grounds
二重母音 /aʊ/ は「ア」から「ウ」へスムーズに変化させます。日本語の「ア」よりも口を大きく開け、「ウ」は唇を丸めて突き出す意識を。語尾の /dz/ は、有声の「ズ」の音で、のどを震わせることを意識しましょう。単数形の ground /ɡraʊnd/ との違いを明確にすることが重要です。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
理由
行動や意見の根拠となる理由や根拠。論理的なつながりや正当性を示すニュアンスを含む。主に複数形で用いられる。
The boss had good grounds for changing the project plan suddenly.
上司は、急にプロジェクト計画を変更する正当な理由がありました。
※ 会議室で、上司が真剣な顔でホワイトボードの前に立っています。突然の変更に少し戸惑うメンバーたちに、上司は納得のいく理由(good grounds)を説明しようとしています。「grounds」は「正当な理由」「根拠」といった、ある行動を裏付けるしっかりした理由を指すときに使われます。常に複数形で用いられるのがポイントです。
She decided to quit her job on health grounds.
彼女は健康上の理由で仕事を辞めることにしました。
※ 疲れた表情の女性が、自分のデスクで荷物をゆっくりと片付けています。同僚が心配そうに見守る中、彼女は健康(health)を最優先する決断をしました。このように「on ... grounds」の形で、「〜の理由で」という原因や根拠を示す際によく使われます。特に個人的な事情や、ある特定のカテゴリーの理由を指す場合に便利です。
The customer had no grounds to ask for a refund.
その顧客には返金を要求する根拠がありませんでした。
※ デパートの返品カウンターで、店員が困った顔で客と話しています。客は少し怒っているようですが、店員は冷静に、返金に応じられない明確な理由(no grounds)を説明しています。この例文のように「no grounds」で「〜する根拠がない」「正当な理由がない」という否定的な文脈で使われることも非常に多いです。
敷地
建物を取り囲む土地や場所。庭、競技場、学校の校庭など、特定の目的で使用されるエリアを指すことが多い。こちらも複数形で用いられる。
Children love to play on the wide school grounds during recess.
子どもたちは休み時間に、広い学校の敷地で遊ぶのが大好きです。
※ この例文は、子どもたちが学校の広々とした敷地(校庭や校庭の周りの土地)で元気に遊んでいる情景を描いています。「school grounds」は学校の敷地全体を指す典型的な表現です。複数形 'grounds' で「敷地」という意味になることを覚えましょう。
We enjoyed walking around the beautiful grounds of the old mansion.
私たちは古い大邸宅の美しい敷地を散策して楽しみました。
※ この文は、歴史ある大きな家(大邸宅)の周りにある庭園や森なども含めた「敷地」を散歩している優雅な場面を想像させます。「grounds of the mansion」のように、「~の敷地」と具体的に対象を示す場合によく使われます。その場所の雰囲気を楽しむ様子が伝わりますね。
The company built a new factory on its large grounds.
その会社は、広大な敷地内に新しい工場を建設しました。
※ この例文は、会社が所有する広大な土地に新しい建物を建てるというビジネスの場面を描写しています。工場や病院、大学など、広い土地を必要とする施設の「敷地」を表す際によく使われます。会社の成長と、その規模の大きさが伝わる表現です。
立脚させる
(受動態で)意見や主張などを特定の根拠や事実に基盤を置くこと。しっかりとした土台の上に構築するイメージ。
Her new theory is firmly grounded in real-world data.
彼女の新しい理論は、現実世界のデータにしっかりと基づいています。
※ この例文は、研究者が自信を持って自分の理論を発表し、それが単なる推測ではなく、具体的なデータに基づいていることを示す場面を想像させます。「理論や考えが、具体的なデータや事実に基づいている」という文脈で非常によく使われる典型的な表現です。動詞 'grounds' は、このように受動態(be grounded in/on...)で使われることが多く、「〜に基づいている」という意味になります。
His actions are grounded in his strong belief in justice.
彼の行動はすべて、正義への強い信念に基づいています。
※ この例文からは、困難な状況でも自分の信念を曲げずに、行動する人の揺るぎない姿が目に浮かびます。人の行動や考え方の根本的な理由、または揺るぎない根拠を説明するのにぴったりの使い方です。ここでは「in」を使うことで、「その信念の中に深く根ざしている」というニュアンスが強調されます。
The company's new policy is grounded on feedback from its customers.
