indulgence
第2音節にアクセントがあります。/ʌ/ は日本語の『ア』よりも口を大きく開けず、喉の奥から出すイメージで発音します。『ヂ』は、舌先を上の歯茎に近づけ、息を摩擦させて出す音です。語尾の /əns/ は曖昧母音なので、力を抜いて発音しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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甘やかし
欲求や衝動を抑えずに、好きなようにさせること。自分自身や他人に対して使う。ネガティブな意味合いを含むことが多い。(例:自己indulgence = 自己満足、過度のindulgence = 甘やかしすぎ)
The little boy got every toy he wanted due to his parents' indulgence.
その小さな男の子は、両親の甘やかしのせいで欲しいおもちゃをすべて手に入れました。
※ おもちゃ売り場で、男の子が親に新しいおもちゃを買ってもらっている場面を想像してください。親が子供の要求を何でも聞いてしまう「甘やかし」が原因で、男の子がどんどんわがままになっている様子が伝わります。「due to ...」は「~のせいで」「~が原因で」という意味で、ここでは「甘やかし」が良くない結果につながっていることを示しています。
After a long week, a warm bath was her only indulgence.
長い一週間の後、温かいお風呂が彼女にとって唯一のささやかな贅沢でした。
※ 仕事や家事を頑張った週末の夜、一日の疲れを癒やすために、ゆっくりお風呂に入っている女性の姿を思い浮かべてください。普段はできないけれど、たまには自分を「甘やかす」ような、ささやかな「ご褒美」や「贅沢」を表現しています。「indulgence」は、悪い意味だけでなく、自分への「ご褒美」や「贅沢」といったポジティブな意味でも使われます。
The teacher's indulgence made the noisy students even louder.
先生の甘やかしが、騒がしい生徒たちをさらにうるさくさせました。
※ 授業中、生徒たちが騒いでいるのに先生が厳しく注意しない場面を想像してください。先生が甘い態度をとることで、かえって生徒たちが調子に乗ってしまい、ますます騒がしくなってしまう様子が目に浮かびます。「make + 人/物 + 形容詞」は「~を…な状態にする」という基本的な文型です。「indulgence」が、生徒たちの行動に悪い影響を与えていることがわかります。
道楽
高価な趣味や贅沢品などにお金や時間を費やすこと。しばしば非難めいたニュアンスを含む。(例:an indulgence in fine wines = 高級ワインへの道楽)
After a tough week, a big ice cream cone was my perfect indulgence.
大変な一週間の後、大きなアイスクリームコーンは私にとって最高の贅沢でした。
※ この例文は、頑張った自分への「ささやかなご褒美」や「自分を甘やかす行為」としての 'indulgence' を表しています。仕事や勉強で疲れた後、大好きなものを食べてホッと一息つく、そんな場面でよく使われます。日本語の「道楽」よりも、もっと身近でポジティブな「ご褒美」「楽しみ」というニュアンスです。
For busy parents, an hour of quiet reading is a rare indulgence.
忙しい親にとって、1時間の静かな読書はめったにない贅沢です。
※ ここでは、時間や特定の活動が「贅沢」や「特別な楽しみ」であることを示しています。子育てなどで忙しい日々の中で、ようやく得られた自分だけの静かな時間が、いかに貴重な 'indulgence' であるかが伝わります。日常の小さな幸せや、なかなかできないことへの「ご褒美」のような感覚です。
His morning ritual of strong coffee and a newspaper was a daily indulgence.
彼の毎朝の濃いコーヒーと新聞の習慣は、日々のささやかな楽しみでした。
※ この例文は、個人的な習慣や趣味が「日々の楽しみ」や「ささやかな贅沢」であることを表現しています。誰にも邪魔されずに好きなことをする時間、それが彼にとっての 'indulgence' です。このように、'indulgence' は必ずしも高価なものだけでなく、心が満たされるような日常の行為にも使われます。
大目に見ること
過ちや欠点などを厳しく責めず、許容すること。寛容さを示す場合に用いられる。(例:showing indulgence towards someone's mistakes = 人の過ちに対して寛容を示す)
My mom gave me an indulgence to stay up late, just for tonight.
