dime
二重母音 /aɪ/ は「ア」から「イ」へスムーズに変化させるのがポイント。日本語の『ア』よりも口を大きく開け、すぐに『イ』へ移行することで、より自然な発音になります。最後の 'm' は、口を閉じて鼻から息を出すように意識しましょう。口を閉じることで、次の音へスムーズに繋げられます。
専門的な内容に関するご注意
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10セント硬貨
アメリカ合衆国とカナダで使われる10セントの硬貨。日常会話で金額を伝える際や、少額のお金の比喩として使われることが多い。
He quickly dropped a dime into the parking meter.
彼は急いでパーキングメーターに10セント硬貨を投入しました。
※ 駐車料金を支払うために、パーキングメーターに急いで10セント硬貨を入れる男性の情景です。アメリカでは、昔からパーキングメーターや公衆電話などで「dime」がよく使われました。小銭が必要な日常的な場面で使われる典型的な例です。
A little girl happily picked up a shiny dime from the street.
幼い女の子は、道に落ちていたピカピカの10セント硬貨を嬉しそうに拾い上げました。
※ 道端で光る10セント硬貨を見つけて、子供が喜んで拾い上げる様子を描いています。日常で偶然小銭を見つける、という誰にでも起こりうる場面で、硬貨が具体的に「dime」であることを示しています。「shiny」は「光る、ぴかぴかの」という意味で、発見の喜びを強調しています。
My son proudly put his first dime into his piggy bank.
私の息子は、初めての10セント硬貨を誇らしげに貯金箱に入れました。
※ 子供が初めてもらった「dime」を、大事に貯金箱に入れる瞬間の情景です。お小遣いや貯金といった、子供たちの日常と「dime」が結びつく、心温まる典型的な使い方です。「piggy bank」は「貯金箱」を意味します。
わずかな価値
10セント硬貨の価値の低さから転じて、「取るに足らないもの」「価値の低いもの」といった意味合いで使われる。しばしば軽蔑的なニュアンスを含む。
My little brother threw away his old toy car because it wasn't worth a dime anymore.
私の幼い弟は、もう何の価値もなくなった古いおもちゃの車を捨てました。
※ 「worth a dime」は「わずかな価値がある」という意味で、否定形の「wasn't worth a dime」で「全く価値がない」というニュアンスを強く表します。子供が遊び飽きてしまったおもちゃの悲しい末路が目に浮かぶようです。
The kind old man gave me a map of the city, and it didn't cost a dime.
親切な老人が私に街の地図をくれました。それは一銭もかかりませんでした。
※ 「cost a dime」は「わずかなお金がかかる」という意味で、否定形の「didn't cost a dime」で「全く費用がかからない=無料だ」という状況を表します。親切な行為に感謝する、温かい場面が想像できますね。
I checked my empty wallet and realized I didn't have a dime left for lunch.
空っぽの財布を確認して、昼食代に一銭も残っていないことに気づきました。
※ 「have a dime」は「わずかなお金を持っている」という意味で、否定形の「didn't have a dime」で「一銭も持っていない=無一文だ」という状態を表します。お昼ご飯が買えない、がっかりした気持ちが伝わる切ないシーンです。
コロケーション
極めて狭い場所で、または非常に正確に
※ 「dime」はアメリカの10セント硬貨を指し、その小ささから「非常に狭い範囲」や「正確さ」を表現する際に用いられます。例えば、車が「on a dime」で止まると言えば、ごく短い距離で急停止したことを意味します。また、計画や実行が「on a dime」で行われる場合は、寸分の狂いもなく完璧に実行されることを指します。口語でよく使われ、特に運転や精密な作業を表現する際に便利です。
密告する、通報する
※ この表現は、昔の公衆電話(payphone)を使う際に10セント硬貨(dime)を投入して警察に通報したことに由来します。誰かを「drop a dime on」するということは、その人物の悪事や犯罪行為を当局に密告することを意味します。主に口語的な表現で、犯罪ドラマや映画などで耳にすることがあります。現代では携帯電話が普及していますが、この表現は比喩として残っています。
全く価値がない、役に立たない
※ 文字通りには「10セントの価値もない」という意味ですが、転じて「全く価値がない」「役に立たない」という意味合いで使われます。人、物、アイデアなど、あらゆるものに対して使用可能です。例えば、「That old car isn't worth a dime.(あの古い車は全く価値がない)」のように使います。日常会話で頻繁に使われる表現です。
急停止する、方向転換する
