nauseous
強勢は最初の音節にあります。/ɔː/ は日本語の「オー」よりも口を大きく開けて発音し、少し喉の奥から響かせるイメージです。最後の /əs/ は曖昧母音で、弱く短く発音します。日本語の『ア』と『ウ』の中間のような音です。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
吐き気を催す
実際に吐いている状態ではなく、吐き気がする、むかむかする、気分が悪い状態を表す。原因が特定できる場合も、漠然とした不快感の場合もある。 "I feel nauseous."(吐き気がする)のように使う。
After the boat started rocking, I felt really nauseous.
船が揺れ始めた後、私は本当に吐き気がしました。
※ 船酔いや車酔いなど、乗り物で気分が悪くなる際によく使う表現です。波に揺られる船の中で、思わず顔をしかめてしまうような情景が目に浮かびますね。
When I woke up, I felt a little nauseous and couldn't eat breakfast.
目が覚めた時、少し吐き気がして、朝食を食べられませんでした。
※ 体調が悪い時や、風邪などで気分が優れない時に使う典型的な表現です。朝、ベッドからなかなか起き上がれない、そんなつらい状況を想像できます。「a little」は「少し」というニュアンスを加えます。
The strange smell made me feel nauseous right away.
その変な匂いを嗅いだら、すぐに吐き気がしました。
※ 不快な匂いや食べ物などが原因で吐き気がする場合にも使えます。例えば、ゴミの匂いや期限切れの食べ物の匂いを嗅いだ瞬間に、思わず顔を背けてしまうような場面を思い浮かべてみてください。「make + 人 + 動詞の原形」で「~に…させる」という形です。
不快な
文字通り「吐き気を催させる」という意味から転じて、比喩的に、ひどく嫌な気分にさせる、不快感を覚えるような状況や物事に対して使われる。例:a nauseous smell(吐き気を催すような匂い)、a nauseous experience(不快な経験)。
After a long bus ride, I started to feel really nauseous.
長いバスの旅の後、私は本当に吐き気がし始めました。
※ この例文は、乗り物酔いの典型的な状況を描写しています。「nauseous」は、バスや船、車などで気分が悪くなり、「吐き気がする」と感じる際によく使われます。「feel nauseous」で「吐き気がする」という状態を表す、非常に一般的な表現です。
The strong smell of that rotten food made me feel so nauseous.
あの腐った食べ物の強いにおいで、私はとても吐き気がしました。
※ この例文は、不快なにおいが原因で吐き気がする状況を表しています。食べ物の異臭や、嫌なものを見た時など、五感を通して「吐き気を催すほど不快だ」と感じる場面で「nauseous」はよく使われます。「make me feel nauseous」は「私に吐き気を催させる」という原因と結果を示すフレーズです。
When I woke up this morning, I felt a little nauseous and couldn't eat breakfast.
今朝目覚めた時、少し吐き気がして、朝食を食べられませんでした。
※ 体調不良、特に朝起きたときの吐き気を表現する例文です。風邪や病気の初期症状、あるいは特定の体質などで「吐き気がする」という感覚を伝えるのに適しています。「a little nauseous」のように、「少し」や「かなり」といった程度を表す言葉と一緒に使うこともよくあります。
コロケーション
吐き気を感じる
※ 最も基本的なコロケーションで、体調不良を表す際に広く使われます。 'feel' は状態を表す知覚動詞で、後に形容詞を伴い、『〜の状態である』という意味になります。 'I feel nauseous' は文字通り『吐き気を感じる』という意味ですが、単に『気持ちが悪い』というニュアンスでも使われます。口語表現として非常に一般的です。
吐き気の感覚
※ 'sensation' は『感覚』を意味する名詞で、'nauseous' と組み合わさることで、より具体的に吐き気の感覚を指し示します。医学的な文脈や、症状を詳細に説明する際に用いられることが多い表現です。例えば、医師に症状を伝える際などに 'I have a nauseous sensation after eating' (食後、吐き気がします) のように使えます。 'feeling' よりもフォーマルな印象を与えます。
吐き気と目眩がする
※ 体調不良をより具体的に表現する際によく使われる組み合わせです。 'dizzy' は『目眩がする』という意味の形容詞で、 'nauseous' と並べて使うことで、症状の複合的な状態を表します。例えば、'I'm feeling nauseous and dizzy' (吐き気と目眩がする) のように使います。日常会話でよく使われる表現です。
