shrewd
母音 /uː/ は日本語の「ウ」よりもずっと長く伸ばす音です。「シュ」の後に小さく「ル」を入れるように意識すると、より自然な発音になります。語尾の 'd' は、舌先を上の歯の裏側に当てて発音する有声音です。日本語の「ド」よりも軽く、息を止めるような感覚で終わらせると良いでしょう。
専門的な内容に関するご注意
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抜け目ない
状況を素早く理解し、自分の利益のために賢く行動する様子。ずる賢さよりも、賢明さや判断力の高さを強調するニュアンス。
The shrewd businessman always found the best way to make a profit.
その抜け目ないビジネスマンは、いつも利益を出す最善の方法を見つけました。
※ 「shrewd」は、ビジネスや交渉の場面で、状況をよく見て賢く行動し、自分の利益につながる選択をする人を表すときによく使われます。この例文では、彼が単にずるいのではなく、市場の動きを先読みし、洞察力を持って賢く利益を追求する様子が伝わります。
My grandmother, with her shrewd mind, always gave us practical advice.
抜け目のない判断力を持つ祖母は、いつも私たちに実践的なアドバイスをくれました。
※ 「shrewd mind」(抜け目のない知性・判断力)のように、人の知性や判断力について使うこともできます。この例文では、おばあちゃんが人生経験から来る賢さで、あなたの悩みをよく理解し、現実的で役に立つ、的確なアドバイスをする温かい情景が目に浮かびます。
She was shrewd enough to see through the tricky sales pitch.
彼女は抜け目なかったので、そのずる賢いセールストークを見破ることができました。
※ 「shrewd enough to do something」の形で、「〜するのに十分抜け目ない/賢い」という意味でよく使われます。「see through」は「見抜く、見破る」という意味です。この例文では、彼女が冷静に状況を判断し、巧妙な誘い文句に騙されなかった賢さが伝わります。
機敏な
頭の回転が速く、状況の変化に柔軟に対応できる様子。ビジネスや交渉の場面で、相手の出方を読み、有利な条件を引き出す能力を指す。
The CEO made a shrewd decision that saved the company a lot of money.
その最高経営責任者(CEO)は、会社に多額のお金を節約させる機敏な決断を下しました。
※ 「shrewd」は、ビジネスの場面で「賢明で抜け目のない判断」や「鋭い洞察力」を伴う行動を表すのにぴったりです。このCEOは、状況を素早く理解し、会社にとって最善の選択をしたことが伝わります。
My grandmother is a shrewd judge of character; she always knows who to trust.
私の祖母は人を見る目が鋭く、誰を信頼すべきかいつも分かっています。
※ 「shrewd judge of character」は、「人を見る目が鋭い」という定型的な表現です。人の性格や本質を素早く正確に見抜く能力を表します。おばあちゃんの知恵や経験が感じられる場面ですね。
The little boy made a shrewd guess and won the difficult quiz game.
その小さな男の子は鋭い推測をし、難しいクイズゲームに勝ちました。
※ 「shrewd」は、単に「賢い」だけでなく、「機転が利く」「勘が鋭い」といった意味合いも持ちます。この男の子は、ひらめきや洞察力で難しい問題をクリアした様子が目に浮かびます。
コロケーション
抜け目のない、やり手のビジネスマン/投資家
※ ビジネスや投資の世界で、利益を最大化するために状況を的確に判断し、賢く行動する人を指します。単に頭が良いだけでなく、リスクを理解し、機会を逃さない洞察力があるニュアンスを含みます。ビジネスシーンで頻繁に使われ、賞賛の意味合いと、時に警戒の意味合いを込めて用いられます。類語としては 'astute' がありますが、'shrewd' はより実践的で現実的な賢さを強調します。
鋭い観察眼、状況を的確に捉えた観察
※ 単なる観察ではなく、隠された事実や本質を見抜く洞察力に基づいた観察を指します。例えば、市場の動向や人々の心理を的確に捉え、将来のトレンドを予測するような場合に使われます。学術的な文脈や、市場分析などビジネスの場面でよく用いられます。'keen observation' も同様の意味ですが、'shrewd observation' はより深い分析と判断が含まれるニュアンスです。
賢明な行動/決断、状況を有利にするための巧妙な一手
※ 戦略的思考に基づき、長期的な利益や成功をもたらす可能性が高い行動や決断を指します。リスクを最小限に抑えつつ、利益を最大化するような状況で使われます。ビジネス、政治、ゲームなど、競争的な状況で用いられることが多いです。'smart move/decision' と似ていますが、'shrewd' はより計算高く、抜け目がないニュアンスを含みます。
