英単語学習ラボ

disillusion

/ˌdɪsɪˈluːʒən/(ディスィルゥーʒ(ジ)ャン)

強勢は「ル」の部分にあります。最初の 'di' は日本語の『ディ』より弱く、曖昧母音に近い音です。's' の後の 'i' は、日本語の『イ』よりもやや口を横に引いた音(/ɪ/)。'ʒ' は有声後部歯茎摩擦音で、フランス語の 'j' や、日本語の『ジャ』行に近い音ですが、より喉の奥で響かせるイメージです。最後の 'ən' は曖昧母音で、弱く発音されます。

動詞

幻滅させる

理想や希望を打ち砕き、現実を見せること。良いイメージが崩れ、失望に変わるニュアンス。

The politician's broken promise began to disillusion many voters.

その政治家の破られた約束は、多くの有権者を幻滅させ始めました。

この例文は、公的な人物や組織の行動が、それまで期待していた人々を「幻滅させる」という典型的な状況を描いています。主語は「破られた約束」という具体的な出来事。動詞が過去形「began to disillusion」になっているので、幻滅が始まった様子が伝わります。

The difficult truth about the job quickly began to disillusion her.

その仕事に関する難しい真実は、すぐに彼女を幻滅させ始めました。

憧れていた仕事に就いたものの、理想と現実の違いに直面して「幻滅させられる」という、多くの人が経験する状況です。主語は「難しい真実」という抽象的なものですが、それが彼女を幻滅させる原因となっています。動詞が過去形「began to disillusion」なのもポイントです。

His repeated lies will soon disillusion his friends.

彼の繰り返される嘘は、すぐに友人たちを幻滅させるでしょう。

この例文は、個人の行動(ここでは「繰り返される嘘」)が、親しい人間関係において相手を「幻滅させる」という典型的な場面です。まだ幻滅はしていないけれど、これからそうなるだろうという未来の状況を「will disillusion」で表現しています。

動詞

目を覚まさせる

甘い夢や幻想から解放し、厳しい現実に気づかせること。しばしば、痛みを伴う経験を通して得られる。

The first few weeks at his new job really began to disillusion him.

新しい仕事での最初の数週間は、彼をすっかり幻滅させ始めました。

「新しい仕事に大きな期待を抱いていた彼が、実際に働いてみて現実に直面し、理想が打ち砕かれる様子」を表現しています。「disillusion」は、何かに対する「甘い幻想」が壊される時によく使われます。

Learning about the scandal really disillusioned many fans of the singer.

そのスキャンダルを知って、多くの歌手のファンはすっかり幻滅しました。

「憧れの対象(歌手)が、不祥事を起こしたことで、ファンが抱いていた良いイメージや期待が壊れてしまう様子」を描写しています。人や物事に対して抱いていた「信じる気持ち」が裏切られるような場面で使われます。

The unexpected technical problems eventually disillusioned the whole team.

予期せぬ技術的な問題が、最終的にチーム全体を幻滅させました。

「順調に進むはずだったプロジェクトが、予期せぬ問題に直面し、チーム全員が抱いていた希望やモチベーションが失われていく様子」を示しています。理想的な状況が現実の困難によって打ち砕かれる、という文脈で自然に使えます。

名詞

幻滅

理想や希望が打ち砕かれた状態。現実を知り、失望や落胆を感じる気持ち。

She felt a deep sense of disillusion after seeing the tough reality of her first job.

彼女は初めての仕事の厳しい現実を見て、深い幻滅を感じました。

この例文は、理想と現実のギャップに直面した時の「幻滅」を表現しています。「a sense of disillusion」で「幻滅の気持ち」を表し、「deep」はその気持ちが強いことを示します。新社会人が抱きがちな、仕事への期待が裏切られる場面によく合います。

The scandal of his favorite idol caused him great disillusion.

