英単語学習ラボ

idiomatic

/ˌɪdiəˈmætɪk/(イディィアマ'ティク)

第一強勢は 'mæt' にあります。'i'は日本語の「イ」に近いですが、やや短く発音します。'ə'(曖昧母音)は力を抜いて軽く発音し、'tɪk'は、'ティ'の後に小さく「ク」を添えるように発音するとより自然です。最後の'k'は破裂音として、息を止めてから開放するイメージで発音すると良いでしょう。

形容詞

慣用的な

特定の言語や文化で、多くの人が長年使い続けている、独特な言い回しや表現を指す。文字通りの意味とは異なる、決まり文句のようなニュアンスを含む。例:idiomatic expression(慣用句)

Your essay is good, but this phrase isn't very idiomatic.

あなたのエッセイは良いけど、この表現はあまり慣用的ではないね。

先生が、あなたの書いた英文を添削しながら、もっと自然な英語の言い方があるよ、と優しくアドバイスしている情景です。英語を学ぶ上で「ネイティブスピーカーが自然に使うような言い回し」を身につけることはとても大切です。この例文は、まさにその「慣用的」な表現を指しています。

Wow, your Japanese sounds so idiomatic, like a native speaker!

わあ、あなたの日本語はとても自然で、まるでネイティブスピーカーみたい!

外国人が日本語をとても上手に、そして自然な言い回しで話しているのを聞いて、日本人が心から感心している場面です。「idiomatic」は、その言語を母国語とする人が使うような、違和感のない言い回しを指すときに使われます。褒め言葉としてもよく使われる表現です。

This old saying is very idiomatic, so it's hard to translate directly.

この古いことわざはとても慣用的だから、直接訳すのは難しいよ。

友達が日本の古いことわざの意味を聞いてきたときに、あなたが「これは日本語独特の言い回しだから、英語にそのまま訳すと意味が伝わりにくいんだ」と説明している情景です。「idiomatic」は、ことわざやイディオム(慣用句)など、その言語ならではの表現を説明するときによく使われます。直訳では通じないニュアンスがある場合が多いです。

形容詞

その言語らしい

ある言語特有の自然な言い回しや、その言語を母語とする人が使うような、こなれた表現を指す。翻訳された文章などが、不自然でなく、その言語として自然であるかどうかを評価する際に使われる。

He practices every day because he wants his English to sound more idiomatic.

彼は毎日練習しています。なぜなら、自分の英語がもっと「その言語らしい(自然な)」響きになることを望んでいるからです。

この例文は、英語学習者が「ネイティブスピーカーのように自然な英語を話したい」と願う気持ちを表しています。直訳的ではない、その言語特有の自然な言い回しを身につけたいという、多くの学習者の目標を示す典型的な使い方です。「sound idiomatic」で「自然に聞こえる」という意味になります。

Your presentation had many idiomatic phrases, making it sound very natural.

あなたのプレゼンテーションには、その言語らしい(自然な)フレーズがたくさんあり、とても自然に聞こえました。

この例文は、誰かの英語表現を「自然で、その言語らしい」と評価する場面を描いています。特に「idiomatic phrases(その言語らしいフレーズ)」や「idiomatic expressions(慣用表現)」のように、特定の表現が自然であることを褒める際によく使われます。「making it sound very natural」は、そのフレーズが与える効果を説明しています。

"It's raining cats and dogs" is an idiomatic expression, meaning it rains very heavily.

