empathetic
気持ちをくみ取る
相手の感情や苦しみを感じ取り、理解しようとする様子。同情とは異なり、相手の立場に立って共感するニュアンスを含む。ビジネスシーンでは、顧客のニーズを把握する際に重要となる資質。
She was very empathetic and listened to her sad friend.
彼女はとても気持ちをくみ取る人で、悲しんでいる友人の話を聞いてあげました。
※ この例文では、友人が悲しんでいる時に、ただ話を聞くだけでなく、その気持ちに寄り添っている様子が伝わります。`be empathetic`で「共感力がある」という人の性格や、その時の状態を表す典型的な使い方です。
The kind doctor was empathetic to his patient's pain.
その親切な医者は、患者の痛みに気持ちをくみ取ってくれました。
※ 医者が患者の痛みを理解し、寄り添う場面を描いています。医療や介護、カウンセリングなど、相手の状況を深く理解して対応する専門職の態度を表す際によく使われます。`be empathetic to/with someone`の形で、「誰々に共感する」「誰々の気持ちをくみ取る」と表現できます。
Our new boss is empathetic and always tries to understand our feelings.
私たちの新しい上司は、気持ちをくみ取る人なので、いつも私たちの気持ちを理解しようとしてくれます。
※ 新しい上司が、部下である私たちの気持ちをよく理解しようと努力している様子が目に浮かびます。`empathetic`は、リーダーや同僚など、他人との関係性の中で、相手の気持ちを理解しようとする態度や性格を説明するときによく使われます。`understand feelings`と組み合わせることで、より具体的に「気持ちをくみ取る」様子が伝わります。
心に寄り添う
相手の感情に共感し、精神的に支えようとする態度。困難な状況にある人に対して、親身になって接する際に使われる。カウンセリングや医療現場で特に重要視される。
My friend is always empathetic when I share my problems.
私が悩みを打ち明ける時、私の友人はいつも心に寄り添ってくれます。
※ 友人があなたの悩みを理解し、共感してくれる様子が伝わる場面です。「empathetic」は、人の性格や態度を表す時に使うことが多い形容詞です。
The nurse was very empathetic to the patient's pain.
その看護師は患者の痛みにとても心に寄り添っていました。
※ 看護師が患者さんの身体的・精神的な痛みを理解し、寄り添う様子が目に浮かびます。「be empathetic to (someone/something)」で、「~に共感する、~の気持ちに寄り添う」という意味でよく使われます。
A good leader needs to be empathetic to their team members.
良いリーダーは、チームのメンバーに心に寄り添う必要があります。
※ 良いリーダーが、チームのメンバーの気持ちや状況を理解することの大切さを表しています。ビジネスや組織の中で、相手の立場に立って考える姿勢を示す時によく使われる表現です。
コロケーション
共感的理解
※ 心理学やカウンセリングの分野でよく用いられる表現で、相手の感情や経験を、まるで自分自身のことのように深く理解しようとする姿勢を指します。単に同情するのではなく、相手の視点に立って物事を捉え、その感情の根源を理解しようと努めるニュアンスがあります。名詞を伴って "demonstrate empathetic understanding"(共感的理解を示す)のように使われることが多いです。
共感的な反応
※ 相手の感情に寄り添い、それを適切に表現する反応のことです。単なる相槌や慰めの言葉だけでなく、相手の気持ちを汲み取った上で、言葉や態度で示すことを意味します。例えば、悲しんでいる人に寄り添って静かに話を聞いたり、苦しんでいる人に共感の言葉をかけたりすることが該当します。ビジネスシーンでも、顧客の不満に対して誠実に対応する際に求められる姿勢です。 "elicit an empathetic response" (共感的な反応を引き出す)のように使われます。
共感的なリーダー
※ 部下の感情や状況を理解し、寄り添うことのできるリーダーシップを発揮する人を指します。単に指示を出すだけでなく、部下の意見に耳を傾け、個々のニーズに応じたサポートを行うことが特徴です。近年、従業員のエンゲージメントを高める上で、共感的なリーダーシップの重要性が認識されています。 "become an empathetic leader" (共感的なリーダーになる)のように使われます。
共感的なアプローチ
※ 問題解決や交渉など、様々な場面で相手の立場や感情を考慮して進める方法のことです。対立を避け、協力関係を築く上で有効とされます。特に、顧客対応や医療現場など、人と接する場面で重要視されます。"take an empathetic approach"(共感的なアプローチを取る)のように使われます。
