bulky
第一音節にアクセントがあります。母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口を軽く開けて短く発音します。『ル』は舌先を上の歯の裏につけて発音し、直後の 'k' は息を止めてから破裂させるように発音するとよりネイティブに近い響きになります。最後の 'y' は日本語の『イ』よりも少し力を抜いて、口角を横に引くように発音すると自然です。
かさばった
大きく場所を取る様子。物理的な大きさだけでなく、扱いにくさや収納のしづらさも含むニュアンス。
My winter coat was too bulky for my small suitcase when I packed for the trip.
旅行の荷造りをする時、私の冬のコートは小さめのスーツケースにはかさばりすぎました。
※ 冬の旅行で、厚手のコートがスーツケースに収まらず、困っている情景が目に浮かびますね。「bulky」は、このように物理的なサイズが大きくて、収納や運搬がしにくいものに対してよく使われます。重さよりも「大きさ」や「体積」に焦点があるのがポイントです。
The new TV box was so bulky that it barely fit in my compact car.
新しいテレビの箱はとてもかさばっていたので、私の小型車にはかろうじて収まりました。
※ お店で大きなテレビを買って、車に乗せようと奮闘している場面を想像してください。家電製品や家具など、大きな物を運ぶ際に「かさばる」と表現する典型的なシチュエーションです。「so A that B(とてもAなのでBだ)」の構文も一緒に覚えましょう。
She loved her warm, bulky sweater, but it made her feel a little clumsy.
彼女は暖かくてかさばるセーターが気に入っていたけれど、それが少し動きにくく感じさせました。
※ 厚手のセーターを着て暖かく過ごしているけれど、そのせいでちょっと動きがぎこちなくなっている様子が伝わります。衣類が厚手で動きにくいときに「かさばる」と表現するのはとても自然です。「make + 人 + 形容詞」で「(人)を〜な気持ちにさせる」という表現も便利です。
扱いにくい
物理的に大きいことに加えて、重さや形状が原因で持ち運びや操作が難しい状態を指す。データや情報など、抽象的な対象にも使える。
The box was too bulky to carry home easily from the store.
その箱は大きすぎて、店から楽に家に持ち帰ることができませんでした。
※ 仕事帰りにスーパーで大きな箱の洗剤を買ったAさん。レジを通ってから「しまった、電車で持って帰るには大きすぎる…」とため息をついている場面です。「bulky」は、物理的に「かさばる、大きくて場所を取る」という意味で最もよく使われます。この例文では、箱が大きすぎて持ち運ぶのが大変だったという状況を表しています。日常で荷物を運ぶときなどによく使う表現です。
My winter coat feels bulky in my small closet.
私の冬のコートは、狭いクローゼットの中でかさばる感じがします。
※ 部屋が狭いBさん。衣替えの時期に、昨年着ていたダウンジャケットをクローゼットに入れようとしたが、他の服でいっぱいのクローゼットに無理やり押し込もうとして、なかなか入らず苦戦している場面です。「bulky」は、服や荷物などが「厚手でかさばる」様子を表すのにもピッタリです。特に、収納スペースが限られているときに、物が大きすぎて収まりきらない、という状況でよく使われます。
My old computer is so bulky on my small desk.
私の古いコンピューターは、小さな机の上でとても場所を取ります。
※ 在宅勤務中のCさん。新しい薄型ノートPCに買い替えたが、以前使っていたデスクトップPCがまだ机の隅に鎮座している。その古いPCが場所を取りすぎて、新しいPCを置くスペースが狭く、イライラしている場面です。「bulky」は、電化製品や家具など、特定の場所(机、部屋など)で「大きすぎて邪魔になる」「場所を取る」という意味でも頻繁に使われます。コンパクトなものが好まれる現代で、古い家電の大きさを表現するのに便利です。
大げさな
物理的な大きさから転じて、表現や内容が実際以上に誇張されている様子。仰々しさや不自然さを伴うニュアンス。
My new winter coat feels too bulky to fit in my small suitcase.
私の新しい冬のコートは、小さいスーツケースに入れるにはかさばりすぎると感じます。
※ 冬のコートは暖かくても、厚みがあり「かさばる」ものが多いですよね。この文は、旅行の荷物を詰める時に「大きすぎて困る」という状況を伝えています。「bulky」は、このように物理的に「大きくて場所を取る」ものに対してよく使われます。
The little boy looked cute, but his backpack seemed too bulky for him.