母は今夜だけ、私が夜更かしすることを大目に見ることを許してくれた。
※ 【情景】子供が夜更かしを許されて、目を輝かせている場面。普段は許されないことや、少し甘やかし気味に何かを許可する状況で「indulgence」が使われます。ここでは、お母さんの温かい気持ちが伝わってきますね。「give an indulgence to do something」で「~することを大目に見ることを許す」という形で使えます。
The boss showed indulgence for my small mistake this time.
上司は今回、私の小さなミスを大目に見る態度を示してくれた。
※ 【情景】仕事で小さなミスをして焦っていたけれど、上司が温情を示してくれてホッと一安心している場面。「show indulgence for/towards」は、「~に対して大目に見る態度を示す」という非常に一般的な表現です。特に、上司や先生など、権限を持つ人が部下や生徒の過ちを許す際に使われます。このフレーズで覚えておくと便利です。
A little noise from the kids was met with the audience's indulgence.
子供たちからの少しの騒音は、観客の大目に見る態度で受け止められた。
※ 【情景】劇場や静かな場所で、子供が少し騒いでしまったけれど、周囲の大人たちが温かい目で見守っている場面。「be met with ~」は「~で迎えられる、~される」という意味の決まった言い方です。ここでは「indulgence(大目に見ること)」で迎えられた、つまり「大目に見られた」となります。公共の場での小さな不手際に対し、周囲が寛大な態度を取る様子を表すのにぴったりです。
コロケーション
罪のない楽しみ、ささやかな贅沢
※ 「harmless」という形容詞を伴うことで、そのindulgence(気まま、甘やかし)が、誰にも迷惑をかけず、深刻な結果をもたらさない範囲のものであることを強調します。例えば、「週末の映画鑑賞は、私にとってのa harmless indulgenceだ」のように使います。罪悪感なく楽しめる、ちょっとした息抜きを指すことが多いでしょう。頻繁に使われる表現で、口語・文語どちらでも自然です。
罪悪感を伴う甘美な誘惑、後ろめたい快楽
※ 「guilty」という形容詞がつくことで、そのindulgenceが本来慎むべきである、あるいは道徳的に許されないものであるというニュアンスが加わります。例えば、「深夜のチョコレートケーキは、私のguilty indulgenceだ」のように使われます。快楽と同時に、自己嫌悪や後悔の念が伴う点がポイントです。口語でよく使われ、ユーモラスな響きがあります。
誘惑に負ける、甘えを許す
※ 「give in to」という動詞句と組み合わせることで、自制心を失い、誘惑に屈する様子を表します。例えば、「ダイエット中だが、甘い誘惑にgive in toしてしまった」のように使います。単にindulgenceを楽しむだけでなく、葛藤の末に負けてしまうニュアンスが含まれます。自己制御に関する議論でよく用いられます。
贅沢三昧の生活、放蕩生活
※ 「life of」という表現と組み合わせることで、特定の種類の生活様式全体を指し示すことができます。この場合、「a life of indulgence」は、物質的な豊かさや快楽を追求する生活、すなわち贅沢三昧の生活を意味します。歴史小説や伝記などで、特定の人物の生き方を描写する際に用いられることがあります。やや文学的、またはフォーマルな響きがあります。
親の甘やかし、親の過保護
※ 「parental」という形容詞を伴うことで、親が子供を甘やかす行為、またはその度合いを指します。教育や子育てに関する議論で頻繁に用いられます。単なる愛情表現を超えて、子供の成長を阻害する可能性のある過度な甘やかしを意味することが多いです。社会学的な文脈でも使用されます。
甘やかす行為、大目に見る行為
※ 「act of」と組み合わせることで、具体的な行動、事例としての甘やかしを指します。例えば、「遅刻を許すのは、彼に対するan act of indulgenceだ」のように使います。寛容さを示す一方で、それが必ずしも良い結果をもたらさない可能性も示唆します。ビジネスシーンや人間関係において、ある程度の権限を持つ人が行う行為を指すことが多いです。
自己陶酔、わがまま
※ 「self-」を接頭辞としてつけることで、自分自身を甘やかすこと、自分の欲求を満たすことに没頭する状態を表します。しばしば否定的な意味合いで使用され、他者への配慮を欠いた自己中心的な行動を指します。心理学や自己啓発の分野でよく用いられます。
使用シーン
