incremental
第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で弱く、口を少し開けて発音します。/ə/ は曖昧母音で、力を抜いて「ア」と言うイメージです。最後は「ル」と伸ばさず、軽く「ゥ」と発音するとより自然です。/nt/ は日本語にない子音連結なので、/n/ の後、舌先を上の歯茎につけたまま、息を止めるイメージで発音すると、/t/ の音が弱まり、より自然になります。
少しずつの
段階的、漸進的であることを指す。変化や進歩が急激ではなく、小さなステップで進む様子を表す。ビジネスやプロジェクトの文脈で、改善や開発が徐々に進む状況を指すことが多い。例:incremental changes(段階的な変更)、incremental improvement(漸進的な改善)
To pass the difficult exam, he made incremental efforts every day.
その難しい試験に合格するため、彼は毎日少しずつ努力を重ねました。
※ この例文は、大きな目標に向かって「少しずつの(incremental)努力」を地道に続ける様子を描写しています。テスト勉強やスキルアップなど、すぐに結果が出なくても、小さな積み重ねが大切だという場面でよく使われる典型的な表現です。
The team saw incremental improvements in their project every week.
チームは毎週、プロジェクトの少しずつの改善を目の当たりにしました。
※ ここでは、プロジェクトが「少しずつ(incremental)改善」されていく様子が描かれています。ビジネスや開発の現場で、一度に大きな変化を起こすのではなく、小さな改良を積み重ねていく状況で非常によく使われる表現です。目に見える変化がなくても、確実に前進していることを示します。
Each day, she made incremental additions to her savings for a new bike.
毎日、彼女は新しい自転車のために貯金に少しずつ加算していきました。
※ この例文は、貯金箱や口座に「少しずつ(incremental)追加」していく様子を伝えています。何かを少しずつ増やしていく、積み立てていくという状況で「incremental additions」や「incremental deposits」のように使われることが多いです。具体的な目標(新しい自転車)があることで、彼女の行動がより鮮明にイメージできますね。
追加的な
既存のものに付け加える、という意味合い。予算やコスト、利益などが増加する場合に使われる。例:incremental cost(追加コスト)、incremental revenue(追加収入)
She felt a quiet joy as her incremental efforts in English finally began to pay off.
彼女は英語での少しずつの努力が、ついに実を結び始めたことに静かな喜びを感じました。
※ 【情景】毎日コツコツと英語を勉強し、自分でも気づかないうちに力がついてきて、それが報われる瞬間の静かな喜びが伝わります。 【ポイント】「incremental efforts」は「少しずつ積み重ねる努力」を意味する典型的な表現です。大きな目標も、小さな努力の積み重ねで達成できることを表します。
The company decided on an incremental approach to rolling out the new software system.
その会社は、新しいソフトウェアシステムを展開するために、段階的なアプローチを取ることに決めました。
※ 【情景】会社が新しいシステムを導入する際、一気に全てを変えるのではなく、まずは一部だけ、次に別の部分、と慎重に進める会議の様子が目に浮かびます。 【ポイント】「incremental approach」は、特にビジネスやプロジェクト管理において、リスクを抑えながら段階的に物事を進める際に非常によく使われる組み合わせです。 【ヒント】「roll out」は「(新しい製品やサービスなどを)展開する、発表する」という意味で、ビジネスシーンで頻繁に使われます。
He made incremental savings each month to reach his goal of studying abroad.
