critic
第1音節にアクセントがあります。母音 /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音する短い音です。語尾の -ic は弱母音化しやすく、曖昧な『イ』の音になる点に注意しましょう。また、't' は有気音で、息を伴って発音するとより自然になります。
批評家
芸術作品や社会問題などについて、専門的な知識や視点から評価・分析を行う人。単に欠点を指摘するのではなく、価値や意義を見出すことも含む。
A famous critic wrote a very negative review about the new movie.
有名な批評家が、その新作映画について非常に否定的なレビューを書いた。
※ 「critic」が最もよく使われる場面の一つが、映画や本などの芸術作品を評価する人です。この例文では、批評家が映画の評価を表明する典型的な状況を表しています。「negative review」は「批判的なレビュー」という意味で、批評家が時には厳しい評価も下す仕事であることを示しています。
The food critic tasted every dish at the new restaurant carefully.
そのフード批評家は、新しいレストランのすべての料理を注意深く味わった。
※ 「food critic」は「料理批評家」という意味で、レストランや食べ物を専門に評価する人を指します。彼らが新しくオープンしたお店で、細部にわたって料理を吟味する様子が目に浮かびますね。専門家として真剣に仕事をしている様子が伝わる例文です。
He is known as a harsh critic of the government's new policy.
彼は政府の新しい政策に対する厳しい批評家として知られている。
※ 「critic」は、芸術作品だけでなく、政治や社会の出来事に対して批判的な意見を述べる人にも使われます。この例文では、政府の政策に意見する人物として登場しています。「harsh critic」は「手厳しい批評家」という意味で、彼の意見がかなり厳しいことを示しています。
批判的な人
常に物事の欠点や問題点を見つけようとする人。必ずしも専門家ではなく、個人的な意見や感情に基づいて批判を行う場合もある。否定的なニュアンスが強い。
The movie critic wrote a long review about the film, saying it was boring.
その映画評論家は、その映画について「退屈だ」と述べた長いレビューを書きました。
※ この例文では、映画や芸術作品などを専門的に評価する「評論家」としてのcriticの役割が描かれています。映画館で上映された新しい映画を観た評論家が、自分の感想(この場合は『退屈だ』という評価)を記事にしている情景が目に浮かびますね。このように、特定の分野の専門家が評価を下す際に『critic』が使われるのはとても一般的です。
Even when I tried my best, my coworker was always a critic of my work.
私が最善を尽くしても、私の同僚はいつも私の仕事に批判的でした。
※ ここでは、職場での人間関係の一場面が描かれています。あなたがどんなに頑張っても、いつも欠点を見つけて文句を言う同僚の姿が想像できますね。このように、身近な人が、常に他人の行動や成果に対して否定的な意見を述べる『批判的な人』として『critic』を使うことができます。少しネガティブなニュアンスで使われることが多いです。
I was nervous because I knew a tough critic would be in the audience for my presentation.
プレゼンテーションの聴衆の中に厳しい評価をする人がいると分かっていたので、私は緊張していました。
※ この例文は、あなたが重要な発表を控えていて、その聴衆の中に、厳しい目で評価する人がいることを知って緊張している状況を表しています。ここでは、特定の分野の専門家でなくても、厳しく評価する人、という広い意味で『critic』が使われています。『a tough critic』のように形容詞をつけることで、『厳しい批判をする人』というニュアンスをより明確に表現できます。
批判的な
物事に対して否定的な評価を下す様子。客観的な分析に基づく場合も、感情的な反発に基づく場合もある。例:critical thinking(批判的思考)
My boss is always very critical of my new ideas, making me feel a bit discouraged.
私の上司はいつも私の新しいアイデアにとても批判的で、私は少しがっかりしてしまいます。
※ この例文では、上司があなたの新しいアイデアに対し、改善点や欠点を指摘する場面を描写しています。「be critical of ~」は「~に批判的である」という意味で、人の態度や意見を表す際によく使われます。特に、相手が目上の人である場合、少しネガティブなニュアンスで使われることが多いです。
The newspaper review was surprisingly critical of the popular new movie, despite its box office success.
その新聞のレビューは、興行収入が好調だったにもかかわらず、人気新作映画に驚くほど批判的でした。
※ ここでは、映画や本などの「レビュー(批評)」が「批判的」である状況を示しています。批評家が作品の欠点や問題点を厳しく評価する際に「critical」が使われます。客観的な評価でありながらも、時には作品の価値を疑問視するような厳しい意見が含まれることをイメージできます。
During the meeting, some students asked very critical questions about the new school rule.
