fond of
まず 'fond' の /ɒ/ は日本語の「ア」と「オ」の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。「オ」に寄せすぎないように注意しましょう。次に 'of' の /ə/ は曖昧母音と呼ばれ、力を抜いて軽く「ア」と発音するのがコツです。/'d' ə/ はリンキング(連結)して発音されるため、「ドゥア」のように聞こえます。全体的に、はっきり発音しようとせず、リラックスして自然な流れを意識するとよりネイティブに近い発音になります。
好きで
愛情や好意を持っている状態。一時的な感情ではなく、ある程度の期間継続しているニュアンスを含む。 "be fond of"の形で使われることが多い。
Grandma is very fond of her grandchildren, always smiling when they visit.
おばあちゃんは孫たちが大好きで、彼らが訪ねてくるといつも笑顔になります。
※ この例文では、おばあちゃんが孫たちを深く愛し、可愛がっている様子が伝わります。「fond of」は、単に「好き」というだけでなく、愛情や親しみを込めて「かわいがっている」という気持ちを表すときにぴったりです。家族に対する愛情を表現するのによく使われます。
My father is very fond of strong black coffee every morning.
私の父は毎朝、濃いブラックコーヒーがとても好きです。
※ お父さんが毎朝、濃いブラックコーヒーを特に好んで飲んでいる様子がわかります。「fond of」は、特定の食べ物や飲み物、趣味など、長年の習慣や深い好意があるものに対して使われます。単なる「like」よりも、もっと愛着やこだわりがあるニュアンスです。
She is quite fond of her dog, taking him for long walks daily.
彼女は自分の犬がとても好きで、毎日彼を長い散歩に連れて行きます。
※ 彼女が自分の犬をとても可愛がっていて、毎日長い散歩に連れて行く様子が目に浮かびます。「fond of」は、ペットや動物に対する愛情表現によく用いられます。この文のように、具体的な行動(散歩に連れて行く)が加わることで、感情の強さがより伝わります。
可愛がって
愛情を込めて大切にしている状態。人や動物、趣味など、対象は様々。
My grandma is very fond of her grandchildren.
私の祖母は孫たちをとても可愛がっています。
※ この例文は、祖母が孫を深く愛している様子を表しています。「fond of」は、特に人や動物に対して「愛情を持っている」「好意を抱いている」という優しい気持ちを伝えるときに使われます。長年の愛着や温かい感情が込められていることが多いです。
The little boy is fond of his playful puppy.
その小さな男の子は、遊び好きな子犬を可愛がっています。
※ 「fond of」は、ペットなどの動物を可愛がっている気持ちを表現する際にもよく使われます。この例文では、男の子が元気な子犬に抱いている愛情が伝わってきますね。生き物への親しみや慈しみの気持ちを表すのにぴったりです。
He is very fond of reading books in quiet cafes.
彼は静かなカフェで本を読むのがとても好きです。
※ 「fond of」は、人や動物だけでなく、特定の活動や物事に対して「愛着がある」「とても好きだ」という気持ちを表すときにも使えます。この例文では、彼が静かな場所で読書することに深い愛情とこだわりを持っていることがわかります。
コロケーション
〜とよく言う、〜と言うのが口癖だ
※ 「fond of」の後ろに動名詞(saying)が続くパターンです。ある人が特定の言葉やフレーズを繰り返し使うことを表します。日常会話で、その人の口癖や特徴的な言い回しを指摘する際に使われます。例えば、「He's fond of saying 'At the end of the day...'」(彼は「結局のところ…」と言うのが口癖だ)のように使います。フォーマルな場面ではあまり使いません。
自分の声が好きでよく喋る、おしゃべり好き
※ 文字通りには「自分の声の響きが好き」という意味ですが、転じて「自分の話を聞かせたがる、独りよがりな話し方をする」というニュアンスを含みます。自己中心的で、相手の意見を聞かずに一方的に話す人を批判的に表現する際に用いられます。皮肉を込めた言い方なので、相手との関係性によっては注意が必要です。類似表現に"talk someone's ear off"があります。
お酒が好き、酒飲みである
※ "tipple"は「(少量のお)酒」を意味するやや古風な言葉で、特にアルコール度数の高いお酒を指すことがあります。「fond of a tipple」は、上品な言い回しでお酒好きであることを表現する際に用いられます。直接的に「alcoholic」と言うよりも、婉曲的でユーモラスな響きがあります。イギリス英語でよく使われる表現です。
楽しい思い出、懐かしい記憶
