impious
第一音節に強勢があります。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し横に引いて短く発音します。/aɪ/ は二重母音で、『ア』から『イ』へスムーズに移行しますが、それぞれをはっきり発音しすぎないように注意しましょう。語尾の /əs/ は曖昧母音で、ほとんど聞こえないくらい弱く発音します。最後の『ス』は無声音(息だけ)で発音すると、より自然になります。
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不信心な
神や宗教に対する敬意を欠いている様子。道徳的・倫理的な規範を無視するニュアンスを含む。例:impious act(不信心な行い)
The old priest sighed, seeing the impious boy laughing loudly inside the quiet church.
年老いた司祭は、静かな教会の中で大声で笑っている不信心な少年を見て、ため息をついた。
※ この例文は、神聖な場所で不適切な行動をとる様子を描写しています。教会という厳粛な場所で笑い騒ぐ少年は、その場の雰囲気を乱し、信仰に対する敬意を欠いていると捉えられがちです。このように、宗教的な慣習や場所に敬意を払わない態度が「不信心な」と表現される典型的な場面です。「impious boy」のように、不信心な人や態度を直接表現する際によく使われます。
Some people found his jokes about ancient gods rather impious and disrespectful.
彼の古代の神々に関する冗談は、不信心で無礼だと感じる人もいた。
※ この例文では、信仰の対象である「古代の神々」を軽んじるような冗談が、「不信心な」と見なされる状況を示しています。特定の信仰や伝統をあからさまに嘲笑ったり、軽視したりする行為は、人によっては非常に不快で「不信心」だと感じられます。ここでは「found A B (AをBだと感じる)」という形で使われており、ある行動がどのように評価されたかを表すのに役立ちます。
Breaking the sacred vow was considered an impious act that would bring misfortune.
その神聖な誓いを破ることは、不幸を招く不信心な行為だと考えられていた。
※ この例文は、神聖な約束や誓いを破る行為が「不信心な」と見なされる状況を描いています。物語や伝説の中では、神聖な誓いを破ることは神の怒りを買い、災難を招く行為として描かれることがよくあります。このように、神や信仰、あるいは神聖なものに対する裏切り行為も「impious」と表現されます。「was considered an impious act (不信心な行為だと考えられていた)」のように、ある行為がどのように評価されたかを説明する際によく使われる形です。
不敬な
伝統や権威、尊敬されるべきものに対して敬意を払わない態度。反抗的、侮辱的な意味合いを含む。例:impious words(不敬な言葉)
The boy's loud laughter in the quiet church felt deeply impious to the old priest.
静かな教会でのその少年の大きな笑い声は、老司祭にはひどく不敬に感じられました。
※ この例文では、静かで神聖な教会という場所で、敬意を欠いた大きな笑い声が「不敬(impious)」だと感じられる様子が描かれています。特に宗教的な場所での振る舞いに対して使われる典型的な場面です。「felt deeply impious」で、感情がこもった表現になっています。
Some people thought his jokes about the ancient gods were impious and offensive.
彼の古代の神々についての冗談を、不敬で不快だと感じる人々もいました。
※ ここでは、神聖な存在である「古代の神々」を冗談の対象にすることが「不敬(impious)」だと見なされる状況です。信仰の対象や宗教的な教えを軽々しく扱う行為は、この単語が使われる最も中心的な文脈の一つです。「offensive(不快な)」という言葉が、その感情をさらに強調しています。
Ignoring the traditional rituals for the dead was considered an impious act by the villagers.