その会社の新しい方針は、顧客からのフィードバックに基づいています。
※ この例文は、企業が顧客の声を真剣に聞き、それを基に改善を行う、誠実な姿勢を描いています。ビジネスの場で「決定や方針が、具体的な情報源(データ、意見など)に基づいている」ことを示す際によく使われます。「on」は「〜の上に」というイメージで、特定の根拠の上に方針が成り立っている様子を自然に表します。
コロケーション
神聖な場所、聖地
※ 歴史的、宗教的に重要な場所を指し、尊敬と畏敬の念を込めて使われます。単に「神聖な場所」というだけでなく、過去の出来事や人々の記憶が深く刻まれた場所、という意味合いが強いです。例えば、戦場跡地、重要な宗教施設、歴史的な建造物の敷地などに用いられます。形容詞"hallowed"は「神聖にされた」という意味で、過去の出来事によってその場所が特別な意味を持つようになったことを示唆します。文学的な表現であり、日常会話よりも歴史や文化に関する文脈でよく見られます。
道徳的な理由で、倫理的な根拠に基づいて
※ ある行為や決定を支持または反対する際に、その根拠が道徳的な原則や信念に基づいていることを示します。法的、経済的な理由ではなく、倫理的な観点から判断していることを強調する際に用いられます。たとえば、「on moral grounds, I cannot support this war(道徳的な理由から、私はこの戦争を支持できません)」のように使います。ビジネスシーンや政治的な議論など、倫理観が問われる場面で頻繁に用いられます。類似の表現として"ethical grounds"がありますが、"moral grounds"の方がより個人的な信念や良心に基づいているニュアンスが強いです。
健康上の理由で
※ ある行動や決定が、健康状態によって制限されている、または健康を考慮して行われることを意味します。たとえば、退職、転勤、活動への参加などを断る理由として使われます。「I had to resign on health grounds(健康上の理由で辞任せざるを得なかった)」のように使われます。ビジネスシーンや公的な場面で、個人的な事情を婉曲的に伝えるために用いられることが多いです。類義語に"for health reasons"がありますが、"on health grounds"の方がややフォーマルな印象を与えます。
(~のために)基礎を築く、準備をする
※ 将来の成功や発展のために、必要な準備や計画を立てることを意味します。比喩的に、建物や構造物の基礎工事に例えられ、その後の活動を円滑に進めるための土台を作るイメージです。たとえば、「We need to lay the groundwork for the new project(新しいプロジェクトのために基礎を築く必要がある)」のように使われます。ビジネスシーンやプロジェクト管理などで頻繁に用いられ、長期的な視点での準備の重要性を示唆します。類似の表現として"prepare the ground"がありますが、"lay the groundwork"の方がより具体的な行動を伴うニュアンスがあります。
変化する根拠、不安定な基盤
※ 議論や主張の根拠、または状況が変化し、不安定になっている状態を指します。文字通り「地面が揺れ動く」イメージで、信頼性や安定性が失われていることを示唆します。たとえば、「The political landscape is on shifting grounds(政治情勢は不安定な基盤の上にある)」のように使われます。ニュース報道や政治的な分析でよく用いられ、不確実性や変動性を強調する際に効果的です。類似の表現として"unstable grounds"がありますが、"shifting grounds"の方がより動的な変化を表します。
共通の基盤、共通の話題
※ 複数の人々やグループが共有する意見、興味、価値観などを指します。議論や交渉において、合意点を見つけるための出発点として重要です。たとえば、「We need to find common grounds to resolve this conflict(この対立を解決するために共通の基盤を見つける必要がある)」のように使われます。ビジネス、政治、人間関係など、さまざまな場面で用いられ、相互理解と協力の促進を示唆します。類似の表現として"shared interests"がありますが、"common grounds"の方がより深いレベルでの共通性を示します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、議論の根拠や理論的基盤を示す際に用いられます。例えば、「この研究は先行研究の確固たる根拠に基づいて行われた(This research was conducted on firm grounds of previous studies.)」のように使われます。また、複数の解釈や意見が存在する場合に「~という根拠で(on the grounds that)」と議論を展開する際にも使われます。
ビジネス文書や会議で、決定事項や提案の理由を説明する際に使用されます。例えば、「コスト削減の根拠に基づいて、このプロジェクトは中止されました(The project was cancelled on the grounds of cost reduction.)」のように、比較的フォーマルな文脈で用いられます。また、従業員の解雇理由を説明する際など、重要な場面で使われることもあります。
