ethnicity
第一音節に強勢があります。/θ/ の音は、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す摩擦音です(日本語のサ行の発音とは異なります)。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも短く、口を少し開いて発音します。最後の 'ty' は、アメリカ英語では /ti/ と発音されることが多いですが、ここではより正確な /ti/ に近い発音をカタカナで表現しました。
専門的な内容に関するご注意
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民族性
人種、言語、文化、宗教など、共通の祖先や歴史を持つ集団に属する特性。個人を特定する重要な要素の一つ。
During the school festival, Maria shared stories about her rich family history and her unique ethnicity with a warm smile.
学校のお祭り中、マリアは温かい笑顔で、豊かな家族の歴史と彼女のユニークな民族性について話しました。
※ この例文は、自分のルーツや背景を語る場面を描いています。マリアが少し誇らしげに、自分の文化的なつながりや祖先について話している情景が目に浮かびますね。「ethnicity」は、単なる国籍ではなく、文化や歴史に根ざした集団のアイデンティティを指すときに使われます。
Walking through the busy market, I noticed people of various ethnicities happily chatting and sharing their cultures.
賑やかな市場を歩いていると、様々な民族性を持つ人々が楽しそうにおしゃべりしたり、文化を分かち合ったりしているのに気づきました。
※ この例文は、多様な人々が共存する社会の様子を伝えています。活気ある市場で、異なる背景を持つ人々が自然に交流している場面が想像できますね。「people of various ethnicities」のように、「様々な民族性を持つ人々」という意味で使われるのはとても一般的です。
When filling out the form, David paused for a moment, thinking deeply about his own ethnicity and cultural background.
書類に記入する際、デイビッドは一瞬立ち止まり、自身の民族性と文化的背景について深く考えました。
※ この例文は、個人が自身のアイデンティティについて内省する場面を示しています。アンケートや公的な書類で「ethnicity」という項目がある際、自分のルーツを意識する瞬間はよくあります。ここでは「cultural background(文化的背景)」と合わせて使われ、より具体的に民族性が持つ意味合いを理解しやすくなっています。
民族集団
共通の文化的背景や歴史を持つ人々の集まり。国家とは異なり、必ずしも地理的な境界を持つとは限らない。
My grandmother often tells me stories about our family's unique ethnicity.
私の祖母は、よく私たちの家族のユニークな民族的背景についての話をしてくれます。
※ この例文は、個人が自分の家族のルーツや文化的な背景について話す、ごく自然な場面を描いています。祖母が語ることで、家族の歴史や伝統が「ethnicity」として受け継がれている様子が伝わります。「ethnicity」は、国籍とは異なり、文化や歴史、言語などによって共有される集団のアイデンティティを指します。
Our city is very diverse, with people from many different backgrounds and ethnicities.
私たちの街はとても多様で、様々な背景や民族集団の人々がいます。
※ この文は、多様性のある社会や地域を描写する際によく使われます。街や学校、職場などで、多くの異なる文化を持つ人々が共存している状況を表現するのに適しています。「diverse」(多様な)という単語と一緒に使うことで、様々な民族的背景を持つ人々が活気に満ちたコミュニティを形成している様子が目に浮かびます。
On the form, there was a section asking about my ethnicity for statistical purposes.
