righteousness
強勢は最初の 'rai' に置かれます。'righteous' の 't' は 'ch' の音に影響を与え、日本語の『チ』に近い発音になります。最後の '-ness' は弱く短く発音します。全体として、リズムを意識して発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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正しさ
道徳的、倫理的に正しい状態や性質。単に正しいだけでなく、倫理的な義務感や責任感に基づいた正しさを指すことが多い。法律や規則に合致しているだけでなく、良心や道徳観に照らして正しい場合に用いられるニュアンスがある。
She felt a deep sense of righteousness after telling the truth to her friend.
彼女は友人に真実を話した後、深い正しさを感じた。
※ この例文では、真実を語るという「正しい行い」をした後に感じる、心の中の清々しさや満足感を表現しています。自分の行動が道徳的に正しいと感じた時の感情をイメージできますね。
The teacher taught the children about righteousness and honesty in class.
先生は授業で子どもたちに正しさと正直さについて教えた。
※ ここでは、「righteousness」が学校で学ぶべき倫理的な概念として登場します。先生が子どもたちに、何が正しくて何が間違っているのか、どのように行動すべきかを教えている場面が目に浮かびます。社会の一員として「正しさ」を学ぶ典型的なシチュエーションです。
He always fought for righteousness, even when it was difficult.
彼は困難な時でも、常に正しさのために戦った。
※ この例文では、個人的な信念や行動として「正しさ」を追求する姿勢を表しています。たとえ状況が厳しくても、自分の信じる「正しいこと」のために努力し続ける人の強い意志を感じ取ることができます。
正当性
行為や主張が道理にかなっていること。単なる事実の正しさだけでなく、公平さや倫理的な観点から見て認められるべき状態を指す。社会的な規範や価値観に照らして妥当であるという意味合いが強い。
She always acted with a strong sense of righteousness, even when facing difficult choices.
彼女は困難な選択に直面した時でも、常に強い正義感を持って行動しました。
※ この例文では、「righteousness」が個人の内面にある「道徳的な正しさ」や「正義感」を表しています。周りの状況が厳しくても、自分の信じる正しい道を貫く人の姿が目に浮かびますね。このように、個人の行動原理や信念を語る際によく使われます。'a strong sense of righteousness' は、揺るぎない信念を持つ様子を強調するフレーデンです。
The community fought for the righteousness of their cause, believing it would bring about a better future.
地域社会の人々は、より良い未来をもたらすと信じて、自分たちの大義の正当性のために闘いました。
※ ここでは「righteousness of their cause(彼らの大義の正当性)」という形で、ある集団が共有する目的や主張が、道徳的に正しいと強く信じられている状況を描写しています。人々が共通の理想のために団結し、その行動が正当であると確信している場面をイメージできます。ニュースや社会運動の文脈で聞かれる典型的な使い方です。
The judge carefully explained the righteousness of his verdict to ensure public trust.
裁判官は国民の信頼を得るため、判決の正当性を丁寧に説明しました。
※ この例文では、「righteousness of his verdict(彼の判決の正当性)」として、ある決定や判断が、倫理的・法的に見て正しいものであることを示しています。裁判官が自身の判断が公正で道理にかなっていることを、人々に理解してもらおうとしている真剣な場面が伝わります。公的な判断や、その根拠を説明する際に使われることが多い表現です。
コロケーション
正義を追求する、義を追い求める
※ 「pursue」は「追求する、追い求める」という意味で、righteousnessと組み合わさることで、単に正しいだけでなく、積極的に正義を追い求める姿勢を表します。これは、道徳的な義務感や宗教的な信念に基づいて行動するニュアンスを含みます。ビジネスシーンよりも、倫理的な議論や宗教的な文脈でよく用いられます。類語としては「seek righteousness」もありますが、「pursue」の方がより積極的な印象を与えます。
正義の仮面、正義を装う
※ 「cloak」は「覆い、隠れ蓑」を意味し、righteousnessと結びつくと、実際には正しくない行為を、正義の名の下に隠蔽する様子を表します。偽善的な行動や、自己正当化のために正義を利用する状況を描写する際に用いられます。政治的な批判や社会的な不正を告発する文脈でよく見られます。例えば、「They hid their corrupt practices under a cloak of righteousness.(彼らは不正な行為を正義の仮面の下に隠した。)」のように使われます。
