tonne
母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。日本語の『トン』のように強く発音すると通じにくいので、軽く短く発音することを意識しましょう。語尾の 'n' は、舌先を上の歯の裏につけて発音します。日本語の『ン』のように口を閉じて発音しないように注意してください。
専門的な内容に関するご注意
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トン
重量の単位。メートル法における1000キログラム。日常会話ではあまり使われず、主に貿易、輸送、工業などの分野で用いられる。日本語の「トン」と同様の感覚で使用できる。
The large cargo ship transported thousands of tonnes of goods across the sea.
その大きな貨物船は、何千トンもの物資を海を越えて輸送しました。
※ 巨大な貨物船がゆっくりと港を出て、たくさんの荷物を運んでいる様子を想像してみてください。貿易や輸送など、大量の物を扱う際に「tonne」は非常によく使われる典型的な単語です。「thousands of tonnes」のように、数と組み合わせて使われることが多いですよ。
A powerful crane lifted a concrete block weighing ten tonnes for the new bridge.
強力なクレーンが、新しい橋のために10トンもあるコンクリートブロックを持ち上げました。
※ 建設現場で、大きなクレーンが重々しい音を立てながら、巨大なコンクリートの塊をゆっくりと空中に持ち上げている情景が目に浮かびますね。建設現場や土木工事で、非常に重い資材の重さを表現するのに「tonne」はぴったりです。「weighing X tonnes」で「Xトンもの重さがある」と具体的に伝えられます。
This factory produces over a hundred tonnes of steel every day.
この工場は毎日、100トン以上の鉄を生産しています。
※ 工場の中で機械が動き、熱い鉄が溶けて流れる音や、積み上げられた鋼材の山を想像してみてください。工業生産の規模や、資源の採掘量などを表す際に「tonne」は頻繁に登場します。「over a hundred tonnes」のように「〜トン以上」と表現することで、その量の大きさを強調できます。
コロケーション
メートル・トン
※ 「tonne」は元々メートル法に基づく質量の単位なので、単に「tonne」と言うだけで1,000キログラムを指しますが、他のトン(例えばshort tonやlong ton)と区別するために、特にアメリカ英語などでは「metric tonne」と明示することがあります。科学技術文書や貿易関連の文書でよく見られます。
正味トン
※ 商品の総重量から、容器や包装などの重量(風袋)を差し引いた、内容物だけの重量をトンで表す場合に用います。貿易取引において、関税や輸送コストを計算する際に重要となる概念です。ビジネスシーンで頻繁に使われます。
総トン
※ 商品の総重量(容器や包装を含む)をトンで表す場合に用います。「net tonne」と対比して使われ、こちらも貿易取引でよく用いられます。例えば、船の積載量を表す際などに使われます。
載貨重量トン
※ 船舶が安全に積載できる貨物、燃料、乗組員、食料、清水などの総重量をトンで表します。船舶の大きさを表す指標として重要で、主に海運業界で使用されます。経済ニュースなどで海運関連の話題が出た際に目にする機会があるかもしれません。
大量の〜
※ 「a tonne of」は、文字通りには「1トンの〜」ですが、比喩的に「大量の〜」という意味で使われます。例えば、「a tonne of work(大量の仕事)」、「a tonne of money(大金)」のように使います。口語的な表現で、フォーマルな場面には不向きです。
炭素トン
※ 二酸化炭素排出量を炭素の質量に換算した単位。気候変動対策や排出量取引の文脈で頻繁に用いられます。地球温暖化問題に関心のある方なら知っておくべき表現です。学術論文やニュース記事などでよく見られます。
Xトンを超える
※ ある重量がXトンを超えていることを示すフォーマルな表現です。報告書や技術文書などで使用されます。例えば、「The shipment was in excess of 100 tonnes.(その積荷は100トンを超えていた。)」のように使います。
使用シーン
学術論文、特に物理学、化学、工学、環境科学などの分野で、物質の質量や資源の量を表す際に使用されます。例:『本研究では、年間100万トンの二酸化炭素排出量を削減する技術を開発した。』のように、具体的な数値データを示す文脈で用いられることが多いです。
貿易、物流、資源開発、製造業などのビジネスシーンで、商品の取引量や生産量を表す際に使用されます。例:『当社は年間5万トンの鉄鉱石を輸入している。』のように、契約書や報告書などのフォーマルな文書でよく見られます。
