monstrous
巨大な
物理的な大きさだけでなく、程度や規模が並外れていることを強調する。しばしば、恐ろしい、不快なものに対して用いられる。
A monstrous wave crashed onto the shore, surprising everyone.
巨大な波が岸に打ち寄せ、みんなを驚かせました。
※ この例文は、予期せぬ巨大な波が突然押し寄せ、その迫力に人々が驚いている様子を描いています。「monstrous」は、単に「大きい」だけでなく、少し恐ろしい、信じられないほど、といったニュアンスで「巨大な」を表すときに使われます。波のような自然の力強さを表現するのにぴったりの単語です。
A monstrous statue towered over the city buildings.
巨大な像が街の建物群の上にそびえ立っていました。
※ 初めて訪れた街で、想像をはるかに超える大きな像が目に飛び込んできて、その威容に圧倒される場面をイメージしてください。人工物でも、その大きさが圧倒的で、見る人に驚きや畏敬の念を与えるような場合に「monstrous」を使います。「tower over~」は「~の上にそびえ立つ」という意味で、その巨大さを強調しています。
We saw a monstrous whale swimming in the deep ocean.
私たちは深い海で巨大なクジラが泳いでいるのを見ました。
※ 広大な海の中を悠々と泳ぐ、信じられないほど大きなクジラに遭遇したときの感動や畏敬の念が伝わるシーンです。動物や生物の巨大さを表す時にも「monstrous」はよく使われます。形容詞として名詞(この場合はwhale)の前に置かれる、最も基本的な使い方です。
極悪な
道徳的に許容できないほど悪い、ひどい、という意味。犯罪、不正行為、性格など、倫理的に問題があるものに対して使われる。
Everyone was shocked by his monstrous lie.
彼の極悪な嘘に、誰もが衝撃を受けました。
※ 誰かがとんでもない嘘をつき、それが発覚して周囲の人が驚き、呆れている場面です。「monstrous lie」は、「信じられないほどひどい嘘」「言語道断な嘘」という意味でよく使われます。単に「大きな嘘」ではなく、道徳的に許されない、非常に悪質な嘘に対して使われる、強い感情が込められた表現です。
The boss made a monstrous decision that hurt many people.
上司は多くの人を傷つける極悪な決定を下しました。
※ 会社の偉い人が、多くの社員に悪影響を与えるような、とんでもない(非道な)決断を下した状況です。「monstrous decision」は、「非道な決定」「とんでもない決断」のように、倫理的に問題がある、許されないような決定に対して使われます。組織の不公平な行動や社会的に見て受け入れがたい事柄に対して使うと、その事態のひどさを強調できます。
His monstrous behavior made everyone angry.
彼の極悪な振る舞いは、みんなを怒らせました。
※ 誰かの信じられないほどひどい行いや態度によって、周りの人々が強い怒りを感じている様子です。「monstrous behavior」は、「とんでもない振る舞い」「非道な行動」という意味で、人の行動が常識を逸脱してひどい場合に使う表現です。人の行動や態度に対して使うと、その人の性質や行動がどれほど受け入れがたいかを強く表現できます。
異形の
自然の法則や美の基準から逸脱し、不気味で醜い様子を表す。怪物や異常な外見を持つものに対して用いられる。
The small child saw a monstrous shadow moving outside his window.
幼い子供は、窓の外に動く異形の影を見ました。
※ この例文は、子供が夜に窓の外で見た影が、まるで怪物のように見えて怖かった状況を描写しています。`monstrous`は、形が普通でなく、見る人に恐怖や不気味さを感じさせるような「異形の」姿を表現するのにぴったりです。特に、暗闇の中では、何でもないものが恐ろしい形に見えることがありますね。
In the deep forest, we found a monstrous tree with twisted branches.
