guilt
母音 /ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少しだけ開き、短く発音します。「ゥ」はほとんど聞こえないくらい弱く添えるイメージで。語尾の /lt/ は舌先を上の歯の裏につけて「トゥ」と発音し、喉を閉じて息を止めるように意識すると、よりネイティブに近い発音になります。
専門的な内容に関するご注意
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罪悪感
良心に責められる感覚。自分が何か悪いことをした、またはすべきことをしなかったという認識から生じる苦しみ。
He felt a strong sense of guilt after lying to his best friend.
彼は親友に嘘をついた後、強い罪悪感を感じました。
※ 【情景】友達に嘘をついてしまい、心の中でモヤモヤと後悔している様子です。 【解説】「feel guilt」や「feel a sense of guilt」は「罪悪感を覚える」という、この単語の最も基本的な使い方です。何か悪いことをした後に心に重くのしかかる感情を表現するときによく使われます。
She quickly apologized to her sister, feeling great guilt for breaking the toy.
彼女はおもちゃを壊したことへの大きな罪悪感を感じて、すぐに妹に謝りました。
※ 【情景】妹のおもちゃを壊してしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、すぐに謝りに行く子供の姿です。 【解説】「guilt for doing something」で「〜したことに対する罪悪感」を表します。罪悪感が原因となって、謝罪などの具体的な行動につながる典型的なシチュエーションです。
I felt deep guilt because I couldn't help the old man.
私はそのお年寄りを助けられなかったため、深い罪悪感を感じました。
※ 【情景】道で困っているお年寄りを見かけたが、忙しくて通り過ぎてしまい、後で「あの時助けてあげればよかった」と後悔している場面です。 【解説】「deep guilt」のように「deep」や「strong」といった形容詞を使って、罪悪感の度合いを表現できます。「because S V」は「SがVしたから」と理由を説明する際に非常に役立つ表現で、罪悪感の原因を明確に伝えることができます。
後ろめたさ
人に知られたくない、あるいは知られると非難されるかもしれないという意識。罪悪感よりも、社会的な非難への恐れが強いニュアンス。
He felt deep guilt for lying to his parents.
彼は両親に嘘をついたことに深い後ろめたさを感じた。
※ 情景:子供が両親に嘘をつき、その後に心の中でズキズキと痛むような後悔や申し訳なさを感じている場面です。「deep」は「深い」という意味で、感情の強さを表します。 文法・ヒント:「guilt for doing something」で「~したことに対する後ろめたさ」という形でよく使われます。自分の行動を反省する気持ちを表現するのに役立ちます。
She couldn't sleep because of the guilt she felt about her mistake.
彼女は自分の間違いに感じた後ろめたさのせいで眠れなかった。
※ 情景:夜、ベッドの中で、昼間にしてしまった失敗や過ちが頭から離れず、心が重くてなかなか寝付けない女性の姿が目に浮かびます。「because of ~」は「~のせいで」という原因を表す表現です。 文法・ヒント:「guilt (that) someone feels about something」は「誰かが何かについて感じる後ろめたさ」という自然な言い回しです。心に引っかかっていることを伝える時によく使えます。
The winner felt a moment of guilt, knowing he had cheated slightly.
勝者は少しズルをしたことを知り、一瞬後ろめたさを感じた。
※ 情景:競技で勝利を収めた人が、実は少しだけルールを破ってしまったことを心の中で認識し、祝われる中でも複雑な感情を抱いている場面です。「a moment of guilt」は「一瞬の後ろめたさ」という意味で、その感情が長く続くものではないことを示唆します。 文法・ヒント:「knowing he had cheated」のように、動詞のing形を使い「~だと知って」と、その時の状況や感情の原因を説明することができます。日常でも「Knowing I had to wake up early, I went to bed. (早く起きなければならないと分かっていたので、寝た。)」のように使えます。
有罪の
法的な文脈で、犯罪を犯したと判断された状態。または、罪悪感や後ろめたさを感じている様子を指すこともある。
The judge found the man guilty of the crime.
裁判官はその男性がその罪で有罪であると判断しました。
※ この例文は、形容詞の『guilty』を使ったものです。法廷で裁判官が誰かを「有罪である」と公式に判断する場面を描いています。「find A guilty of B」で「AをBの罪で有罪と判断する」という典型的な表現です。
She felt guilty after secretly eating her friend's cake.
彼女は友達のケーキをこっそり食べた後、罪悪感を感じました。
※ この例文は、形容詞の『guilty』を使ったものです。「feel guilty」は「罪悪感を感じる」という、日常的によく使われる表現です。悪いことをしてしまったときに、心の中で感じる後悔の気持ちを表します。
Everyone believed he was not guilty of the accident.