その小さな男の子は可愛かったけれど、彼のリュックサックは彼には大きすぎるように見えました。
※ 小さな体が大きなリュックを背負っている様子を想像してみてください。この「bulky」は、そのリュックが「体に対して不釣り合いに大きく、かさばっている」ことを表しています。子供が重そうにしている情景が目に浮かびますね。
We bought a new TV, but the box was very bulky and hard to carry.
私たちは新しいテレビを買いましたが、箱がとても大きくて持ち運ぶのが大変でした。
※ 新しい家電を買った時、箱の大きさに驚くことがありますよね。この「bulky」は、その箱が「大きくて、重く、持ち運びにくい」状態を表現しています。物理的な大きさや重さからくる扱いにくさを表す際によく使われる単語です。
コロケーション
かさばる荷物、大型の小包
※ 物理的に大きく、運びにくい荷物を指す最も直接的な表現です。通販の普及により、日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われます。単に"large package"と言うよりも、その大きさゆえの扱いにくさや存在感を示唆するニュアンスがあります。例えば、「bulky package delivery」のように、配送サービスを説明する際にも用いられます。
厚手のセーター、着ぶくれするセーター
※ 暖かさを重視した、編み目の粗い、または素材が厚いセーターを指します。ファッションの文脈でよく使われ、冬のカジュアルな装いを表現する際に適しています。"chunky sweater"とほぼ同義ですが、"bulky"は見た目のボリューム感に加えて、着心地の重さや動きにくさも暗示することがあります。例えば、「a bulky knit sweater」のように、素材を強調することもできます。
大型の装置、かさばる機器
※ 産業機械、医療機器、建設機械など、専門的な分野で使用される大型で重量のある装置を指します。運搬や設置に特別な配慮が必要となる場合が多く、取扱説明書や技術文書で頻繁に使用されます。"heavy equipment"と類似していますが、"bulky"はサイズに着目した表現で、設置場所の制約や保管スペースの問題を示唆することがあります。
粗大ごみ、大型廃棄物
※ 家庭から出る大型の家具、家電製品、自転車など、通常のゴミ収集で回収されない廃棄物を指します。自治体の粗大ごみ回収サービスに関する案内や、環境問題に関する議論で頻繁に用いられます。"large waste"と言うよりも、その大きさゆえに処理に手間がかかる、または環境負荷が大きいというニュアンスを含んでいます。例えば、「bulky waste collection」のように、回収サービスを説明する際にも用いられます。
大量のデータ、肥大化したデータ
※ 情報技術の分野で、ストレージ容量を圧迫するほど大量のデータを指します。ビッグデータ解析やデータベース管理において、データの圧縮や最適化が重要な課題となる背景で使用されます。"large data"と言うよりも、管理や処理の難しさ、システムへの負荷が大きいというニュアンスを含みます。例えば、「bulky data storage」のように、ストレージ技術を説明する際にも用いられます。
かさばる衣服、着膨れする服装
※ 重ね着によって厚みが増した、またはダウンジャケットのようにボリュームのある衣服を指します。防寒対策として着用されることが多いですが、動きにくさや見た目のシルエットを損なう可能性があることを示唆します。"thick clothing"と似ていますが、"bulky"は見た目のボリューム感や扱いにくさを強調します。例えば、「avoid bulky clothing」のように、動きやすさを重視する場面で用いられます。
使用シーン
学術論文では、統計データや実験結果を説明する際に「bulky data(かさばったデータ)」という表現で用いられることがあります。例えば、遺伝子解析や大規模アンケート調査の結果など、分析・処理に手間のかかる大量のデータを指す場合に用いられます。文体は文語的です。
ビジネスシーンでは、製品のサイズや形状について言及する際に使われます。例えば、物流部門で「bulky items(かさばる商品)」の輸送コストについて議論したり、製品開発部門で「bulky design(かさばった設計)」の改善点を検討したりする場面が考えられます。報告書や会議資料などで用いられることが多いです。
日常生活では、物理的にかさばる物について話す際に使われます。例えば、「That suitcase is too bulky to fit in the overhead compartment.(そのスーツケースはかさばりすぎて、頭上の荷物入れに入らないよ)」のように、旅行の話題で使われたり、「I need a bigger closet for all my bulky sweaters.(かさばるセーターがたくさんあるから、もっと大きなクローゼットが必要だわ)」のように、収納に関する話題で使われたりします。口語的な表現です。
関連語
類義語