日常会話では「敷地」という意味で使われることが多いですが、「理由」という意味で使われることは比較的少ないです。例えば、「学校の敷地内で(on the school grounds)」といった表現はよく耳にします。ニュースや報道番組で、裁判の判決理由などを説明する際に「~という理由で(on the grounds that)」という形で使われることもあります。
関連語
類義語
『基礎』や『根拠』という意味で、議論、主張、決定などの基盤となるものを指す。学術的な文脈や、議論の場、法的文書などでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『grounds』が具体的な事実や状況に基づいた根拠を指すのに対し、『basis』はより抽象的な概念や原則に基づく根拠を指すことが多い。また、groundsは複数形で使われることが多いのに対し、basisは単数形で使われることが多い。 【混同しやすい点】『grounds』は具体的な根拠を示す際に使い、『basis』は抽象的な原則や理論を示す際に使う、という使い分けを意識する必要がある。例えば、「その決定のgroundsは証拠の不足だ」とは言えるが、「その決定のbasisは証拠の不足だ」とは言いにくい。
- reasons
『理由』という意味で、ある行動や決定を説明するための原因や動機を示す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『grounds』が客観的な事実や状況に基づいた根拠を指すのに対し、『reasons』は主観的な動機や判断を含むことが多い。また、『reasons』は単数または複数形で使われるが、『grounds』は通常複数形。 【混同しやすい点】『grounds』は客観的な事実に基づいた根拠を強調したい場合に使い、『reasons』は主観的な動機や個人的な理由を強調したい場合に使う。例えば、「解雇のgroundsは業績不振だ」とは言えるが、「解雇のreasonsは個人的な不満だ」とは言いにくい。
『基礎』や『土台』という意味で、建物や組織、理論などの基盤となるものを指す。建築、ビジネス、学術など様々な分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『grounds』が具体的な根拠や理由を指すのに対し、『foundation』はより根本的で安定した基盤を指す。また、foundationは不可算名詞としても可算名詞としても使われる。 【混同しやすい点】『grounds』は具体的な根拠を示す際に使い、『foundation』はより抽象的で長期的な基盤を示す際に使う。例えば、「その組織のfoundationは信頼関係だ」とは言えるが、「その組織のgroundsは信頼関係だ」とは少し不自然。
『正当化』や『弁明』という意味で、ある行動や決定が正しいことを示すための理由や根拠を示す。フォーマルな場面や、議論、倫理的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『grounds』が客観的な事実に基づいた根拠を指すのに対し、『justification』は主観的な判断や倫理的な正当性を含むことが多い。また、『justification』は、ある行動や決定が批判されている状況で、それを擁護するために用いられることが多い。 【混同しやすい点】『grounds』は客観的な根拠を示す際に使い、『justification』は主観的な正当性を主張する際に使う。例えば、「その行動のgroundsは法律に基づいている」とは言えるが、「その行動のjustificationは法律に基づいている」と言うと、法律を根拠に正当化しているニュアンスになる。
『言い訳』や『口実』という意味で、失敗や過ちを弁解するための理由を示す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『grounds』が客観的な根拠を指すのに対し、『excuse』は主観的で、しばしば不十分な理由を指す。また、『excuse』は、責任を回避しようとするニュアンスを含むことが多い。 【混同しやすい点】『grounds』は客観的な根拠として提示されるのに対し、『excuse』は個人的な弁解として提示される。例えば、「遅刻のgroundsは電車の遅延だ」とは言えるが、「遅刻のexcuseは電車の遅延だ」と言うと、言い訳がましいニュアンスになる。
『理論的根拠』という意味で、ある行動、決定、信念などの背後にある論理的な理由や原則を示す。ビジネス、学術、政策決定などの分野でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『grounds』が具体的な事実や状況に基づいた根拠を指すのに対し、『rationale』はより抽象的で体系化された理論的な根拠を指す。また、『rationale』は、なぜその行動や決定が合理的であるかを説明するために用いられる。 【混同しやすい点】『grounds』は具体的な根拠を示す際に使い、『rationale』は理論的な根拠を示す際に使う。例えば、「その戦略のgroundsは市場調査の結果だ」とは言えるが、「その戦略のrationaleは市場調査の結果だ」と言うと、市場調査の結果を基にした理論的根拠がある、というニュアンスになる。
派生語
- grounded
『根拠のある』『しっかりした』という意味の形容詞。もともとは『地に足がついた』状態を指し、そこから比喩的に『現実的』『確固たる根拠を持つ』という意味に発展。日常会話では『外出禁止』の意味でも使われる。過去分詞形が形容詞化したもの。
『地下の』という意味の形容詞または名詞。名詞としては『地下鉄』や『アンダーグラウンド文化』を指す。接頭辞『under-(下)』が『ground(地面)』に付くことで、物理的な位置関係を表す。日常会話からニュース記事まで幅広く使用される。