死者のための伝統的な儀式を無視することは、村人たちにとって不敬な行為と見なされました。
※ この例文は、故人や先祖を敬うための「伝統的な儀式」を無視する行為が「不敬(impious)」と見なされる場面を示しています。宗教だけでなく、文化や慣習に根ざした神聖なものへの敬意を欠く場合にも「impious」が使われることがあります。村人たちがどう感じたのかが具体的に伝わります。
コロケーション
不信心な行為、神を冒涜する行為
※ 神への敬意を欠いた行動全般を指しますが、特に宗教的な儀式を汚したり、聖なるものを冒涜したりする行為に使われます。単に「不道徳な行為」よりも、宗教的・倫理的な規範に対する直接的な違反というニュアンスが強くなります。文脈によっては、特定の宗教・宗派に対する侮辱と解釈される可能性もあるため、注意が必要です。例文: 'Desecrating the temple was considered an impious act.'(その寺院を汚すことは不信心な行為だと見なされた。)
不信心な考え、神を疑う気持ち
※ 神の存在や教義に対する疑念、あるいは神への反抗心など、信仰心に反する考えを指します。表に出さずとも、心の中で抱く不敬な思いも含まれます。文学作品などで、登場人物の葛藤を描写する際に用いられることがあります。例文: 'He struggled with impious thoughts during his prayer.'(彼は祈りの最中、不信心な考えと格闘した。)
不信心な言葉、神を冒涜する言葉
※ 神や宗教に対する侮辱的な発言、あるいは神の存在を否定するような言葉を指します。「blasphemous words(冒涜的な言葉)」とほぼ同義ですが、「impious」はより広い意味で、信仰心のない状態からくる言葉全般を指すことがあります。フォーマルな場面や文学的な文脈で用いられることが多いです。例文: 'The preacher condemned his impious words.'(牧師は彼の不信心な言葉を非難した。)
不信心な無視、神への軽視
※ 神や宗教的な教えを意図的に無視したり、軽視したりする態度を指します。単に「無関心」であるだけでなく、積極的に信仰を否定するようなニュアンスが含まれます。歴史的な文脈や、宗教的な対立を描写する際に用いられることがあります。例文: 'Their impious disregard for tradition led to conflict.'(彼らの伝統に対する不信心な無視は、対立を引き起こした。)
何かを不信心なものとして扱う
※ 本来神聖なもの、または敬意を払うべき対象を、軽蔑したり冒涜したりする行為を指します。この構文は、特定の行動や態度が宗教的、倫理的な規範から逸脱していることを強調する際に用いられます。例文: 'To treat the scriptures as impious is a grave offense.' (聖典を不信心なものとして扱うことは重大な罪である。)
不信心な時代
※ 信仰心が薄れ、宗教的な価値観が軽視される時代を指します。社会全体の精神的な荒廃や、伝統的な道徳観の崩壊を嘆く文脈で用いられます。歴史的な考察や社会批評においてよく見られる表現です。例文: 'Many believe we are living in an impious age.'(多くの人々は、私たちが不信心な時代に生きていると信じている。)
使用シーン
宗教学、歴史学、哲学などの分野で、過去の人物や出来事を論じる際に使用されます。例えば、「彼の行動は当時の宗教的規範から見ると不敬とみなされた」のように、客観的な分析や歴史的背景の説明で用いられることが多いです。論文や学術書で目にすることがあります。
ビジネスシーンでは、非常にフォーマルな文書やスピーチで、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、「その投資計画は、企業の倫理観に照らすと不敬である」のように、倫理的な問題や企業の価値観との矛盾を指摘する際に用いられます。ただし、直接的な表現を避ける傾向があるため、婉曲的な言い回しが好まれます。
日常会話ではほとんど使われません。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、宗教や倫理に関する話題を取り扱う際に、専門的な語彙として登場することがあります。例えば、「その政治家の発言は、一部の宗教団体から不敬であると批判された」のように、報道や解説の中で使われることがあります。
関連語
類義語
- irreligious