彼のお気に入りのアイドルのスキャンダルは、彼に大きな幻滅をもたらしました。

この例文は、憧れの対象が期待を裏切ったときに感じる「幻滅」を表しています。「cause (人) disillusion」は「人に幻滅を引き起こす」という意味で、何かが原因で幻滅する状況で使われます。「great」は、その幻滅が非常に大きいことを強調しています。

Many young people feel disillusion with the current political situation.

多くの若者が現在の政治状況に幻滅を感じています。

この例文は、社会や政治に対して希望を失う「幻滅」を表現しています。「feel disillusion with ~」は「〜に幻滅を感じる」という典型的な表現です。特に、社会問題や政治に対する人々の感情を表す際によく使われるフレーズです。

コロケーション

disillusion someone with something

人に何かを見せて幻滅させる、理想を打ち砕く

この構文は「disillusion」が他動詞として使われ、具体的な対象(人)と、幻滅の原因となる「何か」を明確に示します。例えば、「The report disillusioned many voters with the current political system.(その報告書は多くの有権者を現在の政治システムに幻滅させた)」のように使います。受動態で「be disillusioned with」の形も頻繁に見られ、幻滅の対象がより強調されます。単に「幻滅する」だけでなく、「何によって」幻滅したのかを具体的に示す点で、より詳細な状況説明が必要な場合に適しています。

a rude disillusionment

突然の、手痛い幻滅

「rude」は「無作法な」「粗野な」という意味の他に、「突然の」「手痛い」という意味合いも持ちます。このコロケーションは、理想や希望が打ち砕かれる経験が、予期せず、かつ非常に不快な形で起こったことを強調します。ビジネスシーンで、例えば期待していた契約が突然破談になった場合などに、「a rude disillusionment」という表現が使われることがあります。単なる失望よりも、衝撃や裏切られた感情が伴うニュアンスです。

lead to disillusionment

幻滅につながる、失望を招く

この表現は、ある状況や行動が、結果として幻滅や失望を引き起こすことを示します。原因と結果の関係を明確に表現する際に用いられ、「Unrealistic expectations often lead to disillusionment.(非現実的な期待はしばしば幻滅につながる)」のように使われます。「result in disillusionment」も同様の意味ですが、「lead to」の方がより一般的な表現です。ビジネスや政治の文脈で、政策の失敗や計画の遅延が人々の失望を招く状況を説明する際によく使われます。

disillusioned idealist

幻滅した理想主義者

この表現は、かつて強い理想を持ち、社会や世界をより良くしたいと願っていた人が、現実の厳しさや矛盾に直面し、理想を失ってしまった状態を表します。文学作品や社会学の研究でよく見られる表現で、単に「理想を失った人」というだけでなく、かつて抱いていた強い信念や情熱が打ち砕かれたというニュアンスを含みます。政治運動や社会活動に積極的に参加していた人が、その活動の限界や腐敗を目の当たりにして幻滅する場合などが典型的な例です。

the process of disillusionment

幻滅の過程

これは、幻滅が徐々に進行していくプロセスを指します。単に幻滅した状態を表すのではなく、その変化の過程に焦点を当てています。例えば、長年の努力が報われなかったり、信じていたものが崩れていく過程を説明する際に使われます。心理学や社会学の研究で、個人の価値観や信念がどのように変化していくかを分析する際に用いられることが多い表現です。「a gradual disillusionment(徐々の幻滅)」のように、変化の速度を強調する形容詞を伴うこともあります。

a sense of disillusionment

幻滅感

漠然とした、しかし確実に存在する幻滅の感情を表します。具体的な対象や原因が明確でない場合でも、何かに対する期待が裏切られたり、理想とのギャップを感じたりする時に用いられます。例えば、社会全体に対する不信感や、将来への不安など、漠然とした感情を表現する際に適しています。「feel a sense of disillusionment」のように、感情を表す動詞と組み合わせて使われることが多いです。個人的な感情だけでなく、社会全体の雰囲気やムードを表す際にも使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、理想と現実のギャップを示す際に用いられます。例:『先行研究の楽観的な予測は、その後のデータによって幻滅させられた(disillusioned)。』研究者が、既存の理論や仮説が現実と合致しない状況を説明する際に、客観的な視点から用いられることが多いです。文語的な表現です。