『背景』という意味の名詞。比喩的に『生い立ち』や『事情』を指すこともある。接頭辞『back-(後ろ)』が『ground(地面)』に付くことで、文字通り『後ろにある地面』から、見えない支持基盤や前提となる状況を意味するようになった。ビジネスや学術分野でも頻繁に使われる。
反意語
『空中』や『空』という意味の名詞。『grounds』が地面や根拠を指すのに対し、『air』はそれらの対極にある、不安定で掴みどころのない空間を意味する。比喩的には、『根拠がない』『非現実的』といった意味合いで対比される。例:air castles(空中楼閣)。
- ungrounded
『根拠のない』『不安定な』という意味の形容詞。接頭辞『un-(否定)』が『grounded(根拠のある)』に付くことで、意味が反転する。『grounds』が確固たる基盤を意味するのに対し、『ungrounded』はそれが欠如している状態を表す。学術論文や議論で、主張や理論の弱さを指摘する際に用いられる。
『抽象的な』という意味の形容詞。『grounds』が具体的な根拠や事実に基づいているのに対し、『abstract』は具体的なものから離れて、概念や理論に偏っていることを示す。哲学や数学などの分野で、『grounds』が具体的な例や証拠を指すのに対し、『abstract』はそれらを一般化した概念を指す。
語源
"grounds」は、古フランス語の「grund」(底、土地)に由来し、さらにゲルマン祖語の「*grunduz」(地面、基盤)に遡ります。この語源から、「grounds」は文字通りには「地面」や「土地」を意味しますが、そこから派生して「根拠」「理由」「立脚点」といった意味を持つようになりました。何かを「grounds」するという行為は、文字通り地面にしっかりと立たせるように、確固たる基盤の上に何かを築き上げるイメージです。例えば、法的な議論における「grounds」は、その主張を支える土台となる事実や法的根拠を指します。日本語の「根拠」という言葉も、木の根が地面にしっかりと張っている様子を連想させるように、「grounds」もまた、目に見えない思考や議論を支える基盤となるという点で共通しています。
暗記法
「grounds」は、単なる土地から、意見や行動の拠り所となる根拠へ。法廷や政治の場では、正当性や倫理観という見えざる基盤を指し示す言葉として重みを増します。一方で、コーヒーかす占いが示すように、一見無価値なものの中に未来を読み解く手がかりが隠されていることも。「grounds」は、私たちが常に根拠を求め、価値観を築こうとする普遍的な欲求を映し出す鏡なのです。
混同しやすい単語
『grounds』の単数形。発音はほぼ同じだが、単数か複数かで意味や文法的な役割が異なる。『grounds』が『根拠』『理由』『敷地』などの意味を持つ一方、『ground』は『地面』『根拠』という意味の他に、動詞として『(船などを)座礁させる』という意味も持つ。複数形かどうか注意が必要。
『grind』(挽く、研ぐ)の三人称単数現在形、または複数形の動名詞。発音が似ているため、文脈によっては混同しやすい。特に、動名詞として使われる場合、『grounds』の比喩的な意味(例えば、『コーヒーの挽きかす』)と意味が重なることがあるので注意が必要。
『grant』(与える、認める)の三人称単数現在形、または複数名詞(補助金)。発音の母音部分がわずかに異なるものの、語尾が同じ '-nts' であるため、聞き間違いやすい。意味は全く異なるため、文脈で判断する必要がある。
『groan』(うめき声)の三人称単数現在形、または複数名詞。発音の母音部分が似ており、特に早口で話されると聞き分けにくい。『grounds』が名詞として使われる場合が多いのに対し、『groans』は動詞としても頻繁に使われる。意味も全く異なるため、文脈で判断する必要がある。
『round』(丸い、一周)の複数形。発音が似ているため、特に会話では混同しやすい。『rounds』は『巡回』『一連の行動』などの意味を持つことがあり、『grounds』の『根拠』『理由』とは意味が異なる。文脈によって意味を判断する必要がある。
『grounds』を含む複合語で、『競技場の整備員』という意味。『grounds』の意味を知っていても、この単語を知らないと意味を推測できない可能性がある。複合語全体で一つの意味を持つことを理解する必要がある。
誤用例
「grounds」は「理由」という意味ですが、フォーマルな場面、特に法的な文脈で使われることが多いです。「race」を理由に解雇することは違法行為なので、より直接的に「because of」を使う方が適切です。また、最後に「such a thing is illegal」と付け加えることで、不当解雇に対する非難のニュアンスを明確にできます。日本人が「〜という理由で」を直訳しようとする際に、安易に「on the grounds of」を選んでしまう傾向があります。
「grounds」を「関係」の意味で使うのは不自然です。「grounds」は「根拠」「理由」といった意味合いが強く、人間関係を表す場合は「terms」を使うのが適切です。「on good terms」は「〜と良好な関係である」という意味の決まり文句です。日本人が「良い関係」を直訳しようとして、場所を表す「grounds」を使ってしまうのは、日本語の空間的な表現に引きずられた誤用と考えられます。
