glad
母音 /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を横に広げて発音します。日本語の「ア」よりも口を大きく開けるイメージです。/d/ は舌先を上前歯の裏に当てて発音する破裂音で、有声音です。語尾の /d/ は、日本語のように強く発音せず、軽く添えるように発音するとより自然に聞こえます。
うれしい
何か良いことがあったり、期待していたことが実現したりして、心が満たされるような喜びを表す。一時的な感情を表すことが多い。
I'm so glad to hear that you got the job you wanted!
あなたが希望の仕事に就けたと聞いて、本当に嬉しいです!
※ 友人が就職の朗報を伝えてきた場面を想像してください。相手の良い知らせを聞いて、心から喜んでいる気持ちを表す、とても自然な表現です。「I'm glad to hear that...(~と聞いて嬉しい)」は、日常会話で頻繁に使われます。
My grandma was very glad to see me visit her last weekend.
祖母は先週末、私が訪ねてきてくれてとても喜んでいました。
※ おばあちゃんが孫の訪問を心待ちにしていて、実際に会えた時の温かい喜びが伝わる場面です。「be glad to see/meet someone(~に会えて嬉しい)」は、人との再会や訪問を喜ぶ気持ちを表す際によく使われる形です。
We are glad we could help you move your heavy boxes.
あなたの重い箱を運ぶのを手伝えられて、嬉しいです。
※ 友達の引っ越しを手伝い、重い荷物を運ぶのを助けてあげた後の会話をイメージしてください。誰かの役に立てたことや、良い結果に貢献できたことに対する満足感や喜びを表すときに使えます。このように「glad」の後に「that節」を続けることもよくあります。
喜んで〜する
提案や申し出に対して、快く同意する気持ちを表す。「I'd be glad to help」のように、申し出や依頼を承諾する際に使われる。
I'd be glad to help you carry those heavy boxes.
その重い箱を運ぶのを、喜んでお手伝いしますよ。
※ 友達が重い箱を運んでいて困っているのを見て、「手伝いましょうか?」と親切に声をかける場面です。相手を助けることを自分も喜んでいる気持ちが伝わります。 `be glad to + 動詞の原形`で「喜んで〜する」という意味になります。`I'd`は`I would`の短縮形です。相手に何か親切な申し出をするときに、とても自然で丁寧な表現としてよく使われます。
We'd be glad to come to your birthday party next week.
来週のあなたの誕生日パーティーに、喜んで参加させていただきます。
※ お友達から誕生日パーティーに招待されて、「ぜひ喜んで参加します!」と返事をする場面です。パーティーを楽しみにしている、前向きな気持ちが伝わります。 ここでも`be glad to + 動詞の原形`の形で使われています。`We'd`は`We would`の短縮形です。招待や申し出を快く受け入れるときにぴったりの表現で、前向きな気持ちが伝わります。
My father said he'd be glad to teach me how to fix the bike.
父は、喜んで自転車の直し方を教えてくれると言っていました。
※ 自転車が壊れて困っているあなたに、お父さんが「喜んで直し方を教えてあげるよ」と言ってくれた場面です。お父さんの優しさと、教えることへの意欲が伝わります。 `said he'd be glad to...`と、誰かが「喜んで〜する」と言ったことを伝える形です。`he'd`は`he would`の短縮形です。相手が前向きな気持ちで引き受けてくれる様子が分かる、日常会話でよくある表現です。
コロケーション
聞いて嬉しい
※ 相手から何か良い知らせを聞いた際に、返答として用いる非常に一般的な表現です。単に 'I'm glad'と言うよりも、相手の知らせに対する共感や喜びをより直接的に伝えるニュアンスがあります。'I'm glad to hear that'のように 'that'以下の内容を付け加えることで、具体的に何について喜んでいるのかを示すことができます。口語で非常によく使われ、ビジネスシーンでもカジュアルな場面であれば問題なく使用できます。
お役に立てて嬉しい
※ 相手に何か手助けをした後、感謝された際の丁寧な返答として用いられます。フォーマルな印象を与えるため、ビジネスシーンや顧客対応などでよく使われます。単に 'You're welcome' と答えるよりも、より丁寧でプロフェッショナルな印象を与えることができます。文字通り「サービスを提供できて嬉しい」という意味合いで、相手への敬意を示す表現です。