「It's raining cats and dogs(土砂降りだ)」は、直訳できないその言語らしい表現で、非常に激しく雨が降ることを意味します。

この例文は、特定の慣用句やことわざが「idiomatic(その言語特有で、直訳しても意味が通じにくい)」であることを説明する際によく使われます。英語のレッスンで先生が解説しているような場面を想像してみてください。「meaning...」は、直前の言葉やフレーズの意味を説明する時に便利な表現です。

コロケーション

idiomatic expression

慣用句、特有の言い回し

これは最も基本的なコロケーションの一つで、特定の言語や文化に特有の、文字通りの意味からは推測できない表現を指します。例えば、英語の "kick the bucket" (死ぬ) は、日本語の『お陀仏になる』のように、その言語の背景を知らないと理解できません。形容詞 + 名詞の組み合わせで、言語学習において避けて通れない重要な概念です。ビジネスシーンよりも日常会話や文学作品で頻繁に登場します。

idiomatic usage

慣用的な用法、特有の使われ方

単語やフレーズが、ある特定の言語や文化の中でどのように使われるかを指します。文法的に正しいだけでなく、その言語のネイティブスピーカーが自然だと感じる用法を意味します。例えば、同じ意味を表す単語でも、フォーマルな場面とインフォーマルな場面で使い分けるといったニュアンスが含まれます。特に、翻訳やライティングにおいて、不自然な表現を避けるために重要となる概念です。名詞 + 名詞の組み合わせで、アカデミックな文脈や言語学の分野でよく用いられます。

idiomatic translation

意訳、自然な翻訳

単に言葉を置き換えるだけでなく、翻訳先の言語の文化や表現方法に合わせて、自然で分かりやすい翻訳をすることを指します。直訳では意味が通じない場合や、不自然な印象を与える場合に特に重要です。例えば、英語の "It's raining cats and dogs" を『猫と犬が降っている』と直訳するのではなく、『土砂降りだ』と訳すのが意訳の例です。ビジネス文書や文学作品の翻訳において、読みやすさを向上させるために不可欠な技術です。形容詞 + 名詞の組み合わせで、翻訳業界で頻繁に使われます。

idiomatic language

慣用的な言語、特有の言い回しが多い言語

特定の言語が持つ、独自の表現や言い回しのことを指します。それぞれの言語には、文化や歴史的背景から生まれた特有の表現があり、それを理解することで、より深く言語を理解することができます。例えば、日本語の『以心伝心』は、言葉を使わなくても心が通じ合うという意味ですが、これは日本の文化的な背景を反映した表現です。言語学習においては、単語や文法だけでなく、idiomatic language を学ぶことで、より自然なコミュニケーションが可能になります。形容詞 + 名詞の組み合わせで、言語学や異文化コミュニケーションの分野でよく用いられます。

idiomatically correct

慣用的に正しい、自然な言い回し

文法的に正しいだけでなく、その言語のネイティブスピーカーが自然だと感じる表現であることを指します。例えば、同じ意味を表す単語でも、特定の状況で使うと不自然に聞こえる場合があります。この表現は、特にライティングやスピーキングにおいて、より自然で洗練された表現を目指す場合に重要です。副詞 + 形容詞の組み合わせで、言語学習者や翻訳者が、表現の正確さを確認する際に使われます。

idiomatic style

慣用的な文体、特有のスタイル

特定の言語や文化に特有の文体や表現方法を指します。文学作品やエッセイなど、文章のスタイルが重要となる場面で特に意識されます。例えば、日本語の『ですます調』や『である調』のように、文体によって文章の印象が変わることがあります。この表現は、ライティングスキルを向上させるだけでなく、文学作品の読解を深める上でも役立ちます。形容詞 + 名詞の組み合わせで、文学やライティングの分野でよく用いられます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、特定の分野における独特な表現や慣習を指す際に用いられます。例えば、経済学の論文で「〜という仮定は、この分野では慣用的なものである」と説明する際に使われます。また、言語学の研究で、ある言語の特定の表現が「idiomatic」であると分析するケースもあります。

