英単語学習ラボ

morbid

/ˈmɔːrbɪd/(モーゥビィド)

最初の 'ɔː' は日本語の『オー』よりも口を大きく開け、喉の奥から出すような音です。'r' の発音は、舌をどこにもつけずに口の中に引っ込めるように意識すると、より英語らしい響きになります。最後の 'ɪ' は、日本語の『イ』よりも弱く、曖昧な音で、軽く発音しましょう。アクセントは最初の 'モーゥ' に置かれます。

専門的な内容に関するご注意

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形容詞

病的な

健康でない状態、特に精神的に不健全な状態を指す。死や病気、グロテスクなものに異常な関心を示す様子を表すことが多い。単に「病的」と訳すよりも、対象が持つ不気味さ、嫌悪感、または強い不安感を伴うニュアンスを伝える。

He had a morbid curiosity about the old, abandoned house.

彼は、古くて誰も住んでいない家に対して、病的な好奇心を持っていました。

この例文は、少年が古くて不気味な廃屋を、怖がりながらも中を覗き込もうとする、そんな不思議な気持ちを描いています。「morbid curiosity(病的な好奇心)」は、「普通なら避けるような不快なものや死、事故などに異常なほど興味を持つこと」を表す、非常によく使われる表現です。好奇心は良いものですが、度を超すと「morbid」になりますね。

Her morbid jokes made everyone feel uncomfortable at the party.

彼女の病的なジョークは、パーティーにいたみんなを不快にさせました。

この例文は、パーティーで誰かが死や不幸をテーマにした冗談を言い、周りの人たちが気まずそうに顔をしかめている場面を想像させます。「morbid jokes」や「morbid sense of humor(病的なユーモアのセンス)」は、一般的に不謹慎だとされる、暗いテーマやタブーな話題をネタにしたジョークを指すときによく使われます。ここでは、「make + 人 + 動詞の原形」で「人に~させる」という使役動詞の形が使われています。

He had a morbid fascination with true crime stories and spent hours reading them.

彼は実録犯罪の話に病的なほど魅了され、何時間も読んでいました。

この例文は、ある男性が部屋で、実際に起きた恐ろしい犯罪事件の本や記事を、まるで吸い込まれるように何時間も読み続けている様子を描いています。「morbid fascination(病的な魅了)」は、「morbid curiosity」と同様に、通常は避けたいような不快なものや怖いものに、異常なほど強く惹きつけられる状態を表します。ここでは「spend + 時間 + -ing」で「~するのに時間を費やす」という表現も学べますね。

形容詞

陰鬱な

希望がなく、絶望的な状態や雰囲気を指す。人生や状況に対する悲観的な見方を強調し、明るさや楽しさを感じさせない様子を表す。人の性格や、場所、状況などを描写する際に用いられる。

He always tells morbid jokes that make me feel uncomfortable.

彼はいつも陰鬱なジョークを言って、私を不快にさせます。

この例文では、人の話す内容が「morbid(陰鬱な)」であることを示しています。ジョークが「陰鬱」というのは、死や不幸、病気など、普通は笑えないような暗い話題を扱うことを指します。聞く人が「不快に感じる (uncomfortable)」という感情が、この単語の持つ「陰鬱な」「不健全な」ニュアンスをよく表しています。

The old, dark hospital room felt very morbid and quiet.

古くて暗いその病院の部屋は、とても陰鬱で静かだった。

ここでは、場所の雰囲気が「morbid(陰鬱な)」であることを表現しています。病院の部屋は、病気や死を連想させる場所です。そこに「古い (old)」や「暗い (dark)」という情報が加わることで、「morbid」が表す「陰鬱で、少し不気味な」雰囲気がより強く伝わります。場所の雰囲気を表現する際によく使われる表現です。

She has a morbid interest in ghost stories and scary movies.

彼女は幽霊の話や怖い映画に陰鬱な興味を持っています。

「morbid interest」は「不健全な興味」や「病的な関心」という意味で非常によく使われる表現です。ここでは、幽霊や怖い映画といった、通常は避けたいような暗いテーマに異常に惹かれる様子を描写しており、「morbid」の持つ「死や不快なものへの異常な関心」というニュアンスがよく表れています。

