dense
母音 /e/ は日本語の『エ』よりも口を左右に開き、少し曖昧な音です。舌の位置は少し高めを意識しましょう。語尾の /ns/ は、日本語の『ンス』よりも、舌先を上の歯茎に近づけて、息を鼻に抜くように発音するとより自然です。
専門的な内容に関するご注意
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密集した
要素がぎっしり詰まっている様子。物理的な密度だけでなく、情報や思考の密度にも使われる。例文:a dense forest(密集した森)、dense fog(濃霧)、dense prose(難解な文章)
We hiked into a dense forest, where the trees stood so close together.
私たちは木々がとても密集して立っている深い森へとハイキングしていきました。
※ 【情景】木々がびっしり生い茂る森の中を進む様子です。光が差し込みにくく、少し薄暗い雰囲気も感じられますね。「dense」は、物理的に「ぎっしり詰まっている」状態を表すのにぴったりです。 【ヒント】「dense forest」は「深い森」「生い茂る森」という意味でよく使われる表現です。自然の中で使われる典型的な例です。
The train station was so dense with people that I could barely move.
駅は人でとても密集していて、私はほとんど動けませんでした。
※ 【情景】通勤ラッシュ時の駅のホームなど、多くの人が集まりすぎて、身動きが取れないほど混雑している状況です。息苦しさや焦りといった感情が伝わりますね。 【ヒント】「dense with (something)」で「~で密集している」と表現できます。この文では「with people」(人で)が使われています。
A dense fog suddenly rolled in, making it very hard to see the road ahead.
濃い霧が突然あたりを覆い、前方の道がとても見えにくくなりました。
※ 【情景】ドライブ中や散歩中に、視界が真っ白になるほどの濃い霧が突然現れる場面です。見通しが悪くなり、不安を感じる様子が描かれています。「dense」は霧や煙などが「濃い」「立ち込めている」状態にも使われます。 【ヒント】「roll in」は、霧や雲などが「ゆっくりと入ってくる、覆い始める」という自然な動きを表すフレーズです。
理解しづらい
複雑で難解なため、理解するのが難しい状態。人の思考や文章、議論など抽象的なものに対して使われることが多い。例文:a dense argument(難解な議論)、a dense explanation(わかりにくい説明)
The professor's lecture was so dense that many students looked confused.
教授の講義はあまりに難解で、多くの学生が困惑した顔をしていました。
※ 大学の大きな教室で、先生が専門的な内容を熱心に話しているけれど、多くの学生が眉間にしわを寄せて、理解できずに困っている情景が目に浮かびますね。「dense」は、このように情報が多すぎたり、複雑だったりして「理解しにくい」状態を表すのにぴったりです。「so...that...(とても〜なので…)」の構文は、原因と結果を伝えるのに便利です。
I tried to read the new software manual, but it was too dense for me to follow.
新しいソフトウェアのマニュアルを読もうとしましたが、難しすぎて内容を追うことができませんでした。
※ パソコンの前で、新しいソフトを使うためにマニュアルを広げたものの、専門用語だらけでなかなか読み進められず、思わずため息をついてしまう、そんな状況です。「dense」は、説明書や文章が複雑でわかりにくい場合にもよく使われます。「too...to...(〜すぎて…できない)」の構文は、何かが困難であることを表現する際に役立ちます。「follow」はここでは「理解してついていく」という意味で使われています。
My friend explained his research, but his ideas were so dense that I just nodded politely.
友人が自分の研究について説明してくれましたが、彼の考えはあまりに難解で、私はただ丁寧にうなずくしかありませんでした。
※ カフェで友人と話している時、彼が自分の専門的な研究について熱く語り始めたものの、内容が難しすぎて頭に入ってこない…でも、彼をがっかりさせたくなくて、つい愛想笑いをしながらうなずいてしまう、そんな場面ですね。人の話や考え方が複雑で理解しにくい場合にも「dense」が使えます。「just nodded politely」は、本当は理解できていないけれど、その場をやり過ごすためにうなずいた、という気持ちを表しています。
頭の回転が鈍い
人の知性や理解力が低いことを表す、やや否定的な意味合い。直接的な侮辱を避けた婉曲表現として使われることもある。例文:He's a bit dense.(彼は少し頭が鈍い)
The teacher sighed because one student was always dense during math class.
数学の授業中、ある生徒がいつも頭の回転が鈍いので、先生はため息をついた。
※ この例文は、先生が授業で生徒の理解力に手を焼いている、という具体的な場面を描写しています。「dense」が「頭の回転が鈍い」という意味で使われる典型的なシチュエーションです。先生の「ため息(sighed)」から、先生の困惑や諦めの感情が伝わってきます。誰かに対して「dense」と言う場合、少しネガティブなニュアンスを含むことが多いです。
I felt so dense today; I couldn't even remember my password.
