incriminate
強勢は 'crim' の部分にあります。最初の 'i' は日本語の『イ』よりも曖昧な[ɪ]の音で、口を少しだけ開けて発音します。最後の 'ate' はエイトではなく、エィトに近い二重母音で発音するとより自然です。'crim'の'r'は、舌を丸めるように意識するとよりネイティブに近い発音になります。
専門的な内容に関するご注意
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罪を立証する
ある人物が犯罪に関与している証拠を示すこと。間接的な証拠や状況証拠も含み、疑いを強めるニュアンスを含む。法律や捜査の文脈で使われることが多い。
The witness's detailed testimony incriminated the suspect in the courtroom.
証人の詳しい証言が、法廷で容疑者の罪を立証しました。
※ この例文は、法廷で証拠(ここでは「証言」)が誰かの罪を明らかにする、典型的な場面を描いています。まるで映画のワンシーンのように、証言台に立つ証人が真実を語り、それが容疑者の有罪を決定づける瞬間を想像してみてください。「incriminate」は、このように法的な文脈で、証拠や情報が「誰かの罪を明らかにする」という意味でよく使われます。
During the police questioning, his nervous answers began to incriminate him.
警察の尋問中、彼の落ち着きのない返答が彼自身の罪を立証し始めました。
※ この例文は、警察の尋問室での緊張感ある状況を描いています。尋問を受けている人が、焦りや緊張から不用意な発言をしてしまい、それが自分自身の罪を明らかにしてしまう、という場面です。このように、自分の言動が意図せず「自分を罪に陥れる」という意味で「incriminate oneself/himself/herself」という形でよく使われます。
He lied to the police, trying to incriminate his rival for the crime.
彼は警察に嘘をつき、その罪でライバルを罪に陥れようとしました。
※ この例文は、誰かが悪意を持って他人を罪に陥れようとする、という少し陰湿な場面を描いています。自分の責任を逃れるため、あるいは個人的な恨みから、偽の証言や証拠を使って他人を「有罪に仕立て上げる」という意図が感じられます。「trying to incriminate」で「〜を罪に陥れようとしている」という企みが伝わります。
不利にする
直接的な犯罪の証明ではなく、ある人物の立場や状況を不利にする証拠を提示すること。自己負罪拒否権(5th Amendment)との関連で使われる場合もある。
His chocolate-stained lips clearly incriminated him, even though he denied eating the cookies.
彼がクッキーを食べたことを否定したにもかかわらず、チョコレートで汚れた彼の唇が彼をはっきりと不利にした。
※ この例文は、誰かが何かを隠そうとしたとき、思わぬ証拠がその人を「不利にする」場面を描いています。ここでは、少年がクッキーを食べたことを否定しても、口元のチョコレートが彼が食べた証拠となり、彼を不利な状況に追い込んでいる様子がわかります。「incriminate」は、このように『誰かが有罪である、または悪いことをしたと示唆する』ときに使われます。日常のちょっとした出来事でも使うことができますよ。
Her whispered secret accidentally incriminated her friend in the school prank.
彼女がささやいた秘密が、うっかり彼女の友人を学校のいたずらで不利にした。
※ この例文では、誰かの発言や行動が、意図せずして別の人を「不利にする」状況を表しています。女の子が秘密をささやいたことで、それが証拠となってしまい、友達が学校のいたずらに関わっていたことを示唆し、その友達を不利な立場に置いた、という情景が浮かびます。このように、誰かを『疑わしい立場に置く』『罪に巻き込む』という意味で使われることが多いです。'accidentally'(うっかり)が付くことで、意図しない結果であることが強調されていますね。
The security camera footage unexpectedly incriminated the delivery driver who was near the broken window.