共感的な思いやりをもって
※ 相手の苦しみや困難に対して、深く心を痛め、何とかして助けたいという気持ちを表す表現です。手紙やメールの結びの言葉として、相手への配慮を示すために使われることがあります。また、スピーチやプレゼンテーションなどで、聴衆の感情に訴えかける際にも用いられます。フォーマルな場面で使われることが多いです。
共感的傾聴
※ 相手の話を注意深く聞き、言葉だけでなく感情や意図を理解しようとする聴き方のことです。単に話を聞くだけでなく、相手の立場に立って共感し、理解しようと努める点が重要です。カウンセリングやコーチングなどの専門分野だけでなく、日常のコミュニケーションにおいても、良好な人間関係を築く上で不可欠なスキルとされています。 "practice empathetic listening" (共感的傾聴を実践する)のように使われます。
心から共感的
※ 表面的な共感ではなく、本当に相手の気持ちを理解し、寄り添うことができるという意味合いを強調する表現です。相手に誠実さが伝わるニュアンスがあります。人の内面を評価する際に用いられ、高い信頼感や尊敬の念を伴います。"He is genuinely empathetic." (彼は心から共感的だ)のように使われます。
使用シーン
心理学、社会学、教育学などの分野の研究論文や学術書で、「共感的な理解」「共感性」といった概念を説明する際に用いられます。例えば、「共感的なアプローチは、患者の治療において重要な役割を果たす」のように、研究結果や理論的考察を述べる文脈で登場します。
人事評価、リーダーシップ研修、顧客対応に関する文書などで、従業員の能力や資質を評価する際に使用されます。例:「共感的なリーダーシップは、チームの結束力を高める」のように、能力開発や組織論の文脈で用いられます。日常的なビジネス会話よりも、フォーマルな報告書やプレゼンテーションでの使用が中心です。
ニュース記事、ノンフィクション書籍、ドキュメンタリー番組などで、他者の感情や状況を理解する能力について言及する際に用いられます。例:「共感的な姿勢は、人間関係を円滑にする」のように、社会問題や人間関係に関する議論で用いられます。日常会話では、やや硬い印象を与えるため、使用頻度は高くありません。
関連語
類義語
同情的な、思いやりのある。相手の苦しみや悲しみに対して、理解や共感を示す感情を表す。日常会話、ニュース、文学など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Sympathetic" は、相手の感情に対して同情や哀れみの気持ちを抱くことを意味する。一方、"empathetic" は、相手の感情を理解し、共有する能力を強調する。つまり、"sympathetic" は相手の感情に寄り添うが、"empathetic" は相手の感情を実際に体験するような感覚に近い。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも『同情的』と訳されることが多いが、英語では意味合いが異なる。"Sympathetic" は相手の状況を客観的に見て同情するニュアンスが強く、"empathetic" は相手の立場になって感情を共有するニュアンスが強い。"I feel sorry for you." (sympathetic) と "I feel with you." (empathetic) の違いを意識すると理解しやすい。
深い同情心を持つ、慈悲深い。相手の苦しみを取り除きたいという強い願望を伴う。主に、困っている人や苦しんでいる人に対する深い思いやりを表す。ニュース、慈善活動、宗教的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"Compassionate" は、"empathetic" よりも強い感情と行動への動機を含む。"Empathetic" は理解に重点を置くが、"compassionate" は行動(助けようとする意思)に重点を置く。よりフォーマルな響きを持つ。 【混同しやすい点】"Compassionate" は、単に相手の感情を理解するだけでなく、積極的に助けようとする意志を含む点が "empathetic" と異なる。"Empathy" は理解にとどまるが、"compassion" は行動を伴う。例えば、災害の被災者に対して "compassionate" な支援を行う、というように使われる。
理解のある、寛容な。相手の状況や気持ちを理解し、受け入れる態度を示す。日常会話、ビジネス、教育など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Understanding" は、"empathetic" よりも知的理解に重点を置く。感情的な共感よりも、相手の立場や状況を論理的に理解することを意味する。また、"understanding" は、必ずしも感情的な共感を伴わない場合もある。 【混同しやすい点】"Understanding" は、相手の状況を理解していることを示す言葉であり、必ずしも感情的な共感を意味しない。"Empathy" は感情的な共感に重点を置くため、相手の気持ちを共有しようとするニュアンスが強い。例えば、"I understand your situation, but..." のように、理解は示すが共感はしない、という使い方もできる。