日常生活での会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、資源問題や環境問題に関する話題で登場することがあります。例:『今年の小麦の収穫量は例年より100万トン少ない見込みだ。』のように、大規模な量を伝える際に用いられます。
関連語
類義語
重量の単位。主にアメリカ英語で使用され、イギリス英語の『imperial ton (long ton)』とアメリカ英語の『short ton』が存在する。日常会話、ニュース、ビジネスなど幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『tonne』はメートル法に基づく単位で、正確には1000キログラム。一方、『ton』はヤード・ポンド法に基づく単位で、国や文脈によって重さが異なる。科学的な文脈や国際的な取引では『tonne』が好まれる。 【混同しやすい点】アメリカ英語では『ton』が一般的だが、国際的な文脈や科学技術分野では『tonne』を使う方が正確。単位換算(1 tonne ≈ 1.102 short tons ≈ 0.984 long tons)を意識する必要がある。
『重さ』を意味する一般的な名詞。人、物、物質など、あらゆるものの重さを指す。日常会話、科学、ビジネスなど、非常に広範な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『tonne』は特定の重量単位を指すのに対し、『weight』は重さという概念そのものを表す。具体的な重さを表現するのではなく、一般的な重さについて言及する場合に使われる。 【混同しやすい点】『weight』は可算名詞としても不可算名詞としても使える。具体的な重さの量を指す場合は不可算(例:What is the weight of this object?)。重さのある物を指す場合は可算(例:He is lifting weights.)。
『かさ』や『容積』を意味する名詞。大量の物や、大きさ、容積が大きいことを指す。輸送、建築、農業などの分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『tonne』は重量の単位であるのに対し、『bulk』は大きさや容積を表す。直接的な類義語ではないが、大量の物資を扱う文脈で関連することがある。例えば、「大量の石炭(a bulk of coal)」のように使われる。 【混同しやすい点】『bulk』は、必ずしも重さとは関係がない。たとえば、綿のように軽いものでも、大量にあれば『bulk』があると言える。重量ではなく、体積や量に注目する。
『積荷』や『荷重』を意味する名詞。トラック、船、飛行機などに積まれた荷物、または構造物にかかる重さを指す。輸送、建設、エンジニアリングなどの分野で使われる。 【ニュアンスの違い】『tonne』は重量の単位であり、『load』は積荷や荷重そのものを指す。積荷の総重量を『tonnes』で表すことができる。例えば、「トラックの積載量は10トン(The truck's load capacity is 10 tonnes.)」のように使われる。 【混同しやすい点】『load』は、動詞としても使われ、『積む』という意味になる(例:load the truck)。名詞としての『load』は、必ずしも重量を表す単位ではない点に注意。荷重の種類や、積む行為自体を示す。
『容量』や『能力』を意味する名詞。容器の容積、機械の生産能力、人の潜在能力など、様々なものを指す。ビジネス、科学、日常会話など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『tonne』は重量の単位であり、『capacity』は容量や能力を表す。輸送能力を語る際に、積載量を『tonnes』で示すことがある。例えば、「この船の積載能力は5000トン(The ship has a capacity of 5000 tonnes.)」のように使われる。 【混同しやすい点】『capacity』は、必ずしも重量に関連するとは限らない。例えば、バッテリーの容量や、会議室の収容人数なども『capacity』で表すことができる。文脈によって意味が大きく異なる点に注意。
『質量』を意味する物理学用語。物体の慣性の大きさを示す。科学、特に物理学の分野で厳密な意味で使用される。 【ニュアンスの違い】日常会話で『重さ』を意味する『weight』と混同されがちだが、『mass』は重力の影響を受けない物体の固有の性質。一方、『tonne』は重量の単位であり、地球上の重力下での測定値。『mass』はより普遍的な概念。 【混同しやすい点】月面では重力が地球の約1/6になるため、『weight』は小さくなるが、『mass』は変化しない。物理学的な厳密さを要する文脈では、『weight』ではなく『mass』を用いる必要がある。
派生語
- tonnage
『トン数』を意味する名詞。船の積載量や容積を表す際によく用いられ、海運・貿易関連の文脈で頻繁に登場します。『-age』は名詞化接尾辞で、総量や規模を示す意味合いを付加します。
- kilotonne