〜に正義を帰する、〜を正しいと認める
※ 「attribute」は「〜に帰する、〜のせいにする」という意味で、righteousnessと組み合わさると、ある行為や人物を正義にかなうものとして認める、あるいはそのように評価することを意味します。しばしば、信仰や信念に基づいて、本来は疑わしい行為や人物を正当化する文脈で使われます。神学的な議論や倫理的な判断において用いられることが多い表現です。例えば、「They attributed righteousness to his actions because of his faith.(彼らは彼の信仰を理由に、彼の行動を正しいと認めた。)」のように使われます。
正義の衣
※ 「garment」は「衣服、衣」を意味し、righteousnessと組み合わさると、正義を身にまとうという比喩的な表現になります。これは、内面的な正しさや道徳的な高潔さを象徴し、特に宗教的な文脈で、神から与えられた正義や、信仰によって得られる救いを表す際に用いられます。文学的な表現であり、日常会話ではあまり使われません。聖書に由来する表現であり、詩や賛美歌などにも見られます。
正義において、正当に
※ 「in righteousness」は、行動や判断が正義に基づいて行われることを強調する表現です。公正さ、公平さ、道徳的な正当性といった要素を含み、権力や裁量を行使する際に、その根拠が正義にかなっていることを示すために使われます。法律、政治、倫理などの分野でよく用いられ、「He acted in righteousness.(彼は正義に基づいて行動した。)」のように使われます。類似の表現に「with righteousness」がありますが、「in righteousness」の方が、より行動の基盤となる原則としての正義を強調するニュアンスがあります。
正義の基準
※ 「standard」は「基準、標準」という意味で、righteousnessと組み合わさると、何が正しいか、何が道徳的に許容されるかを判断するための基準を指します。これは、社会的な規範、倫理的な原則、宗教的な教義など、様々な形で存在し、個人の行動や社会全体のあり方を評価する際に用いられます。倫理学、法学、社会学などの分野でよく議論される概念です。例えば、「We must uphold a high standard of righteousness in our dealings.(私たちは取引において高い正義の基準を維持しなければならない。)」のように使われます。
使用シーン
宗教学、倫理学、法学などの分野の研究論文や講義で用いられることがあります。「正義論」や「倫理的ジレンマ」を議論する際に、概念的な「正しさ」や「正当性」を表す言葉として登場します。例:「正しさの概念は文化によって異なる」、「社会正義の実現は困難を伴う」といった文脈で使用されます。
ビジネスシーンでは、企業の倫理綱領やCSR(企業の社会的責任)に関する文書、法務関連の報告書などで見られることがあります。ただし、日常的なビジネス会話やメールで使われることは稀です。例:「当社の行動規範は、公正さと正当性に基づいています」というように、企業の姿勢を示す際に用いられます。
日常会話で「righteousness」という単語が使われることはほとんどありません。ニュース報道やドキュメンタリー番組などで、社会的な不正や不正義を批判する文脈で使われることがあります。例:「彼の行動は、正義感に基づいている」といったように、やや硬い表現として用いられます。より口語的な表現としては、"justice"(正義)や"fairness"(公平さ)が好まれます。
関連語
類義語
道徳的な卓越性、高潔さ、美徳を意味します。人格や行動における一般的な善を指し、哲学や倫理学でよく用いられます。日常会話でも使われますが、ややフォーマルな印象を与えます。 【ニュアンスの違い】righteousnessが神や法との関係における正しさを示唆するのに対し、virtueはより一般的な道徳的卓越性を意味します。righteousnessはしばしば宗教的な文脈で用いられますが、virtueは世俗的な文脈でも広く使われます。 【混同しやすい点】virtueは可算名詞としても不可算名詞としても使われます。特定の美徳を指す場合は可算名詞(e.g., Patience is a virtue.)となり、一般的な美徳を指す場合は不可算名詞(e.g., She is a woman of virtue.)となります。
社会的な規範や価値観に基づいた、善悪の判断基準を指します。行動や判断が道徳的に正しいかどうかを評価する際に用いられ、倫理学、社会学、法律などの分野で頻繁に使用されます。日常会話でも使われます。 【ニュアンスの違い】righteousnessが個人の内面的な正しさや信仰心に基づくことが多いのに対し、moralityは社会的な合意やルールに基づいた道徳観を指します。righteousnessは個人的な信念に根ざしていることが多いですが、moralityは社会全体の幸福や秩序を重視します。 【混同しやすい点】moralityは不可算名詞として使われることがほとんどです。特定の道徳的な原則を指す場合でも、複数形になることは稀です。また、moralityはしばしばethics(倫理)と混同されますが、moralityは個人の内面的な道徳観を指し、ethicsは社会的な規範や行動原則を指すことが多いです。