敏感な、繊細な。人の感情や状況に敏感に反応する性質を表す。日常会話、心理学、文学などで使用される。 【ニュアンスの違い】"Sensitive" は、感情に対する感受性の高さを示すが、必ずしも共感を意味しない。"Empathetic" は、相手の感情を理解し共有する能力を強調する。"Sensitive" な人は、他人の感情に気づきやすいが、"empathetic" な人は、他人の感情を自分のことのように感じることができる。 【混同しやすい点】"Sensitive" は、他人の感情に気づきやすいことを意味するが、"empathetic" は、他人の感情を理解し共有する能力を意味する。例えば、"He is a sensitive person" は、彼が人の気持ちに気づきやすいことを意味するが、"He is an empathetic person" は、彼が人の気持ちを理解し共有できることを意味する。
思いやりのある、面倒見の良い。相手のことを気にかけ、大切に思う気持ちを表す。日常会話、家族関係、友人関係などでよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Caring" は、相手への愛情や配慮を示す言葉であり、必ずしも感情的な共感を意味しない。"Empathetic" は、相手の感情を理解し共有する能力を強調する。"Caring" な人は、相手の幸福を願うが、"empathetic" な人は、相手の感情を自分のことのように感じることができる。 【混同しやすい点】"Caring" は、相手への愛情や配慮を示す言葉であり、"empathetic" は、相手の感情を理解し共有する能力を意味する。例えば、"She is a caring mother" は、彼女が子供たちのことを大切に思っていることを意味するが、"She is an empathetic mother" は、彼女が子供たちの気持ちを理解し共有できることを意味する。
- pitying
哀れむ、同情する。相手の不幸や苦しみに対して、憐れみの感情を抱く。しばしば、相手を見下すようなニュアンスを含むことがある。日常会話、文学作品などで使用される。 【ニュアンスの違い】"Pitying" は、相手の不幸や苦しみに対して同情する感情を表すが、"empathetic" とは異なり、相手の立場を理解しようとする姿勢は薄い。むしろ、相手を憐れむことで優越感を得ようとするニュアンスを含むことがある。また、"pitying" は、相手との間に距離を感じさせる言葉である。 【混同しやすい点】"Pitying" は、相手を哀れむ感情を表すが、"empathetic" は、相手の感情を理解し共有する能力を意味する。"Pitying" は、相手を見下すようなニュアンスを含むことがあるため、使用する際には注意が必要である。例えば、"I pity him" は、彼を哀れむという意味になるが、"I empathize with him" は、彼の気持ちを理解し共感するという意味になる。
派生語
名詞。「共感(力)」という意味。感情移入する能力や、他者の気持ちを理解・共有する心の状態を指す。日常会話から学術論文まで幅広く使用され、「empathetic」の基となる語彙。
- empathetically
副詞。「共感的に」という意味。行動や発言の様子が、共感の気持ちを込めて行われていることを表す。例えば、「empathetically listen(共感的に聞く)」のように使われる。ビジネスシーンや人間関係において、相手への配慮を示す際に用いられる。
- empathetical
形容詞。「共感的な」という意味だが、「empathetic」よりも使用頻度は低い。ただし、学術的な文脈や心理学の分野では、より専門的なニュアンスを込めて用いられることがある。例えば、「empathetical accuracy(共感的正確性)」のように使われる。
反意語
形容詞。「無感情な」「無関心な」という意味。「empathetic」とは対照的に、他者の感情や苦しみに対して関心を示さない状態を表す。接頭辞「a-」は「〜がない」という意味を持つ。日常会話でも使用されるが、特に政治や社会問題に関する議論でよく用いられる。
形容詞。「冷淡な」「無情な」という意味。他者の感情に対して鈍感で、思いやりや同情心に欠ける状態を表す。「empathetic」とは明確な対立関係にあり、より強い非難のニュアンスを含む。例えば、「callous disregard(冷淡な無視)」のように使われる。
- unsympathetic
形容詞。「同情心のない」「思いやりのない」という意味。「sympathetic(同情的な)」に否定の接頭辞「un-」が付いた形。直接的な反意語であり、「empathetic」の反対の意味を明確に示す。相手の苦境に対して共感を示さない態度を指す。
語源