『キロトン』を意味する名詞。『kilo-』は1000倍を表す接頭辞で、通常、爆発物の威力を示す際に用いられます。学術論文やニュース報道などで、核兵器の威力や大規模な爆発事故の規模を表す際に使用されます。
- megatonne
『メガトン』を意味する名詞。『mega-』は100万倍を表す接頭辞で、キロトンよりもさらに大規模な爆発物の威力を示す際に用いられます。核兵器の威力や、地球規模の災害の規模を表す際に使用されます。学術論文やニュース報道などで用いられます。
反意語
『グラム』を意味する名詞。重さの単位として『tonne(トン)』とは対照的に、非常に小さい質量を表します。日常的な文脈では、食品の成分表示や料理のレシピなどで頻繁に使用されます。学術的な文脈でも、微量の物質の質量を正確に表す際に用いられます。
- milligram
『ミリグラム』を意味する名詞。『milli-』は1000分の1を表す接頭辞で、グラムよりもさらに小さい質量を表します。医薬品の成分量や、微量な化学物質の質量を表す際に用いられます。学術論文や医療現場でよく使用されます。
語源
"tonne(トン)"は、中世ラテン語の"tunna"(大きな樽)に由来します。この"tunna"は、さらに古い起源を持ち、ケルト語族に共通する言葉である可能性があります。元々は、ワインやビールなどを貯蔵するための大きな樽を指していました。中世において、商品の輸送や取引に樽が広く用いられたため、樽の容量が重さの単位としても使われるようになりました。つまり、「トン」は、もともと容積の単位が、その容積に入るものの平均的な重さを示す単位へと変化したものです。現代英語では、フランス語の影響を受け、"tonne"という綴りになりました。日本語の「トン」も、この英語の"tonne"をカタカナ表記したものです。
暗記法
「トン」は単なる重さの単位を超え、近代社会の隆盛を象徴する言葉として存在感を増した。産業革命以降、資源採掘量から軍艦の規模、CO2排出量まで、「トン」は国家の経済力、軍事力、そして地球規模の課題を語る上で不可欠な単位となった。その重みは、時に環境汚染や格差といった負の側面をも可視化する。私たちが生きる社会、そして地球の未来を深く考えるための、重い手がかりなのだ。
混同しやすい単語
「tonne」と発音が同じ(/tʌn/)ため、非常に混同しやすい。スペルも似ており、文脈で判断する必要がある。「ton」はヤード・ポンド法の質量の単位で、通常はショートトン(約907kg)またはロングトン(約1016kg)を指す。メートル法の「tonne」(1000kg)とは異なる単位系である点に注意。日本語ではどちらも「トン」と訳されることが多い。
古語または方言で、大きな樽、特にワインやビールを入れる樽を意味する。発音は「ton」や「tonne」とほぼ同じ(/tʌn/)だが、現代英語ではあまり使われない。歴史的な文脈や文学作品などで見かけることがある。スペルも似ているため、古い文献を読む際に注意が必要。
発音は「tonne」とは異なる(/taʊn/)が、日本語話者には母音の区別が難しい場合がある。スペルも一部似ているため、視覚的に混同しやすい。「town」は「町」を意味し、場所を表す名詞。文脈が全く異なるため、意味で区別することが重要。
発音記号は /dʌn/ で、tonneの /tʌn/ と母音は同じ。スペルも 'one' の部分が共通しているため、混同しやすい。'done' は 'do' の過去分詞形で、「終わった」「完了した」という意味を持つ。文法的な役割も大きく異なるため、文脈で判断する必要がある。
発音は /tɜːrn/ で、tonneの /tʌn/ とは異なるが、日本語話者には曖昧母音の区別が難しい場合がある。スペルも 'turn' と 'tonne' は視覚的に似ている。 'turn' は「回転する」「曲がる」といった意味の動詞であり、名詞としても使われる。意味も品詞も異なるため、文脈で区別することが重要。
発音が /ten/ で、tonneの /tʌn/ とは異なるものの、日本語話者には母音の区別が難しい場合がある。スペルも 'ten' と 'tonne' は文字数が少なく、似ているため混同しやすい。'ten' は「10」を意味する数字であり、文脈は大きく異なる。
誤用例
『tonne』は基本的に物理的な重量を表す単位であり、抽象的な概念である『happiness(幸福)』を計量するのには適しません。日本語では比喩的に『〜トンもの幸せ』のように言うことがありますが、英語ではより直接的に『a lot of happiness』や、製品や資源の文脈であれば『products』などの具体的な名詞を使う方が自然です。これは、英語が日本語に比べて抽象的な表現を避ける傾向があるためです。日本人がつい『〜トンもの』という表現を直訳してしまうことで起こりやすい誤用です。
付加疑問文の形成における誤りです。肯定文に対する付加疑問文は否定形を用いるのが原則です。『isn't it?』は、主語が『it』である場合にのみ使用されますが、ここでは『The bridge』という具体的な名詞が主語であるため、『can't it?』が正しい形です。日本人は、英語の付加疑問文のルールを曖昧に記憶している場合があり、特に『isn't it?』を汎用的に使ってしまう傾向があります。
