provided that ...
最初の 'prə' は曖昧母音で、弱く「パ」と「プラ」の中間のような音です。'provided' の 'vi' は日本語の「バ」行に近いですが、唇を軽く噛むように発音します。'that' の 'ð' は、舌先を上下の歯で軽く挟んで発音する有声歯摩擦音で、日本語にはない音です。'ズィャット'のように発音すると近くなります。'provided' にアクセント(ˈ)があります。
〜という条件で
何かを許可したり、合意したりする際に、特定の条件や前提が満たされる場合にのみ有効であることを示すフォーマルな表現。契約書や法律文書でよく用いられる。より口語的な 'if' や 'as long as' と置き換えられる場合もあるが、より厳格で公式な印象を与える。
You can borrow my book, provided that you promise to return it next week.
私の本を借りていいよ、来週返すって約束してくれるならね。
※ 友人が「この本読みたい!」と目を輝かせているけれど、あなたは少し心配。そんな時、「〜という条件でならいいよ」と、相手に約束を求める気持ちを表すのにぴったりです。貸す側が安心するための大切な条件を伝えています。
You can watch TV, provided that you finish your homework first.
テレビを見ていいよ、まず宿題を終わらせるという条件でね。
※ これは、親が子供に「ご褒美はあげるけれど、先にやるべきことを済ませてね」と条件を出す、家庭でよくある場面です。何かを許可する際に、満たしてほしい優先条件があることを明確に伝える表現です。
The project will be approved, provided that it stays within the budget.
そのプロジェクトは承認されます、予算内に収まるという条件で。
※ 会議室で、上司がプロジェクトの承認について話している場面を想像してください。このプロジェクトは進めても良いけれど、「予算を守る」という非常に重要な条件があることを示しています。ビジネスや公式な合意で、ある決定が成立するための必須条件を述べる際によく使われます。
コロケーション
すべての条件が満たされることを条件として
※ これは契約書や法律文書で非常によく見られる定型句です。単に 'if' (もし) と言うよりも、より公式で厳格なニュアンスを伝えます。'all conditions' (すべての条件) が明確に定義されていることが前提で、曖昧さを排除する意図があります。ビジネスシーンや法律関連文書で頻繁に使われます。口語ではほとんど使われません。
適切な予告がなされることを条件として
※ 'due notice' (適切な予告) は、単なる通知だけでなく、時間的余裕や情報提供の程度が十分であることを含意します。契約解除、会議の変更、または何らかの行動の前に、相手に十分な準備期間を与える必要がある場合に使われます。ビジネスシーンや法的な文脈でよく用いられ、礼儀正しさと法的責任を両立させる表現です。たとえば、賃貸契約書で 'provided that due notice is given' とあれば、退去の際に十分な期間前に通知する必要があることを意味します。
異議が申し立てられないことを条件として
※ この表現は、ある行動や決定が、関係者からの反対がないことを前提に進められることを示します。会議、プロジェクト、または提案が、特定の日時までに反対意見が出なければ承認されるという状況で使われます。'no objection' (異議なし) という状態が重要であり、黙認による合意形成を意図する際に用いられます。フォーマルな場面や、合意形成のプロセスを明確にする必要がある状況でよく使われます。
資源が許す限り
※ このフレーズは、行動や計画の実行が、利用可能な資源(資金、人員、時間など)によって制約されることを示します。プロジェクトの規模や範囲を決定する際に、現実的な制約を考慮する必要がある場合に使われます。'resources permit' (資源が許す) という条件は、柔軟性を持たせつつ、無謀な計画を避けるための予防措置です。ビジネス、プロジェクト管理、または政府機関などで、予算や人員の制約を考慮する際に使われます。
セキュリティが維持されることを条件として
※ この表現は、ある活動やプロセスが、セキュリティ上のリスクを適切に管理できる場合にのみ許可されることを意味します。機密情報へのアクセス、施設の利用、またはイベントの開催など、セキュリティが重要な要素となる状況で使われます。 'security is maintained' (セキュリティが維持される) という条件は、リスクを最小限に抑え、安全性を確保するための重要な要件です。IT、金融、または政府機関などで、データ保護や物理的な安全を確保する必要がある場合によく使われます。
文脈が変わらない限り