彼は留学するという目標を達成するため、毎月少しずつ貯金をしました。
※ 【情景】将来の夢のために、毎月少しずつ貯金箱にお金を入れていく、そんな地道な努力と、それがやがて大きな額になることへの期待感が伝わります。 【ポイント】「incremental savings」は、少しずつ貯蓄を増やしていく様子を表すのにとても自然な表現です。大きな目標も、小さな努力の積み重ねで達成できることを表します。 【ヒント】「each month」は「毎月」という意味で、定期的な行動を表すときによく使われます。
コロケーション
段階的な変化、少しずつの変化
※ 最も基本的なコロケーションの一つで、変化が急激ではなく、徐々に進むことを指します。ビジネスシーンでは、プロジェクトの改善や組織改革など、大きな変化を伴う取り組みを小さく分割して進める際に用いられます。例えば、『incremental change in policy』(政策の段階的な変更)のように使われます。急激な変化による混乱を避け、状況を見ながら進める場合に適しています。
段階的な増加、少しずつの増加
※ 数値や量などが、一度に大きく増えるのではなく、少しずつ増えていくことを意味します。給与、価格、温度など、様々なものが対象となり得ます。経済学や統計学の分野でよく用いられ、『incremental increase in sales』(売上の段階的な増加) のように使われます。対義語は『drastic increase』(急激な増加)です。
段階的な改善、少しずつの改善
※ 製品、プロセス、スキルなどが、一気に完璧になるのではなく、小さな改善を積み重ねて良くなっていくことを指します。製造業やソフトウェア開発の現場でよく使われ、品質管理や効率化の取り組みを表す際に用いられます。例えば、『incremental improvement in efficiency』(効率の段階的な改善)のように表現します。日本の「カイゼン」の概念に近いと言えるでしょう。
増分費用、追加費用
※ ある活動レベルにおける生産量やサービス量をわずかに増加させた際に発生する追加的な費用を指します。経済学や会計学で用いられる専門用語で、意思決定において、追加的なコストと追加的な収益を比較検討する際に重要な概念となります。例えば、『analyzing the incremental cost of a marketing campaign』(マーケティングキャンペーンの増分費用を分析する)のように使われます。
増分収益、追加収益
※ ある活動レベルにおける生産量やサービス量をわずかに増加させた際に発生する追加的な収益を指します。incremental costと対になる概念で、経済学や会計学で用いられます。例えば、『calculating the incremental revenue from a new product line』(新製品ラインからの増分収益を計算する)のように使われます。費用対効果を評価する際に不可欠な要素です。
段階的アプローチ、漸進的アプローチ
※ 問題解決や目標達成のために、一気に解決策を講じるのではなく、小さなステップを積み重ねていく方法を指します。リスクを最小限に抑えながら、柔軟に対応できる利点があります。プロジェクトマネジメントや戦略立案の分野でよく用いられます。例えば、『taking an incremental approach to system implementation』(システム導入への段階的アプローチを取る)のように使われます。大規模な変更を行う前に、小さく試して効果を検証する場合に適しています。
段階的学習、漸進的学習
※ 一度に大量の情報を詰め込むのではなく、少しずつ知識を習得していく学習方法を指します。特に、複雑なスキルや知識を習得する際に有効です。教育分野や自己啓発の分野で用いられ、『incremental learning of a new language』(新しい言語の段階的学習)のように使われます。長期的な視点で、無理なく学習を継続できる点がメリットです。
使用シーン
学術論文、研究発表、教科書などで頻繁に使用されます。例えば、統計モデルの改善を議論する際に「モデルの精度はincrementalに向上した(モデルの精度は徐々に向上した)」のように使われます。また、ソフトウェア開発の研究分野では、「incremental development(段階的開発)」という用語が一般的に用いられます。
プロジェクトの進捗報告や、製品の改善計画などで使われます。例えば、「incremental improvements in efficiency(効率における段階的な改善)」のように、徐々に改善していく様子を表す際に用いられます。会議やプレゼンテーションなどのフォーマルな場面で使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事や技術系のブログなどで見かけることがあります。例えば、「incremental changes to the law(法律の段階的な変更)」のように、社会の変化について議論する際に用いられることがあります。フォーマルな文脈で使われることがほとんどです。
関連語
類義語
