英単語学習ラボ

ponderous

/ˈpɒndərəs/(ポンダラス)

第一音節にアクセントがあります。/ɒ/ は日本語の「ア」と「オ」の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。「ン」は唇を閉じて発音し、「ダ」は舌先を歯茎につけて発音します。最後の「ラス」は曖昧母音(シュワ)/əs/ で、弱く短く発音します。全体として、各音を区切らず、滑らかにつなげるように意識しましょう。

形容詞

重苦しい

物理的な重さだけでなく、比喩的に、退屈さ、扱いにくさ、深刻さなどが伴う重さを表す。文章、議論、雰囲気などに対して使われ、それらが退屈で、長く、複雑で、うんざりするような印象を与えることを意味する。

The old elephant moved with a ponderous step across the dusty field.

その年老いたゾウは、ほこりっぽい野原を重々しい足取りで進んだ。

年老いたゾウがゆっくりと、しかし力強く歩く様子が目に浮かびますね。ここでは「ponderous」が、物理的な重さや動きの鈍さを表しています。大きなものや動きが遅いものが、どっしりと進む様子を表現する際にぴったりの言葉です。

His long, ponderous speech made everyone in the room feel sleepy.

彼の長くて重苦しいスピーチは、部屋中の誰もを眠くさせた。

退屈で終わりの見えないスピーチを聞いている情景が想像できますね。ここでは「ponderous」が、話や文章が長ったらしく、退屈で面白くない、あるいは堅苦しい様子を表しています。聞く側にとって「重荷」に感じるような状況で使われます。

A ponderous silence filled the room after the bad news was announced.

悪い知らせが発表された後、重苦しい沈黙が部屋を満たした。

悪いニュースを聞いた後の、息苦しいような静けさが伝わってきます。この文では「ponderous」が、物理的な重さではなく、雰囲気や気分が「重苦しい」「沈んでいる」様子を表現しています。感情的な重さや場の空気の重さを表す際にも使われる、非常に人間らしい表現です。

形容詞

のろい

動きや反応が遅い様子。物理的な動きだけでなく、理解力や思考の遅さに対しても使われる。重くて動きにくいイメージ。

The old tortoise moved at a ponderous pace across the garden.

その古いカメは、庭を重々しい足取りで進んでいった。

この例文は、カメのゆっくりとした、重々しい足取りが目に浮かびますね。「ponderous」は、単に「遅い」だけでなく、「重々しくて、動きが鈍い」というニュアンスを含みます。ここでは、カメの動きの重厚感が伝わります。「at a ~ pace」は「〜な速度で」という意味でよく使われる表現です。

The ponderous train slowly pulled out of the station, making a deep sound.

その重々しい列車は、低い音を立てながらゆっくりと駅を出発した。

大きな列車がゆっくりと、重い音を立てながら出発する様子が想像できますね。ここでは、列車の「重々しさ」や「巨大さ」からくる「のろさ」が強調されています。単に「slow」と言うよりも、迫力や重みが伝わります。「pull out of ~」は「〜から出発する」という意味の句動詞です。

His ponderous speech made everyone in the room feel sleepy.

彼の退屈で重々しいスピーチは、部屋中の皆を眠くさせた。

長々と、退屈に続くスピーチのせいで、聞いている人が皆あくびをしている様子が目に浮かびますね。「ponderous」は、物理的な動きだけでなく、話し方や文章が「退屈で、重苦しく、進行が遅い」といった意味でも使われます。この例文は、その典型的な使い方です。「make + 人 + 動詞の原形」で「(人)に〜させる」という使役動詞の形です。

形容詞

大げさな

形式ばっていて、不自然に重々しい様子。特に、話し方や文章などが、必要以上に堅苦しく、仰々しい場合に用いられる。

The professor's speech was so ponderous that everyone felt sleepy.

教授のスピーチはあまりに大げさで(重々しくて)、みんな眠くなりました。

誰もが経験する「退屈な講義」の情景です。ここでは、スピーチが『重々しくて、退屈で、聞くのがしんどい』というニュアンスで使われています。特に、話や文章が長々と続き、面白くない時に『ponderous』がよく使われます。'so...that...' は『とても~なので…だ』と原因と結果を表す便利な表現です。

His presentation used such ponderous words, making it hard to understand.

彼のプレゼンはあまりに大げさな(回りくどい)言葉遣いで、理解するのが難しかった。

ビジネス会議などで、専門用語ばかり使われたり、表現が堅苦しすぎたりして、結局何を言いたいのか分からないプレゼンを想像してください。ここでは、言葉遣いが『回りくどく、不自然で、理解しにくい』という意味で使われています。'making it hard to understand' は『それを理解しにくくする』という結果を表しています。

The actor's movements were ponderous, making the play uninteresting.