"empathetic"は「共感的な」「気持ちをくみ取る」という意味ですが、その語源はギリシャ語に遡ります。接頭辞 "em-" は "en-" の変形で、「中に(in)」や「〜の状態にする(put into)」という意味を持ちます。これに "pathos" (感情、苦しみ)が組み合わさり、さらに接尾辞 "-ic" (〜の性質を持つ)が付加されたものが "empathetic" の直接の祖先にあたる言葉です。つまり、他者の感情の中に自分を置く、あるいは他者の感情を自分の内側に取り込む、というイメージから「共感する」という意味が生まれたと考えられます。日本語で例えるなら、「相手の懐に飛び込む」という表現が近いかもしれません。他者の感情を理解し、共有しようとする心の動きを、言葉の成り立ちからも感じ取ることができます。
暗記法
「empathetic」は単なる同情でなく、相手の立場を深く理解し寄り添う心です。個人主義が強まる社会で、疎外感を埋め連帯感を育むため、その重要性が増しました。心理学の研究を経て、能動的な支援の姿勢へと意味が深化。マイノリティの権利擁護運動で不可欠な要素となり、リーダーシップの資質としても重視されます。ただし、感情論に終始せず、背景にある社会構造の理解が重要です。
混同しやすい単語
『empathetic』と語尾が共通し、発音も似ているため混同しやすい。意味は『哀れな』、『情けない』であり、他者の感情を理解する『empathetic』とは正反対のニュアンスを持つ。スペルミスにも注意が必要。接頭辞 'em-' (中に入れる) と 'path-' (感情) の有無が意味を大きく変えることを意識すると良いでしょう。
『empathetic』と同様に、他者への感情を表す単語だが、意味合いが異なる。『sympathetic』は『同情的な』、『思いやりのある』という意味で、相手の感情に寄り添うニュアンスが強い。一方、『empathetic』は相手の感情を理解し、共有するニュアンスがより強い。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。接頭辞 'sym-' (共に) が示すように、感情を共有するというよりも、感情を理解し寄り添うイメージです。
『empathy』(共感) と語源が近く、発音も似ているため混同しやすい。ただし、『apathy』は『無感動』、『無関心』という意味で、感情が欠如している状態を表す。スペルも似ているため、注意が必要。接頭辞 'a-' (〜がない) が意味を反転させていることを理解すると覚えやすい。
『empathetic』とスペルが似ており、発音も一部共通するため混同しやすい。『emphatic』は『強調された』、『断固とした』という意味で、感情とは直接関係がない。発音記号を確認し、アクセントの位置が異なることを意識すると区別しやすい。
語尾が似ており、共に感情や感覚に関わる単語であるため、混同される可能性がある。『telepathic』は『テレパシーの』という意味で、直接的なコミュニケーションなしに感情や思考を伝達する能力を指す。接頭辞 'tele-' (遠い) が示すように、遠隔的な感情伝達のイメージを持つ。
『empathy』(共感) と語源が近く、語尾も似ているため混同しやすい。『antipathy』は『反感』、『嫌悪感』という意味で、感情がネガティブな方向に働いている状態を表す。接頭辞 'anti-' (反対) が意味を反転させていることを理解すると覚えやすい。スペルミスにも注意。
誤用例
日本語の『同情的』という言葉に引きずられて、安易に『empathetic』を使ってしまう誤用です。『Empathetic』は、相手の感情を**理解し、共有する**能力があることを意味します。一方、『sympathetic』は、相手の感情に**寄り添い、同情する**気持ちを表します。経済的な援助ができない状況では、単に相手に寄り添う気持ちを示す『sympathetic』が適切です。日本人は、相手の感情を深く理解していることを強調するよりも、まずは共感の気持ちを示すことを重視する傾向があるため、『sympathetic』の方がより自然に響きます。 "I feel your pain"というニュアンスを伝えたい場合にsympatheticが適しています。
『Empathetic』を『共感的な』と捉え、『相手に同調する』という意味で誤用する例です。真に『empathetic』なリーダーは、単に相手に同意するのではなく、相手の視点や感情を理解した上で、建設的なフィードバックやサポートを提供します。日本的な『和を重んじる』文化では、特にリーダーシップにおいて、表面的な同調が重視される場合がありますが、『empathetic』なリーダーシップは、より深い理解と尊重に基づいています。また、英語では、過度な同調はリーダーシップの弱さと見なされることもあります。'supportive'は、相手の意見を尊重し、励ますという意味合いが強く、リーダーシップの文脈ではより適切です。An empathetic leader understands and shares the feelings of their team, which can be demonstrated through supportive actions.