コロケーション

morbid curiosity

病的な好奇心、死や不快なものに対する異常な興味

「morbid」が最も頻繁に使われるコロケーションの一つです。特に、普段は目を背けるようなグロテスクな事件や事故、死に関する詳細を知りたがる心理状態を指します。単なる興味ではなく、どこか不健全で後ろめたい気持ちを伴うニュアンスが含まれます。例えば、犯罪現場の写真や、悲惨なニュース記事を読みふけるといった行動がこれに当たります。形容詞+名詞の組み合わせで、心理学や犯罪学、報道などの文脈でよく用いられます。

morbid fascination

病的な魅了、死や不快なものに対する強い執着

「morbid curiosity」と似ていますが、「fascination」はより強い魅力を意味します。単に知りたがるだけでなく、心を奪われ、そのことばかり考えてしまうような状態です。例えば、連続殺人犯の心理や、ホラー映画の世界観に強く惹かれるといった場合に用いられます。文学作品や映画評などで見られる表現です。こちらも形容詞+名詞の組み合わせです。

morbid thoughts

病的な思考、死や苦しみに関するネガティブな考え

死や病気、苦しみなど、不快な事柄ばかりを考えてしまう状態を指します。うつ病や不安神経症などの精神的な問題を抱えている人が、しばしばこのような思考に囚われます。日常会話でも使われますが、精神医学や心理学の分野でより専門的に用いられることが多いです。形容詞+名詞の組み合わせで、臨床的な文脈で頻繁に登場します。

morbid sense of humor

病的なユーモア、死や不快なものをネタにするユーモア

人が不快に感じるような事柄(死、病気、事故など)をジョークのネタにするユーモアのセンスを指します。ブラックジョークやダークユーモアとも呼ばれます。場をわきまえないと不快感を与える可能性がありますが、親しい間柄や特定の趣味を持つ人々の間では、笑い飛ばすことでタブーを乗り越えようとする意図も含まれます。形容詞+名詞の組み合わせで、コメディや映画、文学作品などで見られます。

a morbid fear of...

〜に対する病的な恐怖

特定のものや状況に対して、常軌を逸した強い恐怖心を抱くことを意味します。例えば、「a morbid fear of heights(高所恐怖症)」、「a morbid fear of germs(潔癖症)」など。日常会話でも使われますが、心理学的な文脈でも用いられます。「morbid」は、単なる恐怖よりも、もっと深く、日常生活に支障をきたすほどの強い恐怖を表します。文法的には、形容詞+名詞(fear)+ of + (名詞/動名詞)の形を取ります。

morbidly obese

病的肥満、健康を著しく害するほどの肥満

医学用語で、標準体重を大幅に超え、健康上のリスクが非常に高い状態を指します。BMI(Body Mass Index)などの指標を用いて判断されます。単に「fat」と言うよりも、医学的な深刻さや緊急性を伝えるニュアンスがあります。医療関係者が患者の状態を説明する際や、健康に関する記事などで用いられます。副詞(morbidly)+形容詞(obese)の組み合わせです。

morbid condition

病的な状態、不健康な状態

医学的な文脈で、身体や精神が正常な機能を果たしていない状態を指します。病気や怪我、精神的な疾患など、様々な要因によって引き起こされます。単に「bad condition」と言うよりも、医学的な専門用語としてのニュアンスが強くなります。医師や研究者などが、患者の状態を説明する際に用いることが多いです。形容詞+名詞の組み合わせです。

使用シーン

アカデミック

心理学、医学、文学などの分野で、研究論文や学術書に登場します。「病的な関心 (morbid interest) 」や「病的な状態 (morbid condition)」といった表現で、特定の心理状態や症状、文学作品におけるテーマなどを分析する際に用いられます。例えば、犯罪心理学の研究で、シリアルキラーの心理傾向を分析する際に「morbid fascination(病的な魅力)」という言葉が使われることがあります。

ビジネス

ビジネスシーンでは、直接的な表現を避ける傾向があるため、使用頻度は低いです。しかし、リスク管理や危機管理の文脈で、潜在的な問題点を指摘する際に、「morbid outlook(陰鬱な見通し)」という表現が使われることがあります。例えば、市場調査の結果報告で、消費者の購買意欲の低下を示すデータに対して、慎重な姿勢を示すために用いられることがあります。

日常会話

日常会話では、相手に不快感を与える可能性があるため、ほとんど使われません。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、事件や事故、病気などに関する報道で、「morbid details(陰惨な詳細)」という表現が使われることがあります。例えば、自然災害の被害状況を伝える報道で、犠牲者の状況を詳細に描写する際に用いられることがあります。