会議中、何人かの生徒が新しい校則について非常に批判的な質問をしました。
※ この例文は、会議やディスカッションの場で、参加者が提案や決定事項に対して疑問を呈したり、問題点を指摘したりする場面を表しています。「critical questions」のように、名詞の前に置いて「批判的な~」と表現することも多いです。これは、単に質問するだけでなく、その裏に不満や反対意見があることを示唆しています。
コロケーション
手厳しい批評家、容赦のない批判者
※ 単に「critic」と言うよりも、その批判の厳しさを強調する表現です。性格や態度を表す形容詞(harsh)を伴うことで、その人物がどれほど辛辣な評価を下すかを具体的に示します。たとえば、芸術作品やパフォーマンスに対して、感情を交えずに冷静かつ厳格な視点で評価する人を指します。ビジネスシーンやアカデミックな文脈で、客観性と厳しさが求められる場合に用いられます。
第一線の批評家、著名な評論家
※ 「leading」は「先導する」「一流の」という意味で、批評家の中でも特に影響力のある人物を指します。美術、音楽、文学などの分野で、その意見が世論や評価に大きな影響を与えるような専門家に対して使われます。新聞、雑誌、ウェブサイトなどで定期的に記事を執筆し、多くの読者を持つことが一般的です。アカデミックな分野だけでなく、ジャーナリズムの世界でも頻繁に使われます。
映画/美術/文芸評論家
※ 「critic」の前に分野を示す名詞を置くことで、専門領域を明確にします。特定の芸術分野に特化した知識と分析力を持つ批評家を指し、それぞれの分野における作品の質や意義を評価します。例えば、「film critic」は映画のストーリー、演出、演技などを総合的に評価し、観客に鑑賞の指針を提供します。専門雑誌やウェブサイト、テレビ番組などで活躍することが多いです。
厳しく批判する、痛烈に非難する
※ 動詞「criticize」を副詞「harshly」で修飾することで、批判の度合いを強めます。単に「批判する」よりも、その批判がどれほど厳しいかを強調する表現です。失敗や欠点に対して容赦なく指摘し、改善を促す意図が含まれます。ビジネスシーンや政治的な議論など、率直な意見交換が必要な場面で用いられます。
建設的な批判者
※ 単に欠点を指摘するだけでなく、改善のための具体的な提案やアドバイスをする批評家を指します。「constructive」という形容詞が、批判の意図が単なる非難ではなく、より良い結果を生み出すためのものであることを示します。教育現場や職場など、成長や改善を目的としたフィードバックが求められる場面で重要視されます。
声高に批判する人、積極的に意見を述べる批評家
※ 「vocal」は「声に出す」「積極的に発言する」という意味で、自分の意見を公然と表明する批評家を指します。ブログ、ソーシャルメディア、講演会など、さまざまなプラットフォームを通じて積極的に意見を発信する人を指します。政治的な問題や社会問題に対して、積極的に意見を表明する人を指すことが多いです。
自己批判的な人、自分に厳しい人
※ 自分自身を厳しく評価し、改善を求める人を指します。完璧主義者や向上心の強い人に多く見られ、常に自分の行動や成果を反省し、改善点を見つけようとします。自己成長を促す一方で、過度な自己批判は精神的な負担になることもあります。心理学や自己啓発の分野でよく用いられる表現です。
使用シーン
学術論文や書籍において、既存の研究や理論に対する「批評家」としての立場を示す際や、特定の理論や研究手法を「批判的」に分析する文脈で頻繁に使用されます。例:『近年、〇〇理論に対するcritic(批判)が増加している』。また、論文の査読プロセスにおいて、査読者が論文のcritic(批評家)としての役割を果たすことも一般的です。
ビジネスシーンでは、プロジェクトのレビューや戦略会議などで、現状の問題点や改善点を指摘する際に「批判的な人」または「批評家」的な視点を持つ人物を指すことがあります。例:『彼は常に建設的なcritic(批判者)としてチームに貢献している』。また、顧客からのフィードバックを分析し、製品やサービスの改善に役立てる文脈でも使用されます。
日常生活におけるカジュアルな会話では、あまり頻繁には使用されませんが、映画、音楽、書籍などのレビューや評価について話す際に「批評家」という意味で使用されることがあります。例:『あの映画critic(批評家)の評価はあまり良くなかったみたいだよ』。また、友人や家族に対して、改善点や問題点を指摘する際に「批判的な人」という意味合いで使用することもありますが、使い方によっては相手を傷つける可能性があるため、注意が必要です。
関連語
類義語
映画、本、演劇などの芸術作品を評価し、その評価を公にする人。新聞、雑誌、ウェブサイトなどで批評記事を書くことが多い。専門的な知識や分析能力が求められる。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも客観的で、専門的な視点からの評価を行うというニュアンスが強い。作品の長所と短所をバランス良く評価することが期待される。 【混同しやすい点】"critic"は必ずしも公に評価を発表するとは限らないが、"reviewer"は必ず発表する。また、"reviewer"は芸術作品の評価に限定されることが多い。
特定の出来事、状況、または問題について解説や意見を提供する人。ニュース、政治、スポーツなど、さまざまな分野で活動する。多くの場合、専門的な知識や経験に基づいて意見を述べる。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも意見や解説に重点が置かれる。必ずしも否定的な評価をするとは限らず、肯定的な意見や中立的な解説も行う。より広範なテーマについて語ることが多い。 【混同しやすい点】"critic"は評価に重点を置くが、"commentator"は解説や意見に重点を置く。また、"commentator"は必ずしも専門家であるとは限らない。