学術論文や心理学、社会学の研究で、特定の行動や傾向を分析する際に用いられることがあります。例えば、「自己寛容(self-indulgence)と幸福感の関連性について研究する」といった文脈で使用されます。また、歴史学においては、「権力者の贅沢な暮らしぶりを批判的に描写する」際に使われることもあります。
ビジネスシーンでは、従業員の行動や市場の動向を分析するレポートなどで見られます。ただし、直接的な「甘やかし」の意味ではなく、「(市場の)過剰なまでの活況」や「(顧客の)過度な要求」といった、やや否定的なニュアンスで使われることが多いです。例:「近年の顧客は、より多くのパーソナライズされたサービスを求め、その要求は過剰になりつつある(a growing indulgence)」。
日常会話ではあまり使われませんが、自己啓発やライフスタイルの記事などで、「たまには自分を甘やかすことも大切だ」という文脈で登場することがあります。例えば、「週末は普段頑張っている自分へのご褒美として、ちょっと贅沢なスイーツを味わうのも良いでしょう(a little indulgence)」といった具合です。また、ニュース記事などで、「著名人の贅沢なライフスタイルを報道する」際に使われることもあります。
関連語
類義語
- leniency
寛大さ、寛容さ。特に、処罰や規則の適用において厳しさを緩めることを指す。法律、規則、または道徳的な義務に対する違反に対して用いられることが多い。フォーマルな文脈で使用される傾向がある。 【ニュアンスの違い】"indulgence"が個人的な欲求や気まぐれを満たすことへの許容を意味するのに対し、"leniency"は権力を持つ者が罰を軽減するという意味合いが強い。"Leniency"は、正当な理由に基づいた判断の結果として与えられることが多い。 【混同しやすい点】"Indulgence"は不可算名詞として使われることが多いが、"leniency"も同様。しかし、"indulgence"は「甘やかすこと」という行為自体を指す場合があるのに対し、"leniency"は「寛大な処置」という結果を指すことが多い。
- forgiveness
許し、容赦。相手の過ちや罪を感情的に受け入れ、それに対する怒りや恨みを捨てることを意味する。宗教的、道徳的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"indulgence"が欲求や気まぐれへの甘やかしを指すのに対し、"forgiveness"は相手の行為に対する個人的な感情の解消を意味する。"forgiveness"は、感情的なプロセスを伴うことが多い。 【混同しやすい点】"Indulgence"は必ずしも相手の過ちを許すことを意味しないが、"forgiveness"は相手の過ちを許すことを前提とする。また、"indulgence"は自分自身に対しても使えるが、"forgiveness"は基本的に他者に対して使われる。
- self-indulgence
自己耽溺、わがまま。自分の欲求や快楽を過度に満たすことを意味する。しばしば否定的な意味合いで使用され、自己中心的または無責任な行動を指す。 【ニュアンスの違い】"Indulgence"が一般的な甘やかしを指すのに対し、"self-indulgence"は特に自分自身を甘やかすことを強調する。"Self-indulgence"は、過剰な快楽追求や浪費を伴うことが多い。 【混同しやすい点】"Indulgence"は必ずしも悪い意味を持たないが、"self-indulgence"は通常、否定的な意味合いで使用される。また、"self-indulgence"はしばしば罪悪感や後悔を伴う。
- leniency
寛大さ、寛容さ。特に、処罰や規則の適用において厳しさを緩めることを指す。法律、規則、または道徳的な義務に対する違反に対して用いられることが多い。フォーマルな文脈で使用される傾向がある。 【ニュアンスの違い】"indulgence"が個人的な欲求や気まぐれを満たすことへの許容を意味するのに対し、"leniency"は権力を持つ者が罰を軽減するという意味合いが強い。"Leniency"は、正当な理由に基づいた判断の結果として与えられることが多い。 【混同しやすい点】"Indulgence"は不可算名詞として使われることが多いが、"leniency"も同様。しかし、"indulgence"は「甘やかすこと」という行為自体を指す場合があるのに対し、"leniency"は「寛大な処置」という結果を指すことが多い。
- pampering
甘やかすこと、大切に扱うこと。贅沢なものや快適な環境を提供して、特別な扱いをすることを指す。美容、健康、またはレジャーに関連する文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"indulgence"が欲求や気まぐれへの甘やかしを指すのに対し、"pampering"はより意識的で積極的な世話や手入れを意味する。"Pampering"は、相手を喜ばせるための行為を伴うことが多い。 【混同しやすい点】"Indulgence"は自分自身に対しても使えるが、"pampering"は通常、他者に対して使われる。また、"pampering"はしばしば高価なサービスや製品を伴う。