関連語

類義語

  • 死や不気味さを扱ったもので、特にそれがグロテスクで不快な方法で描写されている場合に使われます。文学、映画、美術などの分野でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Morbid"よりも芸術的、あるいは審美的なニュアンスを持ち、直接的な嫌悪感よりも、むしろ独特の美意識や興味を喚起するような文脈で使用されます。よりフォーマルな印象を与えます。 【混同しやすい点】"Macabre"は、対象が「死」や「不気味さ」をテーマとしている場合に限定されます。"Morbid"のように、人の心理状態や性格を表す場合には使用できません。

  • ghoulish

    死体や墓場に関わる、またはそれらに魅力を感じる様子を表します。しばしば、死んだ人や苦しんでいる人から利益を得ようとする行為を非難する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"Morbid"よりも強い嫌悪感や不快感を示唆し、倫理的に問題のある行動や嗜好を指すことが多いです。より感情的な非難のニュアンスが含まれます。 【混同しやすい点】"Ghoulish"は、対象が文字通り死体や墓場に関連している必要があります。"Morbid"のように、抽象的な考えや感情に対しては使いにくいです。また、人の性格を直接的に表すよりも、行動や趣味を批判的に描写する際に用いられます。

  • 健康でない、不健全な状態を指します。身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも使われます。日常会話から医学的な文脈まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"Morbid"が精神的な状態に限定されるのに対し、"unhealthy"は身体的・精神的な状態の両方をカバーします。また、"unhealthy"は必ずしも死や病気への執着を意味しません。 【混同しやすい点】"Unhealthy"は、状態が「健康でない」ことを示す一般的な言葉であり、必ずしも"morbid"が持つような、病的な興味や死への執着を示唆するわけではありません。文脈によっては、単に「不健康な食生活」などを指すこともあります。

  • lugubrious

    非常に悲しげで、憂鬱な様子を表します。文学作品や演劇などで、登場人物の雰囲気や状況を描写する際に用いられることが多いです。 【ニュアンスの違い】"Morbid"が死や病気への執着を含むのに対し、"lugubrious"は単に悲しみや憂鬱さを強調します。より文学的で、形式ばった表現です。 【混同しやすい点】"Lugubrious"は、人の表情や雰囲気など、外から見てわかる悲しみを表すのに対し、"morbid"は内面的な病的な状態を指すことが多いです。また、"lugubrious"は死や病気への執着を必ずしも意味しません。

  • 物事を悪い方向に考えがちな、悲観的な態度を指します。日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"Morbid"が死や病気への病的な執着を含むのに対し、"pessimistic"はより一般的な悲観主義を指します。"Pessimistic"は、必ずしも死や病気に関連するわけではありません。 【混同しやすい点】"Pessimistic"は、将来に対する一般的な見通しが暗いことを意味しますが、"morbid"が持つような、死や病気への異常な興味や執着を含みません。文脈によっては、単に「慎重な」という意味合いで使われることもあります。

  • 意気消沈している、憂鬱な状態を指します。医学的には、うつ病の状態を指すこともあります。日常会話から医学的な文脈まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"Morbid"が死や病気への病的な執着を含むのに対し、"depressed"はより一般的な憂鬱な気分や意欲の低下を指します。ただし、うつ病の一症状として、死への願望や自殺念慮が生じる場合もあります。 【混同しやすい点】"Depressed"は、感情的な状態を表す一般的な言葉であり、必ずしも"morbid"が持つような、死や病気への異常な興味や執着を示唆するわけではありません。ただし、重度のうつ病の場合には、"morbid"な思考が現れることもあります。

派生語

  • 『死すべき運命』や『死亡率』を意味する名詞。morbid の語源であるラテン語の『mors(死)』に由来し、抽象名詞化する接尾辞『-ity』が付加された。学術論文や公衆衛生の分野で、死亡に関する統計や概念を扱う際に頻繁に使われる。

  • morbidly

    『病的に』や『陰惨に』という意味の副詞。形容詞 morbid に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。主に心理状態や情景描写において、不健全さや不気味さを強調する際に用いられる。文学作品や心理学の研究で使われることが多い。

  • morbidity

    『罹患率』や『病的な状態』を意味する名詞。morbid から派生し、抽象名詞化する接尾辞『-ity』が付加された。医学や疫学の分野で、特定の病気にかかっている人の割合や、病気による心身の不健康な状態を指す際に用いられる。

反意語

  • 『健康な』という意味の形容詞。morbid が精神的・肉体的な不健康さや病的な状態を表すのに対し、healthy は心身ともに良好な状態を表す。日常会話から医学論文まで幅広く使用され、morbid の最も直接的な対義語として機能する。

  • 『健全な』や『健康的な』という意味の形容詞。healthy と同様に、心身の健康や道徳的な健全さを示す。morbid が持つ陰鬱さや不健全さとは対照的に、wholesome は明るく、精神的な充足感や幸福感をもたらすイメージを伴う。比喩的な意味合いで使用されることが多い。