その俳優の動きは大げさで(ぎこちなく)、劇全体が面白くなかった。

舞台で俳優が、動きが重々しく、不自然で、ぎこちないために、観客が退屈してしまう場面です。ここでは、物理的な動きが『鈍重で、不器用で、自然でない』というニュアンスで使われています。このように、『ponderous』は、話し方や文章だけでなく、人の動きや態度にも使われることがあります。

コロケーション

ponderous prose

退屈で冗長な文章

「ponderous」は「重々しい」「退屈な」という意味合いを持ち、「prose(散文)」と組み合わさることで、読みにくく、退屈な文章を指します。比喩的に、内容が薄いにもかかわらず、形式ばかり整えようとした結果、かえって分かりにくくなった文章に使われることが多いです。学術論文や官僚的な文書を批判的に表現する際に用いられます。構文は「形容詞 + 名詞」です。

ponderous movements

重々しい動き、緩慢な動作

「ponderous」が物理的な重さや緩慢さを表す場合、「movements(動き)」と組み合わさることで、動作が鈍く、ぎこちない様子を表します。例えば、高齢者や肥満体の人の動き、あるいは重い機械の動作などを描写する際に使われます。また、比喩的に、決断や行動が遅いことを批判的に表現する際にも用いられます。構文は「形容詞 + 名詞」です。

ponderous task

骨の折れる仕事、難儀な仕事

「ponderous」が精神的な重さや困難さを表す場合、「task(仕事、課題)」と組み合わさることで、時間と労力がかかる、退屈でうんざりするような仕事を指します。例えば、大量の書類整理や、複雑なデータ分析など、単調で時間がかかる作業を指す際に使われます。ビジネスシーンや学術的な文脈で用いられることが多いです。構文は「形容詞 + 名詞」です。

ponderous silence

重苦しい沈黙

「ponderous」が雰囲気の重さを表す場合、「silence(沈黙)」と組み合わさることで、何かを言いたくても言えない、あるいは言いにくい状況における重苦しい沈黙を表します。例えば、会議で意見が対立している状況や、葬儀などの厳粛な場面で用いられます。心理的な圧迫感や緊張感を伴う沈黙を表現する際に適しています。構文は「形容詞 + 名詞」です。

with ponderous steps

重々しい足取りで

「ponderous」が動作の重々しさを表す場合、「with ponderous steps」という形で、ゆっくりと重い足取りで歩く様子を表します。これは、疲労困憊している、あるいは何か重いものを運んでいる状態を表すことが多いです。文学作品などで、登場人物の心理状態や状況を表現する際に用いられます。構文は「前置詞 + 形容詞 + 名詞」です。

ponderous deliberations

慎重すぎる審議、冗長な議論

「deliberations」は「審議」「議論」という意味で、「ponderous」と組み合わさると、非常に時間がかかり、なかなか結論が出ないような慎重すぎる議論を指します。ビジネスや政治の場において、意思決定の遅さを批判的に表現する際に用いられます。形式主義に陥り、効率が悪い状況を示唆するニュアンスがあります。構文は「形容詞 + 名詞」です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や専門書で、抽象的な概念や複雑な議論を表現する際に用いられる。「ponderous arguments(重々しい議論)」のように、内容の深さや重要性を強調する文脈で使用されることが多い。心理学、哲学、文学などの分野で、概念や理論の緻密さを表すために使われることもある。

ビジネス

ビジネス文書やプレゼンテーションで、形式ばった印象を与える可能性があるため、使用は控えめ。「ponderous process(煩雑なプロセス)」のように、非効率性や手続きの煩雑さを婉曲的に表現する際に用いられることがある。しかし、より直接的な表現が好まれる傾向があるため、使用頻度は低い。

日常会話

日常会話ではほとんど使われない。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、政治的な決定や社会問題の深刻さを表現する際に用いられることがある。「ponderous bureaucracy(重苦しい官僚主義)」のように、ネガティブなニュアンスで使われることが多い。ただし、一般的にはより平易な言葉で表現されることがほとんどである。

