lance
母音 /æ/ は、日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し大きく開けて発音します。「ン」は、舌先を上の歯茎につけて発音する鼻音です。最後に「ス」を添えることで、より自然な発音になります。日本語の「ラ」は舌を強くはじきますが、英語の /l/ は舌先を軽く上の歯茎に触れる程度で、はじきません。
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槍
馬上槍試合や、中世の騎士が用いた、先端が尖った長柄の武器。転じて、突破口を開くための手段、先駆けとなる人、という意味合いも持つ。
The brave knight held his long lance firmly before the joust.
勇敢な騎士は、馬上槍試合の前に、長い槍をしっかりと構えました。
※ この文は、中世の馬上槍試合という、まさに「槍(lance)」が主役となる場面を描いています。騎士が戦いに臨む前に、自分の武器である槍を力強く握りしめている情景が目に浮かびます。lanceが武器として使われる、最も典型的でドラマチックな状況の一つです。
A young boy proudly carried a wooden lance, pretending to be a hero.
幼い少年は、ヒーローのふりをして、木製の槍を誇らしげに持ち運んでいました。
※ ここでは、本物の武器ではなく、子供の遊び道具としての「槍(lance)」が描かれています。木の棒などを槍に見立てて遊ぶ、無邪気で想像力豊かな子供の姿が目に浮かびますね。日常生活の中で、形として「槍」が登場する、微笑ましいシチュエーションです。
In the museum, we saw an ancient lance displayed behind glass.
博物館で、私たちはガラス越しに古代の槍を見ました。
※ この例文は、歴史的な遺物としての「槍(lance)」が展示されている場面を描いています。博物館で過去の武器を見ることはよくありますね。実際に使われる場面ではなく、歴史の証人として静かに存在する「槍」の姿が目に浮かび、その重みが感じられます。
槍で突く
槍を使って攻撃する。比喩的に、激しく批判する、または何かを勢いよく始める、という意味でも使われる。
The brave knight decided to lance his opponent with a strong blow.
勇敢な騎士は、強烈な一撃で相手を槍で突くことを決意しました。
※ この例文は、中世の「馬上槍試合」という、まさに「lance」という単語が最も連想されやすい典型的な場面を描写しています。騎士が相手に槍を向ける、緊迫した瞬間が目に浮かびますね。「decided to lance」で「槍で突くことを決めた」という意思が伝わります。この単語は、現代の日常会話ではあまり使われませんが、歴史物語やファンタジーの世界ではよく登場します。
The hunter carefully tried to lance the wild boar in the deep forest.
その狩人は、深い森の中で慎重にイノシシを槍で突こうとしました。
※ 昔の狩猟のシーンを想像してみましょう。槍を使って獲物を仕留める、集中力と技術が必要な場面です。「carefully tried to lance」からは、狩人の慎重な行動と、狙いを定めている様子が伝わります。このように「lance」は、狩猟の文脈でも使われることがあり、獲物を突き刺すという具体的な行為を表します。
A soldier had to lance the enemy to protect his friends in the battle.
兵士は戦場で仲間を守るために、敵を槍で突かなければなりませんでした。
※ 戦場の緊迫した状況を描写しています。兵士が仲間を守るために、やむを得ず敵を槍で攻撃する、という決死の行動が伝わります。「had to lance」で「〜しなければならなかった」という義務や必要性が強調されます。この動詞は、目的を持って何かを「突き刺す」ような、力強く、時に命がけの行為を表すときに使われることが多いです。
コロケーション
おできを切開する、膿を出す
※ 「lance」はもともと槍の意味ですが、医療現場では手術用のメスを指すことがあります。このコロケーションは、おできや膿瘍を切開して膿を排出する行為を指します。医学的な文脈で使われる表現で、日常会話ではあまり使いません。比喩的に、溜まった問題や不満を解消するという意味で使われることもあります。
水ぶくれを針で刺す
※ 水ぶくれ(blister)を清潔な針などで刺して、中の液体を排出することを指します。医学的な処置というよりも、応急処置や自己治療の文脈で使われます。ただし、感染症のリスクもあるため、推奨される行為ではありません。関連語として、'drain a blister'(水ぶくれの水を抜く)もあります。