「grounds」は「敷地」「庭」という意味ですが、単に場所を示す名詞であり、「flowered」のような動詞的な使い方はしません。「The gardens were beautifully planted with flowers.」のように、「庭」を意味する名詞「gardens」を使用し、「花が植えられている」という状態を動詞で表現する必要があります。日本人が「庭に花が咲き乱れている」という情景を表現しようとする際に、「grounds」を場所として捉え、能動的な意味を持たせようとしてしまうことが原因です。英語では、場所自体が何かをするのではなく、場所にあるものがどうであるか、という表現を心がける必要があります。
文化的背景
「grounds」は、物理的な土地という基盤から派生し、意見や行動を支える根拠、つまり「よりどころ」となる考え方や信念体系を意味します。この単語は、単なる事実の積み重ねを超え、社会的な正当性や倫理観といった、目に見えない価値観の基盤を指し示す点で文化的な重みを持っています。
「grounds」が持つ「根拠」という意味合いは、特に法廷や政治の場において顕著に表れます。裁判における「訴訟の根拠(grounds for a lawsuit)」は、単に法律条文に合致するかだけでなく、社会通念や正義に照らして妥当であるかが問われます。政治的な議論においても、「政策の根拠(grounds for a policy)」は、経済的な合理性だけでなく、倫理的な正当性や国民の支持といった、より広範な視点から評価される必要があります。このように、「grounds」は、単なる論理的な根拠を超え、社会的な文脈や価値観に深く根ざした「よりどころ」として機能するのです。
さらに、「grounds」は、コーヒー豆を挽いた後の「コーヒーかす」という意味も持ちます。これは、一見すると無価値な残りかすですが、占い師が「コーヒーかす占い(reading coffee grounds)」を行うように、未来を予知するための手がかり、つまり新たな解釈や可能性の「根拠」となり得ます。このように、「grounds」は、廃棄物の中にさえ、新たな意味や価値を見出す可能性を示唆しています。この点は、現代社会におけるリサイクルやサステナビリティの概念とも共鳴し、「無駄なもの」の中に潜在する価値を再評価する視点を提供します。
このように、「grounds」は、物理的な土地から、抽象的な根拠、そして廃棄物の中に潜む可能性まで、多様な意味合いを持ち合わせています。それは、社会的な正当性、倫理観、そして未来への希望といった、目に見えない価値観の「よりどころ」として、私たちの思考や行動を支える基盤となっているのです。この言葉の背後には、人間が常に「根拠」を求め、よりどころとなる価値観を築き上げようとする、普遍的な欲求が隠されています。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(稀にライティングの自由英作文)
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな話題、社会問題、環境問題など硬めの文脈で「根拠」「理由」の意味で使われることが多い。また、「敷地」「 grounds for divorce(離婚の理由)」のように具体的な意味でも使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 複数形であることに注意。「根拠」の意味の場合、単数形では意味が通じないことが多い。また、動詞の「ground(~を根拠づける)」との区別も重要。名詞の複数形と動詞の原形・過去形/過去分詞形を混同しないように。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に語彙問題(Part 5, 6)
- 頻度と級・パート: Part 7 でたまに見られる程度。頻度は英検より低い
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書で、「根拠」「理由」の意味で使用されることが多い。例えば、契約解除の理由、解雇の理由など。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「根拠」「理由」としての意味を把握しておくこと。また、「ground」の動詞形(~を根拠づける)はTOEICではあまり見かけない。
- 出題形式: 主に長文読解(リーディングセクション)
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究報告書などで、「根拠」「理由」の意味で頻繁に使用される。議論や主張を展開する際に、その根拠を示す文脈でよく出てくる。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈における「根拠」「理由」としての意味を理解しておくこと。TOEFLでは、文脈から意味を推測する能力が重要になるため、類義語(reasons, basis, justificationなど)との関連性も意識すると良い。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な大学でも出題される可能性はある
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など、様々なジャンルの文章で、「根拠」「理由」「敷地」などの意味で使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なるため、前後の文脈から正確な意味を判断する必要がある。また、「ground」の動詞形(~を根拠づける)も合わせて覚えておくと、読解の助けになる。