venerable
強勢は最初の音節 /ˈvɛ/ に置かれます。/ɛ/ は日本語の「エ」に近いですが、より口を横に開いて発音します。/rə/ の部分は、舌を丸めるアメリカ英語的な発音か、舌を丸めないイギリス英語的な発音かを選択できます。最後の /-bl̩/ は、母音を伴わない有声両唇破裂音で、直前の /l/ の音からスムーズに唇を閉じて発音します。日本語話者は母音を挿入しがちなので注意しましょう(「ヴェナラブル<b>ウ</b>」のように)。
由緒ある
長年にわたり尊敬を集めてきた、歴史や伝統のある対象(建物、組織、人物など)に対して使われる。単に古いだけでなく、その歴史を通じて価値や尊敬を維持してきたニュアンスを含む。
Tourists often visit the venerable old temple to feel its long history and peace.
観光客は、その由緒ある古いお寺の長い歴史と静けさを感じるために、よく訪れます。
※ 「venerable」は、長い歴史を持ち、そのために尊敬されるものによく使われます。この例文では、多くの人がその歴史と静けさを求めて訪れる「お寺」の情景を描いています。ただ古いだけでなく、人々が価値を見出し、尊敬する対象である様子が伝わりますね。
Graduates feel proud to have attended the venerable university with such a rich past.
卒業生たちは、そんな豊かな歴史を持つ由緒ある大学に通ったことを誇りに感じています。
※ 「venerable」は、特に歴史ある教育機関や組織によく使われます。この例文では、卒業生が自らの母校の「由緒ある」歴史を誇りに思う気持ちが描かれています。単に古いだけでなく、積み重ねられた功績や伝統に対する尊敬の念が込められています。
My grandmother carefully showed me a venerable kimono, passed down from her mother.
祖母は、母親から受け継いだ由緒ある着物を、私に注意深く見せてくれました。
※ 「venerable」は、大切に受け継がれてきた物や、その歴史に価値があるものにも使われます。この例文では、祖母が「由緒ある着物」を大切に扱い、それを孫に見せるという温かい情景が浮かびます。物に対する敬意や愛情が感じられる使い方です。
重鎮の
経験豊富で尊敬される人物、特に組織やコミュニティにおいて重要な役割を果たしてきた人を指す。その人の知識、経験、人格に対する敬意が込められている。
Everyone listened carefully to the venerable old professor.
皆がその重鎮の老教授の言葉に注意深く耳を傾けました。
※ 【情景】会議室や講義室で、長年の経験と深い知識を持つ老教授が話している場面です。彼の言葉には重みがあり、皆が敬意を持って耳を傾けている様子が目に浮かびます。 【ポイント】"venerable"は、単に「年老いた」という意味ではなく、「長い経験と功績によって深く尊敬されている」というニュアンスを含みます。特に、特定の分野の「重鎮」や「権威」に対してよく使われます。
The venerable university celebrated its 100th anniversary with pride.
その由緒ある大学は、誇りをもって100周年を祝いました。
※ 【情景】歴史あるキャンパスで、多くの卒業生や学生が集まり、創立100周年を盛大に祝っている様子です。その大学が長年にわたり多くの人材を輩出し、社会から尊敬されていることが伝わります。 【ポイント】"venerable"は、人だけでなく、長い歴史や伝統を持ち、社会的に高く評価され尊敬されている組織や場所(例:大学、教会、寺院など)にも使われます。その「歴史の重み」や「威厳」を表すのにぴったりです。
He felt honored to meet the venerable master of martial arts.