喜ばしい知らせ、朗報
※ 'tidings' は古風な英語で 'news' を意味します。そのため、'glad tidings' は「喜ばしい知らせ」を意味するやや古風で文学的な表現です。現代では、特にクリスマスなどの宗教的な文脈でよく用いられます。日常会話で頻繁に使う表現ではありませんが、詩や物語などでは見かけることがあります。比喩的に、非常に良い知らせが届いた状況を強調する際に使用されます。
歓迎の握手、愛想の良い歓迎
※ 形式ばらない、しかし温かい歓迎の意を示す表現です。誰かを心から歓迎する際に、熱意を込めて握手することを指します。政治家やセールスマンなどが、初対面の相手に好印象を与えようとする際によく用いられるイメージがあります。しばしば、表面的でやや大げさな歓迎を指すこともあります。例:'He gave me the glad hand, but I could tell he wasn't sincere.'(彼は私を大げさに歓迎したが、本心ではないとわかった)。
人を喜ばせる
※ これは直接的な表現で、誰かの行動や存在が別の人を喜ばせることを意味します。'His visit made her glad.' (彼の訪問は彼女を喜ばせた) のように使われます。日常会話でよく用いられる表現であり、特に難しいニュアンスはありませんが、'happy' よりも少し穏やかで、持続的な喜びを表すことがあります。例えば、プレゼントを贈ったり、良いニュースを伝えたりすることで、誰かを 'glad' にすることができます。
あなたのことを嬉しく思う
※ 相手に良いことがあった際に、その喜びを共有する気持ちを表す表現です。相手の成功や幸福を心から祝福するニュアンスが含まれます。'I'm happy for you' とほぼ同義ですが、'glad' を使うことで、より親しみやすく、温かい印象を与えることができます。例えば、友人が昇進したり、結婚したりした際に、'I'm so glad for you!' と伝えることで、相手への祝福の気持ちを効果的に伝えることができます。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、喜びや肯定的な感情を表す際に使われます。例えば、研究結果の発表で「実験結果に満足している」ことを示す場合や、「議論に参加できて嬉しい」という気持ちを述べる際に用いられます。文語的な表現が中心です。
ビジネスシーンでは、メールやプレゼンテーションなどのフォーマルな場面で、相手への感謝や好意を示す際に使われます。例えば、「ご協力に感謝いたします」という意を伝える場合や、プロジェクトの成功を喜ぶ際に用いられます。ただし、より丁寧な表現が好まれる場合もあります。
日常会話では、喜びや満足感を表現する際に頻繁に使われます。例えば、「会えて嬉しい」「プレゼントをもらって嬉しい」といった直接的な感情表現や、「手伝ってくれて嬉しい」といった感謝の気持ちを伝える際に用いられます。口語的な表現で、カジュアルな会話でよく使われます。
関連語
類義語
幸福感や満足感を広く表す一般的な言葉。個人的な感情、出来事、状況など、様々な理由で幸福を感じる時に使われる。日常会話で最も頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】「glad」よりも感情の度合いが強い場合が多い。「happy」はより持続的な幸福感を表すことができ、「glad」は一時的な喜びや安堵を表すことが多い。 【混同しやすい点】「happy」は状態を表す形容詞で、「be happy」のように使われることが多い。一方、「glad」は特定の出来事や状況に対する反応として使われることが多い。例えば、「I'm happy to see you」と「I'm glad to see you」はどちらも正しいが、後者はより具体的な出会いの喜びを表す。
満足している、喜んでいるという意味だが、「glad」よりもややフォーマルな印象を与える。ビジネスシーンや公式な場面でよく使われる。相手の行為や結果に対して満足していることを伝える際に適している。 【ニュアンスの違い】「glad」よりも礼儀正しく、丁寧な表現。相手への敬意を示すニュアンスが含まれるため、目上の人や顧客に対して使うのに適している。感情の強さとしては、「glad」よりも控えめな場合もある。 【混同しやすい点】「pleased」はしばしば受動態で使用され、「I am pleased with…」の形で、特定の結果や状況に満足していることを表す。能動態で使用する場合は、「It pleased me to…」のように、それが自分を喜ばせたという意味になる。
非常に喜んでいる、大喜びしているという意味。「glad」よりも感情の度合いが強く、喜びの絶頂を表す。特別な出来事や嬉しい知らせに対する反応として使われる。 【ニュアンスの違い】「glad」よりもフォーマルで、感情の度合いも強い。非常に嬉しい、光栄であるといったニュアンスが含まれる。稀に皮肉として使われる場合もある。 【混同しやすい点】「delighted」はしばしば「I am delighted to…」の形で、何かをすることに対する喜びを表す。また、「delighted with…」の形で、特定の結果や状況に非常に満足していることを表す。