今日は本当に頭が回らないと感じた。パスワードすら思い出せなかったから。
※ この例文では、自分自身が「頭がぼんやりしている」「簡単なことでも思い出せない」と感じている状況を表しています。日常生活で、疲れていたり、集中できなかったりして、普段ならできることができない時に「I feel dense」と表現することがあります。これは、自分自身に対する軽い自嘲や困惑の気持ちが込められています。「even」は「〜でさえも」という強調を表し、その状況の深刻さを示しています。
My boss can be dense, so you need to explain things very simply.
私の上司は頭が鈍いことがあるから、物事をとてもシンプルに説明する必要があるよ。
※ この例文は、職場での会話など、他者の理解力について話す場面で使われます。上司が特定の事柄を理解するのに時間がかかる、または複雑な説明が苦手、という状況を表しています。「can be dense」は「〜なことがある」という傾向を示す表現で、その人の特徴を述べています。続く「so you need to explain things very simply」は、その特徴に対応するための具体的なアドバイスであり、この単語がどのような文脈で使われるかを明確に示しています。
コロケーション
濃霧
※ 視界が非常に悪くなるほどの濃い霧のことです。気象現象を説明する際によく用いられ、特に旅行や交通に関するニュースで頻繁に登場します。比喩的に『状況が不透明で見通しが立たない』という意味合いで使われることもあります。 'thick fog'も同様の意味ですが、'dense fog'の方がより公式な印象を与えます。
鬱蒼とした森/ジャングル
※ 木々が密集し、日光がほとんど差し込まないような、非常に茂った森やジャングルのことです。探検や冒険小説など、文学的な文脈でよく見られます。 'thick forest'も同様の意味ですが、'dense forest'はより植物の密度が高いイメージを与えます。また、比喩的に『複雑で理解しにくい状況』を表すこともあります。
人口密集
※ 一定の地域に非常に多くの人が住んでいる状態を指します。都市計画、社会学、地理学などの分野でよく使われます。 'high population density'という表現も同じ意味で使われますが、'dense population'の方が口語的で簡潔です。過密都市の問題点などを議論する際によく用いられます。
密集した都市部
※ 建物や人々が密集している都市の地域を指します。都市計画や不動産の分野でよく使用されます。 'densely populated area'も同様の意味ですが、'dense urban area'は物理的な密集度合いに重点を置いています。例えば、高層ビルが立ち並び、道路が狭い地域などを指します。
目の詰まったケーキ/パン
※ 生地が空気を含まず、重くてしっとりとした食感のケーキやパンを指します。料理やベーキングに関する文脈で使われます。必ずしも悪い意味ではなく、例えば、ずっしりとしたパウンドケーキなどを表現する際に使われます。 'heavy cake'も似た意味ですが、'dense cake'の方が生地の構造に焦点を当てています。
意味が凝縮されている
※ 文章、音楽、映画などが多くの意味を含んでおり、解釈が難しい状態を表します。文学や芸術評論でよく使われます。例えば、難解な詩や哲学的な映画などを評する際に用いられます。 'rich in meaning'も同様の意味ですが、'dense with meaning'はより複雑で理解しにくいニュアンスを含みます。
光学的に高密度な
※ 光が通りにくい、または屈折率が高い物質を指します。物理学や光学の分野で使用される専門用語です。例えば、レンズやプリズムなどの材料を説明する際に用いられます。日常会話ではほとんど使われません。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。特に、統計学、物理学、生物学などの分野で、「データが密集している」「物質の密度が高い」「情報が凝縮されている」といった意味で用いられます。例:『この地域は人口密度が非常に高い(The population density is very high in this area.)』
ビジネス文書やプレゼンテーションで、抽象的な意味合いで使われることがあります。「情報が詰め込まれている」「内容が濃い」といったニュアンスで、肯定的な意味でも否定的な意味でも使用されます。例:『この報告書は内容が濃すぎて理解しづらい(This report is too dense and difficult to understand.)』
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、やや硬い表現として使われることがあります。例えば、「密集した住宅街」や「内容の濃い映画」といった文脈で使われることがあります。また、人を指して「頭が固い」という意味で使われることもありますが、やや失礼なニュアンスを含むため、注意が必要です。例:『あの人はちょっと頭が固い(He's a bit dense.)』
関連語
類義語