宗教的でない、宗教心がないという意味。特定の宗教に対する不信心というより、広く宗教全般に対する無関心や軽視を表す。フォーマルな文脈で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"impious"よりも穏やかな表現で、積極的に宗教を冒涜するというよりは、宗教的な義務や慣習を怠る、または無視するニュアンスが強い。感情的な反発や怒りといった要素は薄い。 【混同しやすい点】"irreligious"は単に宗教心がないことを指す場合が多く、必ずしも神への不敬を意味しない。一方、"impious"は神への不敬や冒涜という強い意味合いを含む。
- profane
神聖なものを冒涜する、不敬なという意味。宗教的な儀式や場所、概念などを汚す行為を指すことが多い。また、日常会話では下品な言葉遣いを指すこともある。 【ニュアンスの違い】"impious"と同様に神聖なものに対する不敬を表すが、より具体的な行動や言葉によって冒涜するニュアンスが強い。"impious"が内面的な不敬心を表すのに対し、"profane"は外的な行為を指すことが多い。 【混同しやすい点】"profane"は動詞としても使用でき、神聖なものを汚すという意味になる。また、"profanity"という名詞は、冒涜的な言葉や行為を指す。"impious"は形容詞のみで使用される。
- sacrilegious
聖餐を冒涜する、神聖なものを盗む、または故意に傷つけるなどの行為を指す。宗教的なものを物理的に、または象徴的に侵害する意味合いが強い。非常に強い非難の意を込めて使われる。 【ニュアンスの違い】"impious"よりも具体的な冒涜行為を指し、特に宗教的な物や場所に対する直接的な侵害を意味する。"impious"が一般的な不敬を表すのに対し、"sacrilegious"はより具体的な冒涜行為に限定される。 【混同しやすい点】"sacrilegious"は、物理的な冒涜行為を伴う場合にのみ使用される。単に宗教心がない、または不敬な態度を示すだけでは"sacrilegious"とは言えない。
- godless
神を信じない、神を認めないという意味。無神論者や、神の存在を否定する人々を指す場合に使われる。また、道徳観念がない、不道徳なという意味も含む。 【ニュアンスの違い】"impious"が神への不敬を表すのに対し、"godless"は神の存在自体を否定する、または神の存在を無視した行動を指す。道徳的な意味合いも含まれるため、"impious"よりも広い意味を持つ。 【混同しやすい点】"godless"は、必ずしも宗教的な文脈で使用されるとは限らない。道徳的な堕落や、倫理観の欠如を指す場合にも使用される。
- irreverent
尊敬の念を欠く、不遜なという意味。伝統や権威、または神聖なものに対して、敬意を払わない態度を指す。ユーモラスな文脈で使用されることもある。 【ニュアンスの違い】"impious"が神への不敬を表すのに対し、"irreverent"はより広い範囲で、尊敬の念を欠く態度を指す。必ずしも宗教的な意味合いを持つとは限らず、社会的な規範や慣習に対する反抗を表すこともある。 【混同しやすい点】"irreverent"は、必ずしも深刻な非難の意を込めて使われるとは限らない。ユーモラスな文脈や、社会的な風刺として使用されることもある。
- blasphemous
神や神聖なものを冒涜する、不敬なという意味。言葉や行動によって神を侮辱したり、宗教的な教義を否定したりすることを指す。非常に強い非難の意を込めて使われる。 【ニュアンスの違い】"impious"と同様に神への不敬を表すが、より直接的な冒涜行為を指す。"impious"が内面的な不敬心を表すのに対し、"blasphemous"は言葉や行動による明確な冒涜行為を指す。 【混同しやすい点】"blasphemous"は、言葉による冒涜行為を指すことが多い。神を侮辱する言葉や、宗教的な教義を否定する発言などが該当する。"impious"は、言葉だけでなく、態度や行動による不敬も含む。
派生語
『敬虔』『信心深さ』を意味する名詞。宗教的な献身や道徳的な義務感を表し、古くは神々への、現代では家族や国家への忠誠心を表すことも。学術論文や文学作品で、抽象的な概念として用いられることが多い。
『敬虔な』『信心深い』を意味する形容詞。『piety』から派生し、宗教的な献身や道徳的な正しさを強調する。人の内面的な性質を評価する際に使われ、やや形式ばった場面や文学作品に登場する。
- impiety
『不敬虔』を意味する名詞。『piety』に否定の接頭辞『im-』が付いた形。宗教的な義務を怠ることや、神聖なものに対する不敬な態度を指す。法律用語としても用いられ、社会規範からの逸脱を示す。
反意語
- reverent