満足している、満ち足りているという意味。現状に満足し、穏やかな幸福感を持っている状態を表す。物質的な豊かさだけでなく、精神的な充足感も含意する。 【ニュアンスの違い】「glad」が一時的な喜びを表すのに対し、「content」はより持続的な満足感を表す。また、「glad」が特定の出来事に対する反応であるのに対し、「content」は全体的な生活や状況に対する感情を表す。 【混同しやすい点】「content」はしばしば「be content with…」の形で、特定のものや状況に満足していることを表す。また、「content」は名詞としても使用され、「内容」という意味になる。
明るく、陽気で、元気な様子を表す形容詞。性格や雰囲気、状況など、様々なものに対して使用できる。楽観的で前向きな感情を表す。 【ニュアンスの違い】「glad」が特定の出来事に対する喜びを表すのに対し、「cheerful」はより一般的な、持続的な明るさを表す。また、「cheerful」は性格や態度を表すことが多い。 【混同しやすい点】「cheerful」は感情を表すというよりも、性格や雰囲気を表す形容詞として使われることが多い。例えば、「He is a cheerful person」のように、人の性格を表す場合や、「a cheerful room」のように、明るい雰囲気の場所を表す場合に使われる。
感謝している、ありがたいと思っているという意味。恩恵や親切を受けたことに対する感謝の気持ちを表す。困難な状況から救われた時や、良いことが起こった時に使われる。 【ニュアンスの違い】「glad」が一般的な喜びを表すのに対し、「thankful」は特定の恩恵や助けに対する感謝の気持ちを表す。感謝の対象が明確であることが多い。 【混同しやすい点】「thankful」はしばしば「thankful for…」の形で、感謝の対象を示す。また、「thankful to…」の形で、感謝の対象となる人を示す。「I am thankful for your help.」のように使う。
派生語
- gladness
『喜び』という意味の名詞。『glad』に名詞化の接尾辞『-ness』が付加。感情の状態を表す抽象名詞として、文学作品や心理学的な文脈で用いられることが多い。日常会話よりも、ややフォーマルな場面で使用される傾向がある。
- gladden
『喜ばせる』という意味の動詞。『glad』に動詞化の接尾辞『-en』が付加。誰かを幸せな気持ちにさせる行為を表し、手紙や詩など、感情を表現する場面で使われる。直接的な表現よりも、間接的な表現として用いられることが多い。
- gladsome
『喜ばしい』という意味の古風な形容詞。『glad』に形容詞化の接尾辞『-some』が付加。現代英語ではあまり使われないが、文学作品や詩などで見られることがある。古風な響きを持ち、喜びや幸福感を強調する際に用いられる。
反意語
『悲しい』という意味の形容詞。『glad』と直接的な対義語であり、喜びの欠如や不幸な感情を表す。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われ、感情を表現する上で基本的な語彙。
接頭辞『un-(否定)』が『happy(幸せな)』に付いて『不幸な』という意味を表す形容詞。『glad』と同様に、幸福でない状態を指すが、より広範な不幸や不満を含むことがある。日常会話で頻繁に使われ、感情や状況を説明する際に役立つ。
『悲しみに満ちた』という意味の形容詞。『sorrow(悲しみ)』に接尾辞『-ful(満ちた)』が付加された語。深い悲しみや苦悩を表し、文学作品やフォーマルな場面で用いられることが多い。『sad』よりも強い感情を表す。
語源
"glad」の語源は古英語の「glæd」(輝く、喜ばしい)に遡ります。これはさらにゲルマン祖語の「*gladaz」(輝く、滑らかな)に由来し、光沢や喜びといった意味合いを含んでいました。この「輝き」の概念が、人の内面の明るさ、つまり「喜び」や「嬉しさ」といった感情を表すようになったと考えられます。日本語で例えるなら、「顔が輝く」という表現が喜びを表すのと似ています。初期の意味合いから、心が晴れやかで喜びに満ちた状態を指すようになり、現代英語の「glad」(嬉しい、喜んで~する)の意味へと発展しました。接頭辞や接尾辞は付いていませんが、その語源を辿ると、光と喜びが深く結びついていることがわかります。
暗記法
「glad」は単なる喜びではなく、感謝や好意、社会的な調和を示す言葉。西洋では、喜びを人間関係の潤滑油として使う機微があります。「嬉しい」よりも軽く広い意味で使われ、感謝や共感を示すと同時に、友好的な関係を築こうとする意図が。フォーマルな場面では敬意を示す言葉としても使われます。感情よりも社会的な礼儀を重んじる文化が背景にあり、人間関係を円滑にするツールとして機能。かつては感情表現を避けた上流階級が好んで使い、上品さを示す役割も担っていました。
