enterprising
第2音節にアクセント(強勢)があります。/ər/ は曖昧母音で、日本語の「アー」と「ウー」の中間のような音です。/zɪŋ/ の部分は、日本語の「ジング」よりも口を横に引いて発音するとよりネイティブに近い響きになります。また、語尾の /ŋ/ は、舌の奥を上げて鼻に抜ける音で、日本語の「ン」とは少し異なります(口を閉じる必要はありません)。
専門的な内容に関するご注意
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意欲的な
新しいことに積極的に挑戦し、自ら道を切り開こうとする様子。ビジネスや個人のキャリアにおいて、進取の気性に富む人物を指すことが多い。
Our new colleague is very enterprising and always suggests fresh ideas for our team.
私たちの新しい同僚はとても意欲的で、いつもチームのために斬新なアイデアを出してくれます。
※ この例文は、新しい環境で積極的に行動し、建設的な提案をする人物の様子を描いています。仕事の場面で、ただ指示を待つのではなく、自ら考えて行動する「意欲的な人」を表す典型的で自然な使い方です。
Even as a child, she was enterprising, always trying to build something new from old boxes.
子供の頃から、彼女は意欲的で、いつも古い箱から何か新しいものを作ろうとしていました。
※ 子供の頃の様子を表すことで、生まれつきの性格や好奇心旺盛で行動的な様子が伝わります。何かを創造したり、工夫したりする積極的な姿勢を「enterprising」で表現する良い例です。
When our small business faced a big challenge, an enterprising team member found a clever solution.
私たちの小さな会社が大きな課題に直面したとき、意欲的なチームメンバーが賢い解決策を見つけました。
※ 困難な状況に直面した際に、ただ諦めずに、自ら積極的に解決策を探し、行動する姿勢を「enterprising」と表現しています。ビジネスやプロジェクトで問題解決に貢献する人物の描写によく使われます。
進取の
リスクを恐れず、新しい事業やアイデアに積極的に取り組む姿勢。既存の枠にとらわれず、革新的な方法を追求するニュアンスを含む。
The young woman was very enterprising, opening a unique coffee shop in her small town.
その若い女性はとても進取の気性に富んでいて、小さな町にユニークなコーヒーショップを開きました。
※ 「enterprising」は、新しいことや困難なことに積極的に取り組む姿勢を表します。この文では、小さな町でユニークなカフェを開くという、彼女の挑戦的で意欲的な行動が伝わってきますね。「very enterprising」のように、程度を表す副詞と一緒に使うと、その人の意欲の高さが強調されます。
When their ball got stuck on the roof, the most enterprising boy quickly found a long stick.
彼らのボールが屋根に挟まってしまった時、一番機転の利く少年がすぐに長い棒を見つけました。
※ 「enterprising」は、問題が起きたときに、自分から工夫して解決策を見つけようとする行動にも使われます。みんなが困っている中で、一番に動いた少年の「機転の利く」様子が伝わりますね。「most enterprising」のように、最上級で使うことで「一番進取の気性に富んでいる」という意味になります。
Our manager said we need more enterprising people to lead the new project.
部長は、新しいプロジェクトを率いるには、もっと意欲的な人材が必要だと言いました。
※ 「enterprising people」のように、名詞の前に置いて「進取の気性に富んだ人々」という意味で使われます。ビジネスの場面で、新しい仕事や挑戦に意欲的な人を評価する際によく使われる表現です。「need more enterprising people」は「もっと意欲的な人材が必要だ」という、前向きなニュアンスを含みます。
工夫を凝らす
既存の資源や知識を最大限に活用し、独創的な方法で問題を解決しようとする様子。単に努力するだけでなく、知恵と創造性を活かす点が強調される。
He found enterprising ways to raise money for his new cafe.
彼は新しいカフェのために、工夫を凝らした方法でお金を集めました。
※ この例文は、新しいことを始める人が、困難な状況でも「工夫して、積極的に行動する」様子を描いています。「enterprising ways (工夫を凝らした方法)」は、特にビジネスや計画において、知恵を絞って問題を解決する場面でよく使われる典型的な表現です。
For the difficult project, he found an enterprising solution.
その難しいプロジェクトのために、彼は工夫を凝らした解決策を見つけました。
※ 誰もが頭を抱えるような難しい課題に直面した時、単なる努力だけでなく、誰も思いつかなかったような斬新で効果的な解決策を見つけ出す様子を表しています。「enterprising solution (工夫を凝らした解決策)」も、問題解決の文脈で非常によく使われる表現です。
Our team solved the problem with an enterprising approach.
