paralyzed
第一音節に強勢があります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口をやや大きく開けて発音します。「ラ」は巻き舌にならないように注意し、舌先を上あごに軽く当てる程度に。「-lyzed」の部分は、「ライズド」と聞こえますが、実際には曖昧母音 /ə/ が含まれています。全体を通して、リズムと強弱を意識するとより自然な発音になります。
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麻痺させる
身体の一部または全体が動かなくなる状態を引き起こす。比喩的に、恐怖や驚きで行動不能にさせる意味でも使う。
He was paralyzed with fear when he saw the huge spider.
彼は巨大なクモを見て、恐怖で体が麻痺して動けなくなりました。
※ 暗い部屋で突然大きなクモが現れ、驚きと恐怖で体が固まってしまう場面を想像してみてください。この例文のように、「be paralyzed with fear」は「恐怖で体が麻痺する、すくみ上がる」という、感情が原因で体が動かなくなる様子を伝える非常によく使われる表現です。心が動揺して体が動かせなくなる状況で使えます。
After the accident, her legs were temporarily paralyzed.
事故の後、彼女の足は一時的に麻痺してしまいました。
※ この例文は、事故や病気などによって体の一部が一時的に動かなくなる状況を描写しています。病院のベッドに横たわり、足に力が入らず動かせない状態を想像してください。医療やニュースの文脈で、身体の一部が機能しなくなる状況を説明する際によく使われます。「temporarily」(一時的に)という言葉が、回復の可能性も示唆しています。
Heavy snow completely paralyzed the city's traffic.
大雪が都市の交通を完全に麻痺させました。
※ この例文では、「paralyzed」が比喩的に使われています。深々と降る雪で道路が閉鎖され、電車も車も動けなくなり、街全体の交通機能が完全に停止してしまうような状況を想像してみましょう。自然災害やシステム障害などによって、社会の重要な機能が停止する様子を表す際によく用いられる典型的な使い方です。ここでは「~を麻痺させる」という能動態で使われています。
麻痺した
身体の一部または全体が動かない状態。比喩的に、感情や思考が停止したような状態を表す。
After the accident, his legs were completely paralyzed.
事故の後、彼の両脚は完全に麻痺してしまいました。
※ この例文は、事故や病気によって体が動かなくなる、物理的な「麻痺」の状態を鮮やかに描写しています。彼の足が全く動かなくなってしまった、という切ない状況が目に浮かびますね。`be paralyzed` の形で「麻痺している状態」を表し、`completely` は「完全に」という意味で、麻痺の程度を強調しています。
She was paralyzed with fear when she saw the big spider.
大きなクモを見た時、彼女は恐怖で体がすくんで動けなくなった。
※ この例文は、恐怖やショックで体が動かなくなる、心理的な影響による「麻痺」を表しています。大きなクモを見て、思わず体が硬直してしまった瞬間が伝わってきますね。`paralyzed with fear` は「恐怖で体が麻痺する(動けなくなる)」という、日常会話でも頻繁に使われる非常に自然な慣用表現です。
The small insect was paralyzed by the spider's venom.
その小さな虫はクモの毒で麻痺した。
※ この例文は、毒や病気などが原因で、生物が動かなくなる状態を描写しています。クモの毒にかかり、小さな虫がピクリとも動けなくなってしまった様子が想像できますね。`be paralyzed by ~` で「~によって麻痺させられる」という受動態の形でよく使われます。`venom` は「毒液」という意味ですが、文脈から「毒」だと理解できます。
無力な
比喩的に、圧倒的な状況や力によって、身動きが取れない、何もできない状態を表す。政治的な文脈や経済状況などにも使われる。
She felt completely paralyzed by the sudden bad news.
彼女は突然の悪い知らせに、完全に何もできない状態だと感じた。
※ この例文は、精神的なショックや恐怖で「何も手につかない」「身動きが取れない」状態を表しています。悪い知らせを聞いて、体が固まってしまうような情景が目に浮かびますね。感情が原因で「無力になる」典型的な使い方です。「be paralyzed by ~」で「~によって無力になる/麻痺する」という形をよく使います。
The heavy snow paralyzed the city's transportation system for hours.
大雪が何時間も街の交通システムを麻痺させた。
※ この例文では、「paralyzed」が「機能停止させる」「動きを止める」という意味で使われています。自然災害などが原因で、交通や通信などのシステムが機能しなくなる状況を鮮やかに描写しています。ここでは動詞「paralyze」の過去形が使われていますが、結果としてそのシステムが「paralyzed(機能停止した状態)」になった、と形容詞的にも捉えられます。ニュースなどでよく使われる表現です。
He was paralyzed by fear and couldn't say a single word during the presentation.