※ "fond"が形容詞として使われ、後続の名詞(memories)を修飾するパターンです。過去の出来事に対する愛情や温かい感情を伴う記憶を指します。個人的な手紙や、過去を振り返るスピーチなどでよく用いられます。単に"good memories"と言うよりも、より感情的なニュアンスが強くなります。
〜を好きになる、〜に愛着が湧く
※ "grow"は「成長する、次第になる」という意味で、「grow fond of」は徐々に愛情や好意が育まれていく過程を表します。時間経過とともに感情が変化していくニュアンスを含んでおり、一目惚れのような強い感情ではなく、ゆっくりと関係が深まっていく状況に適しています。例えば、「I grew fond of the old house over the years.」(長年住むうちに、その古い家が好きになった)のように使います。
心温まる別れ、名残惜しい別れ
※ "farewell"は「別れ」を意味する名詞で、"fond farewell"は愛情や友情を込めた別れを指します。単なる別れではなく、お互いを大切に思う気持ちが伝わるような、温かい雰囲気の別れを表現する際に用いられます。文学作品や演劇などで、感情的なシーンを強調するために使われることがあります。
使用シーン
学術論文や教科書で、ある研究対象や学説に対する研究者の好意的な態度や、特定の概念への傾倒を説明する際に用いられます。例えば、歴史学の研究で「〜学派は、この理論を特に好んで用いた」のように記述されることがあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションにおいて、顧客の嗜好や市場のトレンドに関する分析を述べる際に使用されます。例として、「顧客は、利便性の高いサービスを好む傾向がある」というように、客観的な分析結果を伝える文脈で用いられることがあります。
日常会話では、個人的な好みや趣味について話す際に使われます。「私はクラシック音楽が好きです」や「猫を可愛がっています」のように、親しみやすい表現として用いられます。また、ニュース記事などで「~という傾向がみられる」という客観的な記述にも使われることがあります。
関連語
類義語
- keen on
何かに非常に興味がある、熱中しているという意味。カジュアルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"fond of"よりも強い興味や熱意を示すことが多い。また、一時的な興味というよりも、ある程度の期間続く興味を示すことが多い。 【混同しやすい点】"keen on"は、人に対して使う場合は、恋愛感情を含む可能性がある。"fond of"は、人に対して使う場合、愛情や好意を示すが、恋愛感情は含まれないことが多い。
- partial to
何かを特に好む、または他のものよりも優先するという意味。フォーマルな場面や書き言葉で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"fond of"よりも好みがはっきりしていることを示す。また、客観的な判断に基づいた好みというニュアンスがある。 【混同しやすい点】"partial to"は、好みや偏りを認めるニュアンスがあるため、人に対して使う場合は注意が必要。相手に不公平感を与える可能性がある。
- attached to
何かに愛着を持っている、または感情的なつながりがあるという意味。人、場所、物など、幅広い対象に対して使える。 【ニュアンスの違い】"fond of"よりも深い感情的なつながりを示す。失うことへの恐れや、過去の思い出と結びついていることが多い。 【混同しやすい点】"attached to"は、依存や執着といったネガティブな意味合いを含む場合がある。"fond of"は、一般的にポジティブな意味合いで使われる。
- have a liking for
何かを好む、または気に入っているという意味。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"fond of"とほぼ同義だが、ややフォーマルな響きがある。また、一時的な感情というよりも、ある程度の期間続く好意を示すことが多い。 【混同しやすい点】"have a liking for"は、否定形(例:I don't have a liking for...)で使うと、強い嫌悪感を示すことがある。"fond of"は、否定形でもそこまで強い意味合いにはならない。
何かを楽しむ、または喜ぶという意味。幅広い場面で使える。 【ニュアンスの違い】"fond of"よりも能動的な行動を伴うことが多い。例えば、「音楽が好き」という場合は"fond of music"、「音楽を聴くのが好き」という場合は"enjoy listening to music"となる。 【混同しやすい点】"enjoy"は動名詞(例:enjoy swimming)や目的語(例:enjoy the party)を伴うことが多い。"fond of"は名詞(例:fond of chocolate)を伴うことが多い。
- delight in
何かを非常に楽しむ、または喜ぶという意味。フォーマルな場面や文学的な表現で使われる。 【ニュアンスの違い】"fond of"よりも強い喜びや満足感を示す。また、他者の不幸を喜ぶといった、ややネガティブな意味合いを含む場合がある。 【混同しやすい点】"delight in"は、他者の不幸を喜ぶという意味で使われることがあるため、文脈に注意する必要がある。"fond of"は、そのような意味合いでは使われない。