ビジネス

ビジネス文書やプレゼンテーションで、特定の業界や企業内で共有されている独特な表現や専門用語を説明する際に使用されます。例えば、「この業界では、〜という表現が慣用的に使われている」と述べる場合や、グローバルビジネスの文脈で、異文化間のコミュニケーションにおける「idiomatic」な表現の違いに注意を促す際に用いられます。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、言語学習や異文化理解に関する話題で登場することがあります。例えば、「日本語の『お世話になります』は、英語に完全に相当するidiomaticな表現がない」といった説明をする際に使われます。また、映画やドラマのセリフで、特定の文化や時代背景を反映したidiomaticな表現が使われていることを指摘する場面もあります。

関連語

類義語

  • 比喩的な、修辞的な意味合いで使われ、主に言語や表現が文字通りの意味ではなく、何かを暗示したり象徴したりする際に用いられる。学術的な文脈や文学批評でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が特定の言語や文化に根ざした表現を指すのに対し、"figurative"はより普遍的な比喩表現を指す。"Figurative"は、詩や文学作品における比喩や象徴を指すことが多い。 【混同しやすい点】"Idiomatic"は特定の言語コミュニティにおける自然な表現であるのに対し、"figurative"は意図的に用いられる修辞技法であるという点。例えば、「猫をかぶる」はidiomaticだが、「人生は旅だ」はfigurative。

  • 口語的な、日常会話で使われるようなくだけた表現を指す。フォーマルな場面や書き言葉では不適切とされることが多い。友人との会話やカジュアルな文章で使われる。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が特定の言語の特性を表すのに対し、"colloquial"は特定の社会階層や地域で使われる話し言葉の特徴を指す。"Colloquial"は、フォーマルな場面には適さない、よりカジュアルな表現。 【混同しやすい点】"Idiomatic"な表現は必ずしも"colloquial"であるとは限らない。例えば、ビジネスシーンで使われる専門用語もidiomaticだが、colloquialではない。また、"colloquial"は地域差や世代差が大きいため、使用する際には注意が必要。

  • 俗語、隠語。特定のグループ内で使われる非常にくだけた言葉で、一般的にはフォーマルな場面では不適切。若者言葉や特定の業界用語などが該当する。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が言語全体の特性を表すのに対し、"slang"は特定の社会集団内でのみ通用する一時的な言葉である。"Slang"は、急速に廃れたり、意味が変化したりすることが多い。 【混同しやすい点】"Idiomatic"な表現は理解される範囲が広いが、"slang"は特定のグループ外には理解されないことが多い。また、"slang"は時代によって変化するため、古い"slang"を使うと時代遅れに聞こえる可能性がある。

  • vernacular

    地方語、方言。特定の地域で話される言語や言葉遣いを指す。学術的な文脈や社会言語学で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が言語全体の特性を指すのに対し、"vernacular"は特定の地域に限定された言語変種を指す。"Vernacular"は、標準語とは異なる発音や語彙、文法構造を持つ。 【混同しやすい点】"Idiomatic"な表現は言語全体で理解される可能性があるが、"vernacular"は特定の地域以外では理解されないことが多い。また、"vernacular"はしばしば標準語よりも低い地位にあるとみなされることがある。

  • 専門用語、業界用語。特定の職業や分野で使われる特殊な言葉で、その分野の専門家にとっては効率的なコミュニケーション手段となる。ビジネス、科学、法律などの分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が言語全体の特性を指すのに対し、"jargon"は特定の専門分野に限定された言葉である。"Jargon"は、専門家以外には理解しにくいことが多い。 【混同しやすい点】"Idiomatic"な表現は一般の人々にも理解される可能性があるが、"jargon"は専門家以外には意味不明であることが多い。また、"jargon"を不適切に使うと、相手に不快感を与える可能性がある。

  • dialectal

    方言的な、方言特有の。特定の地域の方言に特有の語彙や表現を指す。言語学や社会学の研究で用いられる。 【ニュアンスの違い】"Idiomatic"が言語全体の特性を表すのに対し、"dialectal"は特定の地域の方言に限定された表現を指す。"Dialectal"な表現は、標準語とは異なる発音や語彙、文法構造を持つ。 【混同しやすい点】"Idiomatic"な表現は言語全体で理解される可能性があるが、"dialectal"な表現は特定の地域以外では理解されないことが多い。また、"dialectal"な表現は、しばしば標準語よりも低い地位にあるとみなされることがある。