防犯カメラの映像が、割れた窓の近くにいた配達員を思いがけず不利にした。
※ この例文は、客観的な証拠(防犯カメラの映像)が、ある人物を「不利にする」状況を描いています。窓が割れるという事件があり、その近くにいた配達員が、映像によって『疑われる立場になった』という場面です。ニュース記事や物語などでよく見かける典型的な使い方で、証拠が特定の人物に『罪を負わせる』『有罪と示す』というニュアンスが強く出ます。「unexpectedly」(思いがけず)という言葉から、配達員にとっては不本意な状況であることが伝わります。
コロケーション
自己を陥れる、自己に不利な証言をする
※ 法律用語としてよく使われ、特に裁判や捜査の場面で、自分の言動が自分自身を有罪にする証拠となることを意味します。アメリカ合衆国憲法修正第5条にある『自己負罪拒否特権(the right to remain silent)』の根拠となる考え方です。日常会話よりも、法廷ドラマやニュースなどで耳にすることが多いでしょう。構文としては、再帰代名詞(oneself)を伴う点が重要で、単に『罪を犯す』という意味ではないことに注意が必要です。
状況証拠が不利な状況を示す
※ 直接的な証拠はないものの、状況証拠が積み重なって、ある人物が犯人である可能性を示唆する状況を指します。犯罪小説やニュース記事でよく見られる表現で、状況証拠(circumstantial evidence)という言葉とセットで使われることが多いです。例えば、『指紋や目撃証言はないが、アリバイがないこと、被害者との間にトラブルがあったことなどから、状況証拠は彼をincriminateしている』のように使われます。文法的には、circumstances(状況)が主語となり、incriminate(罪をきせる)という動詞が続く形です。
証拠が~を有罪にする、証拠が~に不利である
※ 証拠が特定の人物や団体を有罪であると示す、または不利な立場に置くことを意味します。この場合の『evidence』は、具体的な証拠物件(documents, DNA samplesなど)を指すこともあれば、証言や記録といった抽象的な証拠を指すこともあります。ニュース報道や法廷ドラマで頻繁に使われる表現で、例えば『The DNA evidence incriminates the suspect.(DNA証拠はその容疑者をincriminateしている)』のように使われます。文法的には、evidence(証拠)が主語となり、incriminates(罪をきせる)という動詞が続く形です。
不当に陥れる、冤罪を着せる
※ 誰かを実際には罪を犯していないのに、罪を犯したかのように見せかけることを意味します。これは非常に深刻な状況であり、法的にも倫理的にも問題があります。映画や小説などでは、陰謀や裏切りを描く場面でよく使われます。例えば、『彼は政敵にfalsely incriminatedされた』のように使われます。副詞falselyが動詞incriminateを修飾し、『誤って、不当に罪をきせる』という意味合いを強調します。
~を罪に陥れる傾向がある、~に不利な証拠となりやすい
※ 直接的に有罪を証明するわけではないものの、ある事柄が結果的に誰かを不利な状況に追い込む可能性があることを示唆します。例えば、『曖昧な証言は、かえって証人をincriminateする傾向がある』のように使われます。この表現は、ある行動や状況が意図せずとも自己または他人を不利にするリスクを指摘する際に役立ちます。文法的には、tend to + 動詞の原形という形で、『~する傾向がある』という意味を表します。
使用シーン
法律、犯罪学、社会学などの分野の論文や教科書で、「〜を立証する」「〜に不利な証拠となる」という意味で使われます。例えば、犯罪心理学の研究論文で「目撃者の証言は容疑者をincriminateするのに十分な証拠とは言えない」のように、証拠の信憑性や妥当性を議論する際に用いられることがあります。また、歴史学の研究で、過去の出来事を分析する際に、ある文書が特定人物をincriminateする可能性がある、といった文脈で使用されることもあります。
法務部門やコンプライアンス関連の文書、あるいは社内調査報告書などで、「罪を立証する」「不利にする」という意味で使用されることがあります。例えば、「内部告発によって、経営陣が不正行為をしていたことをincriminateする証拠が見つかった」のように、企業の倫理問題や不正行為を扱う際に登場します。日常的なビジネスシーンでの使用は稀で、よりフォーマルな文脈で用いられます。
ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、犯罪事件や裁判に関する報道の中で見かけることがあります。例えば、「新たな証拠が容疑者をincriminateしている」のように、事件の状況や進展を説明する際に使われます。日常会話でこの単語を使うことはほとんどありませんが、社会問題や倫理的な問題を議論する際に、知識として知っておくと理解が深まることがあります。
関連語
類義語