『詰まっている』『密度が高い』という意味で、物理的な密度を表す場合や、文章などが簡潔にまとめられている状態を表す際に使われる。ビジネス文書や技術文書、学術論文など、フォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『dense』が必ずしもポジティブな意味を持たないのに対し、『compact』はスペース効率が良い、無駄がないといった肯定的なニュアンスを含むことが多い。また、抽象的な概念に対しても使われる。 【混同しやすい点】『compact』は、動詞として『圧縮する』という意味も持つ。名詞として使う場合は、『化粧品などのコンパクト』という意味もあるため、文脈によって意味を判断する必要がある。
『厚い』『濃い』という意味で、液体や霧、髪の毛など、物理的な厚みや濃さを表す場合に用いられる。日常会話で頻繁に使われる、一般的な語。 【ニュアンスの違い】『dense』が内部の構成要素が詰まっているイメージであるのに対し、『thick』は表面的な厚みを強調する。比喩的に、知能の低さを表す場合にも使われることがある(例:He's a bit thick.)。 【混同しやすい点】『thick』は、液体やスープなどに対して『とろみがある』という意味でも使われるため、『dense』とは使い分けが必要。また、『thick』は侮辱的な意味合いを含む場合があることに注意。
- concentrated
『濃縮された』『集中した』という意味で、液体や思考、努力などが一点に集まっている状態を表す。科学、ビジネス、学術など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『dense』が単に密度が高い状態を指すのに対し、『concentrated』は意図的に、あるいは自然に何かが集約された結果としての密度が高いことを示す。努力や思考に対して使う場合は、強い集中力を意味する。 【混同しやすい点】『concentrated』は、受動態で使われることが多い。例えば、『concentrated orange juice』(濃縮オレンジジュース)のように、形容詞として用いられる場合も多い。
『固体の』『中身の詰まった』という意味で、物理的に固い状態や、内容が充実している状態を表す。科学、工学、ビジネスなど、客観的な事実を述べる場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『dense』が内部構造の複雑さや密度を強調するのに対し、『solid』は外部からの圧力に対する強さや、内部の均質性を強調する。比喩的に、意見や証拠が確固たるものであることを示す場合にも使われる。 【混同しやすい点】『solid』は、名詞として『固体』という意味も持つため、文脈によって意味を判断する必要がある。また、『solid』は、可算名詞として『立方体』という意味も持つ。
- impermeable
『不浸透性の』という意味で、液体や気体が通りにくい性質を表す。科学、工学、建築など、専門的な分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】『dense』が物質の内部構造に着目するのに対し、『impermeable』は物質の表面における透過性を問題とする。より技術的で専門的な語彙。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われないため、使用場面が限られる。また、『impermeable』は、抽象的な概念に対してはあまり用いられない。
『詰め込まれた』という意味で、物がぎゅうぎゅうに詰め込まれている状態を表す。日常会話で、特に食べ物がお腹いっぱいに詰め込まれている状態を表現する際によく使われる。 【ニュアンスの違い】『dense』が客観的な密度を表すのに対し、『stuffed』は主観的な感覚、特に満腹感や窮屈さを伴う状態を表す。カジュアルな表現。 【混同しやすい点】『stuffed』は、動詞『stuff』の過去分詞形であり、形容詞として使われる場合と、受動態の動詞として使われる場合がある。文脈によって意味を判断する必要がある。
派生語
『密度』を意味する名詞。「dense」が持つ『詰まっている』という概念を、物質や情報の集中度合いとして抽象化したもの。学術論文や技術文書で頻繁に使用され、具体的な数値と結びつけて用いられることが多い。例えば、『人口密度』『情報密度』など。
『密集して』『濃密に』を意味する副詞。「dense」に副詞語尾の「-ly」が付加されたもの。場所や状態が密集している様子、あるいは抽象的な意味で情報や感情が濃密であることを表す。例文:『densely populated area(人口密集地域)』『densely woven fabric(緻密に織られた生地)』。
- condense
接頭辞「con-(共に、強調)」がつき、「一緒に詰める」という意味の動詞。「dense」の「詰まっている」というコアの意味を保ちつつ、より能動的な意味合いを持つ。物理的な意味での『凝縮する』や、文章などを『要約する』という意味で使用される。日常会話からビジネス文書、学術論文まで幅広く用いられる。
「condense」の名詞形。「凝縮」「要約」などの意味を持つ。科学技術分野では物理的な凝縮現象を指し、文章作成においては内容の要約を意味する。学術論文や技術報告書でよく見られる。
反意語
『まばらな』『希薄な』を意味する形容詞。「dense」が『密度が高い』状態を表すのに対し、「sparse」は密度が低い状態を表す。例えば、『sparse population(まばらな人口)』『sparse vegetation(まばらな植生)』のように用いられる。日常会話よりも、地理学や生態学などの分野でよく使われる。
