturally」は、単に「自然に」という意味を超え、西洋文化においては、あるべき姿、本質的な性質、そして社会的な正当性や道徳観といった概念と深く結びついてきました。この言葉は、表面的な作為や人為的な操作を避け、物事が本来あるべき状態、あるいは期待される状態であることを肯定する際に用いられ、しばしば倫理的な含意を伴います。
「naturally」が持つ倫理的なニュアンスは、啓蒙思想の時代に特に強調されました。理性と自然の調和が理想とされた時代において、「自然」は人間社会の規範となるべきものであり、「naturally」は、理性に基づいた社会秩序や道徳観が「自然に」受け入れられるべきだという主張を支える言葉として機能しました。例えば、ジョン・ロックのような思想家は、人間の自然権を主張する際に、「naturally」という言葉を用いて、自由や平等といった権利が人間にとって本質的であり、社会によって与えられたものではないことを強調しました。このように、「naturally」は、社会契約論や人権思想といった近代的な政治思想の根幹をなす概念と密接に結びついてきたのです。
また、「naturally」は、しばしば個人の行動や感情を正当化する際にも用いられます。例えば、「I naturally felt sad when I heard the news」(その知らせを聞いて、私は当然悲しかった)という表現は、悲しみという感情が人間として自然な反応であり、非難されるべきものではないことを示唆します。しかし、この用法には注意が必要です。なぜなら、「naturally」という言葉は、特定の行動や感情が「自然」であると主張することで、社会的な規範からの逸脱を正当化したり、あるいは特定の感情や行動を「自然」なものとして固定化し、異質なものを排除したりする可能性を孕んでいるからです。例えば、ある社会において特定の性別役割が「自然」であると見なされる場合、「naturally」という言葉は、その役割からの逸脱を不自然なものとして非難するために用いられることがあります。
現代社会においては、「naturally」は、より多様な意味合いを持つようになっています。環境保護の文脈では、「自然に優しい」製品やライフスタイルを指す言葉として用いられ、健康やウェルビーイングの文脈では、「自然な」食品や化粧品が好まれる傾向にあります。しかし、これらの用法においても、「naturally」という言葉は、単なる事実の記述ではなく、特定の価値観やライフスタイルを肯定し、推奨する役割を果たしています。したがって、「naturally」という言葉を理解する際には、それがどのような文脈で使用され、どのような価値観やイデオロギーを反映しているのかを常に意識することが重要です。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにリスニングの会話文。
2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で登場の可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。フォーマルな文章から日常会話まで。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「当然のことながら」「自然に」といった意味の他に、「生まれつき」という意味もある点に注意。文脈によって意味を判断する必要がある。副詞としての用法が中心。
1. 出題形式: Part 5, 6 (短文穴埋め、長文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。特にビジネス関連の文書。
3. 文脈・例題の特徴: 契約書、報告書、メールなどビジネスシーンで使われることが多い。「当然ながら」「無理なく」といった意味で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から「当然」「自然に」という意味を判断する。Part 5では、品詞問題として副詞の naturally が選ばれることもある。
1. 出題形式: リーディングセクション。
2. 頻度と級・パート: 高頻度。アカデミックな文章で頻繁に登場。
3. 文脈・例題の特徴: 自然科学、社会科学など、幅広い分野のアカデミックな文章で使われる。「当然のことながら」「自然に」という意味で、議論の展開を示す際に用いられることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する。アカデミックな文章では、議論の展開を示す接続詞的な役割を果たす場合がある。
1. 出題形式: 長文読解。
2. 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出現頻度が高い。
3. 文脈・例題の特徴: 論説文、物語文など幅広いジャンルで登場。「当然」「自然に」といった意味で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する。紛らわしい単語との区別(例:naturallyとnormally)を意識する。文構造を把握し、文脈の中でどのように機能しているか理解することが重要。