ある犯罪や不正行為に間接的に関与していることを示す。フォーマルな場面や法的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『incriminate』が直接的な証拠によって有罪を示すのに対し、『implicate』は状況証拠や間接的なつながりによって関与を示唆する。感情的な強さは『incriminate』の方が強い。 【混同しやすい点】『implicate』は他動詞であり、常に目的語が必要。また、『be implicated in』という形で受動態で使われることが多い。直接的な告発というよりは、疑念を抱かせるニュアンスが強い。
- criminate
誰かを犯罪で告発する、または有罪を証明する。法律用語として使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『incriminate』と非常に近い意味を持つが、『criminate』の方がより直接的な告発や有罪判決を指す。使用頻度は『incriminate』の方が高い。 【混同しやすい点】『criminate』はやや古風な表現であり、現代英語では『incriminate』の方が一般的。また、自己負罪拒否特権(privilege against self-crimination)のような特定の法的な文脈で使われることが多い。
- indict
正式な起訴手続きにおいて、誰かを犯罪で告発する。法廷や司法制度に関連する文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『incriminate』が証拠によって有罪を示唆するのに対し、『indict』は起訴という法的な行為を指す。したがって、よりフォーマルで法的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】『indict』は必ずしも有罪を意味するわけではなく、起訴された段階を示す。有罪であると証明されるまでは無罪推定の原則が適用される。
立場や評判を危うくする、または秘密を漏らすという意味。ビジネス、政治、個人的な状況など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『incriminate』が犯罪行為に焦点を当てるのに対し、『compromise』はより広範な不正行為や秘密の暴露を含む。また、『compromise』はしばしば自己の行為によって評判を落とす場合にも使われる。 【混同しやすい点】『compromise』は名詞としても動詞としても使用可能であり、文脈によって意味が異なる。『incriminate』とは異なり、必ずしも法的な意味合いを持たない。
隠された事実や秘密を明らかにする、または誰かの悪事や不正を暴露する。ジャーナリズムや告発の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『incriminate』が法的な責任を問うニュアンスを含むのに対し、『expose』は道徳的な非難や世間の批判を招く可能性を示唆する。また、『expose』は必ずしも犯罪行為に限定されない。 【混同しやすい点】『expose』はしばしば公益のための告発として用いられ、告発者の正義感が強調される。一方、『incriminate』はより客観的な証拠に基づく告発を意味することが多い。
誰かを陥れるために、偽の証拠をでっち上げる。犯罪ドラマやサスペンス小説でよく見られる表現。 【ニュアンスの違い】『incriminate』が証拠によって有罪を示唆するのに対し、『frame』は意図的に誰かを犯罪者に見せかける行為を指す。悪意と陰謀のニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『frame』はしばしば受動態で使われ、『be framed for』という形で「〜の罪を着せられる」という意味になる。また、比喩的な意味合いで「状況を作り出す」という意味でも使われる。
派生語
- incrimination
『罪を負わせること』を意味する名詞。動詞『incriminate』から派生し、行為や状態を表す接尾辞『-ation』が付加。法廷や報道など、公式な文脈で、罪状を特定する行為そのものを指す際に用いられる。抽象的な概念を扱うため、日常会話よりは学術論文やニュース記事での使用頻度が高い。
- self-incrimination
『自己負罪』という意味。自身を罪に定める行為を指す。法律用語として憲法や裁判に関連する文脈で頻繁に登場し、特に証言拒否権など、個人の権利保護の議論で重要な概念となる。複合語として、法的、倫理的な議論において用いられる。
- incriminatory
『罪を負わせるような』という意味の形容詞。動詞『incriminate』に性質や傾向を表す接尾辞『-ory』が付加。証拠や状況が罪を暗示する性質を持つことを示す際に用いられる。法廷や捜査報道など、特定の状況や証拠が罪を暗示する場合に使用され、客観的な視点を示す。
反意語
『無罪とする』という意味。接頭辞『ex-(外へ)』と『onerare(負担)』が組み合わさり、『負担を取り除く』という語源を持つ。incriminateが罪を負わせるのに対し、exonerateは潔白を証明し、責任や罪から解放することを意味する。法廷や公式な調査において、無実を証明する際に用いられる。
