bent
母音 /e/ は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いて発音します。また、/n/ の発音では、舌先を上の歯の裏につけて鼻から息を抜くことを意識しましょう。最後の /t/ は、舌先を上の歯の裏から離す際に息を破裂させるように発音します。日本語の「ト」のように母音を伴わないように注意してください。
専門的な内容に関するご注意
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曲がった
物理的に曲がっている状態を表す。また、正直でない、不正な意味合いも含む。例:a bent pipe(曲がったパイプ), bent rules(不正なルール)
I tried to scoop the hard ice cream, but my spoon got bent.
硬いアイスクリームをすくおうとしたら、スプーンが曲がってしまいました。
※ 硬いアイスクリームを食べる時に、スプーンがグニャリと曲がってしまった、という日常でよくある状況です。「get bent」で「曲がる(曲がった状態になる)」という変化を表すことができます。
The old tree in the park has a bent branch from the strong wind.
公園の古い木には、強い風で曲がった枝があります。
※ 公園で見かけるような、自然の力で形が変わってしまった木の枝の様子を描写しています。「a bent branch」で「曲がった枝」と、bentが名詞を直接修飾する典型的な使い方です。
My grandpa's back is a little bent because he has worked for many years.
祖父の背中は、長年働いてきたので少し曲がっています。
※ 人の体の特徴や姿勢について「曲がっている」と表現する場面です。歳を重ねて背中が曲がる様子は、多くの人が共感しやすいでしょう。「is bent」で「曲がった状態である」ことを表します。
熱中した
何かに非常に興味を持ち、熱心に取り組んでいる状態。例:He's bent on finishing the project.(彼はプロジェクトを終わらせることに熱中している)
The student was bent on studying hard for the final exam, ignoring everything else.
その生徒は、他のすべてを無視して、期末試験のために一生懸命勉強することに熱中していました。
※ この例文では、生徒が試験勉強に深く集中し、他のことに全く気を取られていない様子が目に浮かびます。「be bent on doing something」は、「〜することに熱中している」「〜しようと固く決意している」という強い意志や情熱を表す典型的な使い方です。ここでは「勉強すること」にその情熱が注がれていますね。
The athlete was bent on winning the championship, practicing tirelessly every single day.
そのアスリートは、毎日休むことなく練習し、優勝することに熱中していました。
※ この文からは、アスリートが優勝という目標に向かって、どれほど強い意志を持って日々努力しているかが伝わってきます。「tirelessly(疲れを知らずに)」という言葉が、その熱中ぶりをさらに強調しています。このように、大きな目標や夢を達成するために強い決意を持っている状況でよく使われます。
Our team is bent on delivering the best product, working late into the night.
私たちのチームは、最高の製品を届けることに熱中しており、夜遅くまで働いています。
※ この例文は、チームが共通の目標(最高の製品を届けること)に向かって、強い情熱と決意を持って取り組んでいる様子を描写しています。「working late into the night(夜遅くまで働く)」という行動が、その熱中度合いを示しています。ビジネスの文脈や、何かを成し遂げようと努力する場面で自然に使えます。「be bent on + 名詞」の形でも使えます。
曲げる
物理的に何かを曲げる行為。または、規則や人の意志を曲げる、ねじ曲げるという意味も含む。過去形・過去分詞として使用される。
The boy bent the wire into a strange shape.
その少年は針金を奇妙な形に曲げた。
※ この文は、子供が夢中になって針金(wire)を色々な形に「曲げる」様子を描写しています。手で何かを物理的に曲げる動作は、'bent'(bendの過去形)の最も典型的な使い方の一つです。'into a shape' は「〜の形に」という意味で、曲げた結果を表します。
The strong wind bent the old tree.
強い風がその古い木を曲げた。
※ ここでは、自然の力(強い風)が物体(古い木)に影響を与え、その形を「曲げる」様子を表しています。嵐などで木がしなったり、曲がったりする場面でよく使われる表現です。'bent' はここでは「曲げる」という動作の過去形です。
I accidentally bent the cover of my new book.