ビジネス

ビジネス文書やプレゼンテーションで、期待外れの結果や状況を婉曲的に表現する際に使われます。例:『新製品の市場導入は、当初の期待をいくらか幻滅させる(disillusion)結果となった。』経営層が、プロジェクトの成果や市場動向について、ネガティブな側面を伝える際に、責任を曖昧にするニュアンスで使用されることがあります。フォーマルな文体です。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品で、個人の理想や信念が崩れる経験を描写する際に用いられます。例:『長年信じていた政治家が汚職事件に関与していることを知り、彼女は幻滅(disillusion)した。』ジャーナリストが、社会的な出来事や個人の体験を通じて、人々の価値観の変化を表現する際に用いられます。やや硬い表現です。

関連語

類義語

  • disenchant

    魔法や魅力が解ける、または解くという意味。元々は文字通り魔法が解けることを指したが、比喩的に、人や物事の魅力が失われる、または失わせるという意味で使われる。文学的な表現。 【ニュアンスの違い】「disillusion」と非常に近い意味だが、「disenchant」の方が、かつて抱いていた強い魅力や魔法が解けるというニュアンスが強い。また、やや古風な言い方で、日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】「disenchant」は他動詞としても自動詞としても使われるが、他動詞として使われることが多い。「disillusion」よりもフォーマルで、文学的な文脈で使われることが多い。

  • undeceive

    欺瞞から解放する、誤った考えを正すという意味。誰かを騙していた状態から真実を知らせて解放することを指す。教育や啓発の文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】「disillusion」が理想や希望が打ち砕かれるニュアンスを含むのに対し、「undeceive」は単に誤解を解く、真実を伝えるというニュアンスが強い。感情的な失望よりも、事実の訂正に焦点が当てられる。 【混同しやすい点】「undeceive」は常に他動詞として使われ、目的語(人)が必要となる。また、「deceive」(欺く)の反対語であることを意識すると、意味を理解しやすい。

  • 期待を裏切る、失望させるという意味。誰かの期待に応えられなかったり、予想外の結果になったりしたときに使われる。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】「disillusion」が理想や信念の崩壊を伴う深い失望を表すのに対し、「disappoint」はより一般的な失望感を表す。感情の強さや影響範囲が異なる。 【混同しやすい点】「disappoint」は他動詞であり、通常は「disappoint someone」の形で使われる。また、「disappointed」は形容詞として「I am disappointed」のように自分の感情を表す場合にも使われる。

  • let down

    期待を裏切る、がっかりさせるという意味のスラング。「disappoint」よりも口語的で、カジュアルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】「disillusion」のような深刻な失望ではなく、軽い失望や期待外れを表すことが多い。友人との約束を破ったり、ちょっとした頼み事を断ったりする場面で使われる。 【混同しやすい点】「let down」は句動詞であり、「let someone down」の形で使われる。フォーマルな場面では「disappoint」を使う方が適切。

  • open someone's eyes

    誰かの目を開かせる、真実を悟らせるという意味のイディオム。今まで気づかなかったことや、誤解していたことに気づかせることを指す。 【ニュアンスの違い】「disillusion」が個人的な理想や信念の崩壊を伴うのに対し、「open someone's eyes」は客観的な真実や現実を認識させるというニュアンスが強い。啓発的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】「open someone's eyes」はイディオムであり、直訳ではないことに注意。また、通常は「to」を伴って、「open someone's eyes to something」の形で使われる。

  • 目覚めさせる、気づかせるという意味。比喩的に、無知や無関心から目覚めさせる、新しい意識や感情を目覚めさせるという意味で使われる。文学的、または精神的な文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"disillusion"が既存の信念や理想が崩壊することによる幻滅を意味するのに対し、"awaken"は新しい認識や理解が生まれることを意味する。前者は喪失、後者は獲得のニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"awaken"は自動詞としても他動詞としても使われるが、比喩的な意味では他動詞として使われることが多い。また、やや古風な表現であり、日常会話ではあまり使われない。