急に吐き気がする
※ 'suddenly' は『突然』という意味の副詞で、吐き気が急に襲ってきた状況を表します。 'I suddenly felt nauseous' (急に吐き気がした) のように使います。原因がはっきりしない体調不良を表現する際に便利です。例えば、乗り物酔いや、食あたりなどを連想させる表現です。
非常に吐き気がする
※ 'intensely' は『激しく』『強烈に』という意味の副詞で、吐き気の程度が強いことを強調します。例えば、'I felt intensely nauseous after the rollercoaster' (ジェットコースターの後、非常に吐き気がした) のように使います。フォーマルな場面でも使用可能です。
吐き気がするようになる
※ 'become' は状態の変化を表す動詞で、徐々に吐き気が強まってくる様子を表します。例えば、'I began to become nauseous during the long car ride' (長い車の移動中、だんだん吐き気がしてきた) のように使います。体調の変化を時間経過とともに説明する際に適しています。
〜が原因で吐き気がする
※ 前置詞 'from' を用いて、吐き気の原因を特定します。例えば、'I'm nauseous from the strong smell' (強い匂いで吐き気がする) のように使います。原因を明確に伝えたい場合に役立ちます。食あたり、乗り物酔い、妊娠など、様々な原因に対応できます。
使用シーン
医学、生物学、心理学などの分野の研究論文で、症状や感覚を記述する際に使用されることがあります。例えば、「患者は化学療法後に吐き気を催す感覚を訴えた (The patient reported feeling nauseous after chemotherapy)」のように、客観的な記述として用いられます。また、学術的な議論において、比喩的に「〜のせいで不快感を覚える」という意味で使用されることもありますが、頻度は高くありません。
ビジネスシーンでは、フォーマルな報告書やプレゼンテーションで、まれに体調不良について言及する際に使われることがあります。例えば、「新しいプロジェクトのプレッシャーのせいで、チームメンバーの一人が吐き気を催した (One of the team members felt nauseous due to the pressure of the new project)」のように、間接的な表現として用いられることがあります。しかし、日常的なビジネス会話では、より直接的な表現が好まれるため、頻度は高くありません。
日常会話では、体調不良を表現する際に比較的よく使われます。「気分が悪い」「吐き気がする」といった意味で、「I feel nauseous」のように使われます。また、比喩的に「〜のせいで嫌な気分になる」という意味でも使われることがあります。例えば、「あの政治家の発言を聞くと吐き気がする (Listening to that politician makes me nauseous)」のように、感情的な反応を表現する際に用いられます。
関連語
類義語
一般的に体調が悪い状態全般を指し、吐き気だけでなく、発熱、痛み、倦怠感など、さまざまな症状を含む。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"が吐き気を催す状態をより直接的に表すのに対し、"sick"はより広範な病状を指す。また、"sick"は"be sick"の形で「吐く」という意味でも使われる。 【混同しやすい点】"Sick"はイギリス英語では「吐く」という意味で使われることが多く、アメリカ英語では「病気」という意味合いが強い。国によって意味が異なる点に注意。
軽度の吐き気を指し、不快感はあるものの、実際に吐くほどではない状態を表す。日常会話でよく使われ、ややくだけた印象を与える。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"よりも軽い吐き気を表し、一時的な不快感を示すことが多い。乗り物酔いや軽い食べ過ぎなどで使われる。 【混同しやすい点】"Queasy"は"nauseous"よりも深刻度が低いニュアンスを持つため、重い病状による吐き気には適さない。また、フォーマルな場面では"nauseous"の方が適切。
体調が悪い状態を表す一般的な言葉で、病気の種類や程度に関わらず広く使える。フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"が特定の症状(吐き気)を指すのに対し、"ill"はより包括的な体調不良を意味する。重い病気から軽い風邪まで、幅広い状況で使用できる。 【混同しやすい点】"Ill"は「悪い」という意味もあるため、文脈によっては誤解を招く可能性がある。体調について話す場合は、具体的な症状を付け加えることで、より明確な意味を伝えることができる。
- vomiting