彼は、その武道の重鎮の師匠に会えて光栄に思いました。
※ 【情景】武道の道場で、若者がその道の第一人者である師匠と初めて対面し、その存在感に圧倒され、心から感動している場面です。師匠の長年の修行と経験がにじみ出ています。 【ポイント】ある特定の分野で、長年の経験と卓越した技術・知識を持ち、多くの人から尊敬を集める「大家」「名人」といった人物を指す際にも"venerable"が使われます。「重鎮」という訳語が最もフィットする場面の一つです。
コロケーション
由緒ある(尊敬すべき)組織・機関
※ 大学、教会、博物館など、長年の歴史を持ち、社会的に重要な役割を果たしてきた組織に対して使われます。「venerable」は、単に古いだけでなく、その歴史を通じて築き上げてきた尊敬や権威を含意します。例えば、「venerable university」は、学術的な伝統や貢献を称えるニュアンスを持ちます。ビジネスシーンでは、老舗企業に対して使われることもありますが、その場合は、単に古いだけでなく、業界への貢献や革新性も伴っている必要があります。形容詞+名詞の組み合わせの典型例です。
古くから続く(尊敬すべき)伝統
※ 長年にわたり受け継がれてきた習慣や儀式に対して使われます。単に「古い伝統」というだけでなく、その伝統が持つ文化的な価値や精神性を強調するニュアンスがあります。例えば、「venerable tea ceremony」は、単にお茶を飲む行為だけでなく、その背後にある精神性や作法への敬意を表します。形容詞+名詞の組み合わせであり、フォーマルな場面や文学的な文脈でよく用いられます。
尊敬すべき人物、重鎮
※ 長年の経験や功績を通じて尊敬を集めている人物に対して使われます。政治家、学者、宗教家など、社会的に影響力のある人物を指すことが多いです。「venerable professor」は、長年の教育活動や研究を通じて多くの学生を育て、学術界に貢献した教授を指します。形容詞+名詞の組み合わせであり、尊敬と敬意を込めた表現です。口語よりも、公式な場面や報道などで使われることが多いでしょう。
高齢、老齢
※ 人の年齢を表す際に、単に「高齢」というだけでなく、その年齢を重ねてきたことへの敬意を込めて使われます。例えば、「to reach a venerable age」は、長寿を祝うとともに、その人が生きてきた時代や経験への敬意を表します。形容詞+名詞の組み合わせですが、直接的に年齢を言うよりも、間接的に敬意を示す婉曲的な表現として用いられることがあります。
老木、御神木
※ 樹齢が長く、神聖視されている木に対して使われます。単に「古い木」というだけでなく、その木が持つ歴史や生命力、そして人々に与える精神的な影響力を強調するニュアンスがあります。神社やお寺にある御神木などが良い例です。形容詞+名詞の組み合わせであり、自然に対する敬意と畏怖の念を表す表現です。文学的な文脈や、自然保護に関する議論で用いられることがあります。
尊敬される地位で、由緒ある地位で
※ 組織や人物が、尊敬される地位を確立している状態を表します。単に地位が高いだけでなく、その地位が長年の歴史や実績によって裏打ちされていることを意味します。例えば、「to hold a position with venerable status」は、その地位が単なる役職ではなく、社会的な影響力や責任を伴うものであることを示唆します。前置詞+形容詞+名詞の組み合わせであり、フォーマルな場面や公式文書で用いられることが多いでしょう。
使用シーン
学術論文や歴史、文化に関する書籍でよく見られます。特に、尊敬される人物、組織、伝統などを指す際に用いられます。例:「その大学は、長年にわたり多くの著名な学者を輩出してきた、由緒ある教育機関である。」
ビジネスシーンでは、企業の歴史や伝統、あるいは業界の重鎮などを形容する際に使用されることがあります。ただし、日常的なビジネス会話ではあまり使われません。例:「彼は長年にわたり会社に貢献してきた、由緒ある重役だ。」
日常会話で「venerable」が使われることは稀ですが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、歴史的な建造物や尊敬される人物を紹介する際に使われることがあります。例:「その寺院は、数百年の歴史を持つ、由緒ある建造物だ。」
関連語
類義語
『尊敬されている』という意味で、人、組織、アイデアなど、広く尊敬の念を抱かれている対象に使われる。日常会話からフォーマルな場面まで使用可能。 【ニュアンスの違い】"venerable"よりも一般的で、尊敬の理由が必ずしも長い歴史や伝統に基づいている必要はない。より広範な尊敬の念を表す。 【混同しやすい点】"venerable"が持つ、年齢や歴史に由来する尊敬のニュアンスが"respected"には薄い。そのため、若い世代や新しい組織に対して"venerable"を使うのは不自然。
- revered
『崇拝されている』という意味で、尊敬の念が非常に強い場合に使われる。宗教的な対象や、偉大な業績を残した人物などに用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"venerable"よりも感情が強く、畏敬の念に近い。日常会話ではあまり使われず、フォーマルな場面や文学的な表現で用いられる。 【混同しやすい点】"revered"は、単なる尊敬を超えた、ほとんど宗教的な感情を伴う場合に使われる。そのため、尊敬の対象が適切かどうかを慎重に判断する必要がある。