派生語
『愛情』『好意』を意味する名詞。『fond of』の感情状態を名詞化したもので、愛着や親愛の情を表す際に用いられる。日常会話から、ややフォーマルな手紙やスピーチなどでも使用される。
- befond
(現在では廃れた用法だが)『喜ばせる』『楽しませる』という意味の他動詞。現代英語ではほぼ使われず、古語として文学作品などに登場する程度。
語源
「fond」は、中英語の「fonnen」(愚かな、ばかげた)に由来し、さらに遡ると古英語の「fon」(愚か者)に行き着きます。元々は「愚かなほど夢中になる」といった意味合いがあり、そこから愛情や好意を表す意味へと変化しました。「of」は前置詞で、ここでは「~について」という意味合いを付加し、「~が好きである」という状態を示します。つまり、「fond of」は、元々は少しネガティブなニュアンスを含んでいたものが、時間とともに愛情や好意を表す表現へと変化してきた単語であると言えます。日本語で例えるなら、「夢中」という言葉が、必ずしも良い意味だけでなく、ある種の熱狂的な状態を表すのにも似ています。このように、言葉の意味は時代とともに変化していく好例と言えるでしょう。
暗記法
「fond of」は、単なる「好き」を超えた、温かく控えめな愛情表現。英国文学では、感情を抑制しつつ、相手への敬意を示す婉曲な表現として登場します。直接的な愛情表現を避けながらも、親愛の情を伝える、奥ゆかしい言葉なのです。時に皮肉やユーモアを込め、複雑な感情を表現することも。イギリス英語でより頻繁に使われ、上品で洗練された印象を与えます。感情表現の抑制を重んじる文化を反映した、深みのある言葉です。
混同しやすい単語
『fond』と『found』は、発音が非常に似ており、特にネイティブスピーカーが早口で話す場合、区別が難しいことがあります。また、過去形・過去分詞の動詞であるため、文法的な役割も異なります。『found』は『見つける(find)』の過去形・過去分詞であり、意味も大きく異なります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
『fond』と『font』は、スペルが似ており、特に手書きの場合など、'd' と 't' の区別が曖昧になることがあります。また、発音も母音の響きが似ているため、聞き間違いも起こりやすいです。『font』は『フォント(書体)』という意味で、全く異なる概念を表します。文章全体で意味が通じるかどうかを確認することが重要です。
『fond』と『fund』は、スペルが似ており、特に短母音の発音の違いを意識していないと混同しやすいです。『fund』は『資金、基金』という意味の名詞であり、動詞としても使われます。意味も品詞も異なるため、文脈から判断する必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『fundus(底)』に由来しますが、意味の発展が異なります。
『feigned』(〜のふりをした)は、『fond』とはスペルも発音も大きく異なりますが、意味的な文脈で混同される可能性があります。『fond of』が好意的な感情を表すのに対し、『feigned』は感情や行動を偽ることを意味します。例えば、『feigned interest』(興味があるふり) のように使われます。感情に関する文脈では特に注意が必要です。
直接的な類似性はありませんが、発音記号を意識すると、/fɒnd/ と /foʊn/ で、最初の音素が同じ /f/ であるため、注意散漫な状況では聞き間違える可能性があります。意味は全く異なり、『電話』を指します。特に電話に関する話題の中で『fond of』を使う場合、注意が必要です。
『fond』と『food』は、スペルは大きく異なりますが、どちらも短い単語で、かつ『f』で始まるため、視覚的に似ていると感じることがあります。また、どちらも日常的な単語であるため、無意識のうちに混同してしまう可能性もあります。『food』は『食べ物』という意味で、全く異なる概念を表します。
誤用例
『fond of』は親愛の情や好意を表す表現ですが、上司に対して使うと、ややくだけた印象を与え、不適切になる場合があります。ビジネスシーンでは、尊敬の念を示す『respect』を使う方が適切です。日本人が上司に親近感を抱きやすい文化的な背景から、つい『fond of』を選んでしまうことがありますが、英語では相手との関係性や場面に応じて言葉を選ぶ必要があります。日本語の『好き』を安易に『like』や『fond of』に置き換えるのではなく、相手への敬意を込めた表現を心がけましょう。
『fond of』は良い意味で何かを好む場合に使われます。不平を言うといったネガティブな行為に対して使うと不自然です。この場合は、『prone to』(〜しがちである)を使うのが適切です。日本人は、直接的な批判を避け、婉曲的な表現を好む傾向がありますが、英語では、不快な行為を好むという表現は論理的に矛盾していると捉えられます。日本語の『〜が好き』という表現が、必ずしも好意的な意味合いだけでなく、単なる習慣や傾向を指す場合があるため、英語に直訳する際には注意が必要です。