派生語

  • 『慣用句』や『特有の表現』を意味する名詞。「idiomatic」の語源であり、ある言語や文化に特有の表現を指す。日常会話から文学作品まで幅広く使われ、言語学習において重要な概念。語源はギリシャ語の『idios(自分自身の、特有の)』に由来し、ある集団に『特有の』表現というニュアンスを含む。

  • idiolect

    『個人語』を意味する名詞。「idio-(特有の)」と「-lect(言語)」の組み合わせで、個人が持つ言語の独自のスタイルや特徴を指す。言語学で用いられる専門的な用語だが、個人の言語使用に着目する点で「idiomatic」のニュアンスと共通する。学術論文や言語分析などで使用される。

  • idiocy

    『白痴』や『愚行』を意味する名詞。元々は医学用語で、知的障害の一種を指したが、現在では侮蔑的な意味合いで使用されることが多い。「idiomatic」と同じ語源を持つが、意味は大きく異なる。使用は避けるべき単語だが、語源的なつながりを知ることで「idiomatic」の語源である『idios(自分自身の、特有の)』のニュアンスを理解する助けになる。

反意語

  • nonidiomatic

    『非慣用的な』を意味する形容詞。「idiomatic」に否定の接頭辞「non-」を付加したもので、慣用句や特定の言語に特有の表現を使用しないことを指す。フォーマルな文章や技術文書など、明確さと普遍性が求められる文脈で使用されることが多い。例えば、翻訳の際に「nonidiomatic」な表現が好まれる場合がある。

  • 『文字通りの』や『逐語的な』を意味する形容詞。「idiomatic」な表現が比喩的、暗示的な意味合いを含むのに対し、「literal」は言葉の表面的な意味を重視する。例えば、「idiomatic translation(意訳)」に対して「literal translation(直訳)」という対比で使用される。日常会話だけでなく、翻訳論や文学研究などでも頻繁に用いられる。

  • 『標準的な』を意味する形容詞。「idiomatic」な表現が特定の地域や文化に特有であるのに対し、「standard」は広く一般的に受け入れられている表現を指す。例えば、言語教育においては「standard English」が重視される一方で、地域ごとの「idiomatic expressions」も教えられる。ビジネスや公式な場面では「standard」な表現が好まれることが多い。

語源

"idiomatic」は、「特有の」「独特の」といった意味を持つギリシャ語の "idioma"(個人的な表現、特有の性質)に由来します。"idioma" は "idios"(自分自身の、私的な)から派生しており、これは「自分だけが持っている特性」というニュアンスを含みます。英語の "idiot"(ばか)も元々は「普通の人とは違う、個人的な特徴を持つ人」という意味合いから来ています。"idiomatic" は、ある言語や文化に特有の表現やスタイルを指すようになり、「その言語らしい」「慣用的な」という意味合いで使用されます。例えば、「日本語のイディオム」という場合、それは日本語特有の言い回しや表現方法を指し、英語に直訳しても同じ意味にはならないことが多いです。このように、"idiomatic" は、ある特定のグループや言語に「特有な」性質を表す言葉として理解できます。

暗記法

「Idiomatic」は単なる慣用句に非ず。それは、特定の文化圏やコミュニティ内でのみ通用する、秘密の合言葉のようなもの。仲間内の結束を固め、外部の者には解読不能な親密なコミュニケーションを可能にする。文学においては、登場人物の背景や感情を豊かに表現し、作品にリアリティを与える。現代では、ネットスラングもまた「Idiomatic」な言語の一例。言葉の壁を越え、文化や社会を理解するための鍵、それが「Idiomatic」。