誰もが、彼がその事故の責任はない(有罪ではない)と信じていました。
※ この例文は、形容詞の『guilty』を使ったものです。「not guilty」は「無罪の」という意味で、『guilty』の反対です。ここでは、多くの人が「彼に責任はない」と考えている状況を描いています。「be guilty of B」で「Bの罪がある/Bに責任がある」という意味になります。
コロケーション
一瞬の罪悪感、良心の呵責
※ 「pang」は「(肉体的・精神的な)鋭い痛み」を表す名詞で、「a pang of guilt」で、罪悪感がチクっと胸を刺すような、瞬間的な感情を表します。例えば、ダイエット中にケーキを一口食べてしまった時などに感じる罪悪感などが該当します。持続的な罪悪感ではなく、一過性の感情である点に注意が必要です。類似の表現に「a twinge of guilt」があります。
罪悪感にさいなまれる、苦しめられる
※ 「wrack」は「(肉体的・精神的に)苦しめる」という意味の動詞で、「wracked with guilt」は、罪悪感によって精神的に深く苦しめられている状態を表します。単に「guilty」と言うよりも、その感情が非常に強く、苦痛を伴っているニュアンスが含まれます。深刻な状況や、文学的な表現でよく用いられます。
罪悪感にさいなまれた、罪の意識に苦しむ
※ 「guilt-ridden」は形容詞で、罪悪感に取り憑かれているような状態を表します。「ridden」は「ride」の過去分詞で、「〜に取り憑かれた」という意味合いを持ちます。例えば、過去の過ちをずっと引きずっている人などを指す際に使われます。心理学的な文脈や、重いテーマを扱う文学作品などで見られます。
連座制、関係性による罪
※ 「guilt by association」は、ある人物が特定のグループや人物と関係があるというだけで、その人物も罪を犯したとみなされることを指します。これは法的な概念としても用いられますが、一般的には、不当な評価やレッテル貼りを批判する際に使われます。例えば、「彼は犯罪者の知り合いだから、彼も悪い奴に違いない」といった考え方が「guilt by association」に該当します。
~したことについて罪悪感を感じる
※ この構文は、特定の行動に対する罪悪感を表現する最も一般的な方法の一つです。例えば、「I feel guilty about eating that cake.(あのケーキを食べたことを後悔している)」のように使います。動名詞(doing something)を使うことで、具体的な行動に対する罪悪感を明確に伝えることができます。類似の表現に「feel bad about (doing something)」がありますが、「feel guilty」の方がより深刻な罪悪感を表します。
罪の意識を抱えて生きる、罪を背負って生きる
※ 「live with the guilt」は、過去の過ちに対する罪悪感を抱えながら、それを乗り越えずに生きていくことを意味します。時間が経っても罪悪感が薄れることなく、常に心のどこかに残っている状態を表します。重い過去を持つ人物を描写する際や、後悔の念を強調する際に用いられます。文学作品や映画などでよく見られる表現です。
罪の重荷を背負う
※ 「carry the burden of guilt」は、罪悪感を重い荷物のように背負って生きることを意味します。「burden」は「重荷、負担」という意味で、罪悪感が精神的な重圧となっていることを強調します。この表現は、罪悪感によって日常生活に支障をきたしているような、深刻な状況を表す際に適しています。比喩的な表現であり、文学的、または宗教的な文脈で使われることが多いです。
使用シーン
心理学、社会学、法学などの分野で、研究論文や学術書において「罪悪感」や「有罪性」といった概念を議論する際に使用されます。例えば、犯罪心理学の研究で「被告の罪悪感が量刑に与える影響」を分析したり、倫理学の講義で「集団的罪悪感の概念」を考察したりする際に用いられます。
ビジネスシーンでは、倫理的な問題や不正行為に関連する文脈で使われることがあります。例えば、企業倫理に関する研修資料で「インサイダー取引を行った従業員の罪悪感」について言及したり、監査報告書で「不正会計に関与した人物の罪悪感の有無」を評価したりする際に用いられます。ただし、日常的な業務報告や会議ではあまり使用されません。
日常会話では、深刻な状況や道徳的な葛藤を伴う場合に限って使われることがあります。例えば、「約束を破ってしまった罪悪感」や「嘘をついてしまったことへの後ろめたさ」などを表現する際に用いられます。ただし、よりカジュアルな場面では、「bad」や「sorry」などの言葉で代替されることが多いです。ニュース記事やドキュメンタリー番組などでは、犯罪事件や倫理問題に関連して「guilt」という言葉を見かけることがあります。
関連語
類義語