※ 「on a dime」は前述の通り「非常に狭い範囲で」という意味合いを持ちます。そのため、「stop on a dime」や「turn on a dime」は、それぞれ「ごく短い距離で急停止する」「その場で方向転換する」という意味になります。車の性能を評価する際や、スポーツで選手の動きを表現する際によく用いられます。比喩的に、意見や態度を急に変えることを指す場合もあります。
ありふれている、どこにでもある
※ 「1ダース(12個)で10セント」という意味から、「非常に安価で手に入る」→「ありふれている」「どこにでもある」という意味合いで使われます。珍しいものではなく、簡単に手に入るものに対して使われます。例えば、「Those kinds of stories are a dime a dozen.(そういう話はありふれている)」のように使います。日常会話でよく使われ、少し皮肉めいたニュアンスが含まれることもあります。
施しを求める、恵んでください
※ 主にホームレスや困窮者が、通行人にお金を恵んでくれるよう頼む際に使われる表現です。「spare」は「分け与える」「提供する」という意味で、「dime」は少額のお金を表します。この表現は、社会的な弱者に対する同情や支援を求める文脈で用いられることが多いです。直接的な物乞いの場面だけでなく、比喩的に「少しでも助けてほしい」というニュアンスで使われることもあります。
使用シーン
学術論文においては、比喩表現として「a dime a dozen(ありふれたもの)」のように使われることがあります。統計学の入門書で、データのばらつきの小ささを説明する際に、「データの差はdimeほどの価値もない」という比喩で用いられることもあります。フォーマルな文体です。
ビジネスシーンでは、金銭的な価値の低さを強調する際に「a dime's worth of effort(ほんのわずかな努力)」のように使われることがあります。プロジェクトの成果が期待を下回った場合に、上司が部下に対して「これではdimeの価値もない」と述べるような状況が考えられます。口語的な表現です。
日常会話では、10セント硬貨を指す際に使われます。「Do you have a dime?(10セント硬貨持ってる?)」のように、自動販売機やコインランドリーを利用する際によく使われます。また、「not worth a dime(全く価値がない)」という表現で、物の価値や人の能力を評価する際に使われることもあります。カジュアルな会話で頻繁に登場します。
関連語
類義語
- nickel
アメリカ合衆国の通貨単位で、5セント硬貨を指します。日常会話で金額を表現する際に使われます。 【ニュアンスの違い】『dime』が10セントであるのに対し、『nickel』は5セントを指すため、金額の大きさが異なります。日常会話で具体的な金額を伝える際に使われます。 【混同しやすい点】『dime』と『nickel』はそれぞれ異なる金額を表すため、混同すると相手に誤解を与える可能性があります。それぞれの硬貨の価値を正確に理解しておく必要があります。
アメリカ合衆国の通貨単位で、1セント硬貨を指します。日常会話で少額の金額を表現する際に使われます。 【ニュアンスの違い】『dime』が10セントであるのに対し、『penny』は1セントを指すため、金額の大きさが大きく異なります。最も少額な硬貨を指す際に使われます。 【混同しやすい点】『dime』と『penny』は金額が大きく異なるため、混同すると相手に誤解を与える可能性があります。特に、複数形(pennies)のスペルに注意が必要です。
アメリカ合衆国の通貨単位で、25セント硬貨を指します。日常会話で比較的大きな金額を表す際に使われます。 【ニュアンスの違い】『dime』が10セントであるのに対し、『quarter』は25セントを指すため、金額の大きさが異なります。自動販売機やコインランドリーなど、特定の場所でよく使われます。 【混同しやすい点】『dime』と『quarter』は金額が異なるため、混同すると支払いの際に問題が生じる可能性があります。特に、硬貨のサイズが似ているため、注意が必要です。
- ten cents
『10セント』という金額を明示的に表現する方法です。日常会話やビジネスシーンで使われます。 【ニュアンスの違い】『dime』が硬貨そのものを指すのに対し、『ten cents』は金額を強調する際に使われます。フォーマルな場面や、金額を正確に伝えたい場合に適しています。 【混同しやすい点】『dime』は名詞ですが、『ten cents』は名詞句であるため、文法的な構造が異なります。例えば、『I have a dime』とは言えますが、『I have a ten cents』とは言えません。
- small change
少額の硬貨や紙幣をまとめて指す表現です。日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】『dime』が特定の硬貨を指すのに対し、『small change』は複数の硬貨をまとめて指します。お釣りや、ちょっとした買い物の際に使われます。 【混同しやすい点】『dime』は可算名詞ですが、『small change』は不可算名詞として扱われることが多いです。『I have a dime』とは言えますが、『I have a small change』とは通常言いません。
- tenth of a dollar