『徐々に』『段階的に』という意味で、変化や進行が緩やかであることを表す。形容詞または副詞として用いられる。学術的な文脈や、長期的なプロセスを説明する際によく使われる。 【ニュアンスの違い】"incremental"と同様に、段階的な変化を表すが、"gradual"はより自然な、あるいは予測可能な変化を指すことが多い。"incremental"は、より計画的で制御された変化を意味する場合がある。 【混同しやすい点】"gradual"は、変化の過程全体を指すのに対し、"incremental"は、個々のステップや段階に焦点を当てることが多い。例えば、「gradual improvement(徐々の改善)」は全体的な改善の傾向を指し、「incremental improvement(段階的な改善)」は、具体的な改善のステップを指す。
『進歩的な』『漸進的な』という意味で、前向きな変化や進歩を伴う段階的な進行を表す。社会的な変化や政治的な文脈でよく用いられる。また、病気の進行を表す場合にも使われる。 【ニュアンスの違い】"incremental"と異なり、"progressive"は、変化の方向性がポジティブであることを含意する。また、"progressive"は、より大きなスケールでの変化や進歩を指すことが多い。 【混同しやすい点】"progressive"は、常に良い意味合いを持つとは限らない。病気の進行など、ネガティブな状況を表す場合もある。"incremental"は、良い意味にも悪い意味にもなり得る。
- step-by-step
『段階的な』『一歩ずつ』という意味で、プロセスや手順が明確に定義された段階で進むことを強調する。日常会話や、具体的な指示を出す場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"incremental"よりも、より具体的な手順や段階に焦点を当て、具体的な行動を伴う変化を指す。"incremental"は、より抽象的な概念や変化を表すことができる。 【混同しやすい点】"step-by-step"は、具体的な行動を伴う変化を表すため、抽象的な概念や変化には適さない場合がある。例えば、「step-by-step improvement(段階的な改善)」は、具体的な改善策を伴う場合にのみ適切である。
- piecemeal
『少しずつの』『断片的な』という意味で、全体を一度に処理するのではなく、小さな部分に分けて行うことを表す。しばしば、計画性や統一性の欠如を示唆するニュアンスを含む。ビジネスや政治の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"incremental"と同様に、段階的な変化を表すが、"piecemeal"は、より非体系的で、全体像を考慮しない断片的なアプローチを意味する。"incremental"は、より計画的で体系的なアプローチを指す。 【混同しやすい点】"piecemeal"は、しばしばネガティブな意味合いを持つ。全体的な戦略や計画がない、または不十分な場合に用いられることが多い。"incremental"は、必ずしもネガティブな意味合いを持たない。
- creeping
『忍び寄る』『徐々に広がる』という意味で、気づかないうちに徐々に進行する変化を表す。しばしば、ネガティブな変化や望ましくない状況を表す。比喩的な表現として用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"incremental"と同様に、段階的な変化を表すが、"creeping"は、より陰湿で、気づきにくい変化を意味する。また、"creeping"は、しばしば不安や警戒心を伴う。 【混同しやすい点】"creeping"は、通常、ネガティブな意味合いを持つ。例えば、「creeping inflation(忍び寄るインフレ)」は、徐々に進行するインフレの状況を表し、警戒心を喚起する。
『徐々に』『少しずつ』という意味で、段階的な変化を表す。やや古風な表現で、文学作品や歴史的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"incremental"と同様に、段階的な変化を表すが、"by degrees"は、より緩やかで、時間をかけた変化を意味する。また、"by degrees"は、よりフォーマルな文体で用いられる。 【混同しやすい点】"by degrees"は、現代的なビジネスや日常会話ではあまり使われない。学術的な文脈や、文学作品などで見かけることが多い。
派生語
- increment
名詞で「増加(量)」、特に段階的な増加を表す。動詞 'increase'(増加する)の名詞形と捉えられ、ビジネスや科学技術分野で、数値データや進捗状況の変化を表す際に頻繁に使用される。語源的には 'grow' (成長する) に関連。
副詞で「ますます、だんだんと」。形容詞 'increasing'(増加している)に副詞化の接尾辞 '-ly' が付いた形。徐々に変化・進行する様子を表し、論文や報道記事などで傾向や変化を示す際に用いられる。
動詞・名詞として使用され、「増加する」「増加」を意味する。 'in-'(中へ)と 'crescere'(成長する)が組み合わさった語源を持ち、段階的であるか否かに関わらず、量や程度が増すことを広く指す。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く用いられる。
反意語
動詞・名詞として「減少する」「減少」を意味する。接頭辞 'de-'(減少)が 'increase' の反対の意味を形成。段階的であるか否かに関わらず、量や程度が減ることを指す。 incremental が段階的な増加を強調するのに対し、decrease は単に減少という結果を述べる。
