go back on ~
まず、'go' の /oʊ/ は二重母音で、日本語の「オ」から「ウ」へスムーズに移行します。次に、'back' の /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。最後に 'on' の /ɒ/ は「ア」と「オ」の中間音で、口をリラックスさせて短く発音します。'go' に第一強勢があり、'back' に第二強勢があるため、それぞれの音節を意識して発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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約束を破る
一度約束したことや決定したことを、後になって撤回したり、実行しなかったりする状況を指します。フォーマルな契約から、個人的な約束まで幅広く使われます。期待を裏切るニュアンスを含みます。
My friend went back on his word to meet me for lunch.
私の友達は、ランチで会うという約束を破った。
※ この例文は、友達が約束をキャンセルし、あなたが少しがっかりしている日常の場面を描いています。「go back on one's word」は「言葉(約束)を破る」という意味で、特に親しい関係での約束によく使われます。'word' はここでは「言葉」ではなく「約束」を意味します。
The politician went back on his promise to lower taxes.
その政治家は、減税するという公約を破った。
※ この例文は、政治家が選挙の際に掲げた「公約(promise)」を守らなかったという、ニュースなどでよく聞く場面です。個人的な約束だけでなく、公的な約束や合意を破る際にも「go back on」が使われます。社会的な文脈でよく耳にする表現です。
I trusted her, but she went back on her promise to help me.
私は彼女を信じていたのに、彼女は私を助けるという約束を破った。
※ この例文は、困っている時に助けてくれると信じていた人が、いざという時に約束を反故にしてしまい、あなたが裏切られた気持ちになっている場面です。「trust(信じる)」という言葉と組み合わせることで、約束を破られた際の感情的なダメージが伝わります。個人的な信頼関係における裏切りを表すのに適しています。
裏切る
人に対する信頼を損なう行為全般を指します。単に約束を破るだけでなく、より深刻な背信行為や、秘密の暴露なども含まれます。
He promised to help me, but he went back on his word.
彼は私を助けると約束しましたが、その言葉を撤回しました(裏切りました)。
※ 友人が「助ける」と言ったのに、それを実行しなかった場面です。「go back on one's word」は「約束を破る」「言ったことを撤回する」という、このフレーズの最も典型的な使い方の一つです。誰かの信頼を裏切るような状況で使われます。
The company went back on our agreement, which made us angry.
その会社は私たちの合意を反故にし、それが私たちを怒らせました。
※ 会社が以前交わした「合意(agreement)」を一方的に破棄した場面です。ビジネスの場で、契約や約束事を守らないことで、相手からの信頼を失う状況によく使われます。「go back on」の後には「agreement」や「deal(取引)」などがよく続きます。
Many people felt betrayed when the politician went back on his promise.
その政治家が公約を破った時、多くの人々は裏切られたと感じました。
※ 政治家が選挙で掲げた「公約(promise)」を守らなかったために、国民が失望している場面です。個人的な約束だけでなく、公的な約束事を破る場合にも「go back on」が使われます。「betrayed(裏切られた)」という言葉から、人々の強い感情が伝わってきます。
食言する
公の場での発言や声明を覆す場合に特に適しています。政治家や企業の代表などが、以前の発言と矛盾する行動を取る際に使われることが多いです。
My friend promised to help me move, but he went back on his word at the last minute.
友達は引っ越しを手伝うと約束してくれたのに、土壇場になって約束を破りました。
※ 引っ越しを手伝う約束をしていた友達が、直前になって「やっぱり無理」と言ってきた場面です。この例文のように、誰かがあなたとの個人的な約束を破った時のがっかりした気持ちが伝わります。「go back on one's word」は「言ったこと(約束)を撤回する」という、この表現で最もよく使われる形の一つです。
The company went back on its promise to offer customers a full refund for the faulty product.
その会社は、欠陥品に対する全額返金という顧客への約束を破りました。
※ 欠陥品を買ってしまい、会社が「全額返金します」と言っていたのに、後になってその約束を撤回されたという状況です。ビジネスの場で、企業が顧客や取引先との約束を破る際に使われる典型的な例です。動詞の「offer(提供する)」で、具体的な約束の内容が示されています。
I can't trust him anymore because he always goes back on what he says.