自分の行為に対する深い後悔や自責の念を指す。罪悪感よりも感情的な苦痛が強く、道徳的な過ちや他者への危害に対する後悔を表すことが多い。文学作品や心理学の分野でよく見られる。 【ニュアンスの違い】「guilt」が客観的な事実に基づいた罪の意識であるのに対し、「remorse」は主観的な感情を伴う後悔の念である。したがって、「remorse」はより個人的で、感情的な深みを持つ。 【混同しやすい点】「guilt」は法的な責任を伴う場合もあるが、「remorse」は道徳的な責任に焦点が当てられることが多い。また、日本語の『後悔』と訳される場合も多いが、その感情の強さや深刻さが異なる点に注意。
自分の行動や性格に対する恥ずかしさや屈辱感を指す。自己評価が低下し、他人からの評価を恐れる感情が伴うことが多い。社会的な規範や期待に反した場合に生じやすい。 【ニュアンスの違い】「guilt」が特定の行為に対する罪悪感であるのに対し、「shame」は自己全体に対する否定的な感情である。つまり、「guilt」は『私は悪いことをした』という感情であるのに対し、「shame」は『私は悪い人間だ』という感情である。 【混同しやすい点】「shame」は他者の視線を意識する感情であり、公の場での失敗や恥ずかしい状況でよく用いられる。一方、「guilt」は個人的な良心の呵責による場合もある。文化的背景によって「shame」を感じる状況が異なる点にも注意が必要。
- contrition
自分の罪や過ちに対する深い悔悟の念を指す。宗教的な文脈やフォーマルな場面で用いられることが多い。罪を犯したことに対する謝罪や償いの気持ちを表す。 【ニュアンスの違い】「guilt」よりも感情的な深さがあり、罪を償いたいという強い願望を伴う。また、「contrition」は神や倫理的な規範に対する罪を意識する場合に用いられることが多い。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、宗教的な儀式や告白の場面でよく見られる。また、「contrition」は行動を伴うことが多いのに対し、「guilt」は感情的な状態を表すことが多い。
- culpability
法的または道徳的な責任を負う状態を指す。犯罪や過失に対する責任の所在を明確にする際に用いられる。法律や倫理学の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】「guilt」は罪の意識という感情を伴うが、「culpability」は責任の所在という客観的な事実を指す。したがって、「culpability」は感情的な要素を含まない。 【混同しやすい点】「culpability」はしばしば法的な文脈で用いられ、裁判や調査の結果に基づいて判断される。一方、「guilt」は個人的な感情であり、客観的な証拠がなくても感じることがある。
- self-reproach
自分自身を責める感情や行為を指す。自分の行動や決断に対する後悔や不満から生じる。心理学的な文脈や内省的な文章で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】「guilt」が特定の行為に対する罪悪感であるのに対し、「self-reproach」はより広範な自己批判を含む。つまり、「self-reproach」は過去の行動だけでなく、自分の性格や能力に対する不満も含む。 【混同しやすい点】「self-reproach」はしばしば自己肯定感の低さと関連しており、うつ病や不安障害などの精神的な問題を引き起こす可能性がある。一方、「guilt」は必ずしも精神的な問題と結びついているとは限らない。
良心の呵責による不安やためらいを指す。道徳的に疑わしい行為を行う前や行った後に感じる感情。フォーマルな場面や文学作品で用いられる。 【ニュアンスの違い】「guilt」が罪を犯した後の感情であるのに対し、「compunction」は罪を犯す前や犯している最中に感じる感情である。したがって、「compunction」は罪を未然に防ぐ役割を果たす場合もある。 【混同しやすい点】「compunction」は日常会話ではあまり使われず、道徳的なジレンマに直面した際に用いられることが多い。また、「compunction」はしばしばためらいや躊躇を伴う。
派生語
- guiltless
『罪のない』という意味の形容詞。『guilt(罪)』に『-less(〜がない)』が付いた形。罪の欠如を表し、無実を強調する際に用いられる。日常会話よりも、法律や道徳的な議論で使われることが多い。
『有罪の』という意味の形容詞。『guilt(罪)』に形容詞化する接尾辞『-y』が付いた形。罪を抱えている状態を示し、法廷やニュースなどで頻繁に使用される。名詞guiltと対照的に、状態を直接的に表す。
- ungilt
動詞『gild(金めっきする)』の過去分詞形で、接頭辞『un-(否定)』が付いた形。『金めっきが剥がされた』という意味で、比喩的に『罪を償った』状態を表すことがある。文学的な表現や、隠喩的な文脈で見られる。
反意語
『無罪』『潔白』を意味する名詞。『guilt(罪)』に対する直接的な反対概念であり、法的な文脈や道徳的な議論で頻繁に用いられる。単に罪がない状態だけでなく、純粋さや無垢さも含む。
- exoneration