私は誤って新しい本の表紙を曲げてしまった。
※ この例文は、日常生活でうっかり何かを「曲げてしまう」という、誰もが経験しうる状況を描いています。'accidentally'(誤って、うっかり)という副詞と一緒に使うことで、意図せず物が曲がってしまった状況が鮮明に伝わります。これも'bent'の非常に自然な使い方です。
コロケーション
~することに夢中になっている、~することに固執している
※ この表現は、ある目標や行動に強い決意を持って取り組んでいる状態を表します。単に興味があるというよりも、強い意志や決意を持って何かを成し遂げようとしているニュアンスです。例えば、「He is bent on becoming a doctor.(彼は医者になることに夢中だ)」のように使われます。似た表現に"determined to"がありますが、"bent on"は時にややネガティブなニュアンスを含むこともあり、周囲の意見を聞かずに頑なに自分の目標を追求するような場面で使われることもあります。文法的には、"bent on"の後に動名詞(-ing形)が続くのが特徴です。
(精神的に)ひどく動揺する、怒る、取り乱す
※ 文字通りには「形が歪む」という意味ですが、比喩的には、人が些細なことで感情的に大きく動揺したり、怒ったりする様子を表します。例えば、ちょっとした批判に対して過剰に反応する人に対して「Don't get so bent out of shape!(そんなにカリカリするなよ!)」のように使います。この表現は、特にアメリカ英語の口語でよく使われ、フォーマルな場面には適しません。物理的に物が歪む様子と、精神的な動揺を結びつけるイメージで捉えると理解しやすいでしょう。
規則を曲げる、規則を都合の良いように解釈する
※ 規則を完全に破るのではなく、状況に合わせて柔軟に解釈したり、わずかに逸脱したりすることを指します。例えば、「He bent the rules a little to help his friend.(彼は友人を助けるために少し規則を曲げた)」のように使われます。"break the rules"(規則を破る)よりも罪の意識が薄く、状況によっては許容される範囲の行為とみなされることもあります。ビジネスシーンや日常生活で、規則の厳格な適用が必ずしも最善とは限らない場合に、この表現が用いられます。
~の才能がある、~の素質がある
※ "have a bent for" は、特定の分野に対する自然な才能や適性を持っていることを意味します。例えば、「She has a bent for music.(彼女は音楽の才能がある)」のように使われます。"talent for" と似た意味ですが、"bent" は、才能がまだ開花していない、潜在的な可能性を示唆するニュアンスがあります。また、"bent" は元々「曲がった」という意味を持つため、人が特定の方向に自然と「曲がって」いくイメージから、才能や適性を表すようになったと考えられます。この表現は、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できます。
~の傾向がある、~の性質を持つ
※ この表現は、人や物事が特定の性質や傾向を持っていることを示すために使われます。例えば、「He is of a conservative bent.(彼は保守的な傾向がある)」のように使われます。"bent" はこの場合、「性癖、傾向」という意味合いを持ち、その人の性格や考え方を特徴づける要素として捉えられます。ややフォーマルな表現で、政治的な議論や性格描写などで用いられることが多いです。類似の表現に "tendency" がありますが、"bent" はより根深い、本質的な傾向を示唆するニュアンスがあります。
腰が90度に曲がった状態、前かがみになっている
※ 文字通りには「二つに曲げられた」という意味で、人が腰を深く曲げている状態を表します。痛み、疲労、または何かを拾うために前かがみになっている状態を描写する際に使われます。例えば、「He was bent double with laughter.(彼は笑いすぎて腰を曲げていた)」のように使われます。この表現は、視覚的なイメージが強く、読者や聞き手に状況を鮮明に伝える効果があります。文学作品や物語の中でよく用いられる表現です。
使用シーン
学術論文や専門書で、「曲がった」という意味よりは「~の傾向がある」「~に傾倒している」という意味で使われることが多いです。統計データにおける偏り(バイアス)を説明する際や、研究者の特定の理論への傾倒を議論する際に用いられます。例:「The data showed a bent towards positive results.(データは肯定的な結果への偏りを示した)」のような文脈です。
ビジネスシーンでは、人の性格や組織の傾向を婉曲的に表現する際に使われることがあります。直接的な批判を避けつつ、問題点や改善点を示唆するニュアンスが含まれます。例:「He has a bent for creative problem-solving.(彼は創造的な問題解決に長けている)」のように、才能や適性を表す場合もあります。