『pity』は個人的な同情や哀れみを表す言葉であり、環境問題などの重大な問題に対しては不適切です。よりフォーマルで客観的な表現である『regrettable』や『unfortunate』を使う方が適切です。日本語の『残念』という言葉は、幅広い意味合いで使用されますが、英語では文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。環境問題のような深刻な事態には、より重みのある言葉を選ぶのが、大人の英語としてのマナーです。
文化的背景
「tonne(トン)」は、単なる重量の単位を超え、産業革命以降の大量生産・大量消費社会、そして国家の経済力や軍事力を象徴する言葉として、その存在感を増してきました。特に20世紀以降、資源の採掘量、穀物の収穫量、二酸化炭素の排出量など、地球規模の課題を語る上で欠かせない単位となり、その重みは文字通り、地球の未来を左右するほどになっています。
「トン」という単位が社会に深く根付いたのは、産業革命後のヨーロッパにおいて、石炭、鉄鋼などの資源が経済を支える基盤となった時代です。巨大な鉱山から採掘される石炭の量、製鉄所で生産される鋼鉄の量、造船所で建造される巨大な船の重量。これらの莫大な量を表すのに、「トン」は非常に便利な単位でした。国家間の競争が激化する中で、自国の「トン数」を誇示することは、経済力、ひいては軍事力を示すことと同義でした。第一次世界大戦、第二次世界大戦において、「トン数」は戦艦の規模や輸送能力を測る重要な指標となり、その重要性はさらに高まりました。
現代においては、「トン」は地球環境問題と深く結びついています。二酸化炭素排出量を「トン」で表すことで、地球温暖化の深刻さが可視化され、具体的な対策を促すための共通言語となっています。例えば、ある国の年間二酸化炭素排出量が数百万トンである、という情報は、その国の環境負荷の大きさを端的に示します。また、食糧問題においても、「トン」は重要な役割を果たします。穀物の収穫量を「トン」で表すことで、飢餓に苦しむ地域への食糧支援の必要性を訴えたり、食糧自給率の向上を目標とする際の具体的な指標となります。このように、「トン」は、単なる重量の単位を超え、地球規模の課題を解決するための共通認識を形成する上で不可欠な単位となっているのです。
しかし、「トン」という言葉が持つ重みは、必ずしもポジティブなものばかりではありません。大量生産・大量消費社会が生み出した環境汚染、資源の枯渇、そして格差の拡大といった負の側面も、「トン」という単位を通して可視化されます。例えば、年間数百万トンの廃棄物が埋め立てられる、という事実は、私たちの消費行動が環境に与える影響の大きさを改めて認識させてくれます。したがって、「トン」という言葉を理解することは、単に重量の単位を覚えるだけでなく、私たちが生きる社会、そして地球全体の未来について深く考えるきっかけとなるはずです。その重みをしっかりと受け止め、持続可能な社会の実現に向けて行動することが、私たちに課せられた責任と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 長文読解、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上。1級でやや頻出
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、国際貿易、経済の記事で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「ton」との違い(tonne = メートル法トン = 1000kg)を理解すること。文脈から意味を推測できるように練習する。
- 出題形式: 長文読解(Part 7)
- 頻度と級・パート: Part 7 で稀に出題される程度
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の記事、特に資源、輸送、国際取引に関する内容
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは専門的な語彙はあまり重視されないため、優先度は低い。しかし、他の語彙と合わせて文脈を理解する練習は必要。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで時々出題
- 文脈・例題の特徴: 科学、環境、経済に関する学術的な文章
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用例を理解すること。文脈から意味を推測する練習が重要。換算単位としての理解も必要。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、国際関係、経済に関する文章
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。同義語や関連語(kilogram, weightなど)と合わせて覚えておく。