- esteemed
『高く評価されている』という意味で、能力や業績などが高く評価されている人や組織に使われる。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"venerable"が持つ、歴史や伝統に由来する尊敬のニュアンスは薄く、能力や実績に対する評価が中心となる。やや硬い表現。 【混同しやすい点】"esteemed"は、個人的な感情よりも、客観的な評価に基づく尊敬を表す。そのため、親しい間柄の人に対して使うのは不自然。
- honored
『名誉を与えられた』という意味で、功績や貢献によって名誉を与えられた人や組織に使われる。授賞式典や記念行事など、公式な場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"venerable"が持つ、歴史や伝統に由来する尊敬のニュアンスは薄く、名誉を与えられたという事実が中心となる。受動的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】"honored"は、名誉を与えられたという状態を表す。そのため、尊敬の念を表す場合は、尊敬の理由を具体的に述べる必要がある。
『威厳のある』という意味で、非常に印象的で尊敬に値する人や場所に使われる。格式高い場所や、歴史的な人物などに用いられることが多い。文学的な表現。 【ニュアンスの違い】"venerable"と同様に、歴史や伝統に由来する尊敬のニュアンスを持つが、より威厳や荘厳さを強調する。日常会話ではほとんど使われない。 【混同しやすい点】"august"は、非常にフォーマルで文学的な表現であり、日常会話で使うと不自然に聞こえることがある。また、人に対して使う場合は、非常に高い地位にある人に限られる。
- time-honored
『古くから尊重されている』という意味で、伝統や習慣など、長い年月を経て尊重されてきたものに使われる。歴史的な背景を持つものに対して用いられる。 【ニュアンスの違い】"venerable"と非常に近い意味を持つが、"venerable"が人に対しても使えるのに対し、"time-honored"は主に伝統や習慣などの無生物に対して使われる。 【混同しやすい点】"time-honored"は、人に対して使うことができない。人に対して尊敬の念を表す場合は、"venerable"や"respected"などを使う必要がある。
派生語
『崇拝、尊敬』という意味の名詞。『venerable』が持つ尊敬に値する性質を、抽象的な概念として表す。宗教的な文脈や、歴史上の人物に対する敬意を示す際に用いられることが多い。学術的な論文や、やや硬い文章で使われる傾向がある。
『崇拝する、敬う』という意味の動詞。『venerable』が持つ尊敬に値する性質を、行為として表現する。こちらも宗教的な意味合いが強く、聖人や聖遺物を崇拝する際に用いられる。日常会話よりも、儀式や宗教に関する記述で見られる。
- venerated
『venerate』の過去分詞形で、形容詞的に『崇拝された、敬われた』という意味を持つ。歴史上の人物や文化財など、尊敬の対象となるものを修飾する際に用いられる。受動的な意味合いが強く、客観的な記述で使われる。
反意語
- despicable
『軽蔑に値する、卑劣な』という意味の形容詞。『venerable』が尊敬に値するのとは対照的に、強く非難されるべき対象を指す。道徳的な非難や、人物評価の文脈で用いられる。日常会話でも使われるが、やや強い表現である。
『軽蔑すべき、見下すべき』という意味の形容詞。『despicable』と同様に、軽蔑の対象となるものを指す。ただし、『despicable』よりも、より軽視するニュアンスが強い。行動や態度が軽蔑に値する場合に用いられる。
- disreputable
『不評な、評判の悪い』という意味の形容詞。『venerable』が名声や尊敬を集めるのとは対照的に、社会的な信用を失っている状態を表す。企業や個人の評判に関する文脈で用いられることが多い。ニュース記事やビジネス文書で見られる。
語源
"Venerable(由緒ある、重鎮の)"は、ラテン語の"venerabilis"に由来します。これは「尊敬に値する」という意味で、さらに遡ると"venerari"(崇拝する、敬う)という動詞から派生しています。"Venerari"は、愛と美の女神ヴィーナス(Venus)に関連があると考えられています。つまり、元々は神聖なもの、美しさ、愛情といった概念と結びついていた言葉が、時を経て「尊敬に値する」人物や事物に使われるようになったのです。身近な例で言えば、長年その道を極めた職人や、歴史的な建造物などが"venerable"と表現されることがあります。女神ヴィーナスへの敬意が、時を超えて尊敬の念へと変化した、という語の“物語”として捉えることができるでしょう。
暗記法