日常会話では、「曲がった」という意味で物理的な状態を指す場合に稀に使われます。しかし、「熱中している」という意味で使われることは比較的少ないです。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、比喩表現として「体制に屈しない姿勢」などを表す際に用いられることがあります。例:「His moral compass was bent.(彼の道徳的指針は歪んでいた)」のように、倫理的な問題を指摘する文脈で見かけることがあります。
関連語
類義語
物理的に曲がっている、または不正な、正直でないという意味を持つ。日常会話でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"bent"と似ているが、"crooked"はより不均一で不規則な曲がり方を指すことが多い。また、比喩的に「不正な」という意味合いが強い。 【混同しやすい点】"bent"は必ずしもネガティブな意味合いを持たない場合があるが、"crooked"は通常、ネガティブな意味合いで使用される。例えば、"a crooked politician"は「不正な政治家」という意味になる。
- warped
(木材などが)歪んだ、ねじれたという意味。比喩的に、考え方や判断が歪んでいることを指すこともある。物理的な状態と精神的な状態の両方に使用される。 【ニュアンスの違い】"warped"は、時間や圧力によって徐々に歪んでしまった状態を表すことが多い。また、心理的な歪みを示す場合、かなり強いネガティブな意味合いを持つ。 【混同しやすい点】"bent"が一時的な、または意図的な曲がりを指すことがあるのに対し、"warped"は通常、恒久的で意図しない歪みを指す。また、"warped sense of humor"(歪んだユーモア)のように、やや特殊な状況で使用される。
ねじれた、よじれたという意味。物理的な状態だけでなく、性格や思考がひねくれていることを表す場合にも使用される。日常会話、文学作品など幅広い場面で見られる。 【ニュアンスの違い】"twisted"は、物理的なねじれだけでなく、精神的な歪みや悪意を示唆することがある。"a twisted mind"(ねじれた心)のように、ネガティブな意味合いが強い。 【混同しやすい点】"bent"が単に曲がっている状態を指すのに対し、"twisted"はねじれて複雑になっている状態を表す。また、"twisted"は、物語の展開が予想外であることを示す場合にも使用される(例:"a twisted plot")。
- bowed
弓なりに曲がったという意味。主に物理的な形状を表す。建築、音楽(弦楽器)、スポーツなど、特定の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"bowed"は、均一で滑らかな曲線を描いている状態を指すことが多い。また、敬意を表すために頭を下げる動作も "bow" という。 【混同しやすい点】"bent"が様々な形状の曲がりを指すのに対し、"bowed"は特定の弓なりの形状に限定される。また、"bowed" leg (O脚)のように、医学的な文脈で使用されることもある。
傾いている、傾斜しているという意味。物理的な傾きだけでなく、~する傾向があるという意味も持つ。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"bent"が物理的な曲がりを指すのに対し、"inclined" は物理的な傾きや、人の行動や考え方の傾向を表す。"I am inclined to agree." (賛成する傾向がある)のように使われる。 【混同しやすい点】"inclined"は、人の行動や考え方に対する傾向を表す場合、"bent"にはない意味合いを持つ。また、"an inclined plane"(斜面)のように、物理学的な文脈で使用されることもある。
- contorted
(苦痛などで)ひどく歪んだ、ねじ曲がったという意味。主に顔の表情や体の姿勢を表す。文学作品や演劇などでよく使用される。 【ニュアンスの違い】"contorted"は、苦痛、恐怖、または強い感情によって引き起こされた、不自然で醜い歪みを指す。強い感情が伴うことが多い。 【混同しやすい点】"bent"が単に曲がっている状態を指すのに対し、"contorted"は、苦痛や強い感情によって引き起こされた、非常に不快な歪みを表す。また、"a contorted face"(苦悶の表情)のように、特定の表情を表す場合に使用される。
派生語
『曲げる』という動詞で、「bent」はその過去形・過去分詞。物理的に何かを曲げる行為から、比喩的に規則や意思を曲げる意味にも発展。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。原義に近く、理解しやすい。
- bending
『曲げること』を意味する名詞または動名詞。動詞「bend」に進行形を作る「-ing」が付与された形だが、名詞としても使用される。物理的な曲げ加工のプロセスや、比喩的に状況を都合の良いように変える行為を指す場合がある。技術文書やビジネスシーンで見られる。
- unbent