※ これは、ある主張や解釈が、特定の状況や前提条件の下でのみ有効であることを示すために使われます。議論や分析において、前提条件が変わると結論が変わる可能性があることを明示する際に重要です。 'context remains the same' (文脈が変わらない) という条件は、議論の範囲を限定し、誤解を防ぐ役割を果たします。学術的な論文、法的な議論、または複雑な問題の分析などで、前提条件を明確にする必要がある場合に使われます。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。特に、数学、物理学、経済学などの分野で、定理や法則の前提条件を示す際に用いられます。例えば、「定理Xは、条件Yが満たされる場合に限り成立する。provided that Y is satisfied, theorem X holds.」のように使われます。研究発表や論文では、議論の範囲を明確にするために不可欠な表現です。
契約書、業務報告書、社内規定などのフォーマルな文書で使われます。契約条件や義務の範囲を明確にする際に用いられ、「A社は、B社が期日までに製品を納品することを条件として、代金を支払う。Company A shall pay the price, provided that Company B delivers the product by the due date.」のように使われます。口頭でのビジネスコミュニケーションでは、より簡単な表現に置き換えられることが多いです。
日常会話ではほとんど使用されません。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、法律や規則に関する説明の中で稀に見かけることがあります。例えば、「その法律は、国民の過半数が賛成した場合に限り施行される。The law shall be enforced, provided that a majority of citizens agree.」のように使われます。一般的には、より平易な表現(if, as long as)が好まれます。
関連語
類義語
- on condition that ...
『~という条件で』という意味で、契約書や法律文書など、フォーマルな場面で使われる。条件が満たされない場合に結果が変わることを強調する。 【ニュアンスの違い】『provided that』よりもさらにフォーマルで、法的拘束力を持つ文書や、非常に重要な条件を提示する際に用いられる。日常会話ではほとんど使われない。 【混同しやすい点】『provided that』と同様に、条件節を導く接続詞句だが、日常会話での使用頻度は極めて低い。法律や契約関連の文脈以外では不自然に聞こえる可能性がある。
『~である限り』という意味で、条件が継続している間は結果が維持されることを示す。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『provided that』よりも条件の持続性、継続性を強調する。時間的な制約や、特定の状態が続くことを前提とする場合に適している。 【混同しやすい点】時間的な制約や、特定の状態が続くことを前提とする場合に適している。『provided that』が単発的な条件を示すのに対し、『as long as』は継続的な条件を示すという違いを意識する必要がある。
- if ...
『もし~ならば』という意味で、最も一般的な条件を表す表現。日常会話から学術的な文章まで、あらゆる場面で使用可能。 【ニュアンスの違い】『provided that』よりも一般的で、フォーマル度も低い。条件の重要度や、結果への影響の度合いは、『provided that』ほど強くはない。 【混同しやすい点】『if』は非常に汎用的なため、フォーマルな場面では条件を明確にするために『provided that』などを使う方が適切。また、『if』は仮定の意味合いも含むため、必ずしも実現可能な条件とは限らない。
- assuming that ...
『~と仮定すると』という意味で、ある事柄が真実であると仮定して議論を進める際に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『provided that』とは異なり、条件というよりは仮定に基づいている点が異なる。不確実な状況や、まだ証明されていない事柄を前提として議論する場合に用いられる。 【混同しやすい点】『provided that』が実際に起こりうる条件を示すのに対し、『assuming that』は仮定に基づいている。そのため、根拠のない仮定や、実現可能性の低い事柄を前提とする場合には、『assuming that』が適している。
- in the event that ...
『~の場合には』という意味で、何かが起こった場合にどうするか、という事態を想定して使われる。保険や防災関連など、緊急時や不測の事態を想定した場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『provided that』よりも、より具体的な事態を想定している点が異なる。また、通常は好ましくない事態を想定していることが多い。 【混同しやすい点】『provided that』が一般的な条件を示すのに対し、『in the event that』は特定の事態を想定している。そのため、緊急時や不測の事態を想定した場面以外では不自然に聞こえる可能性がある。
- given that ...