『敬虔な』『うやうやしい』を意味する形容詞。『impious』が神や宗教に対する不敬を示すのに対し、『reverent』は深い尊敬と畏敬の念を表す。宗教的な文脈だけでなく、権威ある人物や伝統に対する敬意を示す際にも用いられる。
『信心深い』『熱心な』を意味する形容詞。『impious』が信仰心の欠如を示すのに対し、『devout』は宗教的な献身と熱心さを強調する。個人的な信仰生活や宗教的な活動への積極的な参加を伴うことが多い。
『宗教的な』を意味する形容詞。『impious』が宗教を軽んじる態度を示すのに対し、『religious』は宗教に関連すること全般を指す。ただし、単に宗教的であるという事実を示すだけでなく、信仰心の深さを表す場合もある。
語源
「impious」は「不信心な」「不敬な」という意味ですが、これはラテン語の「impius」に由来します。「impius」は、接頭辞「im-」(否定を表す)と「pius」(敬虔な、信心深い)という要素から構成されています。「pius」はさらに、「清める」「敬う」といった意味を持つ動詞に関連しており、神や家族、国家などに対する義務や愛情、忠誠心といった概念を含んでいます。したがって、「impious」は文字通りには「敬虔でない」という意味であり、神や宗教、道徳的な規範に対する尊敬や義務を欠いている状態を表します。日本語で例えるなら、「親不孝」という言葉が「pius」の欠如を示す点で近いニュアンスを持っています。
暗記法
「impious」は単なる不信心にあらず。それは社会秩序への反逆の烙印。古代ローマでは「pietas(敬虔)」こそが美徳であり、不敬は重罪。初期キリスト教徒が迫害されたのも、皇帝崇拝を拒んだ「impious」な行為ゆえ。中世では教会への不敬は異端審問の対象となり、ダンテの『神曲』にもその罪深さが描かれる。現代では伝統的価値観への挑戦を意味し、環境破壊などを「impious」と非難することで、倫理を超えた人類への冒涜を訴える。時代を超え、倫理と社会秩序を揺るがす言葉、それが「impious」。
混同しやすい単語
『impious』と『pious』は接頭辞 'im-' の有無だけが異なり、スペルも発音も非常に似ています。『pious』は『信心深い』という意味で、'impious' の反対語です。意味が正反対であるため、接頭辞を見落とすと誤解を招きます。英語の接頭辞 'im-' は否定の意味を持つことを覚えておきましょう。
『impious』と『impish』は、最初の3文字が同じで、語尾も似たような音であるため、混同しやすいです。『impish』は『いたずら好きの』という意味で、人や行動を形容する際に使われます。意味も品詞も異なるため、文脈で判断する必要があります。語源的には、'imp'(小さい悪魔、いたずらっ子)に関連しています。
『impious』と『imperious』は、どちらも 'im-' で始まる形容詞で、スペルも似ているため、混同されることがあります。『imperious』は『横柄な』『傲慢な』という意味で、権力や地位を笠に着て他人を見下すような態度を表します。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なるため、注意して聞く必要があります。
'impious' と 'previous' は、文字数と音節数が近く、母音字の配置も似ているため、スペルミスや読み間違いが起こりやすいです。『previous』は『前の』『以前の』という意味で、時間的な先行を表します。語源的にはラテン語の 'praevius'(道案内をする)に由来し、'via'(道)という語が含まれています。
'impious' と 'obvious' は、どちらも母音の並び順が複雑で、スペルミスを起こしやすい単語です。『obvious』は『明白な』『明らかな』という意味で、誰の目にも明らかであることを表します。発音もスペルも大きく異なりますが、どちらも日本人には綴りが難しく感じられるため、注意が必要です。ラテン語の 'obvius'(道で出会う)が語源です。
『impious』と『opiates』は、母音の数と配置が似ており、特に発音時に混同される可能性があります。『opiates』は『阿片剤』という意味で、医療や娯楽目的で使用される麻薬の一種を指します。文脈が全く異なるため、誤解を避けるためには、単語の意味をしっかりと理解しておくことが重要です。
誤用例
『impious』は神や宗教に対する不敬虔さを意味し、道徳的な偽善とはニュアンスが異なります。この文脈では、公の場で祈る行為が偽善的であるため、『hypocritical(偽善的な)』がより適切です。日本人が『不信心な人が祈る』という状況を想像し、表面的には矛盾しているように感じることから、『impious』を選んでしまう可能性があります。しかし、英語では宗教的な不敬虔さと道徳的な偽善は区別され、ここでは後者が問題とされています。