『扱いにくい』『かさばる』という意味で、物理的な大きさだけでなく、手続きやシステムなどが複雑で扱いにくい状況を指す場合にも使われる。ややフォーマルな語。 【ニュアンスの違い】『bulky』が単に大きいことを指すのに対し、『cumbersome』は大きさに加えて扱いにくさ、不便さを含む。物理的なものだけでなく、抽象的な概念にも使える点が異なる。 【混同しやすい点】『cumbersome』は『bulky』よりもネガティブなニュアンスが強く、単に大きいという事実を述べるのではなく、その大きさが問題であることを示唆する。また、物理的なものだけでなく、抽象的な概念にも使える。
- voluminous
『大量の』『かさばる』という意味で、量が多いこと、特に書物や衣服などが大きい、または量が多いことを指す。学術的な文脈や文学的な表現でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『bulky』が単に物理的な大きさを指すのに対し、『voluminous』は量が多いこと、特に内容が豊富であることを強調する。衣服などの場合は、ゆったりとしたデザインを指すこともある。 【混同しやすい点】『voluminous』は『bulky』よりもポジティブなニュアンスを含む場合がある。例えば、『voluminous』なスカートは、デザインとして魅力的であることを意味することがある。
『巨大な』『大規模な』という意味で、非常に大きいこと、特に印象的な大きさや規模を指す。建物、山、事件など、スケールの大きさを表現する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】『bulky』が単に大きいことを指すのに対し、『massive』は圧倒的な大きさ、存在感を示す。ポジティブにもネガティブにも使われる。 【混同しやすい点】『massive』は『bulky』よりも強い印象を与える。単に大きいだけでなく、何か特別な意味を持つ大きさを示す場合に使われる。例えば、『massive』なプロジェクトは、規模だけでなく、その重要性も示唆する。
『大きい』という意味で、一般的な大きさの比較に用いられる。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『bulky』が扱いにくい大きさを示すのに対し、『large』は単に大きいことを示す。より客観的な表現。 【混同しやすい点】『large』は抽象的な概念にも使えるが、『bulky』は主に物理的な大きさに対して使われる。『large』はサイズを表す一般的な形容詞であり、必ずしもネガティブなニュアンスを含まない。
- hefty
『重い』『大きい』という意味で、重量や大きさがかなりあることを指す。日常会話でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『bulky』が大きくて扱いにくいことを指すのに対し、『hefty』は重さや量が多いことを強調する。カジュアルな表現。 【混同しやすい点】『hefty』は重量があることを特に強調するため、物理的な重さを伴わない大きさには使いにくい。例えば、『hefty』な請求書は、金額が大きいことを意味する。
- clunky
『不格好な』『扱いにくい』という意味で、デザインや機能が洗練されていないために使いにくいことを指す。機械やソフトウェアなどに対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『bulky』が単に物理的な大きさを指すのに対し、『clunky』は機能的、デザイン的な欠陥を含む。ネガティブなニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『clunky』は主に機械やソフトウェアの使いにくさを表すため、物理的な大きさそのものを指す『bulky』とは対象が異なる場合がある。『clunky』なインターフェースは、操作性が悪いことを意味する。
派生語
『大きさ、容積、かさ』を意味する名詞。形容詞『bulky』の語源であり、もともとは『膨らみ』や『積み重ね』といった意味合いを持つ。日常会話やビジネスシーンで、具体的な物体の大きさや量を指す際に用いられる。例:『a bulk order(大量注文)』
- bulkiness
『かさばり具合』や『扱いにくさ』を意味する名詞。形容詞『bulky』に名詞化の接尾辞『-ness』が付加され、抽象的な性質を表す。製品のレビューや物流に関する議論など、具体的な物体の特性を評価する文脈で用いられることが多い。例:『the bulkiness of the package(荷物の嵩張り)』
- unbulk
「かさを減らす」「嵩張りをなくす」という意味の動詞。『un-』は否定や逆転を表す接頭辞で、本来の『bulk』の状態から逆の状態にすることを意味する。例えば、圧縮技術や梱包方法の改善を議論する際に用いられる。使用頻度はそれほど高くないが、特定の技術分野では有用な語彙。例:『to unbulk a shipment(積荷のかさを減らす)』
反意語