裁判官、審査員など、公式な立場で判断や評価を下す人。法廷、コンテスト、競技会などで用いられる。客観性と公平性が求められる。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも公式で権威のある立場から評価するというニュアンスが強い。個人的な感情や偏見を排除し、客観的な基準に基づいて判断することが求められる。 【混同しやすい点】"critic"は個人的な意見や感情を交えて評価できるが、"judge"は客観的な基準に基づいて判断する必要がある。また、"judge"は法的な判断を下す場合もある。
- faultfinder
人の欠点や誤りばかりを探し出す人。しばしば否定的で、建設的な意見を述べることが少ない。日常会話で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも否定的な意味合いが強く、批判的というよりは、あら探しをするというニュアンスが強い。相手を不快にさせることが多い。 【混同しやすい点】"critic"は必ずしも否定的な意味合いを持つとは限らないが、"faultfinder"は常に否定的な意味合いを持つ。また、"faultfinder"は建設的な意見を述べることが少ない。
- detractor
人や物事の価値を貶めようとする人。しばしば悪意を持って批判する。政治、ビジネス、芸術など、さまざまな分野で見られる。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも悪意があり、中傷に近い批判をするというニュアンスが強い。相手の評判を落とすことを目的とすることが多い。 【混同しやすい点】"critic"は必ずしも悪意を持つとは限らないが、"detractor"は常に悪意を持っている。また、"detractor"はしばしば個人的な攻撃をする。
データや情報を分析し、その結果に基づいて判断や予測を行う人。経済、金融、政治など、さまざまな分野で活動する。客観性と論理的な思考が求められる。 【ニュアンスの違い】"critic"よりも客観的な分析に重点が置かれる。感情的な要素を排除し、データに基づいて冷静に評価する。批評というよりは、現状分析や将来予測を行う。 【混同しやすい点】"critic"は主観的な意見を交えて評価できるが、"analyst"は客観的なデータに基づいて分析する必要がある。また、"analyst"は必ずしも評価を行うとは限らない。
派生語
『決定的な』『重大な』という意味の形容詞。critic(批判家)が物事を『批判的に評価する』という行為から、転じて『重要な判断を要する』という意味合いになった。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広く使用される。-alは形容詞化接尾辞。
『批判』『批評』という意味の名詞。critic(批判家)の行為そのものを指す。学術論文や文芸評論で頻繁に使用され、客観的な評価や分析を意味することが多い。-ismは抽象名詞化接尾辞。
名詞としては『批評』、動詞としては『批評する』という意味。criticismよりも形式ばった文脈や、芸術・文学作品に対する専門的な評価で使われることが多い。フランス語起源であり、英語に入ってから意味が洗練された。
『批判する』という意味の動詞。critic(批判家)の行為を直接的に表現する。日常会話からニュース記事まで幅広く使用される。-izeは動詞化接尾辞で、特にアメリカ英語でよく使われる。
反意語
『支持者』という意味。critic(批判家)が欠点や問題点を指摘するのに対し、supporterは良い点や価値を認め、擁護する。政治、スポーツ、芸術など、あらゆる分野で対立する立場を表現する際に用いられる。
『擁護者』『支持者』という意味。criticが問題点を指摘するのに対し、advocateは積極的に支持し、推奨する。特に政策や主義主張など、抽象的な概念に対して用いられることが多い。法律や社会運動の文脈で頻出。
『称賛』という意味の名詞、または『称賛する』という意味の動詞。criticが欠点を指摘するのに対し、praiseは長所や美点を認め、肯定的な評価を与える。日常会話から文学作品まで、幅広い文脈で使用される。
語源
「critic」の語源はギリシャ語の「krites(批判者、判断者)」に遡ります。これはさらに「krinein(区別する、判断する)」という動詞から派生しています。つまり、criticの根本的な意味は「物事を区別し、判断する人」ということになります。この「krinein」は、ふるいにかける、選り分けるといったニュアンスも持ち合わせており、良いものと悪いものを識別するという行為を示唆しています。日本語で例えるなら、「目利き」という言葉が近いかもしれません。良いものを判断し、悪いものを指摘する、まさに批評家の役割を語源が表していると言えるでしょう。ラテン語を経由して英語に入り、現代では「批評家」「批判的な人」「批判的な」といった意味で使用されています。
暗記法
「critic」は単なるアラ探しではない。古代ギリシャ演劇の評価から始まったこの言葉は、社会の価値観を映す鏡として、作品の真価を見極め、世に伝える役割を担ってきた。中世の聖典解釈、ルネサンス期の古典再評価を経て、現代では誰もが批評家たりうる時代に。その影響力は文化の形成に深く関わり、知的好奇心を刺激し続ける。
混同しやすい単語