『impious』は宗教的な不敬を指しますが、葬儀での不適切な発言が必ずしも宗教的な意味合いを持つとは限りません。この文脈では、単に場をわきまえない、不真面目な発言である可能性が高く、『irreverent(不遜な、無礼な)』がより適切です。日本人が形式ばった場での不謹慎な発言を、『神をも恐れぬ』と大げさに捉えがちなため、『impious』を選んでしまうことがあります。しかし、英語では宗教的な領域と社会的な礼儀作法は区別され、ここでは後者の違反が問題とされています。
『impious』は宗教的な文脈での不敬虔さを指し、道徳的な非難とは異なります。無神論(atheism)自体は宗教的な信念の欠如であり、必ずしも道徳的な問題ではありません。この文脈では、彼女が無神論を道徳的に間違っていると考えているため、『morally wrong』がより適切です。日本人が『神を信じない=悪いこと』という価値観を持っている場合、『impious』を選んでしまう可能性があります。しかし、現代社会においては、無神論は個人の自由な思想・信条として尊重されるべきであり、道徳的な非難は慎重に行う必要があります。
文化的背景
「impious(不信心な、不敬な)」という言葉は、単に宗教的な信仰の欠如を示すだけでなく、伝統的な道徳規範や社会秩序に対する反逆の象徴として、歴史的に強い負の感情を伴って用いられてきました。神への敬意を欠くことは、同時に王権や家父長制といった権威への挑戦と見なされ、社会の安定を脅かす行為として厳しく非難されたのです。
古代ローマにおいて、「pietas(敬虔)」は、神々、国家、家族に対する義務を果たすことを意味する重要な徳でした。アエネアスは、父を背負ってトロイアを脱出する姿を通して、この「pietas」を体現する英雄として描かれています。しかし、「impious」な行為は、このような社会の基盤を揺るがすものとして、重罪とされました。皇帝崇拝を拒否する初期キリスト教徒は、ローマ社会から「impious」であると非難され、迫害の対象となったことは、その良い例でしょう。
中世ヨーロッパにおいては、教会が社会の中心的な権力であり、「impious」な行為は異端審問の対象となり、厳しい処罰を受けました。ダンテの『神曲』地獄篇には、神への冒涜や裏切りを行った者が、最も深い地獄に堕とされる様子が描かれています。これは、神への不敬が、社会秩序を破壊する最も重い罪であるという当時の価値観を反映しています。文学作品において、「impious」なキャラクターは、しばしば破滅的な結末を迎えることで、道徳的な教訓を読者に与える役割を果たしました。
現代社会においては、宗教的な影響力が弱まり、「impious」という言葉の使われ方も変化してきています。しかし、依然として、伝統的な価値観や社会規範を無視する行為を批判する際に用いられることがあります。例えば、環境破壊や人権侵害といった問題に対して、「impious」という言葉を使うことで、その行為が単なる倫理的な問題ではなく、人類全体に対する冒涜であるという強い非難の意を示すことができるでしょう。このように、「impious」という言葉は、時代とともに意味合いを変えながらも、人間の倫理観や社会秩序に対する深い関わりを持ち続けているのです。
試験傾向
この単語が英検で直接問われる頻度は低いですが、宗教・道徳に関連するテーマの長文読解で、背景知識として理解していると役立つ可能性があります。特に準1級以上では、関連語彙や類義語(irreligious, irreverent)の知識が間接的に問われることがあります。
TOEICでは、ビジネスの文脈で宗教や道徳が直接的に議論される場面は少ないため、「impious」が直接出題される可能性は極めて低いと考えられます。ただし、倫理観や社会規範に関連する長文読解問題で、背景知識として役立つ可能性はあります。
TOEFLのアカデミックな読解文では、宗教史、哲学、社会学などのテーマで「impious」が登場する可能性があります。特に、過去の社会における宗教的権威への挑戦や、現代社会における倫理的ジレンマを論じる文脈で使われる可能性があります。語彙問題として直接問われる可能性は高くありませんが、文脈理解を深める上で重要な単語です。
大学受験の英語長文では、難関大学を中心に、宗教・倫理に関連するテーマで「impious」が登場する可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われる可能性があります。直接的な語彙問題での出題頻度は高くありませんが、背景知識として知っておくと有利に働くことがあります。