関連語

類義語

  • 『扱いにくい』『厄介な』という意味。物理的に重くて大きい物や、手続きやシステムなどが複雑で扱いにくい状態を表す。ビジネス、技術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"ponderous"が重々しさや退屈さを含むのに対し、"cumbersome"は純粋に扱いにくさ、非効率さを強調する。"ponderous"は比喩的な意味合いでも使われるが、"cumbersome"はより具体的な対象に使われることが多い。 【混同しやすい点】"cumbersome"は物理的な重さだけでなく、手続きや規則などが複雑で煩雑な場合にも使用される。"ponderous"は精神的な重さや退屈さも含むため、この点が混同しやすい。

  • 『重い』という意味。物理的な重さだけでなく、比喩的に深刻な問題や負担を表すこともある。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"ponderous"は重々しく、退屈な印象を与えるが、"heavy"は単に重い、深刻であるという事実を述べる。"heavy"は感情や雰囲気など、より広範な対象に使用できる。 【混同しやすい点】"heavy"は抽象的な意味でも使われる(例:a heavy heart - 憂鬱な気持ち)。"ponderous"は抽象的な意味で使われる場合、退屈さや冗長さを強調する点が異なる。

  • weighty

    『重い』『重要な』という意味。物理的な重さだけでなく、重要性や深刻さを示す場合にも使われる。フォーマルな場面や学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"ponderous"が退屈さや冗長さを伴う重さを表すのに対し、"weighty"は重要性や影響力を伴う重さを表す。"weighty"は責任や決定など、重要な事柄に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】"weighty"は重要性や影響力に焦点が当てられるため、物理的な重さよりも抽象的な意味合いで使用されることが多い。"ponderous"は物理的、精神的な重さの両方を表せるが、どちらかというとネガティブなニュアンスが強い。

  • leaden

    『鉛のような』という意味。文字通り鉛のように重いという意味のほか、陰鬱で重苦しい雰囲気や状態を表す。文学的な表現や、やや古風な印象を与える。 【ニュアンスの違い】"ponderous"が退屈さや冗長さを伴う重さを表すのに対し、"leaden"は陰鬱さや絶望感を伴う重さを表す。"leaden"は比喩的な意味合いが強く、感情や雰囲気を描写する際に用いられる。 【混同しやすい点】"leaden"は精神的な重さや陰鬱さを強調するため、物理的な重さを表す場合は稀である。"ponderous"は物理的な重さも表せる点が異なる。

  • labored

    『苦労した』『骨の折れる』という意味。努力や苦労が感じられる様子を表す。文章や話し方が不自然でぎこちない場合にも用いられる。 【ニュアンスの違い】"ponderous"が退屈で冗長な印象を与えるのに対し、"labored"は努力や苦労が感じられるが、結果としてぎこちないというニュアンスを含む。"labored"は文章や話し方、パフォーマンスなどに対して使われることが多い。 【混同しやすい点】"labored"は努力の結果が必ずしも成功しているとは限らない点に注意が必要である。"ponderous"は努力の有無に関わらず、単に退屈で重苦しい状態を表す。

派生語

  • 『熟考する』という意味の動詞。『ponderous』の語源であるラテン語の『pondus(重さ)』に由来し、比喩的に『重く考える』ことを表す。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や文章で使われる。

  • ponderance

    『重さ』『重要性』という意味の名詞。『ponder』から派生し、抽象的な概念を指す。学術論文や、何かを評価する文脈で用いられることがある。

  • imponderable

    『計り知れない』『評価できない』という意味の形容詞。『ponderable(評価できる)』に否定の接頭辞『im-』が付いた形。数値化できない、感情や影響力などを指す際に使われる。

反意語

  • 『軽い』という意味の形容詞。『ponderous』が物理的な重さだけでなく、比喩的に『重苦しい』『退屈な』という意味を含むのに対し、『light』は文字通り軽快で、気楽な様子を表す。文章や口調について、『lighthearted(陽気な)』という表現も対照的。

  • 『機敏な』『軽快な』という意味の形容詞。『ponderous』が動きや思考の鈍重さを表すのに対し、『agile』は素早さや柔軟性を意味する。ビジネスの文脈では、組織や戦略の柔軟性を表す際にも用いられ、『ponderous』な組織の対義語として使われる。

  • facile

    『軽快な』『容易な』という意味合いだが、しばしば『安易な』というニュアンスを含む形容詞。『ponderous』が深い思索や労力を要するのに対し、『facile』は表面的な理解や手軽さを意味する。学術的な文脈では、安易な結論や議論を批判する際に用いられる。

