cumbersome
第1音節にアクセントがあります。/ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口を少し開けて短く発音します。/r/ は舌を丸める音で、日本語のラ行とは異なります。最後の /əm/ は曖昧母音で、口を軽く開けて弱く発音します。全体的に力を入れずにリラックスして発音すると、より自然に聞こえます。
扱いにくい
物理的に大きく、重く、または複雑で、持ち運びや使用が難しい様子。比喩的に、手続きやシステムが煩雑で扱いにくい場合にも使われる。例:a cumbersome package(扱いにくい荷物), cumbersome regulations(煩雑な規制)
Carrying the large, oddly shaped package felt very cumbersome on the crowded train.
大きくて形が変な荷物を抱えて、満員電車に乗るのはとても扱いにくく感じられた。
※ この例文は、物理的に大きすぎたり、形が複雑だったりして、持ち運びや操作が難しいものに「cumbersome」を使う典型的な例です。満員電車で、周りにぶつかりそうになりながら「ああ、これは大変だ、邪魔だな」と感じている人の様子が目に浮かびますね。ここでは「felt cumbersome」で「扱いにくいと感じた」という感情を表しています。
I spent hours trying to understand the cumbersome instructions for my new TV.
新しいテレビの、あの扱いにくい説明書を理解しようと、何時間も費やした。
※ 「cumbersome」は、物理的なものだけでなく、手続きやシステム、規則などが複雑で、理解しにくい、手間がかかる、使いにくいといった状況にも使われます。新しいテレビを買ってきて、ワクワクしながら箱を開けたものの、分厚くて読みにくい説明書を見て、うんざりしながら何時間も格闘している人の様子が想像できますね。「spend + 時間 + -ing」で「〜するのに時間を費やす」という表現はよく使うので、覚えておくと便利です。
Playing the piano in those big, puffy gloves would be quite cumbersome.
あの大きくてふくらんだ手袋をしてピアノを弾くのは、かなり扱いにくいだろう。
※ この例文では、衣服や装備が、その重さや大きさ、形によって、特定の動作を妨げたり、不便さを感じさせたりする状況で「cumbersome」が使われています。大きくてモコモコした手袋をはめた状態でピアノを弾こうとしている人が、指がうまく動かず、鍵盤を叩きにくいと感じている様子を想像させますね。「would be cumbersome」で「〜だろう」と仮定の話をしており、実際に試さなくても、その状況が不便だと想像できる場合に使う表現です。
面倒な
時間や労力がかかり、不便で煩わしい様子。単に「難しい」だけでなく、手間がかかるニュアンスを含む。例:a cumbersome process(面倒な手続き), cumbersome paperwork(面倒な事務処理)
The old, bulky suitcase was too cumbersome to carry up the stairs.
その古くてかさばるスーツケースは、階段を上るにはあまりにも面倒だった(運びづらかった)。
※ 重くて大きなスーツケースを階段で運ぶ大変さを想像してください。この文では、物理的にかさばり、扱いにくいものに対して「cumbersome」を使っています。特に「too cumbersome to do 〜」の形で、「〜するには面倒すぎる」「〜するには不便すぎる」という意味を表します。
Filling out all these forms is a cumbersome process.
これら全ての書類に記入するのは面倒な手続きだ。
※ たくさんの書類を前に、うんざりしながら記入している様子を想像してください。「cumbersome」は、手続きやシステムが複雑で「手間がかかる」「煩雑な」場合にもよく使われます。日々の業務や行政手続きなどで不便を感じる状況にぴったりです。
Wearing that heavy coat felt cumbersome when I tried to run.