交渉上手な人、相手の弱点を見抜く交渉者
※ 交渉の場で、相手の立場や要求を的確に理解し、自らに有利な条件を引き出す能力を持つ人を指します。相手の心理を読み、言葉巧みに交渉を進める手腕を意味します。ビジネス交渉や外交交渉など、利害が対立する場面で特に重要となる資質です。'skilled negotiator' との違いは、'shrewd' が単なる技術だけでなく、相手を出し抜くような狡猾さも含む点です。
状況を的確に判断すること、鋭い評価
※ 単に情報を集めるだけでなく、その情報の本質を見抜き、将来的な影響まで考慮に入れた評価を指します。リスク管理や戦略策定において重要な要素であり、経験と知識に基づいた判断力が求められます。企業の経営判断や政府の政策決定など、重要な意思決定の場面で用いられます。'accurate assessment' との違いは、'shrewd' がより深い洞察力と将来予測を含む点です。
抜け目なく計算する、綿密に計算する
※ 利益や損失を正確に計算するだけでなく、潜在的なリスクや機会を考慮に入れ、最も有利な結果を導き出すように計算することを意味します。単に数字を扱うだけでなく、戦略的な思考と計画に基づいた計算を指します。投資、ビジネス、ギャンブルなど、リスクとリターンのバランスが重要な場面で用いられます。'carefully calculate' との違いは、'shrewdly' がより自己利益を追求するニュアンスを含む点です。
抜け目なく観察する、注意深く観察する
※ 表面的な情報だけでなく、隠された意図や微妙な変化を見抜くために、注意深く観察することを意味します。人の行動、市場の動向、政治的な動きなど、様々な対象に対して用いられます。スパイ活動、市場調査、犯罪捜査など、情報収集が重要な場面で特に重要となる能力です。 'carefully observe' との違いは、'shrewdly' が観察者の意図や目的がより明確であるというニュアンスを含む点です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、分析結果や考察を述べる際に使われます。例えば、経済学の論文で「投資家はshrewdな判断を下した」と記述したり、政治学の研究で「shrewdな戦略を用いた」と分析したりする場面が考えられます。フォーマルな文体で、客観的な視点から評価する際に適しています。
ビジネスシーンでは、交渉や戦略立案に関する議論で用いられます。例えば、会議で「彼はshrewdな交渉術で契約を勝ち取った」と評価したり、上司が部下に対して「shrewdな計画を立てるように」と指示したりする場面が想定されます。相手の能力や行動を評価する際に使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、政治家や経営者の手腕を評する際に用いられることがあります。例えば、「彼はshrewdな政治家だ」と評されたり、歴史上の人物の戦略を「shrewdだった」と解説したりする場面が考えられます。やや硬い印象を与えるため、親しい間柄での会話には不向きです。
関連語
類義語
鋭敏で、物事を正確に理解する能力が高いことを意味します。特に、状況を素早く把握し、賢明な判断を下す能力を指します。ビジネスや政治など、戦略的な思考が求められる場面でよく用いられます。フォーマルな響きがあります。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"は、しばしば自己中心的で、ずる賢い印象を与えることがありますが、"astute"はより客観的で知的な洞察力を意味します。"Astute"は、倫理的な判断を伴う賢明さを示唆することが多く、より肯定的な意味合いで使われます。 【混同しやすい点】どちらも知的な鋭さを表しますが、"shrewd"は個人的な利益を追求するニュアンスを含むのに対し、"astute"はより公平で客観的な判断力を指すという点が混同しやすいです。また、"astute"の方がフォーマルな文脈で使われる頻度が高いです。
ずる賢く、人を欺くような賢さを意味します。目的を達成するために、巧妙な策略や嘘を用いることを示唆します。ネガティブな意味合いが強く、信頼できない人物を表現する際に使われます。物語や寓話で悪役の性格描写に用いられることもあります。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"は、必ずしも不正な手段を用いるとは限りませんが、"cunning"は、しばしば欺瞞的な行為を伴います。"Cunning"は、道徳的な非難を含むことが多く、より強い否定的な感情を伴います。 【混同しやすい点】どちらも知恵を使って目的を達成することを意味しますが、"cunning"は、不正な手段や欺瞞的な行為を伴う点が大きく異なります。"Shrewd"は中立的な意味合いで使用できる場合もありますが、"cunning"は通常、否定的な意味合いで使用されます。
- wily