派生語

  • 「幻想、錯覚」を意味する名詞。「dis-(否定)」が付く前の原形。視覚的な錯覚から、希望的観測や誤った信念まで幅広く使われる。日常会話から学術論文まで登場頻度は高い。

  • illusory

    「錯覚的な、見せかけの」という意味の形容詞。「illusion」に形容詞語尾「-ory」が付いた形。現実ではない、あてにならないものを指す際に使われる。やや硬い表現で、文学作品や心理学の分野でよく見られる。

  • 「妄想」を意味する名詞。「de-(下に、離れて)」と「illusion」が組み合わさった語。現実からの乖離が著しい誤った信念を指し、精神医学の分野で専門的に用いられる。日常会話では比喩的に使われることもある。

反意語

  • enchantment

    「魅了、魔法にかけること」を意味する名詞。「disillusion」が幻滅を表すのに対し、「enchantment」は良い意味での強い魅力を表す。物語やファンタジーの世界で頻繁に使われ、比喩的に人の心を奪うような魅力にも使われる。

  • idealization

    「理想化」を意味する名詞。「disillusion」が現実に幻滅するのに対し、「idealization」は現実を無視して理想的な姿を思い描くことを指す。心理学や社会学の文脈で、人間関係や社会現象を分析する際に用いられる。

  • 「信頼、信仰」を意味する名詞。「disillusion」が信頼を失うことを意味するのに対し、「faith」は根拠がなくても信じ続けることを指す。宗教的な意味合いだけでなく、人や組織に対する信頼を表す場合にも使われる。ビジネスや政治の分野でも重要な概念。

語源

「disillusion」は、「幻滅」や「目を覚まさせる」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞「dis-」と動詞「illusion」から構成されています。「dis-」は「否定」や「分離」を表し、例えば「disagree(同意しない)」や「disconnect(接続を断つ)」などにも見られます。「illusion」は「幻想」や「錯覚」を意味し、ラテン語の「illudere(からかう、欺く)」に由来します。したがって、「disillusion」は文字通りには「幻想から離れる」という意味合いを持ち、今まで信じていたことや期待していたことが現実とは異なると気づき、幻滅するという意味に発展しました。まるで、舞台の幕が上がり、美しい舞台装置の裏側にある粗雑な構造が見えてしまうようなイメージです。

暗記法

「幻滅(disillusion)」は、ロマン主義終焉と産業革命の落差から生まれた感情。社会進歩への期待が、貧困や格差で打ち砕かれる中で生まれた。ディケンズやフローベールが描いた社会の暗部、フランス革命や共産主義の崩壊も幻滅の源泉だ。現代ではSNSが理想と現実の乖離を広げる。しかし幻滅は、現実直視と新たな価値観への転換点。より良い未来を築くための、成熟への一歩なのだ。

混同しやすい単語

『disillusion』と『illusion』は、接頭辞 'dis-' の有無だけが異なります。そのため、スペルミスや読み間違いが起こりやすいです。『illusion』は『幻想』や『錯覚』を意味し、肯定的な意味合いも持ちますが、『disillusion』は幻想が打ち砕かれる、幻滅するという否定的な意味合いを持ちます。接頭辞 'dis-' が意味を反転させることを理解することが重要です。語源的には、'illusion' はラテン語の 'illudere'(からかう、欺く)に由来し、'dis-' は否定や分離を表します。

『delusion』は『妄想』を意味し、発音も 'di-' の部分が似ているため混同されやすいです。しかし、スペルは大きく異なり、意味も全く異なります。『disillusion』が現実を知って幻滅するのに対し、『delusion』は非現実的な信念を抱き続ける状態を指します。医学・心理学的な文脈でよく使用される単語です。語源的には、'delusion' はラテン語の 'deludere'(欺く、遊ぶ)に由来します。