混同しやすい単語

発音が似ており、特に語尾の '-ic' と '-ot' の区別が曖昧になりやすい。意味は『ばか』『愚か者』であり、品詞は名詞または形容詞。idiomatic(慣用的な)とは意味が大きく異なるため、文脈で判断することが重要。語源的には、idiot はギリシャ語の『個人的な、公的でない』という意味から派生しており、個人的な意見しか持たない人を指すようになった。

スペルが似ており、特に 'idi-' と 'idyl-' の部分が混同されやすい。発音も母音部分が似ているため、注意が必要。idyllic は『牧歌的な、のどかな』という意味の形容詞で、idiomatic とは意味が全く異なる。語源的には、idyllic はギリシャ語の『小さな絵』を意味する言葉から派生し、田園風景を描いた詩や絵を指すようになった。

語尾の '-matic' が共通しているため、スペルを間違えやすい。automatic は『自動的な』という意味の形容詞。idiomatic は『慣用的な』という意味なので、意味が異なる。automatic は、ギリシャ語の『自分自身で動く』という意味の言葉が語源。

idiopathy

接頭辞 'idio-' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。idiopathy は『特発性疾患』という意味で、医学用語として使われることが多い。idiomatic とは分野も意味も異なるため、文脈で区別する必要がある。idiopathy の 'idio-' は『固有の、特有の』という意味を持つ。

発音が一部似ており、特に最初の母音部分が曖昧になりやすい。item は『項目、品物』という意味の名詞。idiomatic とはスペルも意味も全く異なるため、文脈で判断することが重要。ただし、ビジネス英語などでは、idiomatic expression(慣用句)を避けて、itemized list(項目別リスト)のような表現が好まれる場合がある。

最初の3文字が同じ 'ide' で始まるため、スペルが似ていると感じやすい。発音も最初の母音部分が似ている。idea は『考え、アイデア』という意味の名詞。idiomatic とは意味が全く異なる。idea は、ギリシャ語の『見る、知る』という意味の言葉が語源。

誤用例

✖ 誤用: The politician's speech was very idiomatic and hard to understand.
✅ 正用: The politician's speech was full of jargon and difficult to understand.

日本人が『idiomatic』を『独特な言い回しが多い』という意味で捉え、難解さを表現するために使うのは誤りです。確かにidiomaticには『慣用句的な』という意味があり、慣用句は時に難解さを生みますが、idiomaticの主要な意味は『(言語・表現が)自然で、その言語らしい』ということです。この文脈では、専門用語や業界用語を意味する『jargon』を使うのが適切です。日本語の『独特』という言葉が持つネガティブなニュアンス(奇妙さ、理解しにくさ)を英語にそのまま当てはめようとする際に起こりやすい誤用です。英語では、idiomaticは基本的にはポジティブな意味合いで使われます。

✖ 誤用: He gave an idiomatic response to the question.
✅ 正用: He gave a conventional response to the question.

『idiomatic』を『型通りの』『紋切り型の』という意味で使うのは誤りです。日本人が『idiomatic』を『慣用句的』と解釈し、そこから『型通りの表現』という連想をするのかもしれませんが、これは意味の飛躍です。この文脈では、『conventional(慣習的な、型通りの)』を使うのが適切です。また、質問に対する答えが『決まり文句』であるという文脈であれば、'He gave a stock answer to the question'という表現も可能です。背景として、日本語では『慣用句』という言葉が、時に『面白みのない、使い古された表現』というニュアンスを含むことがありますが、英語のidiomaticにはそのようなニュアンスは基本的にありません。

✖ 誤用: That's very idiomatic of you!
✅ 正用: That's so typical of you!