彼はいつも言ったことを破るので、もう彼を信用できません。
※ これは、具体的な約束だけでなく、日頃のちょっとした発言や決意など、「言ったこと全般」を守らない人に対して使われる場面です。その人の性格や信頼度を語る際によく使われます。「what he says」は「彼が言うこと」という意味で、内容を特定しない「発言」を指します。信頼を失った気持ちが伝わるでしょう。
コロケーション
約束を破る、言ったことを実行しない
※ 最も一般的で文字通りの意味合いに近いコロケーションです。単に約束を破るだけでなく、「自分の言葉」という点を強調することで、より道徳的な責任を問うニュアンスが含まれます。ビジネスシーンから日常会話まで幅広く使われます。類似表現として 'break one's promise' がありますが、'go back on one's word' はよりフォーマルで深刻な印象を与えます。例えば、契約上の合意を反故にする場合などに適しています。
取引を破棄する、合意を覆す
※ 'deal' はビジネスや交渉の文脈でよく使われるため、このコロケーションはビジネスシーンで頻繁に登場します。口約束だけでなく、ある程度正式な合意に至った後にそれを覆す場合に用いられます。単に 'break a deal' と言うよりも、一度合意した内容を「後退」させるというニュアンスが 'go back on' に含まれています。交渉決裂を表す 'walk away from a deal' とは異なり、合意形成後に一方的に破棄する場合に使われます。
約束を破る
※ 'go back on one's word' とほぼ同義ですが、こちらはよりカジュアルな場面で使われることが多いです。個人的な約束や、そこまで重大ではない約束を破る際に適しています。例えば、友達との遊びの約束や、ちょっとした手伝いの約束などを反故にする場合に使われます。'promise' は 'word' よりも具体的な内容を含むことが多いため、約束の内容が明確な場合に適しています。
合意を反故にする
※ 'agreement' は 'deal' よりも広い意味を持ちますが、こちらもビジネスや公式な場面でよく使用されます。口頭での合意だけでなく、書面での合意を破る場合にも使えます。'go back on' は、一度合意した内容から「後退」するというニュアンスを含んでいるため、相手に不信感を与える可能性があります。類似表現として 'renege on an agreement' がありますが、こちらはより強い非難のニュアンスが含まれます。
言ったことを撤回する、発言を翻す
※ 自分の発言内容を否定したり、変更したりすることを意味します。政治家の発言や、会議での決定事項など、公的な場面での発言に対して使われることが多いです。'what you said' を具体的にすることで、発言内容を特定し、責任を追及するニュアンスが含まれます。例えば、'He went back on what he said about raising taxes.' (彼は増税について言ったことを撤回した) のように使われます。
自分の信念を捨てる、主義を曲げる
※ 自分の道徳的、倫理的な原則に反する行動をとることを意味します。これは非常に強い非難の言葉であり、相手の人間性を疑うようなニュアンスが含まれます。政治家やリーダーが、自分の支持者や国民を裏切るような行動をとった場合に使われることが多いです。例えば、'He went back on his principles to gain more power.' (彼は権力を得るために自分の信念を曲げた) のように使われます。
公約を破る、責任を放棄する
※ 'commitment' は、ある目的のために時間や労力を費やすことを約束することを意味します。このコロケーションは、特に政治的な文脈でよく使われ、選挙公約や政策目標などを放棄する場合に使われます。'go back on' は、一度約束したことを「後退」させるというニュアンスを含んでいるため、有権者や関係者からの信頼を失う可能性があります。例えば、'The government went back on its commitment to reduce carbon emissions.' (政府は二酸化炭素排出量を削減するという公約を破った) のように使われます。
使用シーン
学術論文においては、研究者が自身の過去の主張や仮説を修正する際に使用されることがあります。例えば、「先行研究において~と述べたが、新たなデータに基づき、その主張をgo back onせざるを得ない」のように、自身の見解の変更を説明する文脈で使われます。フォーマルな文体で、自己批判的なニュアンスを含むことが多いです。
ビジネスシーンでは、契約や合意事項に関して、企業や担当者が約束を破棄したり、以前の決定を覆したりする状況で使用されます。例えば、「契約条件の一部について、交渉の結果、go back onせざるを得なくなった」のように、ビジネス上の変化や戦略転換を説明する際に用いられます。比較的フォーマルな文脈で、責任の所在を明確にする必要のある場面で使われる傾向があります。
日常会話では、友人や家族との間で交わした約束を破る、あるいは以前言ったことを翻すといった状況で使用されます。例えば、「ダイエットすると言ったのに、ケーキをgo back onしてしまった」のように、軽い後悔や自己弁護のニュアンスを込めて使われることがあります。ただし、フォーマルな表現であるため、日常会話ではよりカジュアルな表現が好まれることが多いです。