深い森の中で、私たちはねじれた枝を持つ異形の木を見つけました。
※ この例文は、森の中で出会った、通常とはかけ離れた奇妙な形をした木を描写しています。`monstrous`は、自然界にあるものが、その大きさや形から「怪物じみた」「異形の」印象を与える場合にも使われます。まるで物語に出てくるような、忘れられない光景ですね。
I woke up sweating from a dream about a monstrous creature chasing me.
私は、異形の生き物に追いかけられる夢を見て、汗だくで目覚めました。
※ この例文は、悪夢の中で体験した恐怖を表現しています。夢の中に出てくる、現実にはありえないような恐ろしい姿の生き物に対して、`monstrous`は非常に自然に使われます。夢の情景が目に浮かび、その恐怖が伝わってくるような使い方です。
コロケーション
途方もなく大きな自我、傲慢さ
※ このコロケーションは、誰かの自己中心的な性格や過剰な自尊心を強調する際に使われます。単に「大きなエゴ」と言うよりも、その度合いが異常であることを示唆します。ビジネスシーンや政治の世界で、批判的なニュアンスを込めて使われることが多いです。例えば、「彼のmonstrous egoがプロジェクトを台無しにした」のように使います。
とんでもない嘘、大嘘
※ 「monstrous lie」は、その嘘が非常に大きく、悪質であることを意味します。単に「big lie」と言うよりも、道徳的な非難のニュアンスが強くなります。ニュース記事や法廷ドラマなどで、重大な嘘を強調する際に用いられることがあります。例えば、「彼はmonstrous lieをついて、人々を欺いた」のように使います。
言語道断な不正義、ひどい不正
※ この表現は、不正義の度合いが非常に大きく、許容できないレベルであることを強調します。社会的な不正や人権侵害など、深刻な問題に対して使われることが多いです。抗議活動や社会運動のスピーチなどで、感情的な訴えかけを行う際に用いられることがあります。「monstrous injusticeに立ち向かう」のように使います。
(歴史的な文脈で)女性支配への強い批判
※ このフレーズは、ジョン・ノックスの著作『女性の統治に対する第一のトランペット』(The First Blast of the Trumpet Against the Monstrous Regiment of Women)に由来します。16世紀のスコットランドにおいて、メアリー女王やイングランドのメアリー1世など、女性が支配者となることに対する強い反対意見を表明したものです。現代では、歴史的な文脈で使用されることがほとんどですが、女性のリーダーシップに対する潜在的な偏見を議論する際に引用されることがあります。
並外れた食欲、底なしの食欲
※ この表現は、文字通り食欲が非常に旺盛であることを指す場合もあれば、比喩的に何かに対する強い欲求を表す場合もあります。たとえば、「monstrous appetite for power(権力への異常なまでの渇望)」のように使います。文学作品や映画などで、キャラクターの性格を強調する際に用いられることがあります。
極悪犯罪、凶悪犯罪
※ 単に「serious crime」というよりも、その犯罪が非常に残虐で、社会的に許容できないものであることを強調します。殺人やテロ行為など、重大な犯罪に対して使われることが多いです。ニュース報道やドキュメンタリーなどで、事件の深刻さを伝える際に用いられます。「monstrous crimeの犠牲者」のように使います。
途方もない大きさ、巨大さ
※ 文字通り、非常に大きなサイズであることを強調する表現です。建物、動物、物体など、あらゆるものに対して使用できます。「The building was of monstrous size.(その建物は途方もなく大きかった。)」のように使います。口語的な表現としても、フォーマルな文章でも使用可能です。
使用シーン
学術論文や専門書で、比喩的な意味合いで用いられることがあります。例えば、経済学の研究で「monstrous debt(巨額な債務)」という表現で、国家債務の深刻さを強調する際に使われます。また、歴史学の研究で「monstrous injustice(極悪な不正)」という表現で、過去の不正義の規模や影響の大きさを表すことがあります。
ビジネスシーンでは、主にフォーマルな文書やプレゼンテーションで、否定的な意味合いを強調する際に用いられます。例えば、市場分析報告書で「monstrous failure(大失敗)」という表現で、新製品の販売不振を強調する際に使われます。ただし、感情的なニュアンスが強いため、客観性を重視する場面では他の表現が好まれる傾向があります。