『免罪』『無罪判決』を意味する名詞。法的な手続きを経て罪を免れることを指し、『guilt(有罪)』の宣告からの解放を意味する。より公式な文脈で使用され、単なる無罪よりも積極的な釈放のニュアンスを持つ。
『正しさ』『正義』を意味する名詞。『guilt(罪)』が道徳的な過ちを指すのに対し、righteousnessは道徳的な正当性を示す。宗教的な文脈や倫理的な議論で用いられ、罪からの解放だけでなく、正しい行いを強調する。
語源
"Guilt(罪悪感、有罪)"は、古英語の"gylt"に由来し、これは「罪、過失、負債」といった意味を持っていました。さらに遡ると、ゲルマン祖語の"*geltaz"(賠償金、代償)にたどり着きます。これは「支払う」を意味する印欧祖語の語根"*ghel-"(輝く、黄色)と関連があります。つまり、もともとは罪を償うための「金銭」や「代償」といった概念が根底にあったのです。現代の日本語で例えるなら、かつて罪を「御縄(おなわ)」で縛って償わせたように、「guilt」の語源にも、罪を物質的なもので償うという考え方が反映されていると言えるでしょう。罪悪感という抽象的な感情が、具体的な「支払い」の概念から生まれたという点は、興味深い語源の物語です。
暗記法
「guilt」は西洋文化の根深い概念。キリスト教では原罪から贖罪へ、道徳と救済の物語を内包します。文学では『神曲』の地獄やマクベス夫人の苦悩に、その恐ろしさが描かれます。現代では環境問題や社会的不平等への意識、消費社会における新たな罪悪感も。個人の行動を左右し、社会変革の原動力にもなるこの感情は、西洋文化理解の鍵となるでしょう。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の 'l' が共通しているため、発音を聞いただけでは区別が難しい場合があります。意味は『ずる賢さ、策略』であり、罪悪感を表す『guilt』とは全く異なります。スペルも似ているため、文脈をよく見て判断する必要があります。英語の語源的には、guile は old French の guile (欺瞞)から来ており、guilt は古英語の gylt (罪)に由来します。
発音が非常に近く、特に母音と 'lt' の部分が共通しているため、聞き間違いやすい単語です。意味は『金箔』や『金メッキ』を指し、名詞または動詞として使われます。『guilt』とは意味が全く異なります。スペルも一文字違いなので注意が必要です。発音記号を確認し、意識的に発音を区別することが重要です。
'build' の過去形・過去分詞であり、スペルに 'uilt' の部分が含まれるため、視覚的に混同しやすいです。発音も /bɪlt/ と似ていますが、最初の /b/ の音を意識することで区別できます。意味は『建設された』であり、罪悪感とは無関係です。動詞の活用形を正確に覚えることが大切です。
語尾の 'ilt' が共通しており、発音も似ているため、混同しやすい単語です。意味は『(剣などの)柄』であり、『guilt』とは全く異なる意味を持ちます。スペルも似ているため、文脈から判断する必要があります。あまり日常的な単語ではありませんが、歴史小説などを読む際には目にする可能性があります。
スペルに 'ult' が含まれており、視覚的に似ているため、混同しやすい場合があります。発音も /kʌlt/ と似ていますが、最初の /k/ の音を意識することで区別できます。意味は『カルト、崇拝』であり、『guilt』とは全く異なる意味を持ちます。宗教的な文脈で使われることが多い単語です。
誤用例
多くの日本人は「guilt」を名詞として捉え、「~に対して罪悪感を感じる」という日本語を直訳しようとするあまり、前置詞の選択を誤ることがあります。英語では「guilty」は形容詞であり、「be guilty about/of doing」という構文を用いるのが自然です。罪悪感の対象を明確にするために、前置詞を正しく使う必要があります。また、心理的な状態を表す場合は、形容詞を使う方がより直接的で自然な英語表現となります。
「guilt」は罪悪感という感情そのものを指すことが多いですが、この文脈では「過ちを償う」という意味合いが適切です。日本語の「罪を償う」という表現に引きずられて「guilt」を使うと、やや不自然になります。英語では、具体的な行動によって罪を償う場合は「atone」を使う方が適切です。「atone」は、過ちを正すための具体的な行動を伴うニュアンスを含みます。文化的な背景として、英語圏では行動による償いを重視する傾向があり、感情だけでなく具体的な行動を示す単語を選ぶことが重要です。日本語→英語変換の際に、安易に感情を表す単語を選ぶのではなく、行動に着目するとより適切な表現が見つかります。
この文脈では、「guilt」よりも「remorse」の方がより深い後悔や悔恨の念を表します。「guilt」は罪を犯したことに対する認識を指すことが多いですが、「remorse」はそれに対する感情的な苦痛を含みます。日本語では「罪悪感」という言葉で両方の意味を含むことがありますが、英語では使い分ける必要があります。特に、相手の表情から感情を読み取るような場面では、「remorse」の方が感情の深さをより適切に表現できます。また、「guilt」は法的な文脈でも使われることがありますが、「remorse」はより個人的な感情を表す際に適しています。