  • 『活発な』や『精力的な』という意味の形容詞。morbid が衰弱や病的な状態を連想させるのに対し、vigorous は体力や精神力が充実している状態を表す。特に、活動的なライフスタイルや力強い成長を示す文脈で、morbid と対比的に用いられる。

語源

"morbid"は、ラテン語の「morbus」(病気)に由来します。この単語は、文字通りには「病気の状態にある」という意味合いを持ち、そこから「病的な」「不健全な」といった意味に発展しました。さらに、病気に対する異常なまでの執着や、死や破壊といった陰鬱なものに惹かれる心理状態を表すようにもなりました。日本語で例えるなら、「病膏肓に入る(やまいこうこうにいる)」という表現が、ある種のmorbidな状態に近いかもしれません。これは、病気が体の奥深くまで進行し、治療が困難な状態を指しますが、転じて、ある物事に深く執着し、抜け出せなくなる様子を表します。morbidは、単に病気であるだけでなく、精神的な偏りや歪みを含んだ概念として理解すると、より深く捉えることができるでしょう。

暗記法

「morbid」は、西洋の死生観が色濃く反映された言葉。ペスト流行やロマン主義文学における死への耽溺、ヴィクトリア朝の喪服や心霊主義…これらは全て、普段目を背けがちな死への、隠微な興味の表れ。ホラー映画や犯罪ドキュメンタリー、ダークツーリズムも同様。タブー視しつつも抗えない、死への好奇心。西洋文化の深層心理を映す鏡、それが「morbid」。

混同しやすい単語

『morbid』とスペルが非常に似ており、最初の母音以外は同じです。意味は『死ぬ運命にある』『致命的な』で、『morbid』の『病的な』とは意味が異なります。日本人学習者は、語尾の -al と -id の違いを意識して、形容詞としての用法を区別することが重要です。語源的には、mortalはラテン語の『mortalis』(死すべき運命にある)に由来し、morbidは『morbus』(病気)に由来します。

torpid

『morbid』と語尾の '-id' が共通しており、スペルの一部が似ています。意味は『不活発な』『麻痺した』で、病的な状態とは異なりますが、どちらもネガティブな状態を表すため、文脈によっては混同される可能性があります。発音も似ているため、注意が必要です。torpidはラテン語の『torpere』(麻痺する)に由来します。

turbid

『morbid』とスペルが似ており、特に中央の 'rb' の並びが共通しています。意味は『濁った』『混乱した』で、物理的な濁りや精神的な混乱を表します。『morbid』の病的な状態とは意味が大きく異なります。発音も似ている部分があるため注意が必要です。turbidはラテン語の『turbidus』(かき乱された)に由来します。

rabid

『morbid』と語尾の '-id' が共通しており、スペルの一部が似ています。意味は『狂犬病の』『狂暴な』で、病的な興奮状態を表しますが、『morbid』の病的な興味や趣味とはニュアンスが異なります。発音も似ているため、注意が必要です。rabidはラテン語の『rabidus』(狂った)に由来します。

orb

『morbid』と文字の並びが一部重複しており、特に 'orb' の部分が視覚的に似ています。意味は『球体』『宝珠』で、『morbid』とは全く異なる意味を持ちます。発音も異なりますが、スペルの類似性から誤って認識する可能性があります。orbはラテン語の『orbis』(円)に由来します。

mordant

『morbid』と語頭の 'morb-' の部分が共通しており、スペルが似ています。意味は『辛辣な』『痛烈な』で、比喩的な意味合いで使われます。『morbid』の病的な状態とは意味が異なりますが、どちらもネガティブなニュアンスを持ちます。mordantはラテン語の『mordere』(噛む)に由来します。

誤用例

✖ 誤用: I'm morbidly curious about the details of his success.
✅ 正用: I'm intensely curious about the details of his success.

『morbid』は『病的な、陰鬱な』という意味合いが強く、日本語の『(良くないことだとわかっていながらも)つい〜してしまう』というニュアンスで安易に使うと、相手に不快感を与えかねません。ここでは単に強い興味を示す『intensely』や『eagerly』を使う方が適切です。日本人が『morbid』を使いがちな背景には、日本語の『病的』という言葉が、必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、ある種の熱狂や執着を表すことがあるためだと考えられます。英語では、ポジティブな文脈で『morbid』を使うことは稀です。

✖ 誤用: She has a morbid personality.
✅ 正用: She has a pessimistic personality.