彼は恐怖で何も言えなくなり、プレゼンテーション中に一言も話せなかった。
※ この例文は、極度の緊張や恐怖によって、体が固まったり、言葉が出なくなったりする状況を描いています。頭が真っ白になって何もできない「無力な」状態がよくわかりますね。特に人前で話す時など、プレッシャーを感じやすい場面で使われることが多いです。「by fear」のように原因を具体的に示すことで、より情景が伝わります。
コロケーション
恐怖で身がすくむ、恐怖で動けなくなる
※ これは非常によく使われる表現で、強い恐怖を感じて文字通り体が麻痺したように動けなくなる状態を表します。ポイントは前置詞の"with"で、恐怖という感情が原因で麻痺状態に陥る、という因果関係を示唆しています。口語でも書き言葉でも使われますが、特にサスペンスやスリラーなどの物語でよく見られます。類似の表現として"frozen with fear"がありますが、こちらは恐怖で凍り付いたように動けない状態を指し、paralyzedよりも一時的なニュアンスが強いです。
決断の迷いで身動きが取れない、優柔不断で何もできない
※ 多くの選択肢があって、どれを選ぶべきか決められず、結果的に何も行動に移せない状態を指します。ビジネスシーンや日常生活で、重要な決断を迫られている状況でよく用いられます。"paralyzed by choice"という表現も似た意味合いで使われますが、こちらは選択肢が多すぎることで逆に身動きが取れなくなる状況を強調します。indecisionがより一般的な迷いを指すのに対し、choiceは選択肢の多さに焦点を当てている点が異なります。
部分的に麻痺している
※ 体の一部が麻痺している状態を表す医学的な表現です。脳卒中や事故の後遺症などで見られる状態を指します。対義語は"fully paralyzed"(完全に麻痺している)です。"partially"は程度を表す副詞で、麻痺の範囲が体の一部に限られていることを示します。医療関係者とのコミュニケーションや、病状の説明などで使用されます。
(結果として)麻痺状態にされた
※ "leave + 目的語 + 過去分詞"の構文で、「〜を…の状態にする」という意味を表します。事故や病気などの結果として麻痺状態になったことを強調する際に用いられます。例えば、"The accident left him paralyzed from the waist down."(その事故で彼は腰から下が麻痺した)のように使われます。能動態で"paralyze"を使うよりも、受動的なニュアンスが強くなります。
感情が麻痺している、感情的に動けない
※ 強いショックやトラウマなどによって、感情を感じることができなくなったり、感情を表現できなくなったりする状態を指します。精神的な苦痛が非常に大きい場合に用いられる表現です。"numb"(無感覚な)という言葉も似た意味合いで使われますが、emotionally paralyzedはより深刻な状態を示唆します。心理学や精神医学の分野でよく用いられる表現です。
知的に麻痺している、思考停止状態
※ 複雑な問題や情報過多によって、論理的な思考や判断ができなくなる状態を指します。プレッシャーの強い状況や、圧倒的な情報量に直面した際に陥りやすい状態です。"analysis paralysis"(分析麻痺)という表現も似た意味合いで使われますが、こちらは分析に時間をかけすぎて行動に移せなくなる状況を指します。intellectually paralyzedは、より広範な思考能力の低下を意味します。
一時的に麻痺している
※ 麻痺状態が一時的なものであることを強調する表現です。薬の副作用や神経系の疾患など、一時的な原因によって引き起こされる麻痺状態を指します。"temporarily"は期間を表す副詞で、麻痺が永続的なものではないことを示唆します。医療現場での説明や、症状の経過を説明する際などに用いられます。
使用シーン
学術論文や教科書で、医学、心理学、社会学などの分野で使われます。例えば、医学論文で「神経が麻痺した状態」を説明したり、心理学研究で「恐怖で思考が麻痺する」状況を分析したりする際に用いられます。研究発表や講義でも、専門的な内容を伝えるために使用されることがあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、「市場の動向の変化に組織が対応できず、麻痺状態に陥っている」といった状況を説明する際に用いられます。フォーマルな文脈で、問題点や改善点を指摘する際に使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、事件や事故、災害などの影響を伝える際に使われることがあります。例えば、「事故で下半身が麻痺した」という状況や、「ショックで言葉を失った」状態を表現する際に用いられます。比喩的に、「プレッシャーで何もできなくなった」という状況を表現することもあります。
関連語
類義語
- immobilized