『critic』と『critical』は、スペルが非常に似ており、意味も関連するため混同しやすい。'critic'は名詞で『評論家』や『批判する人』を指しますが、'critical'は形容詞で『重大な』『批判的な』という意味になります。日本語では両方とも『批判的』と訳される場合があるため、品詞とニュアンスの違いに注意が必要です。語源的には、どちらも『判断する』という意味のギリシャ語に由来しますが、現代英語では使い分けが重要です。
『critic』と『critique』は、スペルが似ており、意味も関連するため混同しやすい。『critic』が人を指す名詞であるのに対し、『critique』は『批評』という名詞、または『批評する』という動詞として使われます。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(critic:クリティック、critique:クリティーク)。文章中でどちらの品詞が必要かを意識することが重要です。
『critic』と『cynic』は、どちらも人を表す名詞で、最初の音が似ているため混同しやすい。『critic』は良い悪いを判断する人を指しますが、『cynic』は『皮肉屋』や『人を信じない人』を意味します。スペルも 'c'で始まり、母音字が似ているため、視覚的にも紛らわしいです。文脈から、相手が単に意見を述べているのか、それとも人を信用していないのかを見抜く必要があります。
『critic』と『secret』は、スペルと発音の両方があまり似ていませんが、なんとなく語感が似ていると感じる人がいるかもしれません。『secret』は『秘密』という意味で、名詞または形容詞として使われます。まったく異なる意味を持つため、文脈をよく読んで判断する必要があります。ただし、英語学習初期には、このように語感が似ている単語が頭の中で混ざってしまうことがあるため、注意が必要です。
『critic』と『arctic』は、どちらも 'c' で始まり、子音で終わる単語であり、文字の並びのパターンが似ているため、視覚的に混同しやすい可能性があります。『arctic』は『北極の』という意味で、形容詞として使われます。発音も大きく異なるため、注意して区別する必要があります。また、arcticの 'c' は発音されない点も重要です。
『critic』と『cryptic』は、どちらも 'c'で始まり、意味も抽象的であるため、上級学習者でも混同する可能性があります。『critic』は『評論家』や『批判的な』という意味ですが、『cryptic』は『謎めいた』『暗号のような』という意味です。スペルも似ており、発音も最初の部分が似ているため、注意が必要です。文章中で、相手が意見を述べているのか、それとも何かを隠しているのかを見抜く必要があります。
誤用例
The noun 'critic' refers to a person who expresses opinions about the good and bad qualities of something. While the sentence is grammatically correct, it implies that his profession is being a critic, which sounds odd in this context. The adjective 'critical' is more appropriate to convey that he is being judgmental and disapproving. Japanese learners often directly translate the idea of 'being a critic' as 'He is a critic,' overlooking the more nuanced use of 'critical' as an adjective to describe someone's behavior or attitude. This highlights a common tendency to favor noun forms in English where adjectives might be more idiomatic.
This error stems from a misunderstanding of the grammatical structure required after the verb 'to be'. 'Critic' is a noun, but here, a past participle form of the verb 'to criticize' is needed in a passive construction. The correct form is 'criticized.' Many Japanese learners struggle with passive voice constructions, often opting for more direct active voice structures. The phrase 'is critic' may arise from trying to directly translate the Japanese sentence structure, which might not always require a verb form indicating the passive voice as explicitly as English does. The passive voice is common in formal and academic English, which this sentence implies.