満足、充足。欲求や願望が満たされた状態を指す。個人的な感情や経験に関連する文脈で広く使われる。 【ニュアンスの違い】"indulgence"が欲求を満たす行為自体を指すのに対し、"satisfaction"はその結果として得られる感情を指す。"Satisfaction"は、必ずしも物質的なものに限らず、精神的な充足感も含む。 【混同しやすい点】"Indulgence"はしばしば過剰な欲求の充足を意味するが、"satisfaction"は必ずしもそうではない。また、"satisfaction"は目標達成や期待に応えることによっても得られる。
派生語
『甘やかすような』『寛容な』という意味の形容詞。原義の『没頭する』から転じて、欲求や快楽に浸ることを許容するニュアンスを含む。日常会話で人の性格を表す際や、旅行・グルメ記事で贅沢な体験を形容する際などに用いられる。使用頻度は中程度。
『甘やかす』『没頭する』という意味の動詞。再帰動詞として『~にふける』という意味で使われることが多い。日常会話で自分の行動を述べる際や、ビジネスシーンで顧客の要望に応える姿勢を示す際に用いられる。使用頻度は中程度。
- indulgence's
所有格。所有格にすることで、主観的な意味合いが強まり、特定の状況や対象への寛容さ、甘やかしを強調する際に使われる。例えば、「彼のindulgence'sは目に余る」のように用いる。
反意語
- abstinence
『節制』『禁欲』という意味の名詞。『indulgence』が快楽や欲求に身を任せることを指すのに対し、こちらはそれらを意図的に避けることを意味する。日常会話ではダイエットや禁酒などの文脈で、学術的な文脈では倫理学や宗教における自己抑制の概念を議論する際に用いられる。比喩的には、感情や行動の抑制を表すこともある。
- self-restraint
『自制』という意味。indulgenceが外部からの誘惑に負けてしまう状態を表すのに対し、self-restraintは自身の内側から湧き上がる欲求を理性的に抑えることを指す。日常会話やビジネスシーンで、感情的にならないように努める場面や、衝動的な行動を避ける場面で用いられる。より意識的な努力を伴うニュアンスがある。
『厳格』『質素』という意味。indulgenceが贅沢や快楽を追求するのに対し、austerityはそれらを抑制し、必要最低限のものだけで満足することを意味する。経済政策や生活態度など、幅広い文脈で使用される。特に経済における緊縮財政を表す際によく用いられる。
語源
「indulgence」は、ラテン語の「indulgentia」(甘さ、優しさ、寛大さ)に由来します。これはさらに「indulgēre」(甘くする、優しくする、寛大である)という動詞から来ています。この動詞は、「in-」(中に、〜へ)と「dulgēre」(甘い、心地よい)という要素に分解できます。つまり、「indulgence」の根底には、「何かを心地よく受け入れる」「甘く包み込む」といった意味合いがあります。日本語で例えるなら、子供が駄々をこねるのを「まあいいか」と許してしまう親の寛容さや、頑張った自分へのご褒美としてスイーツを「特別に」楽しむ贅沢な時間、そういったイメージに近いでしょう。時を経て、この単語は「甘やかし」「道楽」「大目に見ること」といった意味合いを持つようになりました。
暗記法
「indulgence」は、免罪符を巡る宗教改革の嵐の中で、教会と個人の信仰の緊張を象徴する言葉となりました。欲望に身を任せるドリアン・グレイの姿は、快楽の追求がもたらす破滅を暗示します。現代では「自分へのご褒美」として肯定的に捉えられることもありますが、その裏には浪費や依存のリスクも潜んでいます。歴史、文学、消費行動…様々な顔を持つこの言葉は、人間の欲望と社会の規範の間で揺れ動く、私たち自身の姿を映し出しているのです。
混同しやすい単語
『indulgence』とスペルが似ており、特に語尾の '-dulgence' と '-dustry' の部分が混同されやすい。意味は『産業』であり、名詞である点は共通しているものの、意味合いは全く異なる。日本人学習者は、スペルの細部まで注意深く確認する必要がある。語源的には、'industry' は『勤勉さ』を意味するラテン語に由来し、'indulgence' は『甘やかすこと』を意味するラテン語に由来する。