あの重いコートを着て走ろうとすると、動きが面倒に感じられた(動きづらかった)。
※ 厚くて重いコートを着て走ろうとしたら、動きにくくてイライラした、という状況を想像してください。「cumbersome」は、身につけるものが「動きを妨げる」「邪魔になる」といった身体的な不便さを表す際にも使われます。「felt cumbersome」のように、何かをしていて「面倒に感じた」「煩わしく感じた」という気持ちを表現できます。
コロケーション
煩雑な手続き、面倒なプロセス
※ 行政手続き、社内申請、ソフトウェアのインストールなど、段階が多く、時間と労力を要する手続きを指します。単に「複雑 (complex)」なだけでなく、非効率で扱いにくいニュアンスを含みます。例えば、新しいソフトウェアを導入する際に、複数の部署の承認が必要で、書類の提出も多く、時間がかかる場合などに「cumbersome process」と表現できます。ビジネスシーンで頻繁に使われます。
煩雑な官僚主義、お役所仕事
※ 過剰な規則、形式主義、責任の所在の不明確さなどが原因で、非効率になっている官僚制度を指します。「red tape(赤いテープ)」という表現も同様の意味で使われますが、「cumbersome bureaucracy」は、その制度自体が扱いにくい、重荷になっているというニュアンスがより強く表れます。政府機関だけでなく、大企業の内部組織に対しても用いられます。皮肉を込めて使われることが多い表現です。
かさばる機器、扱いにくい装置
※ 物理的に大きく、重く、持ち運びや操作が難しい機器を指します。例えば、古いタイプの医療機器、大型の建設機械、あるいは初期の携帯電話などを表現する際に使われます。「bulky equipment」も同様の意味で使えますが、「cumbersome」は単に大きいだけでなく、使い勝手が悪いというニュアンスを含みます。技術革新によって小型化された機器と比較する文脈でよく用いられます。
煩雑な法的枠組み、扱いにくい法制度
※ 複雑で理解しにくく、適用が難しい法律や規制の体系を指します。企業が新しい事業を始める際や、国際取引を行う際に、関連する法律が多岐にわたり、解釈も曖昧な場合に「cumbersome legal framework」と表現されます。これは、企業の活動を阻害する要因となり得ます。専門家でも理解に苦労するような、複雑に入り組んだ法体系を批判的に表現する際に用いられます。
煩雑な規制、扱いにくい規則
※ 企業活動や個人の自由を不必要に制限する、複雑で非効率な規則を指します。「burdensome regulations」も同様の意味ですが、「cumbersome」は規則そのものが扱いにくい、構造的な問題があるというニュアンスが強いです。例えば、中小企業が新しい製品を開発・販売する際に、多くの規制をクリアしなければならない状況を指して使われます。規制緩和を求める文脈でよく用いられます。
煩雑なシステム、扱いにくい仕組み
※ 組織運営、情報管理、在庫管理など、様々な分野で使用されるシステムが、複雑で非効率な状態を表します。例えば、古いソフトウェアや、複数のシステムが連携していないために、データの入力や検索に手間がかかる状況を指します。「inefficient system」も同様の意味ですが、「cumbersome」はシステム自体が重く、扱いにくいというニュアンスがより強く表れます。システム改善の必要性を訴える際に用いられます。
使用シーン
学術論文や教科書で、複雑な理論や手法、データ処理などを指して「扱いにくい」「煩雑な」という意味で使用されます。例:統計分析において、「従来のモデルは計算がcumbersome(煩雑)であったため、新しいアルゴリズムが開発された」のように使われます。研究者が論文内で、既存研究の問題点を指摘する際に用いられることが多いです。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、プロセスや手続き、システムなどが「面倒である」「非効率である」という意味で使用されます。例:プロジェクトの報告書で、「承認プロセスがcumbersome(煩雑)であり、遅延の原因となっている」のように使われます。フォーマルな文脈で、改善の必要性を示す際に用いられます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、制度や法律、手続きなどが「扱いにくい」「面倒である」という意味で使用されることがあります。例:税制改正に関するニュース記事で、「新しい税制は、手続きがcumbersome(煩雑)であるという批判が出ている」のように使われます。やや硬い表現なので、日常会話では別の表現が好まれます。
関連語
類義語
- unwieldy
物理的に扱いにくい、大きすぎる、重すぎる、または形が悪いなどの理由で、持ち運びや操作が困難なものを指します。日常会話や技術的な文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"よりも物理的な大きさに焦点が当てられ、洗練されていない、不格好な印象を与えます。また、抽象的な問題に対してはあまり使用されません。 【混同しやすい点】"unwieldy"は、物理的なものに対してのみ使用されることが多いですが、"cumbersome"は抽象的な問題(例:cumbersome regulations)にも使用できます。