ずる賢く、人を欺くことに長けていることを意味します。特に、巧妙な策略や策略を用いて、目的を達成する能力を指します。"Cunning"と似ていますが、より軽いニュアンスで使用されることがあります。物語や寓話で、トリックスターのようなキャラクターを表現する際に用いられることがあります。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"が状況を理解し、有利な立場を得る能力を指すのに対し、"wily"は人を欺くことに特化した能力を指します。"Wily"は、しばしばユーモラスな文脈で使用され、ずる賢さを可愛らしく表現することがあります。 【混同しやすい点】"Shrewd"は必ずしも欺瞞的ではありませんが、"wily"は常に欺瞞的な行為を伴います。また、"wily"は、より軽いニュアンスで使用されることがあり、ユーモラスな文脈で使用されることもあります。コロケーションとしては、"wily fox" (ずる賢い狐) のように動物を形容することがあります。
慎重で、将来のことをよく考えて行動することを意味します。リスクを避け、賢明な判断を下す能力を指します。特に、財産や資源の管理に関して用いられることが多いです。ビジネスや金融の分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"は、状況を素早く把握し、有利な立場を得る能力を指すのに対し、"prudent"は、長期的な視点からリスクを評価し、慎重に行動する能力を指します。"Prudent"は、道徳的な意味合いを含むことが多く、責任感のある行動を意味します。 【混同しやすい点】"Shrewd"は、必ずしも長期的な視点を持っているとは限りませんが、"prudent"は常に長期的な視点を持って行動します。また、"prudent"は、リスクを避けることを重視するため、大胆な行動を避ける傾向があります。
- sagacious
賢明で、深い洞察力を持っていることを意味します。経験や知識に基づいて、賢明な判断を下す能力を指します。特に、人生経験が豊富で、知恵のある人物を表現する際に用いられます。文学や哲学の分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"は、状況を素早く把握し、有利な立場を得る能力を指すのに対し、"sagacious"は、深い洞察力に基づいて、賢明な判断を下す能力を指します。"Sagacious"は、しばしば高齢者や賢者など、尊敬される人物を表現する際に用いられます。 【混同しやすい点】"Shrewd"は、必ずしも深い知識や経験を持っているとは限りませんが、"sagacious"は、深い知識や経験に基づいて判断を下します。また、"sagacious"は、よりフォーマルで、文学的な響きがあります。
頭の回転が速く、理解力や判断力が優れていることを意味します。また、感覚が鋭敏であることを指す場合もあります。日常会話からビジネスまで、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Shrewd"は、しばしばずる賢い印象を与えることがありますが、"sharp"は、より中立的で、肯定的な意味合いで使用されることが多いです。"Sharp"は、知的な能力だけでなく、感覚的な鋭さも意味することがあります。 【混同しやすい点】"Shrewd"は、しばしば自己中心的な行動を伴うことがありますが、"sharp"は、必ずしもそうではありません。また、"sharp"は、知的な能力だけでなく、感覚的な鋭さも意味するため、"shrewd"よりも広い意味で使用されます。
派生語
- shrewdness
名詞。ずる賢さ、抜け目のなさ、洞察力。形容詞shrewdの性質・状態を表す抽象名詞。ビジネスや政治の文脈で、人の性格や戦略を評価する際に用いられることが多い。単にずる賢いだけでなく、状況を的確に判断し、有利に進める能力を指すニュアンスを含む。
- shrew
名詞。元々は『悪意のある女性』を指す言葉で、口やかましい女性、小言が多い女性、気性の激しい女性といった意味合いを持つ。shrewdの語源である中英語の『shrew』に由来し、元々は『悪者』や『いたずら好き』といった意味だった。性格が悪賢い女性というイメージから、shrewdに『抜け目ない』という意味が付与されたと考えられる。現代では、動物のトガリネズミの意味でも使われる。
反意語
形容詞。世間知らずな、単純な、だまされやすい。shrewdが持つずる賢さ、抜け目のなさとは対照的に、経験が浅く、物事を深く考えない様子を表す。日常会話だけでなく、ビジネスや政治の文脈でも、人の性格や判断力を評価する際に用いられる。例えば、政治家がnaïveだと批判される場合、政策の実現可能性やリスクを十分に考慮していないことを意味する。
形容詞。無邪気な、率直な、飾り気のない。naïveと似た意味を持つが、より肯定的なニュアンスを含むことが多い。shrewdが持つ策略や計算高さとは対照的に、心の純粋さや正直さを表す。ビジネスの場面では、駆け引きが苦手で、正直すぎる人を指す場合がある。また、文学作品では、主人公の純粋さを際立たせるために用いられることもある。
語源