1ドルの10分の1という意味で、フォーマルな場面や学術的な文脈で使われることがあります。 【ニュアンスの違い】『dime』が口語的な表現であるのに対し、『tenth of a dollar』はより形式ばった表現です。契約書や会計報告など、正確さが求められる場面で使われます。 【混同しやすい点】『dime』は具体的な硬貨を指しますが、『tenth of a dollar』は金額の割合を表すため、文脈によって使い分ける必要があります。日常会話ではほとんど使われません。
派生語
『10進法の』という意味の形容詞。『dime』は元々ラテン語の『decimus(10番目の)』に由来し、10セント硬貨であることから。数学や科学分野で頻繁に使用される。
動詞で『10分の1を殺す』、転じて『多数を殺害する』という意味。古代ローマ軍で反乱鎮圧のために行われた処罰に由来。『dime』と同じ語源を持ち、比喩的に減少や破壊を表す際に使われる。ニュースや歴史的な文脈で使われることが多い。
- dicker
元々は『10枚の獣皮』を意味する言葉で、そこから『交渉する』という意味に変化した。現代ではあまり一般的ではないが、特に価格交渉の文脈で使われる場合がある。
語源
"dime"は、古フランス語の「disme(十分の一)」に由来します。これはさらに、ラテン語の「decima(十分の一)」から派生しています。「decem」はラテン語で「10」を意味し、英語の"December(12月)"(古代ローマ暦では10番目の月だった)や"decade(10年間)"といった単語の語源にもなっています。つまり、"dime"は元々「十分の一」を意味し、アメリカ合衆国の通貨単位として、1ドルの十分の一の価値を持つ硬貨を指すようになりました。"dime"という言葉自体に接頭辞や接尾辞は含まれていませんが、その語源を辿ることで、古代ローマの数体系や暦との繋がりが見えてきます。このように、一見シンプルな単語でも、歴史的な背景を知ることで、語彙の理解が深まります。
暗記法
dimeは、アメリカンドリームを象徴するコイン。わずかな価値の中に、大きな可能性が秘められています。独立初期の通貨制度を支えましたが、その価値の低さから軽視されることも。大衆小説「dime novels」に代表される安価な娯楽や、映画の中で主人公の最後の希望として描かれることもあります。「not worth a dime」という表現は、価値の低さを強調する一方で、貯蓄の第一歩として未来への希望を象徴する存在。dimeは、アメリカの価値観と精神を体現する奥深いコインなのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特にネイティブスピーカーが早口で話す場合、区別が難しいことがあります。綴りも'dime'と'time'で、最初の文字が異なるだけなので、注意が必要です。 'dime'は10セント硬貨を意味する名詞ですが、'time'は時間、回数などを意味する名詞です。文脈から判断することが重要です。
発音は似ていますが、'dine'は動詞で「食事をする」という意味です。 'dime'と音が近いので、リスニングの際に混同しやすいかもしれません。文章中で動詞として使われている場合は'dine'である可能性が高いです。
発音が似ており、特にアメリカ英語では'dime'と'damn'が非常に近い音になることがあります。 'damn'は「ちくしょう」といった意味の罵り言葉や、「~をののしる」という意味の動詞です。フォーマルな場面では避けるべき言葉なので、注意が必要です。
綴りが少し似ており、'dime'と'deem'を見間違える可能性があります。 'deem'は「~と見なす、考える」という意味の動詞で、やや硬い表現です。発音も異なりますが、スペルミスには注意が必要です。
'dime'と'dome'は母音の音が異なりますが、どちらも短い音なので、発音に自信がないと混同しやすいかもしれません。 'dome'は「ドーム」という意味の名詞です。建築物や球状のものを指す場合に使われます。
発音はやや異なりますが、早口で話されたり、音声が不明瞭な場合、'dime'と'dying'を聞き間違える可能性があります。'dying'は「死にかけている」という意味の形容詞、または動詞'die'の現在分詞です。文脈から判断することが重要です。
誤用例
『dime』は10セント硬貨を指す具体的な金額であり、少額のお金を漠然と表現するのには不適切です。日本人が『ちょっとお金が必要』と言う場面で、直訳的に『dime』を使ってしまう可能性がありますが、英語では具体的な金額を意図しない場合は『a little money』などを使う方が自然です。日本語の『ちょっと』が非常に曖昧な量や程度を表せるのに対し、英語ではより具体的な表現が求められることが多いです。
『dime』は10セント硬貨を指すため、現在ではコーヒー一杯に足りないことが一般的です。物乞いの場面で使われることもありますが、現代では『some change』と言う方がより自然です。日本人が『小銭』を意味する言葉として『dime』を安易に使うと、時代錯誤な印象を与えてしまう可能性があります。また、文化的背景として、アメリカでは物価の上昇に伴い、少額の硬貨の価値が変化していることを理解しておく必要があります。