精神的または肉体的に重荷になる、負担が大きいという意味です。責任、義務、規則など、抽象的なものに対してよく使用されます。ビジネスや法律、日常会話で使用されます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"が物理的、手続き的な煩雑さを指すのに対し、"burdensome"は精神的な負担や責任の重さを強調します。感情的な重みが強い言葉です。 【混同しやすい点】"cumbersome"は必ずしも苦痛を伴うとは限りませんが、"burdensome"は常に何らかの負担や苦痛を伴います。例えば、「cumbersome process」は単に面倒な手続きですが、「burdensome process」は精神的に苦痛な手続きです。
不器用な、扱いにくい、または気まずいという意味です。物理的なもの、状況、または人に対して使用されます。日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"が物理的な扱いにくさや手続きの煩雑さを指すのに対し、"awkward"は不器用さや気まずさを強調します。より主観的なニュアンスがあります。 【混同しやすい点】"awkward"は物理的なものだけでなく、人間関係や状況に対しても使用できますが、"cumbersome"は主に物理的なものや手続き的なものに対して使用されます。例えば、「awkward silence」は使えますが、「cumbersome silence」は不自然です。
重々しい、退屈な、または扱いにくいという意味です。物理的なもの、文章、または話し方などに対して使用されます。文学的な文脈やフォーマルな場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"が単に扱いにくいことを指すのに対し、"ponderous"は重々しさ、退屈さ、または重要性を強調します。また、知的で深刻な印象を与えます。 【混同しやすい点】"ponderous"は、軽快さやユーモアの欠如を示すことがありますが、"cumbersome"にはそのような意味合いはありません。例えば、「ponderous speech」は退屈で重々しい演説ですが、「cumbersome speech」は不自然です。
不器用な、ぎこちないという意味です。物理的な動作や設計、または人に対して使用されます。日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"が物理的な扱いにくさや手続きの煩雑さを指すのに対し、"clumsy"は不器用さやぎこちなさを強調します。より個人的な欠点を指すことが多いです。 【混同しやすい点】"clumsy"は人の動作や設計の欠陥を指すことが多いですが、"cumbersome"は必ずしも欠陥を意味しません。例えば、「clumsy design」は設計が不器用であることを意味しますが、「cumbersome design」は設計が複雑で扱いにくいことを意味します。
難しい、困難なという意味で、汎用的に使われます。問題、タスク、人など、様々な対象に使用できます。日常会話からビジネスまで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"cumbersome"が扱いにくさや煩雑さを指すのに対し、"difficult"は単に困難であることを意味します。感情的なニュアンスは薄いです。 【混同しやすい点】"difficult"は原因が特定できない困難さを指すことが多いですが、"cumbersome"は扱いにくさや煩雑さという具体的な原因を伴います。例えば、「difficult task」は単に難しいタスクですが、「cumbersome task」は手順が煩雑で扱いにくいタスクです。
派生語
『〜を妨げる、〜に負担をかける』という意味の動詞。元々は『囲い込む』という意味合いがあり、それが転じて物理的、精神的な束縛を意味するようになった。ビジネス文書や法律関係の文章で、抽象的な意味合いで用いられることが多い。
『現職の、義務的な』という意味の形容詞。元々は『〜の上に横たわる』という意味から派生し、『(義務などが)のしかかる』という意味合いを持つ。ニュース記事や政治関係の文書でよく見られる。
反意語
- expedient
『好都合な、便宜的な』という意味の形容詞。『cumbersome』が手間や労力がかかることを意味するのに対し、『expedient』は効率的で状況に適していることを指す。ビジネスシーンや問題解決の文脈で、状況に応じて使い分けられる。
- facile
『容易な、安易な』という意味の形容詞。『cumbersome』が扱いにくく複雑であることを表すのに対し、『facile』は表面的な容易さや軽率さを指すことがある。学術的な議論や批評において、安易な解決策を批判する文脈で用いられる。
語源
"cumbersome」は、中英語の「cumbersome」(邪魔な、負担になる)に由来します。これはさらに「cumber」(邪魔、妨げ)+「-some」(〜のような性質を持つ)という要素から構成されています。「cumber」は、古フランス語の「combrer」(妨げる、塞ぐ)に遡り、これは後期ラテン語の「combrus」(バリケード、障害物)に由来すると考えられています。つまり、「cumbersome」は、文字通りには「障害物のような性質を持つ」という意味合いになります。物理的に扱いにくいものだけでなく、手続きや規則などが煩雑で面倒な場合にも使われるのは、この「障害」という語源から派生した意味合いが影響していると考えられます。日本語で例えるなら、「足手まとい」という言葉が近いかもしれません。文字通り足の動きを妨げるもの、転じて物事をスムーズに進める上での障害となるものを指すように、「cumbersome」もまた、何かの進行を妨げる重荷となるイメージです。