"Shrewd"は、中英語の"shrewed"(邪悪な、悪意のある)に由来し、さらに古英語の"scrēad"(切り刻まれた、断片化された)に遡ります。この古英語の単語は、ゲルマン祖語の*skraud-(切る、削る)に根を持ちます。当初、「shrewd」はネガティブな意味合いを持ち、悪賢さや狡猾さを指していましたが、時が経つにつれて、その意味合いは変化し、現代では「抜け目ない」「機敏な」といった、より肯定的な意味を持つようになりました。これは、鋭い知性で物事を判断し、機会を捉える能力を意味するようになったためです。たとえば、ビジネスの世界で「shrewd investor(抜け目のない投資家)」という表現は、リスクを理解し、利益を最大化できる投資家を指します。つまり、元々は「切り刻む」という物理的な行為から派生し、それが比喩的に「鋭い知性で分析する」という意味へと発展したのです。
暗記法
「shrewd」は単なる賢さではない。トガリネズミのように、一見無害でも機敏に獲物を狙う狡猾さ、社会の荒波を生き抜く知恵を意味する。中世の文学では、したたかな女性を「shrew」と呼んだ。現代では、ビジネスや政治で成功を収めるために必要な資質とされる一方、倫理的な問題も孕む。映画に登場する「shrewd」な悪役が示すように、ずる賢さは必ずしも道徳的ではないのだ。
混同しやすい単語
『shrewd』とスペルが似ており、特に語頭と語尾が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『細かく切る』『ずたずたにする』という動詞、または『細かく切られたもの』という名詞であり、『shrewd』(抜け目のない、賢い)とは全く異なる。発音も異なり、『shred』は短い母音/e/で発音される。日本人学習者は、スペルだけでなく発音も意識して区別する必要がある。
『shrewd』と語頭の音が共通しており、母音部分も曖昧なため、発音を聞き間違えやすい。意味は『悲鳴を上げる』という動詞、または『悲鳴』という名詞であり、意味も大きく異なる。また、スペルも似ているため、注意が必要。特にリスニングの際に、文脈から判断することが重要となる。
『shrewd』と発音が似ており、特に語尾の「-ewd」の部分が共通しているため、混同しやすい。意味は『まき散らした』という動詞『strew』の過去形・過去分詞であり、『shrewd』とは品詞も意味も異なる。スペルも似ているため、注意が必要。特にリーディングの際に、文脈から判断することが重要となる。
『shrewd』と語尾の音が共通しており、母音部分も曖昧なため、発音を聞き間違えやすい。スペルも似ているため、注意が必要。意味は『粗野な』『未精製の』という意味の形容詞であり、『shrewd』とは意味が異なる。発音記号を確認し、意識的に区別することが重要。
『shrewd』とはスペルは全く異なるが、カタカナで表記すると『シュール』と『シューワー』のように聞こえ、発音が似ていると感じる人がいるかもしれない。意味は『下水道』であり、『shrewd』とは全く異なる。文脈から判断することが重要である。
『shrewd』とはスペルも意味も全く異なるが、音の響きから混同しやすい可能性がある。とくに、ネイティブスピーカーが早口で発音した際に、母音や子音の区別が曖昧になりやすい。意味は『得点した』という動詞の過去形であり、『shrewd』とは品詞も意味も異なる。発音記号を確認し、意識的に区別することが重要。
誤用例
日本語の『賢い』という言葉には、状況に応じて『ずる賢い』と『思慮深い』という二つの意味合いが含まれます。そのため、日本語で『彼は賢いから、たとえ自分が正しくてもまず謝る』と言うと、処世術に長けているという意味に解釈できます。しかし、英語の『shrewd』は、抜け目なく、自己の利益を優先するニュアンスが強く、道徳的な意味合いは薄いです。謝罪という行為は、協調性や相手への配慮を示すものであり、『shrewd』な人物像とはやや矛盾します。より適切な表現としては、相手に花を持たせる、一歩引くといった意味合いを含む表現を使うと良いでしょう。
『shrewd』は、綿密な分析や情報収集に基づいた賢明な判断を表す言葉です。一方、『hunch』は根拠のない直感や予感を意味します。したがって、直感に基づいて暗号資産に投資したという状況を『shrewd investment』と表現すると、意味の矛盾が生じます。リスクの高い投資は、しばしば大胆さや冒険心と結び付けられますが、『shrewd』とは対照的な概念です。日本人が『賢い』という言葉を安易に使う背景には、状況を深く分析せずに表面的な結果だけで判断する傾向があるかもしれません。英語では、状況に応じて適切な形容詞を選ぶことが重要です。
『shrewdness』は、しばしばずる賢さや打算的な側面を伴う賢さを指します。計画が広く認められるような状況では、単に賢いだけでなく、その計画が持つ独創性や優れた点が評価されていると考えられます。したがって、『brilliance』や『ingenuity』といった、より肯定的な意味合いを持つ言葉を使う方が適切です。日本人が『賢さ』を評価する際には、その手段や過程よりも結果を重視する傾向があるため、手段を選ばない『shrewdness』も肯定的に捉えがちです。しかし、英語では、手段の道徳性や倫理観も重要な評価基準となります。
文化的背景