語源

"ponderous"は、ラテン語の「pondus」(重さ)に由来します。これは「pondere」(重さを量る、熟考する)という動詞にもつながり、さらに遡ると「pendere」(吊るす、重さを量る)という動詞に行き着きます。つまり、ponderousの核心にあるのは「重さ」という概念です。比喩的には、物理的な重さだけでなく、重要性や深刻さ、あるいは退屈さや扱いにくさといった意味合いを持つようになります。日本語で例えるなら、「重厚長大」という言葉が近いかもしれません。重々しく、大きく、長い、といったイメージです。何かを「ponderous」と表現する場合、それは単に重いだけでなく、扱いにくく、退屈で、大げさな印象を与えることが多いでしょう。例えば、長くて退屈な講義や、重苦しい雰囲気の会議などを指すのに使われます。

暗記法

「ponderous」は単なる重さではない。儀式、演説、法など、目的を失い人を縛る存在を批判する言葉だ。啓蒙主義時代には、無意味な権威や形式主義を指し、創造性を抑圧するものとして使われた。現代では官僚主義や硬直した組織を批判し、感情の重さ、停滞、束縛といった精神的な重みも表す。単に重いだけでなく、思考や行動を鈍らせる文化的背景を持つ言葉なのだ。

混同しやすい単語

「ponderous」と「ponder」は、語幹が同じで意味も関連しているため混同しやすい。「ponderous」は形容詞で「重苦しい、退屈な」という意味合いが強いのに対し、「ponder」は動詞で「熟考する」という意味です。品詞とニュアンスの違いに注意が必要です。語源的にはどちらもラテン語の『pondus(重さ)』に由来しますが、動詞の『ponder』の方がより直接的な意味合いを残しています。

preposterous

「ponderous」と「preposterous」は、語尾の「-ous」が共通しているため、スペルと発音が似ていて混同しやすい。「preposterous」は形容詞で「ばかげた、とんでもない」という意味です。意味が大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。語源的には「pre-(前に)」+「posterous(後の)」で「順序が逆転した」という意味合いから「ばかげた」という意味に発展しました。

portentous

「ponderous」と「portentous」は、どちらも「-ous」で終わる形容詞で、フォーマルな響きを持つため混同しやすい。「portentous」は「重大な、不吉な兆しの」という意味で、ややネガティブなニュアンスがあります。語源的には「portent(前兆)」に由来します。発音も似ているため、文脈で判断する必要があります。

「ponderous」と「pompous」は、発音とスペルがいくらか似ており、どちらもネガティブな意味合いを持つ形容詞であるため混同しやすい。「pompous」は「尊大な、気取った」という意味です。意味の類似性から誤って使用する可能性があります。語源的には「pomp(華やかさ、見栄)」に由来します。

wandrous

「ponderous」と「wandrous」は、どちらも「-ous」で終わる形容詞ですが、使われる頻度が大きく異なります。「wandrous」は「さまよう、放浪する」という意味合いを持ちますが、現代英語ではあまり一般的ではありません。古風な表現や詩的な文脈で見られることがあります。綴りの類似性から誤って使用しないように注意が必要です。

「ponderous」と「dangerous」は、どちらも「-ous」で終わる形容詞で、複数音節からなるため、語感の印象が似ている可能性があります。「dangerous」は「危険な」という意味で、日常的によく使われる単語です。発音もスペルも異なるものの、語尾の類似性から、特に初級学習者は混同する可能性があります。

誤用例

✖ 誤用: The ponderous speech made everyone sleepy.
✅ 正用: The lengthy and rather dull speech made everyone sleepy.

『ponderous』は、単に『重い』という意味ではなく、『重々しく、退屈な』という意味合いが強い単語です。日本語の『重厚な』という言葉から、内容が充実しているニュアンスで誤用されることがありますが、実際には、退屈で扱いにくいものを指します。この文脈では、『lengthy and rather dull』のように、長くて退屈であることを明示する方が適切です。日本語の『重厚』がポジティブな意味合いを含むのに対し、『ponderous』はネガティブな意味合いを持つことが多い点に注意が必要です。

✖ 誤用: He wrote a ponderous letter to his boss.
✅ 正用: He wrote a formal and rather long-winded letter to his boss.

ここでの誤用は、『ponderous』を『丁寧な』あるいは『重要な』という意味で捉えていることに起因します。日本語で『重々しい手紙』という表現があるため、それを直訳しようとしてしまうのが原因です。しかし、『ponderous』は、形式ばっていて冗長であるというニュアンスを含みます。上司への手紙が丁寧であることは良いことですが、それが回りくどくて読みにくいものであれば、相手に不快感を与えかねません。より適切な表現としては、『formal and rather long-winded』のように、形式的でありながらも冗長であることを示唆する方が、意図と合致します。

✖ 誤用: The ponderous book was difficult to understand.
✅ 正用: The dense and intellectually demanding book was difficult to understand.