『曲がっていない』『真っ直ぐな』という意味の形容詞。接頭辞「un-」は否定を表し、「bent」の状態を打ち消す。物理的な形状だけでなく、比喩的に心が折れていない、屈しないという意味でも用いられる。文学作品やニュース記事など、幅広い文脈で使用される。
反意語
『真っ直ぐな』という意味の形容詞。「bent」が物理的な湾曲や比喩的な不正を意味するのに対し、「straight」は物理的な直線性や正直さ、率直さを表す。日常会話からビジネス、学術論文まで広く使われ、「bent」と対比される場面も多い。
『直立した』『正直な』という意味の形容詞。「bent」が姿勢の悪さや不正行為を示唆するのに対し、「upright」は姿勢の良さや道徳的な正しさを強調する。フォーマルな場面や、人物の性格描写で使われることが多い。比喩的な意味合いが強く、抽象的な概念を表現する際に適している。
『柔軟性のない』という意味の形容詞。接頭辞「in-」は否定を表し、「flexible(柔軟な)」の反対の意味になる。「bent」が物理的な柔軟さや変化に対する適応力を欠く状態を表すのに対し、「inflexible」は規則や方針などが変更できない、融通が利かない状態を指す。ビジネスや政治の文脈で頻繁に使用される。
語源
"bent"は、古英語の"bannan"(曲げる、束ねる)に由来します。これはさらに遡ると、ゲルマン祖語の"bendanan"(曲げる)にたどり着きます。この語根は、何かを力ずくで変形させる、あるいは特定の形に固定するというイメージを含んでいます。現代英語の"bend"(曲げる)と同根であり、"bent"はその過去分詞形です。"曲がった"という意味合いから派生して、人の性格や傾向を表す際に、ある特定の方向へ"熱中した"、あるいは"偏った"という意味を持つようになりました。例えば、"bent on something"は「〜に熱中している」という意味になります。曲げるという物理的な行為から、心理的な傾倒や決意を表す抽象的な意味へと発展した、興味深い例と言えるでしょう。
暗記法
「bent」は単に「曲がった」だけでなく、社会の規範から「逸脱した」人々を指す隠語として使われてきた。特にヴィクトリア朝時代、道徳が重視される陰で、性的少数者は抑圧され、「bent」は彼らの隠された苦悩を象徴した。文学では、主人公の葛藤や社会への反抗を表現する言葉として用いられ、権力者が異質な人々を貶める道具にもなった。現代においても、その言葉の背景にある差別的な意味合いを理解し、慎重に扱う必要がある。
混同しやすい単語
過去形の 'went' は、発音が似ており、特に早口の場合や音声のみで聞くと混同しやすいです。'bent' は 'bend' の過去形・過去分詞ですが、'went' は 'go' の過去形であり、動詞の原形が異なります。また、意味も '曲がった' と '行った' で全く異なります。日本人学習者は、文脈と動詞の原形を意識して区別する必要があります。
'bent' は 'bend' の過去形・過去分詞なので、そもそも関連が深い単語です。しかし、'bend' は原形であり、現在形や未来形で使われます。意味は『曲げる』という動作を表します。日本人学習者は、時制を意識して使い分ける必要があります。また、'bend' は名詞としても使われ、『屈折』『湾曲』といった意味になります。
'rent' は発音が似ており、特に語尾の子音の響きが近いため混同しやすいです。意味は『賃貸料』や『家賃』であり、名詞または動詞として使われます。文脈が全く異なるため、注意深く聞く必要があります。語源的には、'rent' は『定期的に支払うもの』という意味合いがあり、'bent' の『曲がった』とは全く異なるルーツを持ちます。
'sent' は、'send' の過去形・過去分詞であり、発音が似ているため混同しやすいです。'bent' は 'bend' の過去形・過去分詞ですが、'sent' は 'send' の過去形である点が異なります。意味は『送った』であり、文脈も異なります。特に、過去形を多用する文章では注意が必要です。's' と 'b' の音の違いを意識して聞き分けることが重要です。
'dent' は綴りが似ており、'b' と 'd' の違いしかありません。発音も母音は同じ 'e' の音であり、子音の違いに注意が必要です。意味は『へこみ』であり、名詞または動詞として使われます。例えば、'car with a dent' (へこみのある車)のように使われます。視覚的に似ているため、スペルを意識して区別する必要があります。
'vent' は、発音も綴りも似ており、混同しやすい単語です。意味は『通気口』や『(感情などを)表に出すこと』であり、名詞または動詞として使われます。例えば、'air vent' (換気口)や 'vent frustration' (不満をぶちまける)のように使われます。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。'v' の音は日本語にはないため、意識して発音練習すると良いでしょう。
誤用例