誠実さ、高潔さ、正直さを意味します。特に、道徳的な原則を固守し、一貫性のある行動をとることを強調します。ビジネス、政治、個人的な関係など、さまざまな場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】righteousnessが神や法との関係で正当性を示すのに対し、integrityは個人の内面的な一貫性と誠実さを強調します。righteousnessはしばしば外部からの評価を意識しますが、integrityは自己の価値観に忠実であることを重視します。 【混同しやすい点】integrityは不可算名詞として使われます。日本語の「誠実さ」に近い意味合いを持ちますが、単に正直であるだけでなく、道徳的な原則に沿って行動することを意味します。また、integrityはしばしばhonesty(正直さ)と混同されますが、integrityはより深い道徳的な一貫性を意味します。
- uprightness
正直で公正であること、道徳的に正しい行動をとることを意味します。やや古風な表現で、文学作品やフォーマルな場面で使用されることがあります。日常会話ではあまり使われません。 【ニュアンスの違い】righteousnessが神や法との関係における正しさを強調するのに対し、uprightnessは個人の行動や態度が道徳的に正しいことを強調します。righteousnessはしばしば宗教的な意味合いを持ちますが、uprightnessはより世俗的な道徳観に基づいています。 【混同しやすい点】uprightnessは不可算名詞として使われます。日本語の「高潔さ」に近い意味合いを持ちますが、日常会話ではあまり使われません。また、uprightnessはしばしばrectitude(正しさ、公正さ)と混同されますが、rectitudeはより形式的で、法的または道徳的な正しさを意味します。
- rectitude
道徳的な正しさ、公正さ、誠実さを意味します。非常にフォーマルな表現で、法律、倫理学、宗教などの分野で用いられます。日常会話ではほとんど使われません。 【ニュアンスの違い】righteousnessが神の目にかなう正しさや信仰心に基づく正しさを指すのに対し、rectitudeはより客観的で、普遍的な道徳基準に合致する正しさを指します。righteousnessは主観的な信念に根ざしていることが多いですが、rectitudeは客観的な事実や法律に基づいています。 【混同しやすい点】rectitudeは不可算名詞として使われます。日本語の「正義」に近い意味合いを持ちますが、日常会話ではほとんど使われません。また、rectitudeはしばしばintegrity(誠実さ)と混同されますが、rectitudeはより形式的で、客観的な道徳基準に合致することを強調します。
善良さ、親切さ、道徳的な良さを意味します。一般的な善意や道徳的な卓越性を指し、日常会話から文学作品まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】righteousnessが特定の基準や法に合致する正しさを意味するのに対し、goodnessはより広範な道徳的な良さを指します。righteousnessはしばしば宗教的な文脈で用いられますが、goodnessは世俗的な文脈でも広く使われます。 【混同しやすい点】goodnessは不可算名詞として使われます。特定の善行を指す場合は可算名詞(e.g., acts of goodness)となることもありますが、一般的な善良さを指す場合は不可算名詞として使われます。また、goodnessはしばしばkindness(親切さ)と混同されますが、goodnessはより広範な道徳的な良さを意味します。
派生語
『正しい』という意味の基本形容詞。righteousnessの語源であり、道徳的な正しさ、権利、適切さなど幅広い意味で使用される。日常会話から法律文書まで頻出。
- righteously
『正しく』『正当に』という意味の副詞。righteousに副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。行動や判断が道徳的に正しい様子を表す際に用いられ、ややフォーマルな文脈で使用されることが多い。
『直立した』『正直な』という意味の形容詞。接頭辞『up-(上へ)』とrightが組み合わさり、姿勢がまっすぐであること、そしてそこから転じて、精神的な高潔さや正直さを表す。文学作品や演説などで、比喩的に用いられることがある。
反意語
- wickedness
『邪悪』『不正』を意味する名詞。righteousnessの道徳的正しさとは対照的に、意図的な悪意や不正行為を指す。宗教的な文脈や、道徳的な非難を込めた表現でよく用いられる。
- wrongdoing
『不正行為』『犯罪』を意味する名詞。righteousnessが守るべき規範からの逸脱を指し、具体的な不正な行為や犯罪行為を意味する。法的な文脈や、ニュース記事などで頻繁に使用される。
『邪悪』を意味する形容詞または名詞。righteousnessが善であるのに対し、evilは道徳的な悪そのものを指す。哲学的な議論や物語の中で、抽象的な概念として扱われることが多い。
語源