『ponderous』は物理的な重さだけでなく、抽象的な意味での『扱いにくさ』を表すこともありますが、それは主に『冗長で退屈』という意味合いです。この文脈では、内容が難解であることを伝えたいと考えられます。『ponderous』を使ってしまうと、単に『退屈な本』という意味合いになり、内容の難解さというニュアンスが伝わりにくくなります。より適切な表現としては、『dense and intellectually demanding』のように、内容が濃密で知的に要求が高いことを示す方が、意図に合致します。日本語の『重い』という言葉が、物理的な重さだけでなく、精神的な負担や難解さも表すことから、このような誤用が生まれやすいと考えられます。

文化的背景

「ponderous」は、単に「重い」だけでなく、その重さがもたらす「退屈さ」「扱いにくさ」「形式主義」といった文化的ニュアンスを強く含みます。この単語は、重々しい儀式、冗長な演説、時代遅れの法律など、本来の目的から乖離し、人々に負担を強いるような存在を批判的に描写する際に用いられてきました。

この単語が持つ「退屈さ」のニュアンスは、18世紀の啓蒙主義時代に顕著になりました。理性と効率が重視されるようになり、中世以来の伝統や権威が批判の対象となったのです。例えば、貴族の称号や荘厳な教会建築は、かつては権威の象徴でしたが、啓蒙思想家たちは、それらが無意味な装飾であり、社会の進歩を妨げる「ponderous」な存在だと考えました。文学作品においても、長編叙事詩や教訓的な物語が、その冗長性ゆえに「ponderous」と評されることがありました。このように、「ponderous」は、形式主義や伝統が、時代遅れとなり、人々の創造性や自由を抑圧する状況を批判的に表現する言葉として定着していきました。

現代においても、「ponderous」は、官僚主義や企業の硬直した組織構造を批判する際に用いられます。例えば、複雑な手続きや無駄な会議は、「ponderous bureaucracy(重苦しい官僚主義)」と表現されます。また、政治的な演説や企業のプレゼンテーションが、内容が薄く、形式ばかりが重視されている場合、「ponderous speech(退屈な演説)」と評されることがあります。この単語は、単に「重い」だけでなく、その重さが、人々の思考や行動を鈍らせ、創造性を阻害する状況を的確に描写する力を持っているのです。

さらに、「ponderous」は、人間の感情や精神状態を表すこともあります。例えば、過去の出来事に囚われ、前に進めない人を「ponderous with grief(悲しみに沈み込んでいる)」と表現することができます。この場合、「ponderous」は、単に感情が「重い」だけでなく、その重さが、その人の精神を麻痺させ、行動を妨げていることを示唆します。このように、「ponderous」は、物理的な重さだけでなく、精神的な重さ、そしてその重さがもたらす停滞や束縛といった文化的ニュアンスを包括的に表現する、奥深い言葉なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。

- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻度が増す。

- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、または社会問題に関する長文で、比喩的な意味合いで用いられることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 物理的な重さだけでなく、抽象的な意味での「重々しい」「退屈な」という意味を理解しておく。類義語(e.g., cumbersome, unwieldy)とのニュアンスの違いを意識する。

TOEIC

- 出題形式: Part 7(長文読解)で稀に出題される程度。

- 頻度と級・パート: TOEIC全体で見て、出題頻度はかなり低い。

- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文章で、プロジェクトの遅延や複雑な手続きなどを表現する際に使われる可能性がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先順位は低い。他の重要な語彙に集中すべき。もし出題された場合は、文脈から意味を推測する。

TOEFL

- 出題形式: リーディングセクションで頻出。

- 頻度と級・パート: TOEFL iBTリーディングセクションで比較的頻繁に出題される。

- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学などのアカデミックな文章で、抽象的な概念や議論を説明する際に用いられる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 学術的な文脈における「重々しい」「退屈な」という意味を理解する。類義語(e.g., tedious, laborious)との使い分け、特にニュアンスの違いを理解しておくことが重要。

大学受験

- 出題形式: 長文読解問題で出題される可能性がある。

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で稀に出題される。標準的なレベルの大学ではあまり見られない。

- 文脈・例題の特徴: 評論文や論説文などの硬い文章で、社会問題や哲学的なテーマを扱う際に用いられる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をする。比喩的な意味合いで使われる場合もあるため、注意が必要。類義語(e.g., heavy, dull)との違いを理解しておく。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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