関連語
類義語
- renege on
約束や合意を破る、反故にするという意味。フォーマルな場面や、やや非難めいたニュアンスを含む場合に用いられる。契約や取引など、重要な事柄に関して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"go back on"よりもフォーマルで、より強い非難や失望の感情を伴うことが多い。また、日常会話よりもビジネスや法律関連の文脈で使われる傾向がある。 【混同しやすい点】"renege on"は常に他動詞として使われ、後ろに名詞または名詞句が続く。日本語の「反故にする」に近いニュアンスを持つため、軽い約束を破る場合よりも、重大な約束を破る場合に適している。
約束や規則を破るという意味。非常に一般的な単語であり、幅広い文脈で使用される。法律、契約、約束、記録など、様々な対象に対して使うことができる。 【ニュアンスの違い】"go back on"よりも広い意味を持ち、必ずしも約束を破る人に非があるとは限らない状況でも使われる。例えば、「記録を破る」のように、中立的な意味合いで使用されることもある。 【混同しやすい点】"break"は自動詞としても他動詞としても使えるが、約束を破るという意味では他動詞として使われることが多い(例:break a promise)。"go back on"と同様に、約束の内容を具体的に示す必要がある。
- withdraw from
(約束、合意、計画などから)手を引く、撤退するという意味。プロジェクトや交渉など、継続的な活動から離脱する場合に使われる。 【ニュアンスの違い】"go back on"が約束を破ることに焦点を当てるのに対し、"withdraw from"は活動からの離脱に重点を置く。また、"withdraw from"は、必ずしも非難のニュアンスを含まない。 【混同しやすい点】"withdraw from"は、約束を破るというよりは、状況の変化や判断によって、当初の計画から離れるというニュアンスが強い。また、物理的な場所からの撤退を意味することもあるため、文脈に注意する必要がある。
- fail to keep
約束や義務を履行できないという意味。相手に責任を押し付けるニュアンスは比較的弱く、客観的な状況を説明する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"go back on"よりもフォーマルで、感情的なニュアンスが少ない。また、単に「できなかった」という事実を伝えるため、非難の意図は薄い。 【混同しやすい点】"fail to keep"は、約束を守る意思はあったものの、何らかの理由でそれができなかったというニュアンスを含む。一方、"go back on"は、当初から約束を守るつもりがなかった、あるいは途中で気が変わったというニュアンスを含む場合がある。
- back out of
(約束、契約、計画などから)手を引く、撤退するという意味。日常会話でよく使われる表現で、ややカジュアルなニュアンスを持つ。 【ニュアンスの違い】"go back on"と似ているが、より口語的で、非難のニュアンスはやや弱い。また、"back out of"は、比較的軽い約束や計画について使われることが多い。 【混同しやすい点】"back out of"は、約束を破るというよりも、状況の変化や個人的な理由によって、当初の計画から離れるというニュアンスが強い。ビジネスシーンでは、"renege on"の方が適切である場合がある。
- walk away from
(責任、義務、約束などから)逃げる、放棄するという意味。問題や困難に直面した際に、それを解決せずに放置するというニュアンスを含む。 【ニュアンスの違い】"go back on"が約束を破ることに焦点を当てるのに対し、"walk away from"は責任や義務の放棄に重点を置く。また、"walk away from"は、しばしば非難や失望の感情を伴う。 【混同しやすい点】"walk away from"は、約束を破るというよりも、問題や困難から逃げるというニュアンスが強い。例えば、借金を返済せずに夜逃げする場合などに用いられる。
派生語
『後退する』という意味の動詞。『re-(後ろへ)』と『gress(進む)』が組み合わさった語。約束や決定から『後ろへ進む』イメージで、元の状態に戻る、悪化するという意味合いで使われる。学術的な文脈や、ビジネスシーンで状況が悪化する場合などに用いられる。
- digress
『脱線する』という意味の動詞。『di-(離れて)』と『gress(進む)』が組み合わさった語。約束や話題から『離れて進む』イメージで、話が本筋からそれることを指す。日常会話やプレゼンテーションなどで使われる。
『攻撃性』という意味の名詞。『ag-(~へ)』と『gress(進む)』、名詞化の接尾辞『-ion』が組み合わさった語。相手に『向かって進む』イメージで、攻撃的な行動や態度を指す。ニュースや学術論文など、幅広い文脈で使用される。
反意語
- keep one's word