混同しやすい単語
『glad』に接尾辞『-ly』がついた副詞で、発音もスペルも非常に似ています。意味は『喜んで』となり、『glad』(形容詞: 嬉しい)とは品詞が異なります。文脈によって使い分ける必要があります。例えば、『I am glad to see you.』と『I will gladly help you.』のように使います。
『glad』と発音が似ていますが、末尾に無音の『e』がついています。意味は『(森の中の)開けた場所、草地』となり、意味もスペルも異なります。英語の母音字+子音字+eのパターンは、母音字をアルファベット読みするルールを思い出しましょう(silent e rule)。
発音は非常に似ていますが、スペルが大きく異なります。『grad』は『graduate(卒業生)』の略で、主にアメリカ英語で使われます。意味も文脈も大きく異なるため、混同しないように注意が必要です。フォーマルな場では『graduate』を使いましょう。
スペルの一部が似ており、特に『gla-』の部分が共通しています。しかし、発音も意味も大きく異なります。『glass』は『ガラス』または『グラス』を意味します。視覚的に似ているため、注意が必要です。また、glassは数えられない名詞ですが、a glass of waterのように使うことができます。
『glad』の比較級で、発音もスペルも非常に似ています。意味は『より嬉しい』となります。『glad』と『gladder』のどちらを使うかは、比較対象があるかどうかで決まります。例えば、『I am glad.』と『I am gladder to see you than him.』のように使います。
スペルが似ており、『gl-』の部分が共通しています。発音も一部似ていますが、最後の『-ide』の部分が異なります。『glide』は『滑るように動く』という意味の動詞です。意味もスペルも異なるため、注意が必要です。語源的には、ゲルマン祖語の*glīdaną(滑る)に由来し、gladとは直接的な関係はありません。
誤用例
日本語の『よかった』は、相手の状況に関わらず、自分の感情を表す際に使われることがあります。しかし、英語の 'glad' は基本的に良い知らせに対して使われます。相手の不幸な出来事に対して 'glad' を使うと、相手の不幸を喜んでいるような印象を与えてしまいます。このような場合は、相手への同情を示す 'sorry' を使うのが適切です。日本人が相手の状況を考慮せずに、自分の感情を優先して表現してしまう傾向が原因と考えられます。英語では、相手への共感や配慮がより重要視されるため、状況に応じた適切な表現を選ぶ必要があります。
ここでの誤用は、前置詞の選択ミスに起因します。 'glad' は感情の原因や理由を示す場合、'about' や 'that' 節を伴います(例:I'm glad about the news. I'm glad that you are safe.)。一方、'for' は理由や目的を表す前置詞ですが、損失(loss)のような悲しい出来事に対して 'glad for' を使うと、その損失を喜んでいるという意味合いになり不適切です。このような状況では、'sorry for' を使用し、相手の損失に対する同情を表すのが適切です。日本語の『〜に対して嬉しい』という表現を直訳しようとすると、'glad for' という誤った表現を生み出す可能性があります。英語では、感情を表す形容詞と適切な前置詞の組み合わせを理解することが重要です。
初対面の人に対して 'I'm glad to meet you' を使うことは文法的に誤りではありませんが、フォーマルな場面やビジネスシーンでは 'It's nice to meet you' または 'Pleased to meet you' を使う方がより適切です。 'glad' は、ある程度の親近感がある場合や、再会を喜ぶ場合に使われることが多いです。日本人は、英語の教科書で 'I'm glad to meet you' を最初に学ぶことが多いため、あらゆる場面で使いがちですが、英語には場面に応じた適切な表現が存在します。特に初対面の人に対しては、丁寧で控えめな表現を使うことが重要です。また、英語圏では、過度に感情的な表現を避け、客観的で冷静なコミュニケーションを好む傾向があります。
文化的背景
「glad」は単なる喜びを表す言葉ではなく、しばしば相手の行為に対する感謝や好意、そして社会的な調和を示す役割を担ってきました。喜びや満足感という感情を、相手との関係性を円滑にする潤滑油として用いる、西洋的なコミュニケーションの機微が込められています。