物理的に動けない状態にすることを指します。事故や怪我などによって身体の一部または全体が動かなくなった状態、あるいは機械などが故障して動かなくなった状態を表すのに使われます。比較的フォーマルな場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が神経系の損傷などによる麻痺状態を指すのに対し、"immobilized"は外部からの力や物理的な損傷によって動けなくなった状態を指すことが多いです。また、"immobilized"は、戦略的に敵の動きを封じるなど、意図的な行動の結果として動けなくする場合にも使われます。 【混同しやすい点】"paralyzed"が生物に対して使われることが多いのに対し、"immobilized"は生物・無生物の両方に対して使用できる点です。例えば、"The car was immobilized by the accident."(事故で車が動けなくなった)のように使えます。
- incapacitated
能力を奪われた、または正常な活動ができない状態を指します。病気、怪我、精神的なショックなどが原因で、一時的または長期的に活動能力を失った状態を表します。医療、法律、ビジネスなど幅広い分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が主に身体的な麻痺状態を指すのに対し、"incapacitated"は身体的だけでなく精神的な能力の低下も含む、より広範な状態を表します。また、"incapacitated"は、法的な判断能力を失った状態を指すこともあります。 【混同しやすい点】"incapacitated"は、必ずしも完全に動けない状態を意味するわけではない点です。例えば、"He was incapacitated by grief."(彼は悲しみに打ちひしがれて無力になった)のように、精神的な理由で活動能力を失った場合にも使われます。
全く動かない状態を指します。静止画の描写や、何らかの理由で人が静止している状態を表すのに使われます。文学的な表現や、状況を説明する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が麻痺によって動けない状態を指すのに対し、"motionless"は必ずしも麻痺が原因であるとは限りません。恐怖、驚き、集中など、様々な理由で動かない状態を表すことができます。また、"motionless"は、感情的なニュアンスを伴うことが多いです。 【混同しやすい点】"motionless"は、状態を表す形容詞であり、動詞として「麻痺させる」という意味を持たない点です。"He stood motionless with fear."(彼は恐怖で動けなかった)のように使われます。
恐怖や驚きで石のように動けなくなることを指します。非常に強い感情によって、一時的に体が硬直した状態を表すのに使われます。主に比喩的な表現として用いられ、文学作品や日常会話で感情を強調する際に使われます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が身体的な麻痺状態を指すのに対し、"petrified"は心理的な要因によって動けなくなる状態を表します。恐怖の度合いが非常に強く、文字通り「石になる」ような感覚を表します。 【混同しやすい点】"petrified"は、感情的な反応に起因する一時的な状態を表すのに対し、"paralyzed"は、より深刻で長期的な麻痺状態を指すことが多い点です。"She was petrified with fear when she saw the snake."(彼女は蛇を見て恐怖で石のように動けなくなった)のように使われます。
感覚がない、または感情が麻痺している状態を指します。物理的な麻痺だけでなく、精神的なショックや苦痛によって感情が感じられなくなった状態を表すのにも使われます。日常会話や文学作品で、感情や感覚の欠如を表現する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が主に身体的な麻痺状態を指すのに対し、"numb"は身体的な感覚の麻痺だけでなく、感情的な麻痺も含む、より広範な状態を表します。感情が麻痺している状態は、苦痛から身を守るための心理的な防御反応である場合もあります。 【混同しやすい点】"numb"は、必ずしも完全に動けない状態を意味するわけではない点です。感覚がないだけで、動くことはできる場合もあります。"After the accident, I felt numb."(事故の後、私は何も感じなかった)のように、感情的な麻痺を表すことができます。
文字通りには凍り付いた状態を指しますが、比喩的には、驚きや恐怖で身動きが取れなくなる状態を表します。一時的に行動が停止した状態を表すのに使われ、日常会話や文学作品で感情を強調する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"paralyzed"が麻痺によって動けない状態を指すのに対し、"frozen"は必ずしも麻痺が原因であるとは限りません。驚きや恐怖、または判断の迷いなど、様々な理由で行動が停止した状態を表すことができます。 【混同しやすい点】"frozen"は、一時的な状態を表すのに対し、"paralyzed"は、より深刻で長期的な麻痺状態を指すことが多い点です。"She was frozen with indecision."(彼女は優柔不断で身動きが取れなかった)のように使われます。