『約束を守る』という意味の句動詞。『go back on ~』が約束を破ることを意味するのに対し、こちらは言葉通り、自分の言葉を保持し、約束を履行することを指す。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる。
- stand by ~
『~を支持する』という意味の句動詞。『go back on ~』が支援や約束を撤回することを示すのに対し、こちらは立場を維持し、支援を続けることを意味する。政治的な文脈や人間関係において重要な表現。
- commit to ~
『~にコミットする』という意味の句動詞。『go back on ~』が一度コミットしたことからの撤退を意味するのに対し、こちらは積極的に関与し、責任を持って取り組むことを示す。ビジネスシーンや目標達成において重要な概念。
語源
"go back on ~"は、文字通り「~の上を戻る」という意味から派生し、「約束や言葉の上を戻る」、つまり「約束を破る」という意味になったと考えられます。"go"はゲルマン祖語に起源を持ち、移動や進行を表します。"back"も同様にゲルマン祖語に由来し、後方や元の場所への移動を示します。"on"は古英語で「上に」という意味を持ち、ここでは約束や言葉という抽象的な基盤を表しています。したがって、「go back on」は、一度進んだ約束や言葉の道筋を後戻りすることをイメージさせ、それが「約束を破る」「食言する」という意味合いにつながったと考えられます。日本語で例えるなら、「言ったことをひっくり返す」という表現に近い感覚です。
暗記法
「go back on」は、騎士道の時代から言葉の重みが軽んじられることへの警鐘でした。アーサー王伝説のランスロット卿、シェイクスピア劇の登場人物…彼らが約束を違える姿は、単なる裏切りに留まらず、社会の信頼を揺るがす行為として描かれます。現代では政治家の公約破りや企業の契約変更を批判する言葉として使われ、自己欺瞞や倫理観の変節をも意味します。言葉の重み、信用の大切さ。その退廃を憂う言葉が「go back on」なのです。
混同しやすい単語
句動詞 'go back on' は、単に 'back on' と混同されることがあります。'back on' は『~を支持して』『~に戻って』などの意味を持ちますが、'go back on' は『(約束・決定)を破る』という意味です。前置詞の有無で意味が大きく変わる点に注意が必要です。
'go back on' と 'give in' は、どちらも『撤回する』『屈する』といった意味合いで使われることがあり、意味が混同されやすいです。しかし、'go back on' は自分の発言や決定を撤回するニュアンスが強く、'give in' は相手の圧力に屈するニュアンスが強いです。文脈によって使い分けが必要です。
'back out' は『(約束などを)取り消す、手を引く』という意味で、'go back on' と意味が非常に近いですが、'back out' はよりカジュアルな場面で使われることが多いです。また、'back out' は物理的に『後退する』という意味も持ちます。'go back on' はよりフォーマルな響きがあります。
『(約束などを)破る』という意味において、'go back on' と 'break' は意味が重なります。例えば、'break a promise' は『約束を破る』という意味ですが、'go back on a promise' も同様の意味を持ちます。ただし、'break' はより一般的な単語であり、物理的に何かを壊す意味も持ちます。
'renege' は『(約束などを)破る、反故にする』という意味の動詞で、'go back on' と非常に近い意味を持ち、置き換え可能な場合も多いです。ただし、'renege' はややフォーマルな響きがあり、日常会話では 'go back on' の方がより一般的です。語源はフランス語に由来し、カードゲームでルール違反をすることを起源とします。
'revert' は『元の状態に戻る』という意味で、'go back on' とは直接的な意味の繋がりはありませんが、決定などを覆すという点で関連付けられることがあります。例えば、ある決定を 'go back on' すると、以前の状態に 'revert' することになります。ただし、'revert' は必ずしもネガティブな意味合いを持つとは限りません。
誤用例
『go back on』は約束や合意を破るという意味ですが、日本語の『言葉を撤回する』というニュアンスで使われることがあります。しかし、『go back on』はよりフォーマルで、道徳的な非難を含むニュアンスが強く、単に『発言内容を変える』という意味ではありません。より中立的な表現としては『retract his words』が適切ですが、ここでは『promise』という言葉を使い、より政治的な文脈に合わせた表現にしました。日本人は『言葉』という言葉に強くこだわる傾向がありますが、英語では文脈に応じて『promise』『commitment』などの具体的な言葉を選ぶ方が自然です。