『正当性を証明する』という意味。incriminateが非難や疑いをかけるのに対し、vindicateは証拠や論理によって正当性や潔白を明らかにする。単に罪を免れるだけでなく、名誉回復や権利の擁護を含むニュアンスを持つ。学術的な議論や倫理的な文脈でも用いられる。
『免除する』または『赦免する』という意味。incriminateが罪を負わせるのに対し、absolveは責任や義務から解放することを意味する。宗教的な文脈では罪の赦しを意味し、法的な文脈では責任の免除を意味する。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や、宗教的、法的な議論で用いられる。
語源
「incriminate」は、ラテン語の「in-」(~の中に、~に向かって)と「crimen」(罪、告発)に由来します。さらに「crimen」は、「cernere」(識別する、判断する)という動詞から派生しています。つまり、「incriminate」は、文字通りには「罪の中に(入れる)」、または「罪を負わせる方向へ向かわせる」という意味合いを持ちます。犯罪捜査ドラマなどで、「状況証拠が彼をincriminateしている(不利にしている)」というように使われる場合、まるで彼が罪のネットワークの中に絡め取られていくようなイメージです。日本語で例えるなら、「罪状を特定し、罪を負わせる」という行為そのものを指し、単に「不利にする」よりも、法的な責任や罪の意識を強く含んだ言葉として理解できます。
暗記法
「Incriminate」は、魔女狩りの時代、無実の人々が拷問にかけられ、罪を「自白」させられた歴史を背景に持つ言葉。権力による不当な告発、集団ヒステリー、そして真実の歪曲。法廷ドラマや映画では、陰謀に巻き込まれた主人公が絶望的に追い詰められる状況を描写し、権力と個人の関係、真実と虚偽の境界線といった深遠なテーマを象徴する。単なる法的用語を超え、社会や人間に対する洞察を深める鍵となる。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語頭の 'in-' と 'dis-' の区別が難しいことがあります。意味は『差別する』であり、incriminate(罪を負わせる)とは反対の意味合いを持つこともあります。スペルも似ているため、文脈で判断する必要があります。語源的には、discriminateは『区別する』という意味合いが強く、incriminateとは異なるルーツを持ちます。
この単語自体は一般的ではありませんが、incriminateの語幹である 'crimin-' が共通しているため、意味を推測しようとして混乱する可能性があります。'criminate' は、古くは『告発する』という意味で使用例がありますが、現代英語では 'incriminate' の一部として認識するのが適切です。注意点として、'criminate' 単独で使うことは避けるべきです。
発音が似ており、特に語頭の 'in-' と 'im-' の区別が難しいことがあります。スペルも 'i' と 'm' の違いだけなので、視覚的にも混同しやすいです。意味は『(外国から)移住する』であり、犯罪に関連する 'incriminate' とは全く異なります。語源的には、'immigrate' は『中へ(im-)移る(migrate)』という意味合いを持ち、incriminateとは異なるルーツを持ちます。
発音の強勢の位置が似ており、全体的な音の印象が似ているため、聞き間違いやすいことがあります。スペルも 'i-n-t' という前半部分が共通しています。意味は『親密な』、『詳しく述べる』など、incriminateとは全く異なります。文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要です。
語尾の '-isce' の響きが似ているため、全体的な音の印象から混同される可能性があります。意味は『追憶にふける』であり、犯罪とは無関係です。スペルも全く異なるため、注意深く確認する必要があります。語源的には、'reminisce' は『再び(re-)心に留める(min-)』という意味合いを持ち、incriminateとは異なるルーツを持ちます。
接頭辞 're-' が付いているため、incriminateと関連があるように感じてしまう可能性があります。意味は『非難し返す』であり、incriminate(罪を負わせる)とは異なり、双方向的な非難を意味します。スペルも似ているため、文脈で判断する必要があります。語源的には、recriminateは『再び(re-)告発する(criminate)』という意味合いが強く、incriminateとは異なるニュアンスを持ちます。
誤用例
日本語の『証拠は彼の良い性格を陥れた』という直訳的な発想からincriminateを選んでしまう誤用です。incriminateは法的な文脈で『罪に陥れる』という意味合いが強く、抽象的な名誉や性格を直接incriminateすることは不自然です。ここでは『影を落とす(cast a shadow on)』のように、間接的な表現を使う方が適切です。日本人は『直接的な表現=強い表現』と考えがちですが、英語では婉曲的な表現が洗練されていると見なされる場合もあります。