その書類には、統計目的で私の民族的背景を尋ねる欄がありました。
※ 病院の受付や学校の登録など、公式な書類やアンケートで「ethnicity」を尋ねられる場面はよくあります。この情報は、社会の構成を理解したり、特定のグループへのサービスを改善したりするための「統計目的(for statistical purposes)」で使われることが多いです。書類に記入する具体的な行動がイメージできますね。
コロケーション
民族的多様性
※ 異なる民族的背景を持つ人々が共存している状態を指します。単に様々な民族がいるだけでなく、それぞれの文化や伝統が尊重され、社会に貢献しているニュアンスを含みます。教育、ビジネス、政治など、幅広い分野で重要視される概念であり、組織や地域社会の活性化に繋がると考えられています。形容詞 'diverse' を用いて 'a diverse ethnicity' と表現することも可能です。
少数民族
※ ある国や地域において、人口の大部分を占める民族とは異なる民族集団を指します。社会的な権利や機会の平等が保障されているかどうか、差別や偏見がないかどうかが重要な視点となります。'minority ethnic group' という表現も同義です。政治的、社会的な文脈で頻繁に使われる言葉であり、その使用には慎重さが求められます。
民族間の緊張
※ 異なる民族集団間における対立や摩擦を指します。歴史的背景、経済格差、政治的な理由など、様々な要因が複雑に絡み合って生じることがあります。'ethnic conflict' (民族紛争) や 'inter-ethnic violence' (民族間暴力) といった、より深刻な状況に発展する可能性も孕んでいます。報道や学術論文などでよく見られる表現です。
民族浄化
※ 特定の民族集団を、ある地域から強制的に排除しようとする行為を指します。強制移住、迫害、虐殺など、非人道的な手段が用いられることが多く、国際法上の重大な犯罪とされています。歴史的な文脈や、紛争に関する報道などで用いられる、非常に重い言葉です。使用には細心の注意が必要です。
民族的遺産
※ ある民族集団が受け継いできた文化、伝統、言語、価値観などを指します。有形・無形の文化財、歴史的な建造物、祭事、芸能など、様々なものが含まれます。民族のアイデンティティを形成する上で重要な要素であり、次世代に継承していくべきものと考えられています。観光や文化振興の文脈でよく用いられます。
民族を理由として
※ 「~を理由として」という意味の 'on the grounds of' に続けて、差別や不当な扱いが行われる理由を示す表現です。例えば、'discrimination on the grounds of ethnicity' (民族を理由とする差別) のように使われます。法律、人権、社会問題に関する議論でよく見られる、ややフォーマルな言い回しです。不当な扱いであることを強調する際に用いられます。
民族を越えた、民族間の
※ 異なる民族集団間で何かが行われることを示す形容詞です。'cross-ethnic collaboration' (民族間の協力), 'cross-ethnic marriage' (国際結婚) のように使われます。民族間の壁を乗り越え、協力や交流が進んでいることを示す、ポジティブなニュアンスを含むことが多い表現です。社会学や国際関係学の分野でよく用いられます。
使用シーン
社会学、人類学、政治学などの分野の研究論文や学術書で頻繁に使用されます。例えば、「民族性と社会階層の関係について分析する」といった文脈や、「民族紛争の原因を歴史的背景から考察する」といった議論で用いられます。また、多文化共生社会における課題を議論する際にも重要なキーワードとなります。
企業のグローバル化が進むにつれて、社内研修やダイバーシティ&インクルージョンに関する報告書などで使用されることがあります。例として、「従業員の民族構成の多様性を考慮した人事戦略を策定する」という文脈や、「異なる民族的背景を持つ顧客に対するマーケティング戦略を検討する」といった場面が考えられます。フォーマルなビジネス文書やプレゼンテーションで使われることが多いでしょう。
ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、国際的な事件や社会問題を取り上げる際に使われることがあります。例えば、「ある国の民族間の対立が深刻化している」といった報道や、「移民コミュニティの民族文化を紹介する」といった内容で見かけることがあります。日常会話では、相手の民族的背景について尋ねることはデリケートな問題となるため、注意が必要です。
関連語
類義語