『fond of』は人や行為に対して使われることが多く、物に対して使うと、少し不自然に聞こえることがあります。物への愛着を表現したい場合は、『attached to』を使うのがより適切です。日本人は、物に魂が宿ると考えるアニミズム的な考え方を持つため、物に愛情を抱くことを自然に感じますが、英語では、人に対する感情と物に対する感情を区別して表現することが多いです。日本語の『〜が好き』という感情が、人、物、事柄など、対象によってニュアンスが異なることを理解し、英語で表現する際には、対象に合わせた適切な表現を選ぶようにしましょう。
文化的背景
「fond of」は、単なる「好き」よりも少し控えめで、温かく、親愛の情を込めた感情を表す言葉です。それは、長年連れ添った夫婦がお互いに抱く愛情や、古い友人に感じる懐かしさ、あるいは子供の頃から慣れ親しんだものへの愛着といった、時間をかけて育まれた感情を表現するのに適しています。この語は、英語圏の文化において、感情をストレートに表現することを避け、婉曲的で控えめな表現を好む傾向と深く結びついています。
「fond of」がよく用いられるのは、英国の文学作品や映画においてです。例えば、ジェーン・オースティンの小説では、登場人物たちが互いに対して「fond of」という言葉を頻繁に用います。これは、当時の社会における感情表現の抑制と、相手への敬意を示すための婉曲的な表現方法を反映しています。登場人物たちは、直接的な愛情表現を避けながらも、「fond of」という言葉を通じて、相手への好意や親愛の情を伝えるのです。また、この表現は、しばしば皮肉やユーモアを込めて用いられることもあります。例えば、あまり好きではない相手に対して、「I'm rather fond of him, in a way.(彼のこと、まあ、ある意味では好きだよ)」と言うことで、複雑な感情を表現することができます。
「fond of」は、アメリカ英語よりもイギリス英語でより頻繁に使用される傾向があります。アメリカ英語では、「like」や「love」といった直接的な表現が好まれる一方、イギリス英語では、「fond of」のような控えめな表現が、より上品で洗練された印象を与えます。これは、イギリス社会における階級意識や、感情表現に対する伝統的な規範が影響していると考えられます。例えば、上流階級の人々が、感情を露わにすることを避け、常に冷静で落ち着いた態度を保とうとする傾向は、「fond of」という言葉の持つニュアンスと深く結びついています。
このように、「fond of」は、単なる「好き」という感情を表すだけでなく、英語圏の文化、特にイギリス社会における感情表現の抑制、婉曲的な表現の好み、階級意識といった要素を反映した、奥深い文化的背景を持つ言葉なのです。この言葉を使う際には、その背景にある文化的ニュアンスを理解することで、より適切で洗練されたコミュニケーションをすることができます。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文読解で稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題。ニュース記事、エッセイ、物語など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「be fond of」の形で、後ろに名詞または動名詞が続くことを理解する。類義語(like, enjoy)とのニュアンスの違いを把握する。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にPart 7で、パラフレーズされた形で登場することがある。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、レポート、記事など)でよく使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「be fond of」の形で使われ、後ろに名詞または動名詞が続くことを確認する。同義語(enjoy, appreciate)との使い分けを理解する。否定形(not fond of)も重要。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。アカデミックな文章でよく使われる。
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、アカデミックなトピックに関する文章で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をする。同意語(have a liking for, be keen on)も覚えておくと役立つ。受動態(be fond of being)の形も理解しておく。
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性がある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、エッセイなど、幅広いジャンルの文章で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から正確な意味を把握する練習をする。類義語や反意語も覚えておく。特に「be fond of」の形で、後ろに続く名詞や動名詞に注意する。