日常会話では、非常に強い不快感や驚きを表す際に、誇張表現として用いられることがあります。例えば、ニュース記事やドキュメンタリーで、環境汚染の深刻さを伝える際に「monstrous pollution(ひどい汚染)」という表現が使われることがあります。ただし、大げさな印象を与える可能性があるため、使用には注意が必要です。
関連語
類義語
- atrocious
非常に悪い、残虐な、ひどいという意味。主に行為や品質に対して用いられ、道徳的な非難や嫌悪感を伴う。日常会話、報道、文学など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"と同様に極めてネガティブな意味合いを持つが、"atrocious"は特に質や行為の悪質さを強調する傾向がある。また、"monstrous"が外見的な醜さや異常さを指す場合があるのに対し、"atrocious"は倫理的な非難に重点が置かれる。 【混同しやすい点】"atrocious"はしばしば"crime"(犯罪)、"act"(行為)、"behavior"(行動)といった名詞と組み合わせて用いられる。"monstrous"は、外見や規模が異常に大きいことを表す場合もあるため、単に悪いという意味で使用する際には"atrocious"の方が適切である場合がある。
- hideous
非常に醜い、不快な、ぞっとするようなという意味。外見や容姿に対して使われることが多い。芸術、文学、日常会話などで使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"が異常な大きさや恐ろしさを伴う場合があるのに対し、"hideous"は純粋に視覚的な醜さを強調する。ただし、どちらも非常に強い嫌悪感を表す点では共通している。 【混同しやすい点】"hideous"は主に外見に用いられるため、人の性格や行為に対して使うことは不適切である。"monstrous"は外見だけでなく、行為や性格に対しても使用できるため、より広い意味を持つ。
- horrendous
恐ろしい、ぞっとする、ひどいという意味。事件、事故、状況など、非常に不快で恐ろしい事柄に対して用いられる。報道、日常会話などで使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"が怪物のような恐ろしさや異常さを表すのに対し、"horrendous"は現実の出来事や状況の悲惨さや恐ろしさを強調する。感情的な反応を強く喚起する。 【混同しやすい点】"horrendous"はしばしば"accident"(事故)、"situation"(状況)、"experience"(経験)といった名詞と組み合わせて用いられる。"monstrous"は、比喩的に使われる場合もあるが、"horrendous"は現実の悲惨な状況を指すことが多い。
法外な、言語道断な、ひどいという意味。価格、行動、発言など、常識や道徳から逸脱した事柄に対して用いられる。日常会話、報道などで使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"が恐ろしさや異常さを強調するのに対し、"outrageous"は怒りや憤慨を引き起こすような、倫理的・社会的に許容できない逸脱を表す。常識からの逸脱というニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"outrageous"はしばしば"price"(価格)、"behavior"(行動)、"statement"(発言)といった名詞と組み合わせて用いられる。"monstrous"は、規模や程度が異常に大きいことを表す場合もあるが、"outrageous"は倫理的な非難に重点が置かれる。
ぞっとする、ひどい、愕然とするという意味。状況、光景、ニュースなど、非常に不快で衝撃的な事柄に対して用いられる。報道、文学、日常会話などで使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"が怪物のような恐ろしさや異常さを表すのに対し、"appalling"は衝撃的な不快感や失望感を強調する。道徳的な非難よりも、感情的な衝撃を強く喚起する。 【混同しやすい点】"appalling"はしばしば"conditions"(状況)、"sight"(光景)、"news"(ニュース)といった名詞と組み合わせて用いられる。"monstrous"は、比喩的に使われる場合もあるが、"appalling"は現実の衝撃的な状況を指すことが多い。また、"appalling"は"appall"(愕然とさせる)という動詞から派生している点も重要。