実際に吐いている状態を指す動名詞。医学的な文脈や、具体的な状況を説明する際に使われる。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"が吐き気を催す状態であるのに対し、"vomiting"は実際に吐いている行為そのものを指す。したがって、"nauseous"の後に"vomiting"が続くことが多い。 【混同しやすい点】"Vomiting"は名詞または動名詞として使われるため、形容詞である"nauseous"とは文法的な役割が異なる。状態を表す場合は"nauseous"、行為を表す場合は"vomiting"を使う。
- repulsed
強い嫌悪感や反感を抱いている状態を表す。特定の対象に対して生理的に受け付けない感情を伴う。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"が体調不良による吐き気を指すのに対し、"repulsed"は感情的な嫌悪感からくる吐き気を表す。例えば、不潔なものを見たときに感じる嫌悪感など。 【混同しやすい点】"Repulsed"は感情的な反応であり、必ずしも体調不良を伴うとは限らない。一方、"nauseous"は感情的な要因だけでなく、病気や薬の副作用など、様々な原因で起こりうる。
- disgusted
強い不快感や嫌悪感を抱いている状態を表す。道徳的に許せない行為や、不快な状況に対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Nauseous"が身体的な吐き気を指すのに対し、"disgusted"は感情的な嫌悪感を表す。ただし、強い嫌悪感が吐き気を催す場合もある。 【混同しやすい点】"Disgusted"は感情的な嫌悪感が主な意味であり、必ずしも体調不良を伴うとは限らない。一方、"nauseous"は感情的な要因だけでなく、様々な原因で起こりうる。
派生語
『吐き気』という名詞。形容詞『nauseous』から派生し、吐き気の具体的な状態や感覚を表す。医学的な文脈や日常会話で、原因を特定せずに吐き気を表現する際に用いられる。例えば、『船酔いでnauseaを感じる』のように使う。
- nauseate
『吐き気を催させる』という動詞。他動詞として用いられ、『nauseous』が状態を表すのに対し、原因となる行為や状況を示す。例えば、『その光景は私をnauseateさせた』のように使う。フォーマルな場面でも使用される。
- nauseating
『吐き気を催させるような』という意味の形容詞。動詞『nauseate』の現在分詞形から派生。不快感や嫌悪感を強調する際に用いられる。例えば、『nauseating smell(吐き気を催させる臭い)』のように使う。日常会話で強い感情を表現する際に頻繁に使用される。
反意語
- appetizing
『食欲をそそる』という意味の形容詞。『nauseous』が食欲を失わせる状態を表すのに対し、こちらは食欲を刺激する状態を表す。食べ物や食事の状況を肯定的に描写する際に用いられる。例えば、『appetizing aroma(食欲をそそる香り)』のように使う。日常会話や料理関連の文脈で頻繁に使用される。
『(食べ物が)口に合う、おいしい』という意味の形容詞。『nauseous』が受け入れがたい状態を表すのに対し、こちらは味や食感が心地よく、受け入れやすい状態を表す。特に、薬やサプリメントなど、必ずしも味が良いとは限らないものを表現する際に用いられることがある。学術的な文脈やビジネスシーンでも使用される。
語源
"nauseous"は、「吐き気を催させる」という意味を持つ単語ですが、その語源は古代ギリシャ語の"naus"(船)に遡ります。船酔いを想像すると理解しやすいでしょう。古代ギリシャ人にとって船旅は、現代よりもはるかに揺れが大きく、吐き気を催しやすいものでした。そのため、"naus"は後にラテン語で"nausea"(吐き気)となり、さらに中世フランス語を経て英語に取り入れられました。接尾辞の"-ous"は形容詞を作る接尾辞で、「〜のような」「〜に関連する」という意味合いを付け加えます。したがって、"nauseous"は文字通りには「吐き気のような」「吐き気を引き起こす」という意味になります。つまり、船旅の揺れが吐き気を催させるように、何か不快な状況や物が吐き気を引き起こす様子を表す言葉として使われるようになったのです。
暗記法
「nauseous」は単なる吐き気にあらず。かつてイギリス貴族は、下層階級の無作法に「nauseous」と吐き捨て、自らの優位を示しました。ヴィクトリア朝では、不道徳は「nauseous」なものとして嫌悪されたのです。オスカー・ワイルドの退廃的な貴族たちは、読者に「nauseous」な感情を抱かせようとしました。現代では、政治腐敗や環境破壊にも使われ、倫理的嫌悪感を表します。単なる不快感を超えた、道徳的拒絶の言葉なのです。
混同しやすい単語