"Righteousness」は、「正しさ」「正当性」を意味する名詞で、語源は古英語の「rihtwisnes」に遡ります。これは「rihtwis」(正しい、正義の)に名詞を作る接尾辞「-nes」が付いたものです。「riht」は「right」(正しい)の祖先であり、ゲルマン祖語の「*rehtaz」(まっすぐな、正しい)に由来します。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の「*reg-」(導く、まっすぐにする)という語根に行き着きます。この語根は、英語の「rectify」(正す)や「regulate」(規制する)、「direct」(指示する)など、多くの「正しさ」「方向性」に関連する単語の源となっています。「-ness」は、状態や性質を表す接尾辞で、日本語の「〜さ」に相当します。つまり、「righteousness」は、文字通りには「正しい状態」「正義の状態」を意味し、道徳的な正しさや倫理的な高潔さを表す言葉として使われるようになりました。
暗記法
「righteousness」は、単なる正しさではなく、神の意志や普遍的秩序との調和を意味します。旧約聖書では、神との契約を守ることで得られる状態であり、社会正義を含む概念でした。新約聖書では、キリストへの信仰を通して与えられる恵みとされ、ルターによって信仰義認説として確立。現代では、政治的正当性や社会正義の根拠となりますが、解釈の相違から対立も生み出す、変化し続ける概念です。
混同しやすい単語
スペルが似ており、意味も『正しさ』という点で関連するため混同しやすい。しかし、'righteousness' が道徳的・宗教的な意味合いが強いのに対し、'rightness' はより一般的な正しさを指す。品詞も 'righteousness' は名詞だが、'rightness' は形容詞 'right' の名詞形であるため、文脈で判断する必要がある。接尾辞 '-ness' と '-eousness' の違いに注意。
発音が似ており、特に語尾の 'ight' の部分が共通しているため、発音を聞き間違えやすい。『儀式』という意味で、道徳的な正しさとは全く異なる概念である。スペルも 'righteousness' と 'rite' では大きく異なるが、発音の類似性から誤解が生じやすい。文脈から判断することが重要。
'righteousness' と同様に道徳的な意味合いを持つが、'virtuousness' は『徳高さ』を意味し、より個人の性格や行いに焦点を当てる。'righteousness' は神や法にかなった正しさを意味することが多い。スペルは全く異なるが、意味の類似性から混同されることがある。語源的には、'virtuousness' は 'virtue'(美徳)から派生している。
'righteousness' が宗教的な文脈で使われることが多いため、宗教に関連する 'religiousness'(宗教心)と混同されることがある。スペルは大きく異なるが、意味の関連性から誤解が生じやすい。'righteousness' が道徳的な正しさを含むのに対し、'religiousness' は宗教的な信仰心や実践を指す。文脈によって使い分ける必要がある。
'righteousness' の反対語である 'unrighteousness'(不正)は、意味が正反対であるにもかかわらず、スペルが似ているため混同されることがある。特に、接頭辞 'un-' がついていることに気づかないと、意味を誤解する可能性がある。注意深くスペルを確認し、文脈から判断することが重要。
発音の最初の部分が似ており、特にカタカナ英語で「ライト」という音に引きずられると、'righteousness' と 'rhetoric'(修辞法)を聞き間違えやすい。スペルも全く異なるが、発音の類似性から誤解が生じやすい。意味も全く異なるため、文脈から判断することが重要。'rhetoric' は、効果的なコミュニケーションのための技術を指す。
誤用例
『righteousness』は一般的に『正しさ』『正義』という意味ですが、人の性質を指す場合は、しばしば『self-righteousness(独善)』の意味合いで使われます。日本人が『彼の正義感は鼻につく』と言いたい場合、直訳的に『righteousness』を使ってしまいがちですが、この文脈では『self-righteousness』がより適切です。なぜなら、単に『righteousness』と言うと、客観的な正しさや道徳的な正しさを指すニュアンスが強く、個人的な感情に基づく嫌悪感を表すには不自然だからです。英語では、感情的な反感を含む場合は、自己中心的であることを示す接頭辞『self-』を加えることで、より意図が伝わりやすくなります。日本語の『正義感』という言葉が持つニュアンスの幅広さが、誤用の原因となりやすいです。
『righteousness』は、宗教的・道徳的な意味合いが強く、しばしば神や宗教的な規範との関連で用いられます。一方、『integrity』は、誠実さ、高潔さといった意味合いで、より世俗的な文脈で使われます。日本人が『彼女はいつも正しく行動していたので、みんな彼女を尊敬した』と言いたい場合、道徳的な正しさ全般を指すつもりで『righteousness』を使ってしまうことがありますが、単に誠実な人柄を表現したい場合は『integrity』がより適切です。英語では、宗教的な意味合いを避けたい場合や、日常生活における誠実さを強調したい場合には、『integrity』を選ぶのが自然です。日本語の『正しい』という言葉が持つ意味の広さが、文脈に応じた適切な英単語の選択を難しくしていると言えます。