ひどい、恐ろしい、不快なという意味。天気、病気、食事、経験など、様々な事柄に対して用いられ、広い意味での不快感や嫌悪感を表す。日常会話で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"monstrous"が異常な大きさや恐ろしさを伴う場合があるのに対し、"dreadful"はより一般的な不快感や嫌悪感を表現する。感情の強さとしては、"monstrous"の方がより強い。 【混同しやすい点】"dreadful"は比較的軽い不快感を表す場合もあり、深刻な状況に対して"monstrous"を使うべき場面で"dreadful"を使うと、状況の深刻さを十分に伝えられない可能性がある。日常会話で広く使われるが、フォーマルな場面ではより強い表現を選ぶ方が適切。
派生語
『怪物』という意味の名詞。「monstrous」の直接の語源であり、ラテン語の『monstrum(警告、前兆)』に由来します。元々は神の警告としての異常な存在を指しましたが、次第に恐ろしい生き物を意味するようになりました。日常会話からファンタジー作品まで幅広く使われます。
- monstrosity
『怪物性』、『巨大で醜いもの』を意味する名詞。「monstrous」に名詞化の接尾辞『-ity』が付いたもので、抽象的な概念や、物理的に巨大で不快なものを指す際に用いられます。建築物や政策などを批判的に表現する際に使われることがあります。学術的な文脈や報道でも見られます。
『証明する』、『示す』という意味の動詞。ラテン語の『monstrare(示す)』に由来し、「monstrum」と同根です。元々は「monstrum」が神の意志を示すものであったことから、「示す」「証明する」という意味に発展しました。ビジネス文書や学術論文で頻繁に使われます。
反意語
『とても小さい』という意味の形容詞。「monstrous」が巨大さ、異常さを強調するのに対し、「tiny」はその対極にある極小のサイズを表します。日常会話で頻繁に使われ、物理的なサイズだけでなく、比喩的に重要性の低さを表すこともあります。
『普通の』、『並の』という意味の形容詞。「monstrous」が異常で規格外な様子を表すのに対し、「ordinary」は標準的で平凡な状態を示します。日常的な状況や人を描写する際によく使われ、特別な要素がないことを意味します。ビジネスシーンや学術論文でも、標準的な状態を示す際に用いられます。
『美しい』という意味の形容詞。「monstrous」が醜さや恐ろしさを連想させるのに対し、「beautiful」は美しさや魅力を表します。外見だけでなく、内面的な美しさや、芸術作品の美しさなどを表現する際にも用いられます。日常会話から文学作品まで、幅広い文脈で使用されます。
語源
"Monstrous"は、ラテン語の"monstrum"(怪物、奇形)に由来します。さらに遡ると、"monere"(警告する、気づかせる)という動詞が語源です。つまり、元々は「警告するもの」「異常なもの」という意味合いがありました。古代ローマ人は、奇形や異常な出来事を神からの警告と捉え、"monstrum"という言葉で表現しました。英語の"monster"(怪物)も同じ語源です。接尾辞の"-ous"は、「~に満ちた」「~の性質を持つ」という意味で、"monstrous"全体としては「怪物の性質を持つ」「非常に大きい、恐ろしい」といった意味合いになります。現代英語では、物理的な大きさだけでなく、道徳的な意味での「極悪な」という意味も持ちます。日本語で例えるなら、「鬼のような」「規格外の」といった表現が近いでしょう。
暗記法
「monstrous」は単に大きいだけでなく、倫理的に許されない悪を指します。ゴシック小説では抑圧された感情の象徴であり、『フランケンシュタイン』の人造人間は社会の偏見が生んだ悲劇です。政治的には、不正な権力や体制を批判する言葉として使われます。現代では環境破壊や人権侵害など、倫理的に問題のある行為への非難にも用いられ、社会の規範を脅かす存在を強く否定する言葉として、その意味を深めています。この言葉の理解は、社会の価値観への洞察につながります。
混同しやすい単語
『monstrous』と『monster』は、語源が同じラテン語の『monstrum』(怪物)ですが、品詞が異なります。『monster』は名詞で「怪物」そのものを指しますが、『monstrous』は形容詞で「怪物のような」「途方もない」という意味です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(monster:頭、monstrous:頭)。日本人学習者は、文脈に応じて使い分ける必要があります。