『nauseous』と『nausea』はスペルが非常に似ており、発音も近い(『nauseous』は形容詞、『nausea』は名詞)。『nauseous』は『吐き気を催させる』という意味で、原因を表す形容詞です。一方、『nausea』は『吐き気』という状態を表す名詞です。例えば、『The smell made me nauseous.(その匂いで吐き気がした)』と『I felt nausea.(吐き気がした)』のように使い分けます。日本人学習者は、品詞と意味の違いを意識することが重要です。nauseous は形容詞なので、be動詞の後に置いたり、名詞を修飾したりします。
『nauseous』と『noxious』は、どちらも『不快な』という意味合いを持ちますが、ニュアンスが異なります。『noxious』は『有害な、有毒な』という意味で、健康に悪影響を及ぼすものに使われます。スペルも似ており、特に語尾の '-ous' のために混同しやすいです。例えば、『noxious fumes(有害な煙)』のように使います。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。nauseous はあくまで吐き気を催させるような不快感であり、noxious は健康被害に繋がるような有害性である、という違いを意識しましょう。
『nauseous』と『conscious』は、どちらも語尾が '-ous' で終わる形容詞であり、スペルが似ているため混同しやすいです。『conscious』は『意識のある、自覚している』という意味で、意味も全く異なります。例えば、『I am conscious.(私は意識があります)』のように使います。日本人学習者は、発音の違い(『nauseous』は/ˈnɔːziəs/、『conscious』は /ˈkɒnʃəs/)を意識し、スペルだけでなく意味も確認することが重要です。また、語源的に見ると、nauseous は船酔いを意味するギリシャ語に由来し、conscious は「共に知る」という意味のラテン語に由来しており、背景が全く異なります。
『nauseous』と『anxious』は、どちらも語尾が '-ous' で終わる形容詞であり、スペルが似ているため混同しやすいです。『anxious』は『心配している、不安な』という意味で、感情を表す形容詞です。例えば、『I am anxious about the exam.(試験について心配です)』のように使います。日本人学習者は、発音の違い(『nauseous』は/ˈnɔːziəs/、『anxious』は /ˈæŋkʃəs/)を意識し、意味の違いを理解することが重要です。
『nauseous』と『obnoxious』は、どちらも語尾が '-ous' で終わる形容詞であり、スペルの一部が似ているため混同しやすいです。『obnoxious』は『不快な、非常に嫌な』という意味で、人や行動に対して使われることが多いです。例えば、『He is an obnoxious person.(彼は非常に嫌な人だ)』のように使います。nauseousが体調不良からくる不快感を表すのに対し、obnoxiousは言動などからくる不快感を表すという違いがあります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
『nauseous』と『nucleus』は、発音が一部似ており、どちらもラテン語起源の単語です。『nucleus』は『核、中心』という意味の名詞で、細胞の核や、議論の中心などを指します。スペルも似ているため、特に発音に自信がない場合は混同しやすいでしょう。例えば、『The nucleus of the cell(細胞の核)』のように使います。日本人学習者は、発音の違い(『nauseous』は/ˈnɔːziəs/、『nucleus』は /ˈnjuːkliəs/)を意識し、スペルと品詞の違いを理解することが重要です。
誤用例
多くの日本人は「nauseous」を「気持ちが悪い」という状態を表す形容詞だと認識していますが、厳密には「nauseous」は「(人に)吐き気を催させる」という意味合いが強い形容詞です。そのため、「I'm nauseous」と言うと、「私は人に吐き気を催させる存在だ」という意味になりかねません。自分の状態を表す場合は、「I feel nauseous」とするのが自然です。日本語の「気持ち悪い」という言葉が主観的な感情を表すのに対し、英語の「nauseous」は原因となるものに重点が置かれるという語感の違いを意識しましょう。これは、日本語の受身表現を直訳しようとする際に陥りやすい誤りです。
「nauseous」は「吐き気を催させるような」という意味ですが、主に「人」に対して使われます。食べ物自体が吐き気を催させる場合は、「nauseating」を使用するのが適切です。多くの日本人は形容詞の使い分けにおいて、「〜ing」形と「〜ed」形を混同しがちですが、「〜ing」は「〜させる」という能動的な意味合い、「〜ed」は「〜させられる」という受動的な意味合いを持つことを覚えておきましょう。例えば、「interesting」は「面白い(と思わせる)」、「interested」は「面白い(と思っている)」となります。この区別は、英語の語彙力を高める上で非常に重要です。また、日本語の形容詞は対象を選ばないことが多いですが、英語では形容詞の対象が限定されている場合があることを理解する必要があります。