「shrewd」は、単に賢いだけでなく、しばしば抜け目なく、状況を有利に操るような狡猾さを含意する言葉です。この語は、特に社会的な駆け引きや商取引において、相手を出し抜くような賢さを指す場合に用いられ、時として賞賛と警戒の両方の感情を呼び起こします。
「shrewd」の文化的背景を考える上で興味深いのは、その語源が「shrew」(トガリネズミ)という動物に由来するとされる点です。トガリネズミは小さく、一見すると無害ですが、非常に活動的で、獲物を捕らえる際には素早い動きと鋭い感覚を駆使します。この動物のイメージが、「shrewd」という言葉に、表面的には穏やかでも、内には鋭い知性と計算高さを持つ人物像を重ね合わせる一因となったと考えられます。中世の文学作品などでは、口やかましい女性を「shrew」と呼ぶことがありましたが、これは、女性が社会的な制約の中で生き抜くために、知恵を絞り、したたかに振る舞う必要があったことの反映かもしれません。「shrewd」には、このようなしたたかさや賢さが、性別や社会的立場に関わらず、生き残るための知恵として評価される側面があるのです。
現代社会においても、「shrewd」は、ビジネスの世界や政治の世界で、成功を収めるために必要な資質としてしばしば認識されます。交渉術に長け、リスクを冷静に判断し、チャンスを逃さない人物は、「shrewd businessman」や「shrewd politician」と評されることがあります。しかし、その一方で、「shrewd」な人物は、しばしば他人を出し抜いたり、利用したりするイメージを伴うため、倫理的な問題との関連で議論されることも少なくありません。例えば、映画や小説などでは、「shrewd」な悪役が登場し、主人公を苦しめる存在として描かれることがあります。これは、「shrewd」さが、必ずしも道徳的な正しさと結びつかないことを示唆しています。
このように、「shrewd」は、単なる知性だけでなく、狡猾さ、状況判断能力、そして倫理的な曖昧さを含む複雑な概念です。この言葉を理解することは、英語圏の文化における成功、競争、そして倫理観といった価値観を理解する上で、重要な手がかりとなるでしょう。また、「shrewd」という言葉が持つ多面的な意味合いを理解することで、より深く、 nuancedなコミュニケーションが可能になるはずです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題(短文の空所補充)。長文読解でも稀に出題。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、ビジネス、歴史など幅広いテーマで登場。やや硬めの文章で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「抜け目のない」「賢い」という意味に加え、「ずる賢い」というニュアンスも含む点に注意。文脈によって適切な訳語を選ぶ必要がある。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題)、Part 7 (長文読解)で出題。
2. 頻度と級・パート: Part 5ではやや難易度の高い語彙として、Part 7では文章理解を問う形で出題。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(交渉、契約、人事評価など)で使われることが多い。肯定的な意味合いで使われる場合と、やや否定的な意味合いで使われる場合がある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 同義語・類義語(astute, canny, sharp)との使い分けを意識する。文脈から肯定的な意味か否定的な意味かを判断できるようにする。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で使われる。
2. 頻度と級・パート: TOEFL iBTのリーディングセクション。
3. 文脈・例題の特徴: 経済、政治、社会学などの分野で、政策や戦略を説明する際に使われることが多い。論文や学術記事に頻出。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多いので、文脈全体を理解することが重要。同義語(prudent, sagacious)とのニュアンスの違いを理解しておくと役立つ。
1. 出題形式: 主に長文読解問題で出題。文脈から意味を推測する問題や、同意語を選ぶ問題として出題される可能性あり。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で頻出。標準的な語彙集には掲載されていない場合もあるため、語彙力強化が必要。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、国際関係など、論説的な文章で使われることが多い。評論文や新聞記事からの抜粋など。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習を重ねる。類義語(intelligent, clever)とのニュアンスの違いを理解し、文脈に合った意味で解釈できるようにする。