心を深く傷つける、痛烈な言葉で打ちのめす
※ 「lance」が武器としての槍を連想させることから、比喩的に心を深く傷つける、精神的に攻撃するという意味合いで使われます。文学作品や詩的な表現で用いられることが多く、日常会話ではあまり一般的ではありません。類似の表現として、'pierce the heart'(心を貫く)があります。
騎兵槍
※ 歴史的な文脈で、騎兵が使用した槍を指します。「cavalry」(騎兵)と組み合わせることで、中世や近世の戦闘シーンを想起させる表現です。歴史小説やファンタジー作品などで目にすることがあります。現代の軍事用語としては使われません。
~を突き抜ける、貫通する
※ 物理的に何かを突き抜ける様子を表すほか、比喩的に困難や障害を乗り越えて進む様子を表すこともあります。例えば、「The sunlight lanced through the clouds.」(太陽の光が雲間を突き抜けた)のように使われます。勢いのある動きや、突破するイメージを伴う表現です。
~に勢いよく突進する、攻撃する
※ 「lance」の持つ槍のイメージから、勢いよく突進する、攻撃するという意味合いで使われます。比喩的に、議論や競争などに積極的に参加する様子を表すこともあります。例えば、「He lanced into the argument.」(彼は議論に勢いよく参加した)のように使われます。
使用シーン
学術論文や歴史研究で、武器としての「槍」や、比喩的に「(問題などを)鋭く指摘する」という意味で使用されます。例えば、中世ヨーロッパの戦術に関する論文で「騎士はランスを構え突撃した」と記述されたり、社会問題に関する研究で「政策の矛盾点をランスのように突く」といった表現が見られます。
ビジネスシーンでは、新規事業の立ち上げや問題解決において、「先陣を切る」「突破口を開く」といった意味合いで比喩的に用いられることがあります。例として、プレゼンテーションで「この新技術は、市場にランスを突き刺す(先駆けとなる)製品です」のように、やや誇張した表現として使われることがあります。
日常会話で「lance」という単語が使われることは稀ですが、ファンタジー小説やゲームなどの文脈で、「槍」そのものを指す言葉として登場することがあります。また、医療関係の記事やニュースで、膿瘍などを「切開する」という意味で使われることもあります。例えば、「膿瘍をランスで切開する」といった表現を見かけることがあります。
関連語
類義語
『突き刺す』という意味で、物理的に何かを鋭利なもので貫通させる場面で使われる。医学的な文脈や、比喩的に感情や心の奥底を突き刺すような表現でも用いられる。 【ニュアンスの違い】"lance"と同様に鋭利なもので突き刺す意味を持つが、"pierce"の方がより一般的な語彙であり、対象物を選ばない。また、"lance"が武器としての槍を連想させるのに対し、"pierce"は必ずしも武器を意味しない。 【混同しやすい点】"lance"は名詞としても動詞としても使われるが、"pierce"は主に動詞として使われる。また、"pierce"は比喩的な意味合いでも使われることが多い。
『(小さな穴を)開ける』という意味で、タイヤや風船など、薄い膜状のものを突き刺して穴を開ける際に用いられる。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"lance"よりも対象が限定的で、小さな穴を開けることに焦点が当てられている。また、"puncture"は名詞としても動詞としても使われる。 【混同しやすい点】"lance"はより大きな傷や貫通を意味するのに対し、"puncture"は小さな穴を開けることを意味する。そのため、対象物や結果として生じる傷の大きさに注意する必要がある。
『(刃物で)刺す』という意味で、ナイフなどの刃物で人を刺す行為を指すことが多い。犯罪や暴力を伴う場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"lance"よりも攻撃的な意味合いが強く、意図的に相手を傷つける行為を強調する。また、"stab"は比喩的に裏切るという意味でも使われる。 【混同しやすい点】"lance"は武器としての槍を使うことを意味するのに対し、"stab"はより一般的な刃物を使うことを意味する。また、"stab"は比喩的な意味合いで使用される頻度が高い。
- impale
『串刺しにする』という意味で、鋭利なもので突き刺し、貫通させて固定する行為を指す。歴史的な処刑方法や、展示物などを固定する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"lance"よりも残酷で、対象物を完全に貫通させるイメージが強い。また、"impale"は比較的フォーマルな語彙であり、日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】"lance"は一瞬の突き刺しを意味するのに対し、"impale"は対象物を貫通させて固定することを意味する。そのため、結果として対象物がどのように固定されるかに注意する必要がある。