「nauseous」は形容詞であり、名詞を修飾できますが、「吐き気を催させるような感じ」というニュアンスになってしまいます。自分が「吐き気」を感じていることを伝えたい場合は、「nausea」という名詞を使用し、「I have a feeling of nausea」とするのが適切です。日本語では形容詞を名詞的に使うことがありますが、英語では品詞の使い分けが重要です。また、「a nauseous feeling」という表現は、比喩的に「不快な感じ」を表すこともありますが、この場合は文脈によっては誤解を招く可能性があります。例えば、会議でのプレゼンテーション後など、漠然とした「嫌な予感」を表現したい場合に、「I have a nauseous feeling about this project.」と言うと、文字通り吐き気を催すような嫌悪感を抱いていると解釈されるかもしれません。
文化的背景
「nauseous」は、単なる吐き気を催す状態を表すだけでなく、しばしば道徳的、精神的な不快感や嫌悪感を象徴する言葉として用いられます。まるで腐った食べ物のように、受け入れがたい状況や人物に対して抱く、生理的な嫌悪感を伴う強い拒絶反応を意味することがあります。
この言葉が持つ文化的背景を深く理解するためには、18世紀から19世紀にかけてのイギリス文学における使用例を考察するのが有益です。当時の小説では、しばしば貴族階級の登場人物が、下層階級の無作法な振る舞いや不衛生な環境に対して「nauseous」という言葉を使って嫌悪感を表明しました。これは単に生理的な嫌悪感だけでなく、階級間の明確な線引きを意識させ、自身の優位性を誇示するための手段でもありました。したがって、「nauseous」は単なる体調不良を表す言葉ではなく、社会的な地位や権力を背景とした嫌悪感の表明として機能していたのです。
また、ヴィクトリア朝時代においては、道徳的な純潔さが非常に重視されました。そのため、不道徳な行為や堕落した生活様式は、「nauseous」という言葉で表現されるべき、生理的な嫌悪感を引き起こすものとされました。例えば、オスカー・ワイルドの作品に登場する退廃的な貴族たちは、社会の規範から逸脱した行動を通して、読者に「nauseous」な感情を喚起することを意図していました。このように、「nauseous」は、社会的に容認されない行為や思想に対する、道徳的な嫌悪感の象徴としても用いられてきたのです。
現代においては、「nauseous」はより広範な意味を持つようになり、政治的な腐敗や環境破壊といった、倫理的に問題のある事柄に対しても用いられます。例えば、ある政治家の汚職事件が発覚した場合、人々はその政治家の行動に対して「nauseous」という言葉を使って、強い嫌悪感や拒絶反応を示すことがあります。これは、単なる不快感を超えて、道徳的な価値観が侵害されたことに対する深い失望感や怒りを表しています。このように、「nauseous」は、時代や社会の変化とともに、その意味合いを拡大し、人間の感情や価値観を反映する言葉として、現在も生き続けているのです。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題で出題される可能性があります。長文読解で使われることもあります。
1. 出題形式:語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート:準1級以上
3. 文脈・例題の特徴:健康、旅行、日常会話など
4. 学習者への注意点・アドバイス:"nauseated"(吐き気を感じている)と混同しないように。"nauseous"は「吐き気を催させる」という意味です。
TOEICでは出題頻度は低めですが、Part 5 (短文穴埋め問題) でまれに出題される可能性があります。
1. 出題形式:短文穴埋め問題 (Part 5)
2. 頻度と級・パート:まれ
3. 文脈・例題の特徴:健康に関する記事、旅行関連の文書など
4. 学習者への注意点・アドバイス:"nauseated"との区別を明確にすること。ビジネスシーンでの使用は稀です。
TOEFL iBTのリーディングセクションで出題される可能性があります。学術的な文脈で使用されることが多いです。
1. 出題形式:リーディング
2. 頻度と級・パート:中程度
3. 文脈・例題の特徴:医学、生物学、環境問題など
4. 学習者への注意点・アドバイス:アカデミックな文脈での使用例を理解しておくこと。類義語との区別も重要です。
大学受験の長文読解で出題される可能性があります。医学部や薬学部など、医療系の学部で出題される可能性がやや高いです。
1. 出題形式:長文読解
2. 頻度と級・パート:中程度
3. 文脈・例題の特徴:健康、医学、科学
4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈から意味を推測する練習をしておくこと。"nauseated"との違いを理解しておくこと。