形容詞・名詞として「全体の」「合計」。Incremental が「部分的な増加」を意味するのに対し、total は「全体」や「総計」を意味し、全体像を捉える際に用いられる。例えば、'incremental improvements'(段階的な改善)に対して、'total overhaul'(全面的な見直し)のように対比される。
形容詞で「実質的な」「かなりの」。incremental が小さい段階的な変化を示すのに対し、substantial は大きく目に見える変化を指す。ビジネスシーンで、'incremental gains'(わずかな利益)と 'substantial profits'(かなりの利益)のように使い分けられる。
語源
「incremental」は、「少しずつ増加する」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞「in-」(中に、上に、または強調の意味)と「crescere」(成長する)という動詞から派生した「incrementum」(成長、増加)という名詞に、形容詞を作る接尾辞「-al」が付いたものです。「crescere」は、植物が芽を出し、成長していく様子を表す言葉で、日本語の「生い茂る」というイメージに近いかもしれません。つまり、「incremental」は、文字通りには「成長に向かう性質を持つ」という意味合いを含んでおり、それが「少しずつ増加する」という現代的な意味に繋がっています。段階的に、着実に成長していくプロセスを表す言葉として、学び直しにも通じるニュアンスがあります。
暗記法
「incremental」は、西洋の着実な進歩への信頼を映す言葉。科学では、エジソンの電球のように試行錯誤の末に生まれる発明を支え、ダーウィンの進化論のように漸進的な変化の重要性を示唆します。経済では、リスクを避けた段階的投資、社会改革では、社会の安定を保ちつつ進む漸進的な変革を意味します。急激な変化を避け、着実に理想へ近づく姿勢に宿る、奥ゆかしい知恵の言葉なのです。
混同しやすい単語
『incremental』とスペルが似ており、特に語頭の'in'と'inte'の違いを見落としやすい。意味は『不可欠な』『完全な』であり、増加的という『incremental』とは大きく異なる。発音もストレスの位置が異なるため注意が必要(incrementalはincre、integralはinteにストレス)。
『incremental』は形容詞であり、『increment』はその名詞形(増加、増分)。意味は関連しているが、品詞が異なるため、文法的な誤りをしやすい。文章中でどちらの形を使うべきか注意が必要。例えば、『incremental change(漸進的な変化)』のように形容詞で名詞を修飾する。
スペルが似ており、特に'm'と'l'の位置に注意が必要。意味は『(天候が)荒れ模様の、厳しい』であり、全く異なる。語源的には、『in-(否定)』+『clemens(穏やかな)』であり、天候が穏やかでないことを意味する。発音も異なるため、注意して聞き分ける必要がある。
語尾の '-mental' が共通しているため、スペルの一部が似ていると感じやすい。意味は『有害な、不利益な』であり、増加的という意味の『incremental』とは全く異なる。語源的には、'deter'(悪化させる)に関連しており、ネガティブな意味合いを持つ。
語尾の '-mental' が共通しているため、スペルの一部が似ていると感じやすい。意味は『役に立つ、助けとなる』、『楽器の』など。incrementalとは意味が大きく異なる。発音もストレスの位置が異なるため注意が必要(instrumentalはmenにストレス)。
スペルが長く複雑なため、全体的な視覚的印象が似ていると感じることがある。意味は『侵略、侵害』であり、増加的という意味の『incremental』とは全く異なる。特に、ビジネスや法律関連の文脈では、意味の違いを正確に理解することが重要となる。
誤用例
日本語では「漸進的な進歩を急速に」のように、形容詞を修飾する副詞(rapidly)が先に来るのが自然ですが、英語では形容詞(incremental)が名詞(progress)を修飾する場合、形容詞を修飾する副詞(rapid)は形容詞の直前に置くのが一般的です。英語の語順は修飾語が被修飾語の近くに配置される傾向が強く、この原則に従うことで意味がより明確になります。日本語の直訳的な発想から抜け出し、英語の語順の原則を意識することが重要です。
『ignorable』は『無視できる』という意味ですが、通常は意図的に無視できる場合に使われます。一方、『negligible』は『取るに足らないほど小さい』という意味で、小さすぎて無視せざるを得ないニュアンスです。日本語の『無視できる』という言葉には、意図的な意味合いと、小さすぎて無視できる意味合いの両方が含まれるため、英語に直訳する際に誤用が生じやすいです。この背景には、日本語の曖昧さを許容する文化と、英語のより明確な意味区分を求める文化の違いがあります。