『didn't give a dime』は『全く気にかけない』という強い否定を表すイディオムですが、これは非常に口語的な表現です。フォーマルな場面やビジネスシーンでは不適切です。日本人が学校で習う英語では、このような口語表現に触れる機会が少ないため、誤って使ってしまう可能性があります。よりフォーマルな場面では、『didn't care at all』や『showed no interest』などを使う方が適切です。英語のレジスター(言葉遣いの丁寧さやフォーマルさ)を意識することが重要です。
文化的背景
「dime」は、アメリカ文化において「わずかな価値」と同時に「可能性を秘めた価値」を象徴するコインです。その小ささゆえに見過ごされがちですが、十枚集まればドルになるように、dimeはアメリカンドリームの縮図とも言えるでしょう。
18世紀末、アメリカ合衆国は通貨制度を確立する際、スペインの銀貨「real」を参考にしました。この銀貨は八分割できることから「bits」と呼ばれ、1/8レアルが12.5セントに相当しました。この「bits」という概念が、後に「dime」という10セント硬貨の基礎となります。dimeは、アメリカの独立と経済的自立の象徴として、初期の通貨制度において重要な役割を果たしました。しかし、その価値の低さから、しばしば軽視され、忘れ去られる存在でもありました。
文学や映画において、dimeはしばしば「安価な娯楽」や「わずかな希望」を象徴します。例えば、19世紀末から20世紀初頭にかけて流行した「dime novels」は、安価で大衆向けの冒険小説であり、dimeという言葉が「手軽に楽しめる娯楽」を意味するようになりました。また、映画の中では、dimeは主人公が困難な状況を乗り越えるための「最後の頼みの綱」として登場することがあります。例えば、主人公が電話をかけるため、あるいはバスに乗るための最後のdimeを持っている、といったシーンは、絶望的な状況からの脱出を象徴的に表しています。
現代社会において、dimeは「わずかな価値」の比喩として使われることが多く、「not worth a dime(一文の価値もない)」という表現は、価値の低さを強調する際に用いられます。しかし、同時にdimeは、貯蓄や投資の第一歩として、将来への希望を象徴する存在でもあります。子供がお小遣いを貯めてdimeを積み重ねる姿は、アメリカンドリームの原点を想起させます。dimeは、アメリカ文化における価値観の多様性と、わずかな可能性を信じる精神を体現する、奥深い象徴的なコインなのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、リスニング(会話文)。
- 頻度と級・パート: 2級以上で稀に出題。準1級以上でやや頻度が高まる。特に自由英作文のお題に関連する語彙として知識があると有利。
- 文脈・例題の特徴: 日常会話、ニュース記事、エッセイなど幅広い文脈で登場。比喩表現で使われることもある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「10セント硬貨」という基本の意味に加え、「わずかな価値、つまらないもの」といった比喩的な意味も覚えておく。関連語句(nickel, quarterなど)も合わせて学習すると効果的。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)。
- 頻度と級・パート: TOEIC全体で考えると、出題頻度はそれほど高くない。ビジネス関連の文脈で稀に登場する。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスニュース、経済記事、アメリカの消費動向に関する記事などで見られる可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 直接的な金銭に関する問題よりも、比喩的な意味合い(「わずかな投資で大きなリターンを得る」など)で使われる場合があることに注意。アメリカの通貨に関する知識があると有利。
- 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
- 頻度と級・パート: TOEFL iBTのリーディングセクションで、ごく稀に出題されることがある。ただし、専門的な経済に関する文章でなければ、それほど頻繁には見られない。
- 文脈・例題の特徴: 経済学、社会学、歴史学などのアカデミックな文章で、アメリカの経済や社会に関する話題で登場する可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「10セント硬貨」という直接的な意味よりも、比喩的な意味(「わずかな価値、重要性の低いもの」など)で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が必要。
- 出題形式: 長文読解問題、語彙問題。
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解問題で稀に出題されることがある。ただし、必須の単語というわけではない。
- 文脈・例題の特徴: アメリカの社会、経済、文化に関する文章で登場する可能性がある。比喩表現で使われることもある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的には「10セント硬貨」という意味を覚えておけばよい。文脈によっては比喩的な意味合いを持つこともあるので、注意が必要。