発音が少し似ており、特に語頭の母音と 'n' の音が共通しているため、聞き間違いやすい。また、どちらも名詞として使われ、抽象的な概念を表す点も共通しているため、意味の誤認も起こりうる。『影響』という意味であり、文脈によって混同を避ける必要がある。発音記号を確認し、意識的に区別することが重要。'influence'は「流れ込む」という意味のラテン語から来ており、'indulgence'とは語源が異なる。
接頭辞 'in-' と、語尾の '-dence' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。意味は『独立』であり、名詞である点は共通しているが、意味合いは全く異なる。特に、文章を速読する際に、スペルの類似性から誤読する可能性があるため、注意が必要。'independence' は『依存しないこと』を意味し、'indulgence' とは語源的な関連性はない。
語尾の '-gence' が共通しており、スペルが似ているため、混同しやすい。意味は『知性』であり、名詞である点は共通しているが、意味合いは全く異なる。どちらも抽象的な概念を表すため、文脈によっては誤解が生じる可能性がある。発音も一部似ているため、注意が必要。'intelligence'は「理解する」という意味のラテン語に由来し、'indulgence'とは語源が異なる。
スペルがやや似ており、特に語頭の 'di-' の部分と、全体的な音の響きが似ているため、混同される可能性がある。意味は『配当金』であり、経済や金融の文脈でよく使われる。一方、『indulgence』は快楽や甘やかしといった意味合いが強い。文脈が大きく異なるため、意味的な混同は少ないかもしれないが、スペルと音の類似性から注意が必要。 'dividend'は「分割する」という意味のラテン語から来ており、'indulgence'とは語源が異なる。
語尾の '-gence' が共通しており、スペルが似ているため、混同しやすい。意味は『勤勉』であり、名詞である点は共通しているが、意味合いは全く異なる。どちらも抽象的な概念を表すため、文脈によっては誤解が生じる可能性がある。'diligence'は「注意深く選ぶ」という意味のラテン語に由来し、'indulgence'とは語源が異なる。
誤用例
『Indulgence』は、日本語の『ご褒美』と訳されることもありますが、良い意味での『甘やかし』『気晴らし』よりも、どちらかというと『(悪いことに対する)大目に見ること』『免罪』といったニュアンスが強い単語です。そのため、頑張った自分へのご褒美という文脈では、より中立的な『treat』を使う方が自然です。日本人は『ご褒美』という言葉にポジティブなイメージを持ちがちですが、英語の『indulgence』は、ややネガティブな文脈、例えば『自己中心的で過剰な欲求を満たすこと』を指す場合もあります。頑張った自分へのご褒美には、もっと軽いニュアンスの言葉を選びましょう。
『Indulgence』自体は『甘やかし』『耽溺』という意味ですが、程度を表すためには、通常、形容詞を伴って『excessive indulgence』や『overindulgence』のように使われます。単に『indulgence』だけだと、甘いものを楽しむこと自体を指すように聞こえ、文脈によっては不自然です。日本人は『〜すること』をそのまま名詞で表現しようとしがちですが、英語では程度を明確にする必要があります。例えば、『食べ過ぎ』は『eating too much』よりも『overeating』と言う方が自然なのと同じです。背景として、英語はラテン語由来の語彙が豊富で、接頭辞や接尾辞で意味を修飾する傾向が強いことが挙げられます。
『Offer』は一般的な動詞で『提供する』という意味ですが、『indulgence』のような公式なものを授ける場合には、より権威のある動詞『grant』を使う方が適切です。歴史的な背景として、『indulgence(免罪符)』は教会が発行するものであり、単に『提供』されるものではなく、『許可』『授与』されるものでした。日本人は『提供する』という言葉を幅広く使いがちですが、英語では文脈に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。特に、歴史的、宗教的な文脈では、単語の持つニュアンスを考慮することが重要です。英語の学習においては、単語の意味だけでなく、その単語が持つ歴史的、文化的背景を知ることも教養の一部と言えるでしょう。
文化的背景
「indulgence(放縦、甘やかし)」は、しばしば禁欲や節制といった美徳の対極に位置し、人間の弱さや欲望を象徴する言葉として文化史に登場します。特に宗教改革期においては、免罪符(indulgence)を巡る論争が社会を大きく揺るがし、この語は単なる個人的な耽溺を超えた、社会構造や倫理観を問うキーワードとなりました。