『incremental innovation』は『漸進的イノベーション』という意味で、既に確立された技術やプロセスを少しずつ改善していくことを指します。しかし、単に『incremental innovation』と言うと、革新の規模が小さいという印象を与え、企業のコミットメントを強調するには不十分です。『continuous incremental innovation(継続的な漸進的イノベーション)』とすることで、企業が継続的に改善に取り組む姿勢を示すことができ、より説得力が増します。日本語の『イノベーション』という言葉は、時に大きな変革のみを指すことがありますが、英語では小さな改善もイノベーションに含まれるため、文脈に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。
文化的背景
「incremental(漸進的な)」という言葉は、西洋社会において、理想への到達が必ずしも劇的な変革によるのではなく、着実な努力と改善の積み重ねによって実現されるという価値観を反映しています。特に、科学、経済、社会改革の分野において、段階的な進歩を重視する姿勢と深く結びついており、急激な変化に伴う混乱やリスクを避け、安定した発展を促すという考え方が根底にあります。
19世紀の産業革命以降、科学技術の進歩は目覚ましいものとなりましたが、その過程は常に成功の連続ではありませんでした。多くの発明や発見は、試行錯誤の繰り返し、つまり「incremental」な改善の積み重ねによって成し遂げられました。例えば、エジソンの電球開発は、数千回に及ぶ実験の末に実用化されたことで知られています。このエピソードは、失敗から学び、少しずつ改善を重ねることで最終的な成功に至るという「incremental」なアプローチの重要性を象徴しています。また、ダーウィンの進化論も、自然淘汰による生物の漸進的な変化を説いたものであり、「incremental」な変化が長期的に大きな影響をもたらすことを示唆しています。
経済学においても、「incremental」なアプローチは重要視されます。企業は、新規事業への投資や製品開発において、リスクを最小限に抑えるために、段階的な投資を行うことが一般的です。これは、市場の反応を見ながら徐々に投資額を増やすことで、失敗した場合の損失を抑えるという戦略です。また、政府による経済政策も、「incremental」な変更が好まれる傾向があります。急激な政策変更は、市場の混乱を招く可能性があるため、段階的な改革によって経済の安定を維持することが重視されます。このように、「incremental」なアプローチは、経済の安定と成長を両立させるための重要な要素となっています。
社会改革においても、「incremental」なアプローチは、しばしば現実的な選択肢となります。例えば、人種差別やジェンダー差別といった社会問題の解決は、一朝一夕には達成できません。法律の改正や教育の普及、意識改革など、様々な取り組みを段階的に進めることで、社会全体の意識を変えていく必要があります。「incremental」なアプローチは、抵抗勢力との対立を避けながら、着実に社会を変革していくための有効な手段となります。ただし、「incremental」なアプローチは、時に進歩が遅いと批判されることもあります。特に、緊急性の高い問題に対しては、より大胆な改革が求められることもあります。しかし、「incremental」なアプローチは、社会の安定を維持しながら、着実に目標を達成するための現実的な選択肢として、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題、長文読解で出題される可能性があります。1級ではエッセイでの使用も考えられます。
1. 出題形式:語彙問題、長文読解、英作文
2. 頻度と級・パート:準1級以上、リーディングパート
3. 文脈・例題の特徴:アカデミックな内容、社会問題、科学技術など
4. 学習者への注意点・アドバイス:形容詞(incremental)だけでなく、副詞(incrementally)の形も覚えておく。類義語との使い分け(gradual, progressive)を意識する。
Part 5, 6, 7 で登場する可能性があります。ビジネス文書や記事からの抜粋で、改善や進捗を表す文脈で使われることが多いです。
1. 出題形式:語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート:Part 5, 6, 7
3. 文脈・例題の特徴:ビジネスレター、レポート、記事など
4. 学習者への注意点・アドバイス:ビジネスシーンでの「段階的な」という意味合いを理解する。動詞(increment)の形も覚えておく。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな内容で、研究やプロセスを説明する際に使われることが多いです。
1. 出題形式:長文読解
2. 頻度と級・パート:リーディングセクション
3. 文脈・例題の特徴:科学、歴史、社会科学などの学術論文
4. 学習者への注意点・アドバイス:抽象的な概念や理論を説明する文脈で使われることが多いので、文脈全体を理解することが重要。incrementとの関連性を意識する。
長文読解で出題される可能性があります。評論文や説明文で、社会問題や科学技術に関するテーマで登場することがあります。
1. 出題形式:長文読解
2. 頻度と級・パート:難関大学の長文読解
3. 文脈・例題の特徴:評論文、説明文、科学技術、社会問題
4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈から意味を推測する練習をする。類義語(gradual, successive)との違いを理解する。