「glad」が持つ文化的意義を考える上で興味深いのは、その使用頻度と場面です。日本語の「嬉しい」に比べ、「glad」はより広い範囲で、そしてやや軽いニュアンスで使用される傾向があります。例えば、ちょっとした頼み事を聞いてもらった時、あるいは相手の近況報告に対して、「I'm glad to hear that.(それを聞いて嬉しいです)」と返すのは、相手への感謝と共感を示すと同時に、良好な関係を維持しようとする意図の表れです。これは、個人主義が根強い西洋社会において、互いの自律性を尊重しつつ、友好的な関係を築くための重要なコミュニケーション戦略と言えるでしょう。
さらに、この言葉はしばしば儀礼的な意味合いを帯びます。例えば、フォーマルな場面での挨拶や、ビジネスメールの結びの言葉として「I'm glad to have this opportunity.(この機会をいただき嬉しく思います)」といった表現が用いられるのは、相手への敬意を示すとともに、円滑な関係を築きたいという意思表示です。ここには、感情の真偽よりも、社会的な礼儀を重んじる文化的な背景が見て取れます。つまり、「glad」は、単なる感情表現の言葉ではなく、社会的な文脈の中で、人間関係を円滑にするためのツールとして機能しているのです。
興味深いことに、かつては階級社会であったイギリスにおいて、「glad」は特に上流階級の人々が、感情を直接的に表現することを避けるために好んで用いた言葉であるという指摘もあります。直接的な感情表現は時に下品と見なされることがあったため、「glad」のような、やや控えめな表現を用いることで、上品さを保ちつつ、相手への好意を示すことができたのです。このように、「glad」という言葉の背後には、社会的な階層や人間関係における微妙な力関係が反映されていると言えるでしょう。現代社会においても、この言葉は、相手との距離感を測りながら、友好的な関係を築くための、洗練されたコミュニケーションツールとして、その役割を果たし続けています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題される。語彙問題、長文読解パート
- 文脈・例題の特徴: 日常会話、ニュース記事、エッセイなど幅広い文脈で使われる。感情を表す表現として用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「glad」の基本的な意味(嬉しい、喜んで)に加え、類似語(happy, pleased, delighted)とのニュアンスの違いを理解することが重要。また、glad to do の形で使われることが多い。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 5では、文法的な知識と語彙力の両方が問われる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでのメール、報告書、会話などで使われることが多い。顧客への対応や、社内でのコミュニケーションでよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、ビジネスシーンに特化した表現を覚えることが重要。「I'm glad to hear that.」のような定型表現は覚えておくと役立つ。また、文脈から適切な意味を判断する必要がある。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。アカデミックな文章でよく使われる。
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、教科書、ニュース記事など、フォーマルな文脈で使用されることが多い。感情的な意味合いよりも、客観的な状況に対する喜びや満足を表す場合がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLでは、文脈から正確に意味を把握することが重要。「glad」がどのような状況で使われているかを注意深く分析し、類似語との違いを理解することが大切。また、パラフレーズ(言い換え)のパターンも覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 主に長文読解、和訳問題、英作文
- 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出題頻度が高い傾向にある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、説明文など、幅広いジャンルの文章で使われる。感情を表す表現としてだけでなく、論理的な文脈でも用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 大学受験では、「glad」の基本的な意味に加え、文脈に応じた適切な訳語を選ぶことが重要。また、gladの後に続く前置詞や節の種類によって意味が変わる場合があるので、注意が必要。英作文では、自然な英語表現として使えるように練習しておくと良い。