『貫通する』『浸透する』という意味で、物理的な貫通だけでなく、光や音、思想などが浸透する場面でも使われる。学術的な文脈や、比喩的な表現で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"lance"よりも抽象的な意味合いで使用されることが多く、対象物の種類を選ばない。また、"penetrate"は自動詞としても他動詞としても使われる。 【混同しやすい点】"lance"は具体的な武器の使用を意味するのに対し、"penetrate"はより一般的な貫通や浸透を意味する。そのため、文脈によって意味合いが大きく異なることに注意する必要がある。
派生語
- lancer
『槍騎兵』という意味の名詞。動詞『lance(槍で突く)』に、人を表す接尾辞『-er』が付いた形。中世の騎士や軍隊における役割を想起させ、歴史小説やファンタジー作品などで見られる。現代では、比喩的に『先駆者』や『先導役』を指すこともある。
- lancet
『小刀』、『外科用メス』という意味の名詞。『lance』の指す槍の穂先のように鋭利な刃物であることから派生。医学論文や医療関連の記事で用いられる。有名な医学雑誌『The Lancet』の名前の由来でもある。
- lanceolate
『槍状の』という意味の形容詞。葉の形などを描写する際に用いられ、植物学の分野で特に使用頻度が高い。接尾辞『-ate』は『〜のような形をした』という意味合いを持つ。
語源
"Lance(槍、槍で突く)"の語源は、ラテン語の"lancea(槍)"に遡ります。この"lancea"は、イベリア半島(現在のスペイン、ポルトガル)で使われていた言葉が起源であると考えられています。つまり、元々はローマ人が異文化から取り入れた言葉なのです。槍は、古代から中世にかけて主要な武器であり、騎士道物語にも頻繁に登場します。"lance"という単語は、その武器自体を指すだけでなく、「槍で突く」という行為も表すようになりました。日本語で例えるなら、「刀(かたな)」が武器であると同時に、「刀で斬る」という行為を意味するのと似ています。語源を辿ることで、この単語が持つ歴史的な重みを感じ取ることができます。
暗記法
ランスは中世騎士道の象徴。馬上槍試合では、武勇、社会的地位、騎士道精神を可視化する。ランスが折れる瞬間は、勝敗と騎士の運命を象徴。アーサー王物語では、聖杯探索の冒険で騎士の勇気と忠誠心を象徴する。現代では「先駆け」「突破口」の比喩として使われ、医療器具ランセットにもその名残が。ランスは、時代を超えて文化に深く根ざしている。
混同しやすい単語
『lance』に接尾辞 '-er' がついた単語で、スペルが非常に似ているため混同しやすい。意味は『槍を使う人』や『騎兵』を指し、動詞の『lance(槍で突く)』とは品詞も意味も異なる。日本語では『ランサー』とカタカナ表記されることも多いが、英語の発音は若干異なる点に注意。
発音が似ており、特に語尾の 's' の有無を聞き間違えやすい。スペルも 'lance' と 'land' で共通する文字が多いため、視覚的にも混同しやすい。『lands』は『land』の複数形または三人称単数現在形であり、『土地』という意味。文脈から判断することが重要。
発音記号は異なりますが、音の響きが似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。スペルも 'lance' と 'lens' で 'l', 'n', 'e' が共通しているため、視覚的にも紛らわしい。『lens』は『レンズ』のことで、意味は全く異なる。語源的には、レンズの形状がラテン語でレンズ豆を意味する『lens』に似ていたことに由来する。
語尾の子音 'nce' が共通しており、スペルの一部が似ているため、混同しやすい。『chance』は『機会』や『可能性』という意味で、名詞として使われることが多い。また、『偶然』という意味合いも含む。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。
スペルの一部('ance')が共通しており、発音も似ているため、混同しやすい。『dance』は『踊る』という意味の動詞、または『踊り』という意味の名詞。語源的には古フランス語の『dancier(踊る)』に由来し、ラテン語の起源も持つ。語源を知っておくと、他の単語との関連性が見えてくる。
頭の 'l' の音と、語尾の『ch』の音が似ているため、発音を聞き間違えやすい。『latch』は『掛け金』という意味の名詞、または『掛け金をかける』という意味の動詞。ドアなどに使われる留め具を指す。スペルも 'la' の部分が共通しているため、視覚的にも紛らわしい場合がある。
誤用例