文化的背景
「Guilt(罪悪感)」は、西洋文化において、道徳的規範からの逸脱、自己の行為に対する後悔、そして償いの必要性と深く結びついています。それは単なる個人的な感情を超え、社会秩序の維持、宗教的信仰、そして個人のアイデンティティ形成にまで影響を及ぼす、根深い文化的概念なのです。
ギルトは、キリスト教文化圏において特に重要な意味を持ちます。アダムとイブの楽園追放は、原罪という概念を通じて、人類全体が背負うギルトの象徴として語り継がれてきました。個人の罪は神に対する背信であり、贖罪を通じてのみ救済されるという考え方は、西洋社会における道徳観、法制度、そして文学作品に大きな影響を与えています。ダンテの『神曲』に描かれる地獄の描写は、罪の重さに応じた苦しみを通して、ギルトの恐ろしさを視覚的に表現しています。また、シェイクスピアの悲劇『マクベス』におけるマクベス夫人のように、罪悪感に苛まれ精神を病んでいく人物像は、文学作品におけるギルトの典型的な描かれ方と言えるでしょう。
現代社会においても、ギルトは様々な形で現れます。例えば、環境問題に対する個人の責任、社会的不平等に対する無関心、過去の歴史に対する罪の意識など、集合的なギルトという概念も存在します。また、消費社会においては、必要以上に物を所有することに対するギルト、あるいは、自己啓発セミナーなどに見られる、自己実現ができていないことに対するギルトなど、新しい形のギルトも生まれています。これらのギルトは、個人の行動を抑制したり、社会的な変革を促したりする原動力となることもあります。
ギルトは、英語圏の文学、映画、そして日常生活において、常に意識される感情です。その文化的背景を理解することは、英語を学ぶ上で不可欠であり、西洋文化に対する理解を深めることにもつながります。ギルトという言葉の背後にある複雑な歴史、宗教、社会構造を理解することで、より深く英語を理解し、使いこなすことができるようになるでしょう。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解でも、登場人物の感情を表す語として使われることがある。リスニングでは、会話の中で罪悪感を表す際に使われる場合がある。
1. **出題形式**: 語彙問題、長文読解、リスニング
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上、リーディング・リスニング
3. **文脈・例題の特徴**: 日常会話、ニュース記事、物語など
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 名詞としての意味(罪悪感)だけでなく、関連語(guilty: 有罪の)も合わせて覚える。類義語(remorse, regret)とのニュアンスの違いも理解しておくと良い。
TOEICでは、直接的な語彙問題としての出題は少ない。しかし、長文読解で登場人物の心理描写や、ビジネス上の倫理的な問題について言及する際に使われることがある。
1. **出題形式**: 長文読解 (Part 7)
2. **頻度と級・パート**: Part 7で稀に出題
3. **文脈・例題の特徴**: 倫理問題、顧客対応、内部告発など
4. **学習者への注意点・アドバイス**: ビジネスシーンにおける倫理観や責任感を問う文脈で登場することが多い。類義語の "responsibility" との使い分けに注意。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章の中で頻繁に出題される。心理学、社会学、歴史学などの分野で、罪悪感や道徳的な責任について論じる際に使われることが多い。
1. **出題形式**: リーディング
2. **頻度と級・パート**: リーディングセクションで頻出
3. **文脈・例題の特徴**: 心理学、社会学、歴史学などのアカデミックな文章
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 抽象的な概念を理解する力が求められる。名詞としての意味だけでなく、動詞としての使い方(make someone feel guilt)も理解しておく。
大学受験の長文読解問題で出題される可能性あり。特に、社会問題や倫理的な問題について論じる文章で使われることがある。文脈から意味を推測する能力が求められる。
1. **出題形式**: 長文読解
2. **頻度と級・パート**: 大学によって異なるが、難関大学でやや頻出
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、倫理問題、歴史など
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する練習をする。派生語(guilty, guiltless)も合わせて覚える。