中世ヨーロッパにおいて、教会が発行した免罪符は、罪の償いを軽減するとされ、信者たちはそれを購入することで現世または煉獄における苦しみを軽減できると信じられていました。しかし、マルティン・ルターをはじめとする宗教改革者たちは、この免罪符の販売を強く批判し、信仰の原点に立ち返ることを訴えました。ルターの「95ヶ条の論題」は、免罪符の有効性を疑問視し、信仰と行為の関係、そして教会の権威について根本的な問いを投げかけました。この論争は、単なる神学的な議論に留まらず、当時の社会構造や政治情勢と複雑に絡み合い、宗教改革の大きな引き金となりました。したがって、「indulgence」は、宗教的な文脈においては、教会の権威と個人の信仰心の間の緊張関係を象徴する言葉として理解することができます。
文学作品においても、「indulgence」はしばしば登場します。例えば、オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』では、主人公ドリアンが美貌を保つ代わりに魂を売り渡し、快楽主義的な生活に耽溺する様子が描かれています。ドリアンの「indulgence」は、彼の破滅的な運命を暗示する要素であり、快楽を追求することの危険性や倫理的な責任を問うテーマと深く結びついています。また、現代社会においては、「indulgence」は、ストレス解消や自己肯定感を高めるための手段として、肯定的な意味合いで使用されることもあります。例えば、「たまには自分へのご褒美」といった表現は、日々の努力を労い、ささやかな贅沢を楽しむことを推奨するものであり、必ずしも否定的な意味合いを持つわけではありません。ただし、過度な「indulgence」は、浪費や依存症といった問題を引き起こす可能性もあり、バランスの取れた消費行動や自己管理が重要となります。
このように、「indulgence」は、歴史的な背景、文学作品、そして現代社会における消費行動など、様々な文脈において異なる意味合いを持ちます。この語を理解することは、単に語彙力を高めるだけでなく、社会構造や倫理観、そして人間の欲望といった、より深い文化的背景を理解することにつながります。学習者は、「indulgence」という言葉を通して、人間の弱さや欲望、そして社会的な規範との間の複雑な関係について考察を深めることができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)と長文読解。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: やや硬めの文章、社会問題や文化に関する話題で出題されやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「甘やかし」「耽溺」の意味の他に、「寛容」という意味があることを覚えておく。関連語の"indulgent"(形容詞:甘い、寛大な)も重要。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)とPart 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: 比較的まれ。しかし、ビジネス関連の長文で読解語彙として登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの「特別扱い」「寛容な対応」といった意味合いで使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスの文脈における意味を理解しておく。例えば、「経費に関するindulgence(寛容な措置)」など。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻繁に見られる語彙。
- 文脈・例題の特徴: 心理学、社会学、歴史などの分野で、「甘やかし」「耽溺」といった意味合いで使われることが多い。自己indulgence(自己耽溺)のような形で登場することも。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で登場することが多いため、文脈全体を理解することが重要。類義語の"self-gratification"などと関連付けて覚えると良い。
- 出題形式: 主に長文読解。
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される傾向がある。標準的な単語帳には掲載されていない場合もある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語文など、幅広いジャンルで出題される可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。多義語であるため、文脈に応じて適切な意味を選択する必要がある。「甘やかし」のニュアンスだけでなく、「没頭」や「楽しみ」といった意味も覚えておく。