人種。生物学的な特徴(肌の色、髪の質など)に基づいて人類を分類する概念。歴史的に差別や偏見の根拠として用いられてきた。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"よりも生物学的特徴に重点を置き、より固定的な区分を指すことが多い。また、「race」は社会的な構築物としての側面が強く、政治的、社会的な意味合いを帯びやすい。 【混同しやすい点】「Race」は、過去の人種差別的な文脈で使用されることが多かったため、現代では「ethnicity」の方がより中立的で好まれる傾向がある。特に、個人のアイデンティティについて尋ねる場合は注意が必要。
国籍。特定の国家に所属している状態を指す。法的な権利や義務を伴う概念。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"が文化や出自に基づくアイデンティティであるのに対し、「nationality」は国家への帰属意識を示す。同じ国籍を持つ人々が異なる民族的背景を持つことも多い。 【混同しやすい点】「Nationality」はパスポートやIDカードに記載される法的ステータスであり、「ethnicity」は自己申告に基づくことが多い。例えば、日本国籍を持つブラジル系の人々は、nationalityはJapanese、ethnicityはBrazilianと表現できる。
文化。特定の集団が共有する価値観、信念、行動様式、芸術、習慣などの総体。広範な概念であり、民族性も文化の一部。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"が特定の民族集団に固有の文化を指すのに対し、「culture」はより広範な集団(地域、世代、職業など)の共有する文化を指すことがある。 【混同しやすい点】「Culture」は非常に広義な言葉であり、民族的な背景に限定されない。例えば、「企業文化」や「若者文化」のように使われる場合、「ethnicity」とは全く異なる意味合いを持つ。
起源、出自。ある人や物の生まれた場所や、その歴史的な背景を指す。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"が民族集団としてのアイデンティティを強調するのに対し、「origin」はより個人的な出自やルーツに焦点を当てる。家族の歴史や先祖の出身地などを指す場合に使用される。 【混同しやすい点】「Origin」は、ある人が特定の民族集団に属しているかどうかよりも、その人の個人的な背景やルーツを説明するために使われることが多い。例えば、"What is your country of origin?"(出身国はどこですか?)のように質問される。
遺産、伝統。先祖から受け継いだ文化、価値観、伝統、歴史など。有形・無形の両方の遺産を含む。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"が民族集団のアイデンティティを指すのに対し、「heritage」はより広い意味で、世代を超えて受け継がれてきたものを指す。文化的な遺産だけでなく、自然遺産や歴史的建造物なども含む。 【混同しやすい点】「Heritage」は、民族的な背景だけでなく、家族や地域社会の歴史、文化的な伝統など、より広範な意味で使われる。例えば、"cultural heritage"(文化遺産)という表現は、民族性に関わらず、人類全体にとって重要な文化的な価値を持つものを指す。
祖先、血統。ある人の先祖から受け継いだ血筋や家系を指す。 【ニュアンスの違い】"Ethnicity"が集団としての文化的なアイデンティティを指すのに対し、「ancestry」はより個人的な血統や家系に焦点を当てる。遺伝的なルーツや家族の歴史を強調する場合に使用される。 【混同しやすい点】「Ancestry」は、DNA検査などで判明する遺伝的なルーツを指す場合もある。また、「ancestral homeland」(先祖の地)のように、特定の民族集団の起源の地を指す場合もある。
派生語
『民族的な』という意味の形容詞。「ethnicity」から直接派生し、民族特有の文化、言語、習慣などに関連することを表します。例えば、「ethnic cuisine(民族料理)」のように、民族固有の事柄を説明する際に用いられます。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使用されます。
- ethnocentrism
『自民族中心主義』という意味の名詞。「ethno-(民族)」と「centrism(中心主義)」の組み合わせで、自民族の文化や価値観を基準に他民族を評価する傾向を指します。社会学や人類学の分野でよく用いられ、学術論文や社会問題に関する議論で登場します。
- ethnographer
『民族誌学者』という意味の名詞。「ethno-(民族)」と「-grapher(〜を記述する人)」の組み合わせで、特定の民族の文化や社会を詳細に記述する研究者を指します。人類学の研究分野で用いられ、学術論文や専門書で目にすることが多いでしょう。
反意語
- universality