『珍しい』『まれな』を意味する形容詞。「dense」が『一般的で大量にある』状態を示すのに対して、「rare」は『存在が少ない』状態を示す。例えば、『rare species(希少種)』『rare occurrence(まれな出来事)』のように用いられる。抽象的な意味合いでも使用され、『dense argument(理解しがたい議論)』に対する『rare insight(稀有な洞察)』のように対比されることもある。
- porous
『多孔質の』『浸透性の』を意味する形容詞。「dense」が『密度が高く、隙間がない』状態を表すのに対し、「porous」は『小さな穴が多く、液体や気体が通りやすい』状態を示す。地質学や材料科学でよく用いられ、『porous rock(多孔質の岩)』『porous material(多孔質材料)』のように使われる。
語源
"dense」は、ラテン語の「densus」(濃い、密集した)に由来します。この「densus」は、印欧祖語の語根である「*dens-」(厚い、固い)に遡ると考えられています。つまり、「dense」は、もともと物質が詰まっている状態、隙間がない状態を表していました。この物理的な意味合いから派生して、「人口密集地」のように、ある場所に多くのものが集まっている状態を指すようになり、さらに抽象的な意味として、「理解しづらい」「複雑で込み入っている」といった意味合いを持つようになりました。例えば、「dense fog(濃霧)」のように物理的な濃さを表す一方で、「dense argument(難解な議論)」のように抽象的な意味でも使われます。日本語で例えるなら、「濃い」という言葉が、物理的な濃さだけでなく、「内容の濃い」といった抽象的な意味にも使われるのと似ています。
暗記法
「dense」は単に密度が高いだけでなく、知性の欠如をほのめかす言葉。啓蒙思想の時代、知識は光、無知は暗黒とされ、「dense」は暗黒に近い状態を指すように。知識階層がそうでない人々を批判的に捉える際に用いられ、コミュニケーションの壁を象徴することも。現代でも、知的優位性や軽蔑のニュアンスが残り、社会的分断を意識させる力を持つ。使う際は背景に注意を。
混同しやすい単語
問題文の単語そのものですが、意味を理解していないと他の単語との区別が曖昧になります。『密集した』『濃い』『(人が)鈍感な』などの意味があり、文脈によって使い分けが必要です。
発音が非常に似ており、特に複数形の 's' の有無を聞き分けるのが難しい場合があります。意味は『へこみ』であり、名詞です。スペルも 'e' と 't' の違いだけなので、注意が必要です。
スペルが似ており、特に手書きの場合など 'n' と 'a' の区別が曖昧になりやすいです。意味は『踊り』または『踊る』であり、名詞または動詞として使われます。発音も母音部分が異なるため、意識して区別する必要があります。
スペルがやや似ており、特に 'f' と 's' の位置関係が混乱しやすいです。意味は『防御』『防衛』であり、名詞です。アメリカ英語では 'defense' と綴ります。発音は 'dense' とは異なりますが、スペルの類似性から誤って認識する可能性があります。
発音の最初の部分が似ており、特に早口の場合など聞き分けが難しいことがあります。意味は『下降』『家系』であり、名詞です。スペルも 'dense' と似ていますが、'sc' が含まれている点が異なります。語源的には、『下へ(de-)座る(sent)』という意味合いがあり、イメージで捉えると覚えやすいでしょう。
接頭辞 'con-' が付いていますが、'dense' の一部を含んでいるため、意味を推測する際に混同しやすいことがあります。意味は『凝縮する』『要約する』であり、動詞です。全体を『共に(con-)密にする(dense)』というイメージで捉えると理解しやすいでしょう。
誤用例
日本語の『濃い』という言葉に引きずられ、『dense』を内容が難解であることを表すために使うのは不適切です。英語の『dense』は、情報が詰まっている、密度が高いという意味合いが強く、抽象的な内容の難解さには『abstruse』や『obscure』がより適切です。日本人は情報を『濃い』と表現することがありますが、英語では情報の密度と難解さは区別されます。英語では、理解しにくい内容は『clear』の反対である『unclear』や『vague』といった表現が自然です。
『dense』を人の知性を表すために使う場合、非常にネガティブで直接的な表現になります。日本語の『鈍感』や『頭が固い』といったニュアンスで使おうとすると、相手を侮辱する可能性があります。英語では、知的な遅さを婉曲的に表現するために、『slow on the uptake』や『not the sharpest tool in the shed』といった表現が用いられます。直接的な批判を避ける文化的な背景が影響しています。日本人がストレートな表現を避けるように、英語でも同様の配慮が必要です。また、性格を表す場合には、『頑固』という意味で『obstinate』や『stubborn』を用いる方が適切です。
『dense』は物理的な密度を表すことが多く、感情や雰囲気に対して使うと不自然に聞こえる場合があります。感情や雰囲気の重さを表現する際には、『heavy』がより適切です。日本人は『空気が重い』という表現を直訳しがちですが、英語では『dense atmosphere』よりも『heavy atmosphere』の方が一般的です。感情が充満している様子を表すには、『laden with』も使えます。例えば、『The air was laden with unspoken grief.(空気は言葉にされない悲しみで満たされていた)』のように使います。