『morbid personality』は、文字通りには『病的な性格』という意味ですが、日常会話では不自然です。性格について述べる場合、より一般的には『pessimistic(悲観的な)』、『melancholic(憂鬱な)』、『gloomy(陰気な)』などの形容詞を使用します。日本人が『morbid』を使う背景には、日本語の『暗い』という言葉が、性格や雰囲気など、幅広い意味で使われるため、英語でも同様に使えると誤解しやすいことが考えられます。英語では、性格を表現する際には、より具体的でニュアンスの異なる形容詞を選ぶ必要があります。

✖ 誤用: The accident scene was morbid, but I had to take photos for the report.
✅ 正用: The accident scene was gruesome, but I had to take photos for the report.

『morbid』は、事故現場などの光景を描写する際に、直接的な物理的な嫌悪感よりも、精神的な、あるいは哲学的な嫌悪感を表すのに適しています。より直接的な嫌悪感、例えば血なまぐささやグロテスクさを表現したい場合は、『gruesome』や『macabre』を使う方が適切です。日本人が『morbid』を使いがちなのは、日本語の『陰惨な』という言葉が、物理的な光景にも精神的な状態にも使えるため、英語でも同様に使えると誤解しやすいことが原因かもしれません。英語では、物理的な光景を描写する際には、より直接的な表現を選ぶ必要があります。

文化的背景

「morbid」は、死や病、腐敗といった不快なものに異常な関心や魅力を感じる状態を表し、西洋文化においては、死をタブー視する傾向と、同時に死の不可避性を認識する感情の交錯から生まれました。中世ヨーロッパのペスト流行や、近世のロマン主義文学における死への耽溺が、この言葉に独特のニュアンスを与えています。

「morbid」の文化的背景を語る上で欠かせないのは、ヴィクトリア朝時代のイギリスです。この時代は、産業革命による社会不安と、それに対する道徳的な厳格さが共存していました。死に対する関心は、公には喪服や葬儀の形式に表れ、私的には心霊主義や降霊術の流行として現れました。また、ゴシック小説の隆盛は、morbidな想像力を掻き立て、エドガー・アラン・ポーなどの作家によって、その傾向はさらに強まりました。これらの作品群は、死の恐怖だけでなく、死の持つある種の美しさや神秘性を描き出し、「morbid」という言葉に複雑な感情を付与しました。

現代においても、「morbid」はホラー映画や犯罪ドキュメンタリー、ダークツーリズムといった形で表現され続けています。これらの現象は、私たちが普段目を背けがちな死や暴力といったテーマに、安全な距離から触れることを可能にします。また、インターネット上では、true crime ポッドキャストや、医療画像、死体写真などを共有するコミュニティが存在し、賛否両論を巻き起こしています。これらの活動は、「morbid」な好奇心の表れであると同時に、死という普遍的なテーマに対する人間の根源的な探求心を示すものとも言えるでしょう。

このように、「morbid」は単なる医学的な用語ではなく、西洋文化における死生観、道徳観、美意識が複雑に絡み合った概念です。この言葉を理解することは、西洋文化の深層心理を垣間見ることにつながると言えるでしょう。

試験傾向

英検

準1級、1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。出題形式は、空所補充や意味選択問題が中心です。頻度はそこまで高くありませんが、心理学や社会問題に関する文章で出てくることがあります。学習の際は、類義語(gruesome, macabre)とのニュアンスの違いを理解しておきましょう。

TOEIC

TOEICでは、ビジネスの文脈ではほとんど使用されません。したがって、出題頻度は非常に低いと考えられます。もし出題されるとすれば、Part 5やPart 6の語彙問題で、非常にまれに、医療や心理学に関連する話題で登場する可能性があります。しかし、TOEIC対策としては優先順位は低い単語です。

TOEFL

TOEFLのリーディングセクションで、心理学、社会学、医学などのアカデミックな文章で出題される可能性があります。文脈としては、精神的な病気や社会問題に関する議論で使われることが多いです。出題形式は、語彙の意味を問う問題や、文章全体の理解を問う問題です。注意点としては、類義語との区別(unhealthy, diseasedなど)や、比喩的な意味での使用(例:a morbid curiosity)に注意が必要です。

大学受験

大学受験の長文読解で出題される可能性があります。特に、社会問題や心理学、文学作品に関する文章で登場することがあります。文脈から意味を推測する問題や、文章全体のテーマを理解する問題で問われることが多いです。難関大学を目指す場合は、覚えておくと有利ですが、基本的な単語を優先的に学習することが重要です。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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