派生語
『麻痺』を意味する名詞。動詞『paralyze』の状態を表す抽象名詞化。医学・政治・比喩表現など幅広い文脈で使用。例:経済麻痺(economic paralysis)。『-sis』は状態や過程を表す名詞を作る接尾辞。
- paralytic
『麻痺性の』または『麻痺患者』を意味する形容詞/名詞。『-lytic』は『〜を溶解する、〜を弱める』という意味合いを持ち、麻痺を引き起こす性質や、麻痺状態の人を示す。医学用語として使われることが多い。
- paralyzation
『麻痺させること』を意味する名詞。『paralyze』に『-ation』が付加され、行為や過程を表す。やや形式ばった表現で、学術論文や公的な文書で使用されることが多い。例:組織の麻痺化(organizational paralyzation)。
反意語
『活性化する』という意味。麻痺状態からの回復、機能の始動など、『paralyzed』が示す停止・不活性状態からの脱却を表す。日常会話からビジネス、科学技術分野まで幅広く使用される。例:細胞を活性化する(activate cells)。
『動員する』『流動化する』という意味。麻痺によって動けない状態から、自由に動ける状態への変化を示す。軍事、政治、経済など、広範な文脈で用いられ、『paralyzed』が示す停滞状態からの脱却を強調する。例:資金を流動化する(mobilize funds)。
『生き返らせる』『回復させる』という意味。麻痺状態からの回復、機能の再開など、『paralyzed』が示す機能停止状態からの脱却を表す。医学、経済、比喩表現など、幅広い文脈で使用される。例:経済を回復させる(revive the economy)。
語源
"paralyzed"は、麻痺させる、麻痺した、無力なという意味を持ちます。この単語は、ギリシャ語の"paralyein"(麻痺させる、弱める)に由来します。"paralyein"は、"para-"(そばに、横に)と"lyein"(緩める、解く)という二つの要素から構成されています。つまり、文字通りには「横に緩める」という意味合いです。イメージとしては、何かが正常な機能を妨げ、文字通りまたは比喩的に動きを止めてしまう状態を表しています。日本語で例えるなら、体が「痺れる(しびれる)」という感覚に近いかもしれません。痺れによって動きが制限されるように、"paralyzed"は何らかの原因で機能が停止した状態を指します。この語源を知ることで、"paralyzed"が単に動けないだけでなく、何らかの力によって本来の機能が阻害されている状態をより深く理解できるでしょう。
暗記法
「麻痺」は、身体の停止だけでなく、心の無力感や社会的な抑圧も意味します。ジョイスの『ダブリン市民』では、停滞した社会で身動きの取れない人々の姿が描かれました。映画では、トラウマで立ち往生する主人公や、不正に抵抗する気力を失った人々を表現します。現代では、政治的無関心や情報過多による思考停止も「麻痺」と捉えられます。この言葉は、個人と社会の苦悩を映す鏡なのです。
混同しやすい単語
『paralyze』と『analyze』は、どちらも動詞で語尾が '-lyze' で終わるため、スペルと発音の両方で混同しやすいです。『analyze』は『分析する』という意味で、発音は/ˈænəlaɪz/です。特に、語頭の音が異なる点(『paralyze』は/ˈpærəlaɪz/)に注意が必要です。また、アメリカ英語では『analyze』は『analyse』と綴られることもあります。
『paralyzed』と『paradise』は、語頭の音が似ており、どちらもアクセントが第1音節にあるため、発音を聞き間違えやすいです。『paradise』は『楽園』という意味で、発音は/ˈpærədaɪs/です。スペルも最初の数文字が似ているため、注意が必要です。文脈から判断することが重要です。
『paralyzed』と『policy』は、どちらも複数音節で、語頭の音が似ているため、発音を聞き間違えやすいことがあります。『policy』は『政策』や『方針』という意味で、発音は/ˈpɑːləsi/です。スペルも最初の数文字が似ていますが、意味は全く異なります。特に、ビジネスや政治に関する文脈では『policy』が頻繁に使われるため、注意が必要です。
『paralyzed』と『promises』は、どちらも複数音節で、語頭の音が似ているため、発音を聞き間違えやすいことがあります。『promises』は『約束』という意味の『promise』の複数形で、発音は/ˈprɑːmɪsɪz/です。スペルも最初の数文字が似ていますが、意味は全く異なります。特に、契約や人間関係に関する文脈では『promises』が頻繁に使われるため、注意が必要です。
『paralyze』と『realize』は、どちらも動詞で語尾が '-lize' で終わるため、スペルと発音の両方で混同しやすいです。『realize』は『悟る』や『実現する』という意味で、発音は/ˈriːəlaɪz/です。特に、語頭の音が異なる点(『paralyze』は/ˈpærəlaɪz/)に注意が必要です。また、イギリス英語では『realize』は『realise』と綴られることもあります。
誤用例