『righteousness』は、しばしば宗教的、道徳的な絶対的な正しさを意味し、神の視点や普遍的な道徳律に照らして正しいことを指します。一方、『justness』は、より公平さや公正さ、社会的な正義といった意味合いが強く、人間社会における判断や評価に基づいた正しさを指します。日本人が『彼の主張の正当性はすぐに明らかになった』と言いたい場合、社会的な正当性を意味するつもりで『righteousness』を使ってしまうことがありますが、この文脈では『justness』がより適切です。なぜなら、社会的な正当性は、必ずしも絶対的な道徳律に合致するとは限らず、状況や文化によって解釈が異なる可能性があるからです。英語では、社会的な正当性を表現する場合には、『justness』を選ぶことで、より具体的な意味合いを伝えることができます。日本語の『正しさ』という言葉が持つ曖昧さが、誤用の原因となりやすいです。また、日本語では『正義』という言葉が、絶対的な道徳的正しさから社会的な公正さまで、幅広い意味で使用されることも、この誤用を助長していると考えられます。
文化的背景
「righteousness(正しさ、正義)」は、単なる道徳的な正しさにとどまらず、神の意志や普遍的な秩序に合致した状態を指し、西洋文化においては宗教的、倫理的な理想の中核をなす概念です。特に、アブラハムの宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)においては、神との正しい関係性、そして神の律法に従うことによって得られる状態として重要視されてきました。
旧約聖書においては、「righteousness」はしばしば契約の概念と結びついて登場します。神はイスラエルの民と契約を結び、彼らがその契約を守り、神の律法に従うならば、「righteous(正しい)」と見なされると約束しました。この「righteousness」は、単なる個人的な道徳性にとどまらず、社会全体の正義、弱者の保護、公正な裁きといった要素を含んでいました。預言者たちは、イスラエルの民が契約を破り、不正や不義が横行する社会を批判し、「righteousness」への回帰を訴えました。
新約聖書においては、「righteousness」はイエス・キリストの信仰を通して与えられる恵みとして強調されます。人間は自らの行いによって「righteousness」を得ることはできず、キリストの犠牲を通して神の前に義とされると説かれます。この考え方は、宗教改革においてマルティン・ルターによって再解釈され、「信仰義認説」として確立されました。ルターは、人間の救いは行いではなく、信仰のみによって与えられると主張し、「righteousness」の概念を個人の内面的な信仰体験と深く結びつけました。
現代社会においても、「righteousness」は政治的な正当性や社会正義の議論において重要な役割を果たしています。市民運動や人権運動は、しばしば「righteousness」を根拠として、差別や不正義に抗議し、社会の変革を訴えます。ただし、「righteousness」の解釈は時代や文化によって異なり、異なる価値観を持つ人々がそれぞれの「righteousness」を主張することで、対立や紛争が生じることもあります。例えば、あるグループが特定の政策を「righteous」であると主張する一方で、別のグループはそれを「unrighteous」であると批判することがあります。このように、「righteousness」は常に議論の対象となり、その意味は文脈によって変化し続ける、ダイナミックな概念と言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で稀に出題。1級レベルでは長文読解で登場する可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: 宗教的、倫理的な文脈で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 直接的な意味だけでなく、比喩的な意味合いも理解しておくこと。関連語のrighteous, rightとの区別を明確に。
1. 出題形式: Part 5(語彙問題)で稀に出題される可能性あり。Part 7(長文読解)でも文脈理解を問われる形で登場する可能性は低い。2. 頻度と級・パート: 出題頻度は低い。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスの文脈ではほとんど使われない。倫理的な議論や、社会問題に関する記事などで見られる可能性はごくわずかにある。4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては優先順位は低い。他の頻出語彙を優先的に学習すべき。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章でよく使われる。3. 文脈・例題の特徴: 哲学、倫理学、社会学などの分野で、抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 単語の意味だけでなく、それがどのような文脈で使われるかを理解することが重要。類義語とのニュアンスの違いも意識すること。
1. 出題形式: 長文読解問題で稀に出題。2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で、社会科学系のテーマの文章に出現する可能性がある。3. 文脈・例題の特徴: 倫理、道徳、正義などのテーマで使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。単語集だけでなく、実際の文章の中でどのように使われているかを確認すること。