『monstrous』と『demonstrate』は、どちらも長い単語で、先頭の数文字が似ているため、スペルミスや読み間違いが起こりやすいです。『demonstrate』は「証明する」「実演する」という意味の動詞であり、意味も品詞も大きく異なります。語源的には、『demonstrate』はラテン語の『demonstrare』(指し示す)に由来します。注意点として、発音も全く異なるため、カタカナ発音に頼らず、正しい発音を意識することが重要です。
『monstrous』と『tremendous』はどちらも「途方もない」「素晴らしい」といった意味合いで使われることがありますが、『tremendous』は肯定的な意味合いが強いのに対し、『monstrous』は否定的な意味合いが強いです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(tremendous:中)。語源的には、『tremendous』はラテン語の『tremere』(震える)に由来し、「震えるほど素晴らしい」という意味合いがあります。文脈によって使い分けることが重要です。
『monstrous』と『momentous』は、どちらも語尾が『-ous』で終わる形容詞であり、スペルが似ているため混同しやすいです。『momentous』は「重大な」「重要な」という意味で、肯定的なニュアンスを持つことが多いです。語源的には、ラテン語の『momentum』(瞬間)に由来し、「重要な瞬間」という意味合いがあります。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(momentous:中)。
『monstrous』と『ominous』は、どちらも『-ous』で終わる形容詞で、ネガティブな意味合いを持つことがあります。『ominous』は「不吉な」「縁起の悪い」という意味で、悪いことが起こる前兆を表す際に使われます。語源的には、ラテン語の『omen』(前兆)に由来します。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(ominous:頭)。文脈によっては、どちらも「恐ろしい」という意味合いで使われることがありますが、『ominous』はより未来の出来事に対する不安を表します。
『monstrous』と『lustrous』は、どちらも語尾が『-ous』で終わる形容詞ですが、意味は大きく異なります。『lustrous』は「光沢のある」「輝かしい」という意味で、美しいものを表現する際に使われます。語源的には、ラテン語の『lustrare』(照らす)に由来します。スペルの一部が似ているため、特に書き言葉で注意が必要です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(lustrous:頭)。
誤用例
『Monstrous』は、確かに『巨大な』という意味合いも持ちますが、同時に『不気味なほど大きい』『醜悪なほど大きい』というニュアンスを含みます。単に建物の大きさを伝えたいのであれば、『massive』や『huge』を使う方が適切です。日本人は、英語学習において形容詞の持つニュアンスを軽視しがちで、辞書に載っている訳語だけで判断してしまう傾向があります。特に、否定的・感情的な意味合いを帯びる単語は、文脈をよく考慮する必要があります。日本語の『巨大な』という言葉は中立的な意味合いが強いため、そのまま『monstrous』に置き換えてしまうと、意図しないネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。
『Monstrous』は、問題の規模や困難さを強調する際に使えますが、解決可能であることを述べる文脈では不自然です。問題の大きさと解決の容易さの間に矛盾が生じてしまいます。より適切な表現は、『seemingly insurmountable(一見乗り越えられないような)』のように、問題を最初は大きく見せつつ、実は解決可能であることを示す表現です。日本人は、形容詞を文字通りに解釈し、文脈全体の流れを考慮せずに使用することがあります。英語では、修飾語と被修飾語の関係性だけでなく、文全体の意味合いを考慮して単語を選ぶ必要があります。日本語の『途方もない問題』という表現を安易に『monstrous problem』と訳してしまうと、このような誤用につながる可能性があります。