ここでのincriminateは『巻き込む』という意味で誤用されています。incriminateはあくまで法的な罪や責任を負わせるという意味合いであり、単に問題に巻き込むという意味では不適切です。『負担をかける(burden)』や『迷惑をかける(trouble)』といった表現がより自然です。日本人は『巻き込む』という言葉を広義に捉えがちですが、英語では状況に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。
『彼の沈黙が彼を罪に陥れた』という直訳的な発想からincriminateを選んでしまう誤用です。沈黙が直接罪に陥れるというよりは、状況証拠として不利になった、非難されたというニュアンスです。ここでは『非難する(condemn)』がより適切です。また、incriminateは通常、具体的な証拠や行動によって罪が明らかになる場合に用いられます。日本人は『沈黙は金』という諺から、沈黙が常に肯定的な意味を持つと考えがちですが、状況によっては不利になることもあります。
文化的背景
「Incriminate」は、自己の罪を告白させる、あるいは不利な証拠によって罪を立証するという意味合いを持ち、権力構造における個人の脆弱性を象徴する言葉です。特に、魔女狩りや宗教裁判といった歴史的文脈においては、無実の人々が拷問や脅迫によって「罪を認める」状況が生み出され、この単語は不当な権力行使と密接に結びついてきました。
中世ヨーロッパにおける魔女狩りは、「incriminate」が持つ文化的背景を理解する上で重要な事例です。魔女と疑われた人々は、しばしば根拠のない告発を受け、厳しい尋問によって自白を強要されました。この過程で、関係のない人々が連座し、次々と「incriminate」されていく連鎖が生まれました。この現象は、集団ヒステリーと権力による抑圧が組み合わさった悲劇であり、「incriminate」という言葉は、そのような暗い歴史の記憶を呼び起こします。
現代においても、「incriminate」は法廷ドラマやサスペンス映画などで頻繁に用いられ、登場人物が追い詰められていく心理的な圧迫感や、真実が歪められていく様子を描写する上で重要な役割を果たします。例えば、主人公が陰謀に巻き込まれ、無実の罪を着せられそうになる状況において、「incriminate」は主人公の絶望感や危機感を強調する効果を持ちます。また、警察や検察が証拠を捏造し、容疑者を「incriminate」しようとする場面では、権力の濫用に対する批判的な視点が示されます。
このように、「incriminate」は単なる法的な用語にとどまらず、権力と個人の関係、真実と虚偽の境界線、そして人間の心理的な脆弱性といった、より深いテーマを内包しています。この言葉を学ぶ際には、その背後にある歴史的な文脈や、文学・映画における象徴的な用法を理解することで、語彙力だけでなく、社会や人間に対する洞察力も深めることができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で出題される可能性あり。特に長文読解で文脈から意味を推測させる問題。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など硬めのテーマで、容疑をかける、告発するという意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 他動詞であり、目的語が必要。関連語の'crime'(犯罪)や'criminal'(犯罪者)と合わせて覚える。動詞の活用形も確認しておくこと。
- 出題形式: 主にPart 5, 6の語彙問題、Part 7の長文読解
- 頻度と級・パート: TOEIC全体では出題頻度はやや低め。しかし、ビジネス文書やニュース記事を模した長文で使われる可能性はある。
- 文脈・例題の特徴: 契約違反、不正行為など、ビジネス上の不正を告発する文脈で使用されることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使用例を意識して学習する。'implicate'(関与させる)など、意味が似ている単語との区別を明確にしておく。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に歴史、社会学、法律などのテーマ。
- 文脈・例題の特徴: 論文や学術記事で、証拠によって不利な立場に追い込む、有罪にするという意味で使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用例を多く学ぶ。類義語の'indict'(起訴する)とのニュアンスの違いを理解する。語源(in + crime)から意味を推測するのも有効。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で出題される可能性あり。文脈から意味を推測する問題が多い。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、科学など幅広いテーマで、不利な状況に追い込む、告発するという意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習を積む。類義語や反意語を合わせて覚える。過去問で実際の出題例を確認することが重要。