『paralyzed』は文字通り麻痺状態を表し、物理的な行動不能や、恐怖などで身動きが取れない状態を指します。怒りで『麻痺』するという日本語の発想から直訳すると不自然です。ここでは、怒りで『煮えくり返る』という意味合いの『seething』を使う方が、感情の高ぶりをより適切に表現できます。日本人は感情表現を間接的にすることが多いため、強い感情を直接的に表す単語の選択に苦労することがあります。
『paralyzed』は、美しいものを見た時の感動や畏怖によって言葉を失う、という状況にはやや不適切です。この文脈では、美しさに『魅了された』という意味合いの『captivated』や『mesmerized』がより自然です。日本人は『麻痺』という言葉を比喩的に使うことがありますが、英語ではより直接的な意味合いが強いため、注意が必要です。また、欧米文化では美しさに対する賛辞はストレートに表現される傾向があります。
『paralyzed』はある種の危機的状況や、突発的な事態で機能不全に陥るニュアンスが強い言葉です。長期的な懸念事項によって組織の動きが鈍くなる、という意味合いでは、物理的に動きを制限される意味合いの強い『hamstrung(身動きが取れない)』を使う方が適切です。日本人は『麻痺』という言葉を、組織の硬直化や停滞を指す比喩として使うことがありますが、英語ではニュアンスが異なる場合があります。
文化的背景
「Paralyzed(麻痺した)」という言葉は、単に身体的な機能停止を指すだけでなく、精神的な無力感や、社会的な抑圧によって動きを封じられた状態を象徴することがあります。特に、変化を求めることが困難な状況、あるいは個人の意志が尊重されない権威的な構造の中で、人々が感じる停滞感や無力感を表現する際に用いられることが多い言葉です。
文学作品における「paralyzed」は、登場人物の内面的な葛藤や、社会からの疎外感を浮き彫りにする効果的な道具として使われてきました。例えば、ジェイムズ・ジョイスの短編集『ダブリン市民』には、「麻痺」というテーマが繰り返し登場します。ジョイスは、当時のアイルランド社会が抱える精神的な停滞、政治的な無力感、そして宗教的な抑圧によって、人々の生活がどのように麻痺しているかを繊細に描き出しました。登場人物たちは、夢や希望を持ちながらも、過去のしがらみや社会の制約から抜け出すことができず、まるで麻痺したかのように同じ場所にとどまり続けます。彼らの「paralyzed」な状態は、当時のアイルランド社会全体の病理を象徴していると言えるでしょう。
映画においても、「paralyzed」は、主人公が直面する困難やトラウマによって精神的に立ち往生してしまった状態を表現するために用いられます。例えば、事故や事件に遭遇し、心に深い傷を負った人物が、過去の記憶に囚われ、日常生活を送ることができなくなる様子は、「paralyzed」という言葉で的確に表現されます。また、社会的な不正義や抑圧によって、自由な行動や発言を奪われた人々が、抵抗する気力を失い、無力感に苛まれる姿も、「paralyzed」という言葉が持つ象徴的な意味合いと深く結びついています。このように、「paralyzed」は、個人の内面的な苦悩だけでなく、社会的な構造によって生み出される無力感や停滞感を表現するための強力なツールとして、様々な作品の中で用いられてきました。
現代社会においては、「paralyzed」は、政治的な無関心や、情報過多による思考停止の状態を指す比喩としても用いられます。例えば、複雑な社会問題に直面し、何から手をつければ良いかわからず、行動を起こすことをためらってしまう状態は、「paralyzed by indecision(優柔不断によって麻痺する)」と表現されることがあります。また、大量の情報に晒され、真実を見抜くことが困難になった結果、思考が停止し、無批判に情報を受け入れてしまう状態も、「paralyzed by information overload(情報過多によって麻痺する)」と表現されることがあります。このように、「paralyzed」は、現代社会における様々な問題点を浮き彫りにする言葉として、その意味合いを広げ続けています。
試験傾向
準1級、1級で長文読解や語彙問題で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、類義語・反意語を選ぶ問題で問われることが多いです。ライティングで使う場合は、意味の誤用がないように注意が必要です。
Part 5の語彙問題、Part 7の長文読解で稀に出題されることがあります。ビジネスシーンよりも一般的な内容で使われることが多いでしょう。正答を導くには、文脈全体を把握することが重要です。選択肢に紛らわしい単語が含まれている場合があるので注意が必要です。
リーディングセクションで出題される可能性があります。アカデミックな文章で、比喩的な意味合いで使用されることもあります。語彙力だけでなく、文章全体の論理構造を理解する力も求められます。同意語・類義語の問題で問われることが多いです。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われることが多いです。比喩的な意味合いで使われることもあります。医学部や社会科学系の文章で出題される傾向があります。