『普遍性』という意味の名詞。「ethnicity」が特定の民族集団に固有の特性を指すのに対し、「universality」は全ての人々に共通する性質や価値観を指します。例えば、「human rights(人権)」は民族や文化を超えて普遍的に認められるべきものとされます。哲学や倫理学、国際関係などの文脈で頻繁に使用されます。
- denationalization
『非国籍化』または『脱国籍化』という意味の名詞。「ethnicity」が民族というアイデンティティに根ざすのに対し、「denationalization」は国籍という法的・政治的なアイデンティティを失うことを指します。政治学や国際法の分野で用いられ、難民問題や移民政策に関する議論で登場します。
語源
"Ethnicity(民族性)"は、ギリシャ語の"ethnos(民族、国民)"に由来します。この"ethnos"は、もともと「同じ種類の人々」や「仲間」といった意味合いを持っていました。さらに遡ると、"ethos(性格、習慣)"という語と関連があり、民族特有の性格や習慣が、その民族を特徴づける要素であることを示唆しています。英語の"ethnic(民族的な)"という形容詞は、この"ethnos"から派生しており、"ethnicity"は、その"ethnic"に名詞を作る接尾辞"-ity"が付いたものです。"-ity"は、「状態」や「性質」を表すため、"ethnicity"は「民族的な性質、民族性」という意味になります。たとえば、日本人の民族性は、共通の言語、歴史、文化、習慣によって形成されていますが、この「共通の何か」を指すのが"ethnicity"という言葉で捉えることができます。
暗記法
「エスニシティ」は、人種や国籍を超えた、文化、言語、歴史、そして仲間意識で結ばれた集団を指す言葉。植民地時代、支配を正当化するために強調された人種や文化の違いが、その概念を形作りました。文学や映画では、アイデンティティの葛藤や社会の緊張を描くテーマとして登場。グローバル化が進む現代でも、多様性を尊重し、公正な社会を築くための重要な鍵となります。それは、私たち自身のルーツを見つめ直す旅でもあるのです。
混同しやすい単語
『ethnicity』と『ethics』は、発音が非常に似ており、特に語尾の 'ics' が共通しているため混同しやすいです。『ethnicity』が民族性や民族的背景を指すのに対し、『ethics』は倫理や道徳を意味します。品詞も異なり、『ethnicity』は名詞、『ethics』は通常複数形で名詞として使われます。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。語源的には、どちらもギリシャ語に由来しますが、意味の発展が異なるため、注意が必要です。
『ethnicity』と『ethnic』は、スペルが非常に似ており、接尾辞の違いしかありません。『ethnicity』が名詞であるのに対し、『ethnic』は形容詞です。そのため、『ethnic food(エスニック料理)』のように名詞を修飾する形で使われます。日本人学習者は、文法的な役割の違いを意識することで、両者を区別できます。
『ethnicity』と『entity』は、語尾の 'ity' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすいです。また、どちらも抽象的な概念を表す名詞であるため、意味の面でも混同される可能性があります。『ethnicity』が民族性であるのに対し、『entity』は存在や実体を意味します。ビジネスシーンなどでよく使われる単語なので、意味の違いを明確に理解しておくことが重要です。語源的には、『entity』はラテン語の 'esse(存在する)' に由来します。
『ethnicity』と『nationality』は、どちらも人々を分類する際に用いられる概念ですが、意味合いが異なります。『ethnicity』が民族的背景であるのに対し、『nationality』は国籍を意味します。例えば、ある人がアメリカ国籍を持っていても、アフリカ系の民族的背景を持つ、というように両者は異なる次元の概念です。日本人学習者は、両者の違いを意識することで、より正確な英語表現ができるようになります。
『ethnicity』と『identity』は、どちらも自己認識に関わる概念であるため、意味が混同されやすいです。『ethnicity』が民族的アイデンティティの一部を構成する要素であるのに対し、『identity』はより包括的な概念で、性別、年齢、職業など、様々な要素を含みます。日本人学習者は、文脈に応じてどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
『ethnicity』と『opacity』は、語尾の 'ity' が共通しており、抽象名詞であるという点も共通しているため、スペルと概念の両面で混同される可能性があります。『ethnicity』が民族性や民族的背景を指すのに対し、『opacity』は不透明さや曖昧さを意味します。特に、政治や経済の分野で使われることがあり、意味の違いを理解しておくことが重要です。語源的には、『opacity』はラテン語の 'opacus(暗い)' に由来します。