『lance』は物理的に槍で突くイメージが強く、比喩的に使うと、文字通り暴力的・攻撃的な印象を与えかねません。報道における厳しい質問は、相手を『串刺しにする』ような『skewer』の方が、ニュアンスとして適切です。日本語の『痛烈な批判』を直訳すると『lance』を選びがちですが、英語では言葉の選び方一つで、意図せぬ攻撃性を示すことになるため注意が必要です。
『lance』は古風な単語で、医療現場ではあまり使われません。現代医学では、切開にはより専門的な『incise』が用いられます。『lance』は中世の騎士が槍を使うイメージが強く、医学的な処置にはそぐわない印象を与えます。日本語の『メスを入れる』という表現から『lance』を連想しがちですが、より正確な医学用語を使うことで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
『lance』は、話題を『槍で突く』ように強引に変えるイメージを与え、不自然です。会話の流れを誘導する場合には、『steer』が適切です。日本語の『話を〜の方へ持っていく』という表現を直訳すると、『lance』のような強い言葉を選んでしまいがちですが、英語ではより穏やかな表現を使うことで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。また、自慢話に終始する人を批判的に表現するなら、婉曲的に『He has a knack for steering the conversation towards his achievements, doesn't he?』のように言う方が、大人の会話としてスマートです。
文化的背景
ランス(lance)は、単なる武器を超え、中世騎士道の象徴、そして勇気と名誉を体現する存在でした。馬上槍試合におけるランスの扱いは、個人の武勇を示すだけでなく、社会的地位や騎士道の精神を可視化する儀式でもありました。
中世ヨーロッパにおいて、ランスは騎士の象徴として特別な意味を持ちました。騎士たちは、ランスを手に戦場で勇敢に戦い、その武勇を称えられました。ランスは、単なる武器ではなく、騎士の誇りであり、名誉を象徴するものでした。馬上槍試合(jousting)は、ランスを用いて騎士たちが一対一で戦う競技であり、その勝敗は騎士の武勇と名誉を決定づける重要な要素でした。試合でランスを正確に相手に突き刺すことは、技術だけでなく、勇気と精神力の証でもありました。ランスが折れる瞬間は、勝敗が決まるだけでなく、騎士の運命をも象徴的に表していました。ランスは、騎士のアイデンティティと深く結びついていたのです。
文学作品においても、ランスは騎士道精神を象徴するアイテムとして頻繁に登場します。アーサー王物語では、円卓の騎士たちがランスを手に聖杯探索の冒険に挑みます。ランスは、彼らの勇気、忠誠心、そして神への信仰心を象徴しています。また、ランスは、正義を貫くための武器としても描かれ、悪を打ち倒すための象徴的な道具として用いられます。ランスは、騎士道物語において、単なる武器ではなく、道徳的な価値観を体現する存在として描かれているのです。
現代においても、ランスは「先駆け」「突破口を開く」といった比喩的な意味で使用されることがあります。例えば、新しい技術やアイデアを導入する際に、「ランスの役割を果たす」という表現が用いられることがあります。これは、ランスが持つ突破力や先導的なイメージが、新しい分野を開拓する行為と結びつけられているためです。また、医療分野においては、手術器具として「ランセット(lancet)」という名前が使われており、これはランスの鋭利な形状が、精密な切開手術に適していることを示唆しています。このように、ランスは、歴史的な背景だけでなく、現代社会においても様々な形でその影響を残しています。
試験傾向
この単語が直接問われることは稀ですが、関連語や派生語が長文読解で登場する可能性があります。特に科学・歴史系のテーマで「槍」や「突撃」といった意味合いで使われることがあります。語彙問題として直接問われる可能性は低いですが、文脈から意味を推測できるようにしておくと良いでしょう。
TOEICでは、この単語が直接的に問われる可能性は低いと考えられます。ビジネスシーンでの使用頻度が低いためです。ただし、技術関連文書や歴史的な背景を扱う文章で稀に出題される可能性はあります。その場合、文脈から意味を推測する能力が重要になります。
TOEFLのアカデミックな文章では、比喩的な意味で使われることがあります。例えば、「lance an investigation」(調査を開始する、着手する)のように使われることがあります。名詞の「槍」という意味よりも、動詞としての用法に注意が必要です。また、語源や関連語を理解しておくと、より深い理解に繋がります。
大学受験レベルでは、難関大学の長文読解で稀に出題される可能性があります。文脈理解が重要であり、比喩的な意味や抽象的な概念を表す際に用いられることがあります。単語単体での知識だけでなく、文章全体の内容を把握する能力が求められます。