『Monstrous』は、間違いの重大さを強調する際に使用できますが、日常会話ではやや大げさで不自然に聞こえる場合があります。より自然な表現は、『terrible』や『huge』などです。『monstrous』は、例えば、歴史的な大事件や、倫理的に許されない行為など、非常に深刻な間違いに対して使うのが適切です。日本人は、英語の形容詞を強調表現として多用する傾向がありますが、過剰な修飾はかえって不自然さを生み出すことがあります。英語では、状況に応じて適切な語彙を選ぶことが重要であり、日常的な場面では、より穏やかな表現を使う方が好ましい場合があります。日本語の『とんでもない間違い』という表現をそのまま『monstrous mistake』と訳してしまうと、相手に不快感を与えてしまう可能性もあります。
文化的背景
「monstrous」は、単に「巨大」であるだけでなく、「道徳的に許容できないほど悪い」「自然の秩序に反する」といった意味合いを強く含み、しばしば社会の規範や倫理観を脅かす存在として描かれます。この言葉は、外見的な醜さだけでなく、内面の邪悪さや、人間性を逸脱した行為を指し示す際に用いられ、そのため、単なる「怪物」という訳語では捉えきれない、文化的な深みを持っています。
例えば、ゴシック小説やロマン主義文学において、「monstrous」は、抑圧された感情や、理性では制御できない狂気を象徴する存在として頻繁に登場します。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』に登場する人造人間は、創造主であるフランケンシュタイン博士の傲慢さと、科学技術の倫理的限界を体現する「monstrous」な存在です。彼は、外見の醜さゆえに社会から拒絶され、孤独と絶望の中で破壊的な行動へと駆り立てられます。この物語は、「monstrous」な存在が、単に悪意から生まれるのではなく、社会の無理解や偏見によって生み出される可能性を示唆しています。
また、政治的な文脈においては、「monstrous」は、権力者の不正や、抑圧的な体制を批判する際に用いられます。例えば、独裁者や、人道に反する行為を行う組織は、「monstrous regime(怪物のような政権)」や「monstrous crime(言語道断な犯罪)」と形容されることがあります。このような用法は、「monstrous」という言葉が、単なる物理的な大きさや異常性だけでなく、道徳的な腐敗や、社会正義の侵害を強く非難する意味合いを含んでいることを示しています。
現代社会においても、「monstrous」は、環境破壊や、人権侵害など、倫理的に問題のある行為を批判する際に用いられます。地球温暖化や、絶滅危惧種の増加といった問題は、「monstrous environmental damage(言語道断な環境破壊)」と表現されることがあります。このように、「monstrous」は、時代や文化を超えて、社会の規範や倫理観を脅かす存在や行為を批判的に描写する言葉として、その意味合いを深め続けています。この言葉を理解することは、単なる語彙の習得にとどまらず、社会の価値観や倫理観に対する深い洞察へとつながるでしょう。
試験傾向
準1級、1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。出題形式は、空所補充や言い換え、内容一致などが考えられます。頻度は比較的高く、特に社会問題や環境問題に関する文章で使われることがあります。注意点としては、類義語との使い分け(huge, enormousなど)や、比喩的な意味合いで用いられる場合に注意が必要です。
TOEICでは、Part 5(短文穴埋め)やPart 7(長文読解)で出題される可能性があります。頻度は英検に比べるとやや低めですが、ビジネスシーンに関連する文章で使われることがあります(例:monstrous debt, monstrous failure)。注意点としては、フォーマルな文脈で用いられることが多く、口語的な表現ではないことを意識する必要があります。
TOEFLのリーディングセクションで、アカデミックな文章中に出題される可能性があります。科学、歴史、社会科学などの分野で、問題点や課題を強調する際に用いられることがあります。語彙レベルはやや高めで、類義語(atrocious, appalling)との区別が問われることがあります。ライティングセクションで、議論や意見を述べる際に使用することもできます。
大学受験では、難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。社会問題、環境問題、歴史、文学など、幅広いテーマで使われることがあります。文脈から意味を推測する能力が求められ、類義語や反意語に関する知識も重要です。また、記述問題で言い換え表現として使用できる場合もあります。