「venerable」は、尊敬を超えた、時間と経験が育む尊さの象徴。歴史を刻んだ古木や、知恵を伝える長老のように、揺るぎない権威と威厳をたたえます。宗教界では、聖人への道を歩む者に与えられる称号であり、深い敬意の念を表します。由緒ある建造物や組織に使われる場合は、長年の歴史と社会への貢献を意味し、その価値を際立たせるのです。単なる尊敬ではなく、畏敬の念を込めて。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の '-able' と '-erable' の区別が難しい。スペルも 'venerable' に 'ul' が挿入されただけなので、視覚的にも混同しやすい。『vulnerable』は『傷つきやすい』『脆弱な』という意味で、品詞は形容詞。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要がある。語源的には、'venerable' が尊敬に値するのに対し、'vulnerable' は傷つけられやすいという対照的な意味合いを持つ点に注意。
『venerable』とスペルが似ているため、タイプミスやスペルチェックの際に誤って入力される可能性がある。『veneral』は『性病の』という意味を持つ医学用語で、日常会話ではほとんど使われない。発音も若干異なる(アクセントの位置が違う)。文脈を考慮すれば誤解は少ないが、正確なスペルを心がけることが重要。語源的には、'venerable' がラテン語の 'venerari'(尊敬する)に由来するのに対し、'veneral' は女神ウェヌス(Venus)に由来する。
発音の最初の部分が似ており、特に早口で話される場合に聞き間違えやすい。スペルも前半部分が共通しているため、視覚的にも混同される可能性がある。『veritable』は『真実の』『本物の』という意味で、形容詞。意味が異なるだけでなく、文法的な用法も異なるため、注意が必要。例えば、『veritable』は名詞の前に置いて強調する際に使われる。語源的には、'veritable' がラテン語の 'veritas'(真実)に由来するのに対し、'venerable' は尊敬に値するという意味合いを持つ。
『venerable』と発音の後半部分が似ているため、特に語尾の発音が曖昧な場合に聞き間違えやすい。スペルも 'vener' の部分が共通しているため、視覚的にも混同される可能性がある。『vender』は『売り手』『販売業者』という意味で、名詞。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要がある。ただし、'venerable vender'のように、並べて使うことは稀なので、通常は意味で区別できる。語源的には、'vender' がラテン語の 'vendere'(売る)に由来する。
スペルがやや似ており、特に母音字の並びが混乱を招きやすい。また、どちらも肯定的な意味合いを持つ形容詞であるため、意味的にも誤って類推してしまう可能性がある。『valuable』は『貴重な』『価値のある』という意味で、金銭的な価値や重要性を表す。意味の範囲が異なるため、文脈で判断する必要がある。'venerable'は人や組織に対して使い、'valuable'は物やアイデアに対して使うことが多い。語源的には、'valuable' が 'value'(価値)に由来する。
語尾の '-able' が共通しているため、発音やスペルの類似性から混同されやすい。特に、形容詞としての機能が似ているため、文脈によっては誤解が生じる可能性がある。『renewable』は『再生可能な』『更新可能な』という意味で、資源や契約など、繰り返し利用できるものに対して使われる。意味の焦点が異なるため、文脈で判断する必要がある。'venerable'は歴史や伝統、人格に対して使い、'renewable'は資源やエネルギーに対して使うことが多い。
誤用例
While 'venerable' implies respect due to age, wisdom, or character, it can sound incongruous when paired with something explicitly 'youthful.' The contrast creates a slightly ironic or even sarcastic tone, which might not be intended. Japanese learners, focused on the dictionary definition of 'respected,' might miss this nuanced clash of connotations. In English, directness is sometimes preferred to avoid unintended irony, especially in formal announcements. A more neutral term like 'respected' avoids this pitfall. The Japanese tendency to use polite language might lead to overusing 'venerable' as a general term of respect, overlooking its specific connotations of age and tradition.