『Empathetic』は、能力や性質を指す言葉であり、行動を表す言葉としてはやや不自然です。相手の苦しみに対する深い理解に基づいた行動や態度は、『compassionate(思いやりのある)』という言葉で表現する方が適切です。日本人は、内面的な感情よりも、具体的な行動や態度を重視する傾向があるため、『compassionate』の方がより自然に響きます。『empathetic』は、例えば、カウンセラーやセラピストのような専門家が持つべき資質を説明する際に使われることが多いです。 "He showed compassion by donating to the charity"のように具体的な行動を伴う場合にcompassionateがより適しています。
文化的背景
「empathetic(共感的)」という言葉は、単なる感情の共有を超え、相手の立場や感情を理解し、寄り添う心のあり方を表します。これは、個人の内面を尊重し、他者とのつながりを重視する、近現代のヒューマニズム思想と深く結びついています。産業革命以降、社会構造が複雑化し、個人主義が台頭する中で、人々は互いの疎外感を埋め、連帯感を醸成するために、共感という概念に新たな意義を見出したのです。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、心理学や社会学の分野で共感の研究が進むにつれ、「empathetic」は感情移入という受動的な態度から、相手の苦しみや喜びを理解し、積極的に支援しようとする能動的な姿勢へと意味合いを深めていきました。例えば、ジェンダーや人種、性的指向など、様々なマイノリティの権利を訴える社会運動において、「empathetic」であることは、相手の痛みを想像し、共に行動するための不可欠な要素と見なされるようになりました。文学作品においても、主人公が他者の苦難に触れ、共感を通じて成長していく物語は、読者の心を揺さぶり、社会的な意識を高める役割を果たしています。
現代社会においては、「empathetic」であることは、リーダーシップやチームワークを発揮する上で重要な資質とされています。多様な価値観を持つ人々が共存するグローバルな環境において、相手の文化や背景を理解し、共感に基づいてコミュニケーションを取ることは、円滑な人間関係を築き、共通の目標を達成するために不可欠です。企業の人事評価においても、従業員の「empathy」能力が重視されるようになり、共感力を高めるための研修プログラムも数多く開発されています。
ただし、「empathetic」という言葉は、しばしば安易な感情論や自己満足的な行動と結びつけられることもあります。相手の感情に寄り添うことは重要ですが、客観的な視点を失ったり、過剰な感情移入によって冷静な判断を誤ったりするリスクも伴います。真に「empathetic」であるためには、相手の感情を理解するだけでなく、その背景にある社会構造や歴史的文脈を理解し、問題の根本的な解決を目指す姿勢が求められます。単なる同情ではなく、深い理解に基づいた共感こそが、「empathetic」という言葉が本来持つ力を発揮するための鍵となるのです。
試験傾向
準1級、1級の長文読解や語彙問題で出題される可能性があります。特に、人の感情や行動に関するテーマで使われることが多いです。長文読解では、登場人物の心情を理解する上で重要なキーワードとなることがあります。ライティングの自由英作文で「共感」を示す際に使用すると高評価につながる可能性があります。スペルミスに注意してください。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で、ビジネスシーンにおける顧客対応やチームワークに関する文脈で登場する可能性があります。直接的な語彙知識だけでなく、文脈から適切な意味を判断する能力が求められます。ビジネスにおける「共感性」の重要性を示す文脈で使われやすいです。類義語(understanding, compassionateなど)との使い分けに注意してください。
リーディングセクションで、心理学、社会学、歴史などのアカデミックな文章で登場する可能性があります。筆者の主張や登場人物の行動を分析する上で重要な単語となります。ライティングセクションでは、エッセイで多様な視点を考慮する際に使用できます。アカデミックな文脈では、より深い理解と分析が求められます。同意語・反意語(indifferent, apathetic)をセットで覚えておくと理解が深まります。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。社会問題や倫理観に関するテーマで使われることが多いです。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で登場人物の心情を把握する際に重要となることがあります。和訳問題や英作文で使えると有利です。文脈に応じた適切な訳語を選ぶ練習をしてください(共感的な、思いやりのある、など)。