『小型の』『密集した』という意味の形容詞。物理的な大きさだけでなく、情報や文章などが『簡潔にまとまっている』という意味でも用いられる。『bulky』が物理的な大きさを強調するのに対し、『compact』は小ささ、効率性、整理されている状態を強調する。日常会話から技術文書まで幅広く使われる。例:『a compact car(小型車)』
『細長い』『ほっそりした』という意味の形容詞。特に人や物の形状が細く、優雅な印象を与える場合に使われる。『bulky』が大きく、どっしりとした印象を与えるのに対し、『slender』は細く、優美な印象を与える。ファッションやデザインの分野でよく用いられる。例:『a slender figure(ほっそりとした体型)』
『きちんとした』『引き締まった』という意味の形容詞。外観が整っていて、余分な部分がない状態を指す。『bulky』が不格好でかさばるイメージであるのに対し、『trim』は整理され、無駄のない状態を表す。ビジネスシーンや技術的な文脈で、効率性や機能性を強調する際に用いられる。例:『a trim design(すっきりとしたデザイン)』
語源
「bulky」は、古ノルド語の「bulki」(船の貨物、積荷)に由来すると考えられています。この「bulki」は、ゲルマン祖語の「*bulk-」(幹、丸太、塊)に遡り、物質的な大きさを表す概念と結びついていました。英語に取り入れられた当初から、「かさばった」や「大きい」といった物理的なサイズを表す意味合いを持っていました。現代英語でもその意味は変わらず、具体的な物体の大きさを指すだけでなく、「扱いにくい」といったニュアンスも含むようになりました。日本の相撲で、力士の体格を「バルクがある」と表現することがありますが、これは英語の「bulk」が「筋肉の塊」といった意味合いでも使われることと関連しています。
暗記法
「bulky」は単なる大きさではない。手工業時代の名残、重装備の騎士、黎明期の機械…これらは皆「bulky」だ。未熟だが力強く、洗練されてはいないが可能性を秘めている。ディケンズ作品に登場する善良な大男もそうだ。外見と内面のギャップ、時代遅れだが温かいデザイン。効率化の現代で「bulky」は過去の象徴だが、懐かしさや人間味を思い出させる言葉なのだ。
混同しやすい単語
『bulky』と『bulk』は、語源が同じ(古ノルド語の *bulki*「積み荷」に由来)で、意味も『かさ』『量』など関連するため混同しやすい。しかし、『bulky』は形容詞で『かさばった』という意味合いが強く、一方『bulk』は名詞で『大量』という意味で使われることが多い。日本人学習者は、品詞と具体的なニュアンスの違いに注意する必要がある。
『bulky』と『bully』は、最初の3文字が同じで、発音も似ているため、特に聞き取りの際に混同しやすい。『bully』は『いじめる』という意味の動詞、または『いじめっ子』という意味の名詞であり、『bulky』とは意味が全く異なる。日本人学習者は、文脈から判断し、yの音に注意して聞き分ける必要がある。
『bulky』と『lucky』は、語尾の『ky』が共通しており、発音のリズムも似ているため、発音練習の初期段階で混同しやすい。『lucky』は『幸運な』という意味の形容詞であり、『bulky』とは意味が異なる。日本人学習者は、文脈と最初の音に注意して区別する必要がある。
『bulky』と『husky』は、語尾の音が似ており、特にネイティブの発音を聞く際に混同しやすい。『husky』は『ハスキー犬』という意味のほか、『(声が)かすれた』という意味の形容詞としても使われる。日本人学習者は、文脈から判断し、最初の音に注意して聞き分ける必要がある。
『bulky』と『balk』は、最初の文字と母音が同じで、発音も似ているため、混同しやすい。『balk』は『ためらう』『阻止する』という意味の動詞であり、『bulky』とは意味が異なる。野球用語としても使われる。日本人学習者は、文脈から判断し、語尾の音に注意して聞き分ける必要がある。
『bulky』とは直接的なスペル・発音の類似性はないものの、「かさばる」というイメージから、無線機である『walkie-talkie』を連想してしまう可能性がある。『walkie-talkie』は携帯無線機のこと。意味が全く異なるため、注意が必要。
誤用例
『bulky』は物理的に『かさばった』『場所を取る』という意味合いが強く、抽象的なアイデアに対して使うと不自然です。日本人が『大きい』という言葉を安易に『big』で表現してしまうのと同じように、アイデアの規模や重要性を伝えたい場合は『ambitious(野心的な)』や『substantial(重要な)』といった語を選ぶ方が適切です。日本語の『大それた』に近いニュアンスを伝えたい場合にも、bulky は適しません。
『bulky』は物理的な大きさを指すため、報告書の内容が難解であることを伝えたい場合には不適切です。『報告書がかさばっていて読みにくい』という意味であれば使えますが、内容の複雑さを示唆する意図であれば『lengthy(長々とした)』や『voluminous(大量の)』を使う方が適切です。日本人が『分厚い』という言葉を、物理的な厚みだけでなく内容の濃さに対しても使う傾向があるため、このような誤用が起こりやすいと考えられます。