誤用例
多くの日本人は「民族」という言葉を、文化や国籍よりも、より原始的な血統や人種といったニュアンスで捉えがちです。そのため、安易に『民族性』の直訳として ethnicity を使うと、ネイティブスピーカーには人種差別的な意図があるのかと誤解されかねません。企業が採用活動において重視するのは、多くの場合、民族『性』という固定的な属性ではなく、文化やバックグラウンドの多様性 (diversity) です。この誤用は、日本語の『民族』という言葉の曖昧さと、英語の ethnicity が持つより強い人種的な含みの違いから生じます。
日本語で『彼は民族意識が強い』という場合、あたかも性格特性のように ethnicity を形容詞的に使ってしまうことがあります。しかし、ethnicity は名詞であり、状態や特性を指す場合は "ethnic identity" (民族的アイデンティティ) を使うのが適切です。この誤りは、日本語の『〜性』という抽象的な名詞を、英語でもそのまま -ity で表現しようとする安易な発想から生まれます。英語では、抽象概念を表現する際に、より具体的な名詞句を用いることが好まれます。
Ethnicity は名詞であり、ethnic が形容詞です。そのため、名詞を修飾する場合には ethnic を使用する必要があります。日本人は、複数の意味を持つ単語を名詞として捉えがちで、形容詞形がある場合に使い分けを意識しない傾向があります。この誤用は、日本語の『民族』という言葉が名詞としても形容詞的にも使用できるため、英語でも同様に考えてしまうことに起因します。英語では、名詞と形容詞の区別がより厳格であり、修飾関係を明確にする必要があります。
文化的背景
「Ethnicity(エスニシティ)」は、単なる人種や国籍の違いを超え、共有された文化、言語、歴史、そして何よりも「自分たちは同じグループに属する」という強い意識によって結びついた集団を指し示す言葉です。この言葉は、しばしば政治的、社会的なアイデンティティの根幹をなし、紛争や連帯の源泉ともなりえます。
エスニシティという概念が現代的な意味を持つようになったのは、植民地主義の時代に遡ります。ヨーロッパ列強が世界各地を支配する中で、人々を分類し、統治を正当化するために、人種や文化の違いが強調されました。例えば、アフリカ大陸では、植民地支配によって恣意的に引かれた国境線が、異なるエスニックグループを分断し、その後の紛争の火種となりました。また、アメリカ大陸では、先住民の文化が抑圧され、ヨーロッパからの移民文化が優位に立つ中で、様々なエスニックグループが混ざり合い、新たなアイデンティティを形成していきました。
文学や映画においても、エスニシティは重要なテーマとして扱われてきました。例えば、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの小説『アメリカにいる、ということ』では、ナイジェリアからアメリカに移住した女性が、自身のアイデンティティと向き合い、エスニシティの複雑さを体験する姿が描かれています。また、スパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』は、ニューヨークのブルックリンを舞台に、異なるエスニックグループ間の緊張と衝突を描き出し、社会的な議論を呼びました。これらの作品は、エスニシティが個人の内面や社会全体に深く影響を与えることを示唆しています。
エスニシティは、単に過去の遺物ではなく、現代社会においても重要な意味を持ち続けています。グローバル化が進む中で、異なるエスニックグループが共存する社会が増える一方、排他的なナショナリズムや人種差別も依然として存在します。エスニシティという概念を理解することは、多様性を尊重し、より公正な社会を築くための第一歩となるでしょう。この言葉は、私たち自身のアイデンティティを見つめ直し、他者との違いを認め、共に生きる方法を模索するための鍵となるのです。
試験傾向
長文読解で社会問題や文化に関するテーマで出題される可能性あり。準1級以上で稀に語彙問題として問われることも。文脈から意味を推測する練習が重要。
ビジネス関連の多様性(Diversity)に関する文章で、間接的に言及される可能性は低いながらある。Part 7(長文読解)で、関連語句と合わせて文脈から意味を推測する必要がある場合がある。
アカデミックな文章、特に社会学、人類学、歴史学などの分野で頻出。読解問題で、文章全体のテーマ理解を問う文脈で使われることが多い。類義語とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。
社会科学系のテーマの長文読解で出題される可能性あり。文脈から意味を推測させる問題や、内容一致問題で関連する記述が問われることが多い。単語の意味だけでなく、文章全体における役割を意識した学習が必要。