暗記法
「cumbersome」は単なる重さではない。社会の進歩を阻む、目に見えない重荷を指す言葉だ。中世の騎士の鎧のように、形式や規則が過剰になり、柔軟性や創造性を奪う状態を想像してほしい。文学では、主人公を縛る古い因習として登場することも。現代では、煩雑なITシステムや官僚主義を批判する言葉として使われる。この言葉の背後には、社会の構造的な問題点が隠されている。単語を覚えるだけでなく、社会を見る目を養う言葉なのだ。
混同しやすい単語
発音とスペルが非常に似ており、どちらも『cumber』という語根を持つため、意味も関連しているように感じられるため混同しやすい。しかし、'cumbersome'は『扱いにくい、面倒な』という意味の形容詞であるのに対し、'cumber'は『邪魔をする、妨げる』という意味の動詞(または名詞)として使われる。'cumbersome'は物理的な重さだけでなく、手続きや規則などが煩雑で面倒な場合にも使われる。'cumber'の語源は古フランス語の'combrer'(妨げる)に由来し、これが英語に入り、意味が発展した。
'encumber'は'cumbersome'と同様に「邪魔をする、妨げる」という意味を持つ動詞。'en-'という接頭辞が付いているため、'cumbersome'との関連性が分かりにくいかもしれないが、語源的には同じ'cumber'に由来する。'encumber'は物理的なものだけでなく、義務や責任によって行動を制限される場合にも使われる。例えば、『借金で身動きが取れない』のような状況を表す際に用いられる。接頭辞'en-'は「〜の状態にする」という意味合いを持つ。
スペルが似ており、特に語頭の'cum-'の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。しかし、意味は全く異なり、'cucumber'は『キュウリ』という野菜を指す名詞である。発音も異なり、'cumbersome'は/ˈkʌmbərsəm/であるのに対し、'cucumber'は/ˈkjuːkʌmbər/である。語源的には全く異なる単語であり、'cucumber'はラテン語の'cucumis'に由来する。
語尾の'-some'と発音のリズムが似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。'somber'は『陰気な、憂鬱な』という意味の形容詞であり、'cumbersome'とは意味が全く異なる。例えば、『somber mood(陰鬱な気分)』のように使われる。スペルも一部共通する文字があるため、注意が必要。'somber'の語源はフランス語の'sombre'(暗い)に由来する。
スペルの一部('umber')が共通しているため、視覚的に混同しやすい。'lumber'は『材木』という意味の名詞、または『のしのしと歩く』という意味の動詞として使われる。'cumbersome'とは意味が全く異なる。発音も異なる('lumber'は/ˈlʌmbər/)。'lumber'の語源は定かではないが、中英語の'lumbre'(無用のもの)に由来すると考えられている。
'cumbersome'の最初の音節である「cum」と発音が似ているため、特に発音に注意する必要がある。'cram'は「詰め込む」「詰め込み勉強をする」という意味の動詞であり、名詞としても使用される。意味も品詞も大きく異なるため、文脈から判断する必要がある。例えば、'cram for an exam'(試験のために詰め込み勉強をする)のように使われる。'cram'の語源は古英語の'crammian'(詰め込む)に由来する。
誤用例
『cumbersome』は物理的に扱いにくい、かさばる、重いといったニュアンスが強く、抽象的な問題に対して使うと不自然です。日本語の『厄介な』という言葉に引きずられて、安易に『cumbersome』を選んでしまうケースが見られます。問題の解決が困難であることを強調したい場合は、『intractable』や『daunting』などがより適切です。また、解決が『簡単だった』という状況と『cumbersome』の相性も悪く、この点も不自然さを増幅させています。
『cumbersome』は手続きやシステムなどが煩雑であることを指すことが多いですが、経済的な負担や精神的な重圧を表す場合には『burdensome』がより適切です。日本語の『面倒』という言葉には、物理的な手間だけでなく、精神的な負担も含まれるため、安易に『cumbersome』を使ってしまうことがあります。英語では、物理的な煩雑さと精神的な負担を区別して表現することが重要です。『burdensome』は、税金や義務などが重荷になるというニュアンスを伝えるのに適しています。
『cumbersome』を謝罪に使うと、謝罪自体が物理的に扱いにくい、または謝罪の言葉が長くて回りくどいといった意味合いになり、不自然です。この誤用は、日本語の『ぎこちない』や『不手際な』という言葉を英語に直訳しようとする際に起こりがちです。謝罪が不本意であったり、しぶしぶ行ったというニュアンスを伝えたい場合は、『grudging』や『reluctant』を使う方が適切です。英語では、謝罪の真意や態度を明確に表現することが重要であり、言葉選びによって相手に与える印象が大きく変わります。
文化的背景