『dissolution』は『解散』、『解消』、『溶解』といった意味を持ち、スペルが似ているため混同しやすいです。特に『dis-』と『disso-』の部分が紛らわしい原因となります。『disillusion』が感情的な幻滅を表すのに対し、『dissolution』は組織や関係の終わりを意味することが多いです。語源的には、'dissolution' はラテン語の 'dissolvere'(ばらばらにする、溶かす)に由来します。

『solution』は『解決(策)』や『溶解』を意味し、接頭辞の有無によって意味が大きく変わる点で『illusion』と『disillusion』の関係に似ています。ただし、'disillusion' と 'solution' はスペルも発音も似ているわけではないため、混同の度合いは低いです。文脈によっては、問題が『解決』することで、かえって『幻滅』するという状況も考えられるため、両者の関係性を意識すると理解が深まります。語源的には、'solution' はラテン語の 'solvere'(緩める、解く)に由来します。

『allusion』は『ほのめかし』や『暗示』を意味し、発音の一部('-lusion' の部分)が似ているため、聞き間違いやすいことがあります。スペルも一部が共通しているため、視覚的にも混同しやすいです。『disillusion』が現実とのギャップに幻滅するのに対し、『allusion』は間接的な表現を用いて何かを伝えるという点で、意味が大きく異なります。文学作品や会話でよく使われます。語源的には、'allusion' はラテン語の 'alludere'(〜に触れる、〜をほのめかす)に由来します。

『dilution』は『希釈』や『薄めること』を意味し、発音の最初の部分が似ているため、特にリスニング時に混同しやすい可能性があります。スペルも 'di-' の部分が共通しているため、視覚的にも注意が必要です。『disillusion』が感情的な変化を表すのに対し、『dilution』は物理的な変化を表すため、文脈が大きく異なります。科学的な文脈や、比喩的に影響力などが薄れることを表す際に用いられます。語源的には、'dilution' はラテン語の 'diluere'(洗い流す、薄める)に由来します。

誤用例

✖ 誤用: I was disillusioned to hear that my favorite author uses a ghostwriter.
✅ 正用: I was disillusioned to learn that my favorite author uses a ghostwriter.

日本人が『hear』を使いがちなのは、日本語の『聞く』が広い意味を持つためです。しかし、『hear』は単に音が耳に入ってくる状態を指し、情報を『知る』という意味合いでは『learn』が適切です。特に、幻滅や失望といった感情を伴う情報を知った場合は、『learn』がより自然です。これは、単なる聴覚情報ではなく、内容を理解し、それによって感情が動いたというニュアンスを含むためです。 "I heard that..." は伝聞を伝える際に適切ですが、個人的な失望の感情を表すには不向きです。

✖ 誤用: The politician's speech disillusioned the public about the future.
✅ 正用: The politician's speech made the public lose their illusions about the future.

『disillusion』は、元々抱いていた幻想や理想が崩れることを意味します。この文では、政治家の演説によって、人々が未来に対する幻想を失ったという状況を表したいと考えられますが、『disillusion』を他動詞として使う場合、通常は『~からdisillusionさせる』というより、『~についてdisillusionする』という形が自然です。より自然な英語では、"lose their illusions"のように表現します。また、the public は集合名詞なので、文脈によっては複数扱いをすることがあります。

✖ 誤用: After years of working in the corporate world, he became disillusioned with life itself.
✅ 正用: After years of working in the corporate world, he became cynical about life itself.