Using 'kawaii' (cute) to describe a 'venerable' building creates a jarring juxtaposition. 'Venerable' suggests something worthy of deep respect due to its age, history, or association with important figures. 'Kawaii' expresses a sense of superficial cuteness or charm. While unexpected pairings can sometimes be effective, this combination lacks a clear artistic or ironic purpose and simply sounds odd. A Japanese speaker might intend to convey a sense of endearment, perhaps reflecting a cultural tendency to find charm in old objects. However, in English, such a combination can be interpreted as trivializing the building's historical significance. A more appropriate adjective would be 'impressive' or 'magnificent,' which better aligns with the gravitas implied by 'venerable'.
While 'venerable' describes someone deserving respect, it's typically reserved for individuals who have attained a certain level of seniority or have made significant contributions over a long period. Applying it to a 25-year-old, even a brilliant one, is unusual and stretches the word's meaning. A Japanese speaker might focus on the scholar's admirable qualities and mistakenly believe 'venerable' is a general term for 'worthy of respect.' However, in English, age is an implicit factor in determining someone's venerability. 'Precocious,' meaning 'having developed certain abilities or proclivities at an earlier age than usual,' is a more suitable adjective to highlight the scholar's exceptional achievements at a young age. This reflects a difference in how cultures perceive and express respect, with English often emphasizing experience and longevity more explicitly.
文化的背景
「venerable」は、単に「尊敬に値する」という意味を超え、長年の経験や徳によって培われた、揺るぎない権威や威厳を帯びた存在に使われます。それはまるで、歴史を刻んだ古木や、何世代にもわたって知恵を伝えてきた長老のような、時間と経験が育んだ尊さの象徴なのです。
この言葉が持つ重みは、特に宗教的な文脈において顕著です。カトリック教会における「venerable」は、列福(福者認定)の前段階にある故人に対して与えられる称号であり、その人物が生涯を通じて卓越した徳を示し、信仰の模範となったことを意味します。この称号を得ることは、聖人への道を着実に歩んでいることを示唆し、信者からの崇敬を集める対象となります。同様に、仏教においても「尊者」という訳語が当てられるように、長老や高僧など、修行を積んで人々に敬われる存在に対して「venerable」という言葉が用いられます。これらの宗教的用法は、「venerable」が単なる尊敬ではなく、深い敬意と畏敬の念を伴う感情を表すことを示しています。
さらに、歴史的な建造物や組織に対しても「venerable」が用いられることがあります。例えば、「venerable institution(由緒ある機関)」という表現は、長年の歴史と伝統を持ち、社会的に重要な役割を果たしてきた組織に対して使われます。これは、単に古いだけでなく、その組織が社会に貢献し、信頼を得てきた証です。また、古くから存在する建造物、例えば寺院や教会などに対して「venerable」を用いることで、その建物が持つ歴史的・文化的価値を強調することができます。これらの用法は、「venerable」が時間というフィルターを通して磨き上げられた価値を認める言葉であることを示唆しています。
このように、「venerable」は、単に尊敬に値するだけでなく、時間と経験によって培われた権威、威厳、そして深い敬意を伴う感情を表す言葉です。それは、歴史を刻んだ古木のように、長年の歳月を経て培われた尊さを象徴しています。この言葉を理解することは、単に語彙を増やすだけでなく、歴史や文化に対する理解を深め、人間の価値観や感情の複雑さを認識することにも繋がるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出
- 文脈・例題の特徴: 歴史、文化、人物評伝などアカデミックな文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 尊敬に値する、由緒ある、などの意味を理解。類義語(respected, esteemed)とのニュアンスの違いに注意。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 稀に出題される程度
- 文脈・例題の特徴: 企業や団体の歴史、伝統を紹介する文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンではやや硬い表現。フォーマルな場面で使われることを意識。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、文化人類学など学術的な文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。類義語(revered, honored)との使い分けも意識。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 歴史、文化、哲学などアカデミックな文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で正確な意味を把握する必要がある。多義語である点に注意。