「cumbersome」は、単に「扱いにくい」という意味を超え、しばしば社会や組織における非効率性、過剰な規則、時代遅れのシステムといった、進歩を阻害する重荷を象徴します。この言葉は、形式主義が蔓延し、変化を嫌う官僚主義的な組織構造を批判的に表現する際に特に有効で、まるで巨大な機械が錆び付いて動かないようなイメージを喚起します。
中世の騎士が身につけた重く動きにくい鎧を想像してみてください。それは確かに防御力は高かったかもしれませんが、敏捷性を著しく損ないました。同様に、「cumbersome」なシステムや規則は、一見すると安全や秩序を保つように見えても、実際には柔軟性や創造性を奪い、組織全体の停滞を招く可能性があります。文学作品では、主人公が古い因習や社会の束縛から自由になろうとする物語において、「cumbersome」な制度や慣習が、主人公の前に立ちはだかる大きな障害として描かれることがあります。これは、主人公の成長と解放を阻む、重く、そして煩わしい存在なのです。
現代社会においては、「cumbersome」は、ITシステムの複雑さや、企業の意思決定プロセスの遅延、政府の規制の多さなどを指す言葉として頻繁に用いられます。例えば、新しいテクノロジーの導入を阻む、時代遅れのITインフラを「cumbersome」と表現したり、革新的なアイデアを実現するために、複雑な承認プロセスを経なければならない状況を「cumbersome bureaucracy(煩雑な官僚主義)」と呼んだりします。この言葉は、単なる物理的な重さだけでなく、抽象的な意味での重さ、つまり、効率を阻害し、進歩を遅らせる要因を表現するのに適しています。
「cumbersome」という言葉を使う際には、単に「重い」とか「扱いにくい」と言うだけでなく、その背後にある社会的な文脈や、それがもたらす非効率性、停滞といったネガティブな影響を意識することが重要です。この言葉は、単なる形容詞ではなく、社会や組織の構造的な問題点を指摘し、改善を促すための批評的な視点を提供する言葉として、その真価を発揮します。したがって、「cumbersome」を理解することは、単語の意味を覚えるだけでなく、社会の構造や組織運営における問題点を見抜くための、一種の教養を身につけることにも繋がると言えるでしょう。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。1級ではエッセイで使うことも考えられます。
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、英作文
2. 頻度と級・パート: 準1級以上、特に1級で頻出
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、テクノロジーなど硬めの話題で、解決すべき問題点を示す際に使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「扱いにくい」「面倒な」という意味を核として覚え、具体的なイメージと結びつける。synonym (burdensome, unwieldy) も一緒に覚える。
TOEIC L&R TESTでは、Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で出題される可能性があります。TOEIC S&W TESTでは、ビジネスシーンを想定した状況説明で使うことが考えられます。
1. 出題形式: 短文穴埋め、長文読解、英作文
2. 頻度と級・パート: Part 5, Part 7でまれに出題
3. 文脈・例題の特徴: プロジェクトの遅延、手続きの煩雑さ、システムの使いにくさなど、ビジネスにおける問題点を指摘する文脈で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 業務効率や生産性を下げる要因として使われることが多いことを意識する。類義語 (inconvenient, awkward) との違いを理解する。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章中に出題される可能性があります。
1. 出題形式: リーディング
2. 頻度と級・パート: リーディングセクションでまれに出題
3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、学術記事などで、複雑な理論や実験手法を説明する際に、その難しさや煩雑さを表現するために使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 学術的な文脈では、単に「面倒」というだけでなく、「複雑で扱いにくい」という意味合いが強くなることを理解する。関連語句 (complexity, intricacy) と合わせて覚える。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われることがあります。
1. 出題形式: 長文読解
2. 頻度と級・パート: 難関大学でまれに出題
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、科学など、幅広いテーマの文章で、問題点や課題を示す際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習を重ねる。類義語 (awkward, unwieldy) との違いを意識し、文脈に合った意味を選べるようにする。