『disillusioned』は特定の対象に対する幻滅を表すのに適していますが、『人生そのもの』といった抽象的な概念に対して使うと、やや大げさな印象を与えることがあります。より自然なのは、『cynical』を使うことです。『cynical』は、物事の本質を見抜き、良い面よりも悪い面に注目するような、醒めた態度を表します。日本人は、理想を失う=幻滅という発想から『disillusioned』を選びがちですが、英語では、長年の経験からくる諦観や冷笑的な感情を『cynical』で表現する方が自然な場合があります。これは、西洋的な価値観において、理想主義が一定程度尊重される一方で、現実主義的な視点も重視されるためです。

文化的背景

「Disillusion(幻滅)」は、理想や希望が打ち砕かれた状態を表し、単なる失望を超えて、かつて信じていた価値観や体制への信頼を失う、深い感情的な変化を伴います。この言葉は、ロマン主義の終焉と産業革命以降の社会変革期に、人々が抱いていた理想と現実のギャップを痛感する中で、その重要性を増しました。

19世紀のヨーロッパにおいて、「disillusion」は、社会の進歩に対する初期の楽観主義が、現実の不平等や抑圧によって打ち砕かれる経験と密接に結びついています。産業革命は技術革新をもたらしましたが、同時に貧困層の増加、労働環境の悪化、そして社会階層間の格差を拡大させました。知識人や芸術家たちは、科学技術の進歩が必ずしも人々の幸福に繋がらないことに気づき始め、社会の矛盾や欺瞞を批判的に描くようになりました。例えば、ヴィクトリア朝時代のイギリス文学では、チャールズ・ディケンズの作品などが、社会の暗部を暴露し、読者に幻滅の念を抱かせました。また、フランスの作家ギュスターヴ・フローベールは、『ボヴァリー夫人』において、ロマンティックな夢想に耽る主人公が、現実の生活とのギャップに苦しみ、破滅していく姿を描き出しました。

さらに、「disillusion」は、政治的な理想の崩壊とも深く関連しています。フランス革命は自由、平等、博愛の理念を掲げましたが、その後の混乱とナポレオンの登場によって、多くの人々は政治的な理想に対する信頼を失いました。同様に、20世紀の共産主義の崩壊は、社会主義的な理想を信じていた人々にとって、深い幻滅の経験となりました。冷戦終結後、グローバリゼーションの進展は、経済的な繁栄をもたらす一方で、格差の拡大、環境破壊、そして文化の均質化といった問題を引き起こし、新たな幻滅の感情を生み出しています。

現代社会において、「disillusion」は、政治、経済、環境、そして人間関係など、あらゆる側面で経験される可能性があります。ソーシャルメディアの普及は、理想化されたイメージを拡散し、現実とのギャップを拡大させることで、幻滅の感情を増幅させているかもしれません。しかし、幻滅は必ずしもネガティブな経験ではありません。それは、現実を直視し、新たな価値観を模索する機会となる可能性を秘めています。幻滅を通して、私たちはより成熟し、より批判的な視点を持つことができるのです。そして、過去の理想に囚われず、現実に基づいてより良い未来を築くための第一歩を踏み出すことができるのです。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 語彙問題、長文読解

2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に長文読解で出題される可能性が高い。

3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史など、やや硬めのテーマで登場することが多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞、名詞の意味を正確に理解しておくこと。類義語(e.g., disappointment)とのニュアンスの違いを把握しておくと有利。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)

2. 頻度と級・パート: 出題頻度は中程度。Part 7での登場が多い。

3. 文脈・例題の特徴: 企業の経営戦略、市場動向、従業員の不満など、ビジネス関連の文脈で使われる。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 「幻滅する」という意味だけでなく、「~の目を覚まさせる」という使われ方も理解しておくこと。disillusionment (名詞) も合わせて覚えておくと良い。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクション

2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に歴史、社会学、心理学などの分野でよく見られる。

3. 文脈・例題の特徴: 社会現象、政治体制、個人の心理状態など、抽象的な概念を説明する際に用いられる。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をすること。類義語(e.g., disenchantment)との使い分けも重要。動詞と名詞の形を区別できるようにする。

大学受験

1. 出題形式: 長文読解、和訳問題

2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど出題頻度が高い。長文読解で内容理解を問われることが多い。

3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、哲学など、幅広いテーマで登場する可能性がある。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を捉える練習をすること。辞書で複数の意味を確認し、例文を参考にしながら理解を深めることが重要。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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