文化的背景
「dense」は、単に「密度が高い」という意味だけでなく、しばしば知性や理解力の欠如を婉曲的に表現するために用いられ、特に知的エリート層が、そうでない人々を暗に批判する際に用いられてきました。この語が持つ、見下すようなニュアンスは、社会階層間の知識格差やコミュニケーションの断絶を反映しています。
「dense」が知的レベルの低さを指すようになった背景には、18世紀の啓蒙思想が深く関わっています。知識と理性こそが社会を進歩させると信じた啓蒙思想家たちは、無知や迷信を「暗黒」とみなし、知識を持つ者を「光」と見なしました。この二元論的な考え方が、「dense」を知識の欠如、つまり「暗黒」に近い状態として捉える風潮を生み出したのです。例えば、当時の風刺作家たちは、理解力のない政治家や官僚を「dense」と表現することで、彼らの無能さを揶揄しました。このように、「dense」は、単なる事実の欠如だけでなく、社会の進歩を妨げる存在として認識されるようになったのです。
また、「dense」は、しばしばコミュニケーションの障壁を象徴する言葉としても用いられます。複雑な事柄を理解できない人に対して「彼はdenseだ」と言う場合、それは単に知識がないというだけでなく、相手の思考回路が複雑な情報を処理できないことを示唆しています。これは、専門家が一般の人々に対して、あるいは異なる専門分野の人々がお互いに対して感じるいらだちを表現する際によく見られます。例えば、科学者が一般の人々に気候変動の深刻さを説明する際に、「彼らはdenseだから理解できないだろう」と考えることがあります。このように、「dense」は、知識の非対称性によって生じるコミュニケーションの断絶を浮き彫りにする言葉なのです。
現代では、「dense」はよりカジュアルな文脈でも使用されますが、その根底には、依然として知的優位性への意識や、理解力のない者への軽蔑といったニュアンスが残っています。特に、高度な専門知識が求められる現代社会においては、「dense」という言葉は、知識を持つ者と持たない者の間の溝を強調し、社会的な分断を意識させる力を持っています。したがって、「dense」という言葉を使う際には、その背後にある文化的・社会的な背景を理解し、相手に不快感を与えないように注意する必要があります。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(主に準1級以上)。稀にリスニング。
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文で登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術などのアカデミックな文脈で、「密集した」「濃い」といった意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「dense」は、物理的な密度だけでなく、情報や感情の密度を表すこともあります。文脈に応じて適切な意味を判断することが重要です。類義語の「thick」との使い分けも意識しましょう。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)。稀に語彙問題(Part 5, 6)。
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5, 6ではやや頻度低め。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(レポート、契約書など)で、情報やデータの「密度」を表す際に使われることがあります。技術的な文脈でも見られます。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、文脈から意味を推測する能力が重要です。「dense」の具体的な意味が分からなくても、周囲の単語から判断できるように練習しましょう。類義語の「compact」や「concentrated」も覚えておくと役立ちます。
- 出題形式: 主に長文読解。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章で、特に科学、社会科学、歴史などの分野で、「密集した」「濃い」という意味で使われます。抽象的な概念の密度を表すこともあります。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLでは、パラフレーズ(言い換え)が頻繁に行われます。「dense」の類義語(compact, concentrated, thickなど)も覚えておくことが重要です。また、文脈から意味を推測する練習を重ねましょう。
- 出題形式: 主に長文読解。稀に語彙問題。
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で頻出。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術など、幅広いテーマで登場します。抽象的な概念の「密度」を表すこともあります。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要です。また、「dense」の類義語や反意語(sparse, thin)も覚えておくと、読解の助けになります。長文読解の練習を通して、文脈における「dense」の使われ方を理解しましょう。