While 'strong' can describe criticism, it's not the most natural or idiomatic choice. 'Harshly' better conveys the severity or intensity of the critique. 'Strong' tends to focus on the power or force, whereas 'harshly' emphasizes the unpleasant or severe nature of the criticism. Japanese learners might choose 'strong' because it's a common and easily understood word, and its literal translation from Japanese might seem appropriate. However, English often prefers more nuanced adverbs to describe the manner of criticism. Understanding the subtle differences in word choice is crucial for conveying the intended meaning accurately and avoiding sounding unnatural.
文化的背景
「critic(批評家)」という言葉は、単に欠点を探す人ではなく、価値を見極め、それを社会に伝える役割を担う存在を指します。古代ギリシャの演劇から現代のソーシャルメディアまで、批評家は常に文化の形成に影響を与えてきました。
批評家の起源は古代ギリシャの劇場に遡ります。そこで人々は演劇を鑑賞し、その出来栄えについて議論しました。これらの議論は単なる好みの問題ではなく、演劇が社会の価値観や倫理観をどのように反映しているかを評価するものでした。アリストテレスのような哲学者は、演劇の構造や効果について深く考察し、後の批評理論の基礎を築きました。つまり、「critic」は当初から、単なる好き嫌いを述べるのではなく、作品を深く理解し、その意味を解釈する役割を担っていたのです。
中世ヨーロッパでは、宗教的なテキストの解釈が批評の中心となりました。聖書や教父の著作を読み解き、その教義的な意味を明確にすることが、批評家の重要な仕事でした。この時代、批評は単なる知的活動ではなく、信仰を深め、社会秩序を維持するための手段でもありました。ルネサンス期に入ると、古代ギリシャ・ローマの古典が再評価され、文学や芸術における批評の対象が広がりました。シェイクスピア劇の登場は、批評家たちに新たな解釈の余地を与え、作品の多層的な意味を読み解くことが求められました。
現代社会において、批評家は新聞、雑誌、ウェブサイトなど、さまざまなメディアを通じて意見を発信します。映画、音楽、文学、美術など、あらゆる分野で批評が行われ、消費者は批評家の意見を参考に、何を見るか、何を読むか、何を聞くかを決定します。しかし、ソーシャルメディアの普及により、誰もが批評家になれる時代になりました。アマチュアの批評家たちは、独自の視点から作品を評価し、時にはプロの批評家とは異なる意見を表明します。この変化は、批評の民主化を促す一方で、情報の信頼性や質の低下といった問題も引き起こしています。「critic」という言葉は、専門家だけでなく、一般の人々も含む、より広い範囲の人々を指すようになったと言えるでしょう。
試験傾向
準1級以上で出題される可能性あり。
1. 出題形式:主に長文読解、稀に語彙問題。
2. 頻度と級・パート:準1級以上、長文読解パート。
3. 文脈・例題の特徴:社会問題、文化、科学など幅広いテーマで、批判的な意見や分析を含む文章。
4. 学習者への注意点・アドバイス:名詞(批判家)と動詞(批判する)の両方の意味を理解し、文脈に応じて使い分けられるように。形容詞形(critical)も重要。
TOEIC L&R TESTでは、比較的まれ。
1. 出題形式:長文読解(Part 7)で登場する可能性はあるが、語彙問題(Part 5)での直接的な出題は少ない。
2. 頻度と級・パート:Part 7。
3. 文脈・例題の特徴:ビジネス関連の文章で、製品やサービス、経営戦略などに対する評価や分析として用いられる場合がある。
4. 学習者への注意点・アドバイス:TOEICでは、類義語や関連語句と組み合わせて、文章全体の意味を把握する能力が問われる。critical thinkingなどの関連表現も覚えておくと役立つ。
TOEFL iBTのリーディングセクションで頻出。
1. 出題形式:長文読解。
2. 頻度と級・パート:リーディングセクション。
3. 文脈・例題の特徴:学術的な文章で、研究、歴史、社会問題などに対する批判的な分析や評価として登場する。
4. 学習者への注意点・アドバイス:TOEFLでは、文脈から意味を推測する能力が重要。特に、criticが動詞として使われる場合、何を批判しているのか、誰が批判しているのかを正確に把握する必要がある。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。
1. 出題形式:長文読解、内容説明、空所補充など。
2. 頻度と級・パート:難関大学の二次試験。
3. 文脈・例題の特徴:社会科学、人文科学、自然科学など幅広い分野で、評論や論説文に登場することが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈におけるcriticの役割(誰を、何を、なぜ批判しているのか)を正確に把握することが重要。また、critical thinking(批判的思考)といった関連語句も覚えておくと、読解に役立つ。