『go back on』はフォーマルな表現で、契約や約束を破るような、重大な事柄に使われることが多いです。ダイエットを中断するという個人的な事柄には、やや大げさな印象を与えます。より自然な口語表現としては、『renege on』が適しています。また、『fall off the wagon』というイディオムも、ダイエットや禁酒を中断するという意味で使えます。日本人は、一度決めたことを守らないことに対して罪悪感を抱きやすい文化がありますが、英語圏では状況に応じて柔軟に対応することが、必ずしも悪いこととは捉えられません。
『go back on』は、約束や合意を破棄するという意味合いが強いですが、単に『協力をやめる』というニュアンスで使われることがあります。この場合、より適切なのは『back out of』です。『back out of』は、約束や計画から手を引くという意味で、よりカジュアルな場面で使われます。日本人は、相手に迷惑をかけないように、遠回しな表現を好む傾向がありますが、英語では状況に応じて直接的な表現を選ぶ方が、誤解を避けることができます。また、『go back on』は、責任を放棄するというニュアンスを含むため、相手に不快感を与える可能性があります。
文化的背景
「go back on ~」は、約束や言葉を反故にすること、つまり信頼を裏切る行為を意味します。このフレーズには、かつて交わされた誓いや約束が、まるで足跡を消すように、あるいは契約書を破棄するように無効化されるイメージが込められています。これは単なる行動の変化ではなく、社会的な信頼関係を損なう行為として、強い非難のニュアンスを伴うことが多いのです。
中世ヨーロッパにおいて、言葉は現代よりもはるかに重い意味を持っていました。騎士道精神においては、騎士は名誉を重んじ、一度誓った言葉は命に代えても守り抜くべきものでした。「go back on ~」は、そのような価値観が根底にある社会において、裏切り行為の深刻さを強調する言葉として使われてきたと考えられます。たとえば、アーサー王物語に登場するランスロット卿が、グウィネヴィア王妃への愛を貫くために、王への忠誠を「go back on」する場面は、悲劇的な英雄の選択として描かれています。また、シェイクスピアの戯曲においても、王や貴族が自身の野望のために約束を破る様子が描かれ、「go back on」は権力者の欺瞞を暴く言葉として用いられています。
現代社会においても、「go back on ~」は政治的な文脈で頻繁に用いられます。政治家が公約を破棄したり、企業が契約内容を変更したりする際に、メディアや市民は「go back on」を使って批判します。これは、民主主義社会における信頼の重要性を示唆しています。政治家は国民との約束を守る義務があり、企業は顧客との信頼関係を築く責任があります。「go back on」は、そのような責任を放棄する行為として、社会的な非難の対象となるのです。
さらに、「go back on」は自己欺瞞や自己正当化のニュアンスを含むこともあります。人はしばしば、自分の都合の良いように過去の言動を解釈し、それを正当化しようとします。たとえば、かつて環境保護を訴えていた人が、企業の利益のために環境破壊を容認するようになった場合、彼はかつての自分自身を「go back on」したと言えるでしょう。このように、「go back on」は、個人の倫理観や価値観の変節を意味する言葉としても使われます。それは、人が社会的なプレッシャーや自己利益のために、自らの信念を曲げる弱さを示唆しているのかもしれません。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、まれにリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: ニュース記事、エッセイ、物語など。フォーマルな文脈が多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(約束などを)破る、反故にする」の意味を覚え、類似表現(renege on, break one's promise)と区別。前置詞'on'を忘れずに。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5では稀に、Part 7では比較的出題される
- 文脈・例題の特徴: ビジネスレター、契約書、会議の議事録など。ビジネスシーンでの使用が中心
- 学習者への注意点・アドバイス: 契約や合意に関する文脈でよく使われる。「(以前の決定を)覆す」のようなニュアンスも含むことを理解。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで中程度の頻度で出題
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、歴史的文書、科学記事など。フォーマルでアカデミックな文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論に関する文脈で使われることが多い。類似表現(retract, withdraw)とのニュアンスの違いを理解。
- 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 評論、物語、エッセイなど。幅広い文脈で使用される
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な意味合いで使われる場合もあるので注意。「go back」と「on」を切り離して考えないように。