『~を考慮すると』という意味で、すでに確立された事実や状況を前提として議論を展開する際に用いられる。学術論文や報告書などでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『provided that』が条件を示すのに対し、『given that』は既知の事実を前提とする点が異なる。そのため、新しい条件を提示するのではなく、既存の情報を基に結論を導き出す場合に用いられる。 【混同しやすい点】『provided that』が未来の条件を示すのに対し、『given that』は過去または現在の事実を示す。そのため、時間軸の違いを意識する必要がある。
派生語
『備え』や『供給』を意味する名詞。元々は『pro-(前もって)』+『videre(見る)』で『先を見越して備えること』が語源。条項や規定といった意味合いで法律や契約書で頻繁に使用される。
『用意周到な』や『倹約的な』という意味の形容詞。『provision』と同様に『先を見越して備える』という概念から派生。個人の資質を表す語として、ややフォーマルな場面で使用される。
『与える』や『供給する』を意味する動詞。『pro-(前もって)』+『videre(見る)』で『前もって用意する』という根本的な意味を持つ。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われる。
反意語
『もし〜でなければ』という意味で、『provided that ... not』を短縮した形と捉えられる。条件の否定を表し、『provided that ...』が条件を明示するのに対し、除外条件を示す。
『〜に関わらず』という意味で、『provided that ...』が特定の条件の下で成り立つことを示すのに対し、条件の有無にかかわらず成立することを意味する。ビジネスや法律の文脈でよく用いられる。
語源
"provided that ..."は、条件節を導く表現で、その構成要素から意味を理解できます。まず、"provide"はラテン語の"providere"(前もって見る、用意する)に由来し、"pro-"(前に)+ "videre"(見る)から成り立っています。つまり、事前に状況を見越して準備するという意味合いがあります。次に、"that"は接続詞として、続く節の内容が条件であることを示します。したがって、"provided that ..."全体としては、「…ということが前もって用意されている」→「…という条件が満たされていれば」という意味になります。例えば、旅行に行く際に「天気が良ければ(provided that the weather is good)」という条件を事前に想定しておく、というイメージです。
暗記法
「provided that ...」は、古文書に息づく、条件付き合意の証。中世の荘園では農民の権利を、大航海時代には探検家の野望を刻んだ。現代では契約書の要として、約束と責任の境界線を定める。単なる言葉を超え、社会の秩序を支える文化的遺産。それは、合意の重み、責任の所在、信頼の証を静かに物語る。
混同しやすい単語
『provided』自体も過去分詞・形容詞として使われるため、接続詞の『provided that』と混同しやすい。意味は『提供された』『用意された』であり、接続詞用法とは意味が異なる。接続詞として使う場合は、thatを省略しない方が誤解を避けやすい。
『provided that』の動詞の原形。意味は『提供する』であり、文脈によっては『provided that』の省略形と誤解される可能性がある。例えば、『We provide that service』は文法的に誤り。動詞と接続詞の違いを意識する必要がある。
語頭の『pro-』が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。『profound』は『深い』『重大な』という意味の形容詞であり、品詞も意味も大きく異なる。ラテン語の『profundus(深い)』が語源。
『prove(証明する)』の過去分詞形であり、発音が似ているため混同しやすい。『provided』は『提供された』という意味合いもあるが、『proven』は『証明された』という意味で異なる。また、スペルも似ているため注意が必要。
語頭の『pre-』が共通しており、音の響きも似ているため混同しやすい。『previewed』は『プレビューされた』という意味で、映画などの予告編を指すことが多い。意味も文脈も異なるため、注意が必要。
語尾の響きが似ているため、特に聞き取りにおいて混同しやすい。『improvised』は『即興でやった』という意味であり、provided that とは意味が全く異なる。音楽や演劇の文脈でよく使われる。
誤用例
日本人は未来のことなのでつい "will" を入れたくなりますが、"provided that" は条件節を導く接続詞であり、条件節の中では未来のことであっても現在形を使うのが一般的です。これは、条件節が「もし〜ならば」という仮定の世界を表し、その仮定が成立するかどうかは現時点では確定していないため、現在形で表すという英語のルールに基づいています。日本語の「〜ならば」という表現は未来の事柄にも使えるため、つい "will" を入れてしまうという誤りが起こりやすいです。英語では、時間や条件を表す副詞節の中では未来形を使わない、という原則を覚えておきましょう。