『bulky』は基本的に人に対して使いません。体格ががっしりしている様子を表す場合は『burly』がより適切ですが、性格について言及する場合には使いません。性格が強引で威圧的な印象を与えることを伝えたい場合は『overbearing(横柄な)』や『imposing(堂々とした)』といった語を選ぶべきです。日本人が『大きい』という言葉を、体格だけでなく影響力や態度に対しても使うことから、このような誤用が生じやすいと考えられます。また、日本語の『図体が大きい』という表現をそのまま英語にしようとする際に、bulkyを選んでしまう可能性があります。
文化的背景
「bulky」という言葉は、単に「大きい」「かさばる」だけでなく、しばしば扱いにくさ、時代遅れ、あるいは洗練されていない印象を伴います。これは、大量生産以前の、手工業的な製品や、産業革命期の機械を連想させるからかもしれません。現代においては、効率性やコンパクトさが重視されるため、「bulky」はネガティブな意味合いを帯びることがあります。
この言葉が持つ「扱いにくさ」のイメージは、中世ヨーロッパの重装備の騎士を彷彿とさせます。全身鎧は防御力に優れる一方で、動きを制限し、機敏さを奪います。騎士たちは、その「bulky」な鎧ゆえに、戦場での優位性を保ちながらも、同時に脆弱性も抱えていました。同様に、初期の自動車や家電製品も、「bulky」でありながら、当時の人々に新たな可能性をもたらしました。これらの製品は、その大きさゆえに、力強さや先進性を象徴すると同時に、未熟さや洗練されていない印象を与えたのです。
文学作品においても、「bulky」はしばしば登場人物の性格や置かれた状況を象徴するために用いられます。例えば、ディケンズの小説に登場する、体格の良い人物は、しばしば善良だが不器用な性格として描かれます。彼らは、「bulky」な体格ゆえに、周囲の人々から誤解されたり、不当な扱いを受けたりします。しかし、その内面には、温かさや正義感が秘められています。このように、「bulky」は、外見と内面のギャップを表現するための効果的なツールとして、文学作品において活用されてきました。
現代社会においては、「bulky」は、しばしば過去の遺物や、時代遅れの技術を指す言葉として用いられます。しかし、その一方で、「bulky」なデザインは、懐かしさや温かさを感じさせる要素としても評価されています。例えば、ヴィンテージの家具や、アナログのオーディオ機器は、「bulky」でありながら、独特の魅力を持っています。これらの製品は、効率性や機能性だけでなく、デザイン性や歴史的な価値を重視する人々によって愛されています。このように、「bulky」は、単なる大きさや形状を表すだけでなく、時代や文化、価値観の変化を反映する言葉として、私たちの生活に深く根付いているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。2級以下ではほとんど見られない。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、輸送、物流などに関する文章で、形容詞として使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 物理的な大きさや重さを表すだけでなく、扱いにくさも含むニュアンスがあることを理解する。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題)、Part 7 (長文読解)。
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rで比較的まれ。SWでは出題されない。
- 文脈・例題の特徴: オフィス用品、輸送、倉庫管理など、ビジネスシーンでの使用が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての用法がほとんど。「かさばる」「扱いにくい」といった意味合いを把握する。synonymであるvoluminousとの使い分けを意識する。
- 出題形式: リーディングセクション。
- 頻度と級・パート: 中程度の頻度。アカデミックな内容の文章で登場。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、考古学、科学技術など、様々な分野の学術的文章で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な意味合いで使われることもある。「扱いにくい」「複雑な」といったニュアンスを理解する。文脈から正確な意味を判断することが重要。
- 出題形式: 長文読解問題、和訳問題。
- 頻度と級・パート: 難関大学でまれに出題。標準的なレベルの大学ではあまり見られない。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術など、幅広い分野の文章で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈に応じて適切な日本語訳を選ぶ必要がある。「かさばる」「巨大な」「扱いにくい」など、複数の意味を理解しておく。類義語との違いを意識する。