『idiomatic』を『あなたらしい』『お決まりの』という意味で使うのは不自然です。確かに文脈によっては通じる可能性もありますが、より自然な英語では『typical』を使います。この誤用は、日本語の『〜らしい』という表現を、安易に英語に置き換えようとする際に起こりやすいです。英語の『idiomatic』は、人の行動や性格を評価する際に使う言葉ではありません。例えば、友人がいつも遅刻してくるような状況で『That's so typical of you!(君らしいね!)』と言うのは自然ですが、『That's very idiomatic of you!』と言うと、相手は困惑するでしょう。文化的背景として、英語では人を直接的に評価する際に、より具体的で分かりやすい言葉を選ぶ傾向があります。

文化的背景

「Idiomatic(イディオマティック)」という言葉は、単なる「慣用的な」という意味を超え、特定の文化や共同体の内側で共有される独特の表現様式、つまり「仲間内」の言語感覚を象徴します。それはまるで、秘密の合言葉を知っている者だけが理解できる、親密なコミュニケーションの印なのです。

この言葉が持つ文化的背景を深く理解するには、まず言語が単なる伝達手段ではなく、共同体のアイデンティティを形成する重要な要素であることを認識する必要があります。例えば、ある地域独特の方言やスラング、特定の職業や趣味を持つ人々が使う専門用語などは、外部の人間には理解しにくいものですが、そのコミュニティの内部では円滑なコミュニケーションを可能にし、連帯感を高める役割を果たします。「Idiomatic」という言葉は、まさにこのような「内輪」の言語使用を指し示すのです。

文学作品における「idiomatic」な表現は、登場人物の性格や背景を鮮やかに描き出す効果があります。例えば、労働者階級の登場人物が、標準語ではなく、彼ら特有の訛りやスラングを交えて話すことで、読者はその人物の置かれた状況や感情をより深く理解することができます。また、特定の時代や地域を舞台にした作品では、その時代や地域特有の「idiomatic」な表現を用いることで、作品のリアリティを高めることができます。シェイクスピアの作品には、当時のイギリスで使われていた「idiomatic」な表現が豊富に含まれており、現代の読者にとっては難解な部分もありますが、当時の人々の生活や文化を垣間見ることができる貴重な資料となっています。

現代社会においては、インターネットスラングやSNSで使われる独特の表現なども「idiomatic」な言語の一例と言えるでしょう。これらの表現は、特定のコミュニティの内部で急速に広まり、外部の人間には理解されにくい場合があります。しかし、これらの「idiomatic」な表現を理解することは、そのコミュニティの文化や価値観を理解する上で重要な手がかりとなります。つまり、「idiomatic」という言葉は、言語を通して文化や社会を理解するための鍵となる概念なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマの長文で登場。語彙問題では、idiomatic expression (慣用句) の知識も問われる

- 学習者への注意点・アドバイス: idiomatic expression(慣用句)とidiomatic(独特な、特有の)の意味の両方を理解しておく。文脈から意味を推測する練習も重要。

TOEIC

- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に語彙問題(Part 5)

- 頻度と級・パート: Part 7で時々見られる程度。頻度は高くない

- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、報告書など)で、idiomaticな言い回し(idiomatic expressions)について言及する際に使われる場合がある

- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICではidiomatic expressions(慣用句)そのものが問われることが多い。idiomatic単体での出題頻度は高くないが、関連語句として覚えておくと役立つ。

TOEFL

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で時々見られる

- 文脈・例題の特徴: 学術的なテーマ(社会科学、自然科学など)の文章で、特定の分野や文化に特有の表現や慣習を説明する際に使われる

- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈におけるidiomaticの意味(独特な、特有の)を理解しておく。idiomatic expressions(慣用句)そのものが出題されることは少ない。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で時々見られる

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、文化、歴史など、幅広いテーマの長文で登場。文脈からidiomaticの意味を推測する力が問われる

- 学習者への注意点・アドバイス: idiomaticの意味(独特な、特有の)を理解し、文脈から意味を推測する練習をする。idiomatic expressions(慣用句)の知識も役立つ場合がある。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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