『bent』は確かに『好み』という意味を持ちますが、この文脈では『(良くないことへの)傾向』というニュアンスが強く、才能や適性を表すには不適切です。日本人が『〜の才能がある』を直訳的に捉え、『bent』の持つネガティブな響きを意識せずに使ってしまうことがあります。ここでは、より中立的な『knack』や『aptitude』を使うのが適切です。日本語の『才能』には良い意味合いしかないため、英語の『bent』の語感とのズレが生じます。
『bent on』は『〜に熱中している』という意味で使えますが、しばしば『強引に〜しようとしている』というニュアンスを含みます。警察が真実を追求する文脈では、必ずしも強引な手段を連想させる必要はないため、『determined』の方が適切です。日本人が『〜に熱心だ』という表現をそのまま『bent on』に置き換えてしまうと、意図しないニュアンスが伝わる可能性があります。英語の『bent』には『歪んだ』という意味もあるため、正義を追求する文脈では特に注意が必要です。
『bent out of shape』は確かに『取り乱す』という意味ですが、どちらかというと口語的で、フォーマルな場面や文章には不向きです。また、感情の強さも『upset』より強く、深刻な事態にのみ使われます。日本人が『動揺した』という感情を表現する際に、安易に『bent out of shape』を使うと、大げさな印象を与える可能性があります。より丁寧で一般的な表現としては『upset』や『distressed』が適切です。英語の表現は、日本語以上に状況や相手に合わせたレジスター(言葉遣いの丁寧さや硬さ)が重要になります。
文化的背景
「bent」は、文字通りの「曲がった」という意味から転じて、人の性格や傾向が「普通ではない」「逸脱している」といった意味合いを持つ言葉です。特に、隠された、あるいは社会的に許容されない欲望や性癖を婉曲的に表現する際に用いられ、その背景には社会規範からの逸脱に対する警戒心や、タブー視される領域への言及を避ける心理が潜んでいます。
この言葉が持つネガティブなニュアンスは、歴史的に見て、社会が特定の行動や思考様式を「正しい」と定義し、それ以外のものを「間違っている」と排除しようとする傾向と深く結びついています。例えば、ヴィクトリア朝時代のイギリス社会では、表面的な道徳や貞潔が重視され、同性愛などの性的少数者は厳しく抑圧されました。「bent」は、そのような時代において、公には語られない、隠された性的指向を指す隠語として用いられ、その使用は、社会の規範から外れた人々に対する差別や偏見を反映していました。
文学作品においても、「bent」は登場人物の複雑な内面や、社会との葛藤を描くために用いられることがあります。例えば、ある小説で主人公が「bent」であると示唆される場合、それは単に性的指向を意味するだけでなく、彼の社会に対する反抗心や、自己のアイデンティティを確立しようとする苦悩を象徴している場合があります。また、「bent」は、権力を持つ者が、自分たちの都合の悪い人物を貶めるために使われることもあり、その使用は、社会における権力構造や、抑圧された人々の存在を浮き彫りにします。
現代社会においては、性的指向に対する理解が深まり、多様性が尊重されるようになってきましたが、「bent」という言葉が持つ負の遺産は、依然として残っています。この言葉を使用する際には、その歴史的背景や、それが持つ差別的な意味合いを理解し、慎重に扱う必要があります。なぜなら、「bent」は単なる形容詞ではなく、社会の規範や価値観、そして人々の感情と深く結びついた、文化的な象徴だからです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で稀に出題。1級では可能性あり
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題など硬めのテーマ
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「曲がった」「決意した」など複数の意味を把握。名詞形(bent)も確認。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: 出題頻度は比較的低い
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書、契約書など
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「決意した」「~に傾倒している」などの意味で使われる場合がある。文脈から判断。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: 専門的な内容の文章で稀に出題
3. 文脈・例題の特徴: 学術論文、科学記事など
4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることが多い。専門用語との関連性も意識。
1. 出題形式: 長文読解、和訳問題
2. 頻度と級・パート: 難関大学で稀に出題
3. 文脈・例題の特徴: 社会科学、人文科学系の文章
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈に応じた適切な訳語を選択する必要がある。比喩表現に注意。