"provided that" は条件を表すため、文全体が過去の出来事を述べている場合は、条件節も過去形にする必要があります。日本人は「もし天気が良ければ、ピクニックを楽しんだ」という文を直訳しようとし、つい "is" を使ってしまいがちですが、すでに過去の出来事であるピクニックについて述べているため、条件も過去の状況である必要があります。英語では、時制の一致を意識することが重要です。
「provided that」はややフォーマルな表現であり、ビジネスや法律関連の文脈でよく使われます。日常会話ではより口語的な表現(例:"as long as", "on condition that")が好まれる場合があります。ここでは、"provided that"自体は文法的に正しくても、続く "However, it is not a guarantee." というくだけた表現との組み合わせが、全体として少し不自然に感じられます。よりフォーマルな文脈では、"this"を使って前文全体を受ける方が適切です。日本人は、フォーマルな表現を学んだ際に、それをどのような場面でも使おうとする傾向がありますが、英語では文体の一貫性を意識することが大切です。
文化的背景
「provided that ...」は、契約や法律の世界において、まるで用心深い門番のように条件を提示し、合意の範囲を明確にする言葉です。このフレーズは、単なる条件提示を超え、約束事や取引における信頼と責任の境界線を定める、文化的な重みを持っています。
歴史を遡ると、「provided that」は、土地の権利や商業取引を記録した古文書によく登場します。中世の荘園制度では、農民が領主に忠誠を誓う代わりに、一定の土地を耕作する権利が「provided that」で定められました。このフレーズは、封建社会における義務と権利のバランスを象徴し、社会秩序を維持する上で不可欠な役割を果たしました。また、大航海時代には、探検家が新たな土地を国王に献上する際に、「provided that」を用いて、発見した資源の利用権や植民地の統治権を確保しようとしました。このように、「provided that」は、国家間の勢力争いや領土拡大の歴史とも深く結びついています。
現代社会においても、「provided that」は、契約書や法律文書において、その存在感を失っていません。たとえば、ソフトウェアの使用許諾契約書では、「provided that」を用いて、利用者がソフトウェアを使用できる条件が細かく規定されています。また、国際条約では、「provided that」を用いて、締約国が条約を遵守する義務の範囲が明確に定められています。これらの例からわかるように、「provided that」は、個人間の契約から国家間の条約まで、あらゆるレベルの合意において、紛争を予防し、責任を明確にするための重要なツールとして機能しています。
「provided that」は、単なる文法的な構造を超え、文化的な価値観を反映した言葉です。それは、約束を守ることの重要性、責任を果たすことの義務、そして、合意を守ることの尊さを教えてくれます。このフレーズを理解することは、英語の語彙を増やすだけでなく、社会のルールや人間関係の複雑さを理解することにもつながるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 長文読解、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上で稀に出題。2級でも長文読解で登場する可能性あり
- 文脈・例題の特徴: やや硬い文章、契約や規定に関する文章で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: "if"との違いを理解する。よりフォーマルで、法的なニュアンスを含むことを意識する
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にPart 7の契約書やビジネスレターに登場しやすい
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン、契約条件、取引条件など
- 学習者への注意点・アドバイス: "on the condition that"などの類似表現とセットで覚える。ビジネス英語特有の言い回しに慣れる
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章で論理展開を示す際に用いられる
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究報告書、歴史的文書など
- 学習者への注意点・アドバイス: 複雑な構文の一部として使われることが多い。文構造を正確に把握する練習が必要
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: 評論文、論説文など、論理的な文章
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。直訳に頼らず、文章全体の流れを理解する