私たちのチームは、工夫を凝らしたアプローチでその問題を解決しました。
※ チームで大きな問題に直面した際、普通の方法ではうまくいかない中で、新しい考え方ややり方(アプローチ)を積極的に取り入れて問題を解決した場面です。「enterprising approach (工夫を凝らしたアプローチ/取り組み方)」は、新しい視点や積極的な姿勢で物事に取り組む様子を表す際によく使われます。
コロケーション
進取の気性、積極的な開拓精神
※ 新しいことに果敢に挑戦し、困難を乗り越えて事業を成功させようとする精神を指します。個人だけでなく、企業文化や国民性を表す際にも用いられます。例えば、『日本にはかつてenterprising spiritが旺盛だった』のように、過去の活力を振り返る文脈でも使われます。ビジネスシーンで、新規事業計画や社員の評価において頻繁に登場します。
進取の気性に富んだ若者
※ 若者が持つ、既存の枠にとらわれず新しいことに挑戦する意欲や能力を強調する表現です。しばしば、将来への期待を込めて用いられます。小説や伝記など、人物描写において、その人物の性格や才能を示すために使われることがあります。例:『彼はenterprising young manとして、すぐに頭角を現した』。
積極的な取り組み方、斬新なアプローチ
※ 問題解決や目標達成のために、従来の方法にとらわれず、新しいアイデアや戦略を積極的に取り入れる姿勢を指します。ビジネスシーンで、プロジェクトや戦略会議などでよく用いられます。単に『active approach』と言うよりも、創造性や革新性が伴うニュアンスが含まれます。
独創的な解決策、斬新な解決策
※ 既存の枠にとらわれず、創造的な発想によって導き出された解決策を指します。技術革新やビジネスにおける課題解決など、困難な状況を打開するために用いられます。『innovative solution』と似ていますが、enterprisingには、より積極的な行動やリスクを冒すニュアンスが含まれます。例えば、資金調達が難しい状況で、クラウドファンディングを活用するようなケースが該当します。
冒険的な事業、意欲的な事業
※ 新しい市場や技術に挑戦する、リスクの高い事業を指します。成功すれば大きな利益が期待できる反面、失敗する可能性も高い事業に対して使われます。スタートアップ企業や新規事業の立ち上げなど、ビジネスシーンでよく用いられます。例:『その会社は、enterprising ventureに次々と投資している』。
進取の気性に富むジャーナリスト
※ 既存の報道の形にとらわれず、独自の視点や取材方法で真実を追求するジャーナリストを指します。困難な状況でも果敢に取材を行い、スクープを狙うようなジャーナリストに対して使われます。報道の世界における、革新的な姿勢や行動力を評価する際に用いられます。
進取の気性に富んだ個人
※ 組織に頼らず、自らの力で新しいことに挑戦し、成功を収めようとする人を指します。起業家やフリーランスなど、独立して活動する人に用いられることが多いです。自己責任で行動し、リスクを恐れない人を評価する際に使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、学生や研究者の積極的な姿勢や創造的な取り組みを評価する際に用いられます。例:『〇〇学生は、非常にenterprisingなアプローチで課題に取り組んだ』のように、研究の新規性や独自性を強調する文脈で使われます。
ビジネスシーンでは、社員の能力評価やプロジェクト報告書で、新規事業や改善提案など、積極的に行動する姿勢を評価する際に使用されます。例:『〇〇氏は、enterprisingな精神で新規市場開拓に貢献した』のように、積極的な貢献を評価する場面で使われます。フォーマルな印象を与えるため、プレゼンテーションや社内メールでも使用されます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やビジネス関連の書籍などで見かけることがあります。起業家精神や新しいことに挑戦する人を評価する文脈で使われることが多いです。例:『〇〇さんは、enterprisingな女性起業家として注目されている』のように、少し硬い表現として使われます。
関連語
類義語
『野心的な』という意味で、個人的な目標達成や社会的地位の向上を目指す際に使われる。ビジネス、政治、個人的な目標など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は事業や企画に対する積極性、創造性を示すのに対し、『ambitious』は個人の願望や目標達成への強い意志を意味する。必ずしも創造性や革新性を伴うとは限らない。 【混同しやすい点】『ambitious』はしばしば自己中心的、権力志向といったネガティブな意味合いを含むことがあるが、『enterprising』は一般的にポジティブな意味合いで使用される。
- resourceful
『機転がきく』『臨機応変な』という意味で、困難な状況で創造的に解決策を見つけ出す能力を指す。問題解決、サバイバル、発明など、様々な状況で用いられる。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は新しい事業や計画を積極的に始める能力を指すのに対し、『resourceful』は既存の資源や知識を最大限に活用する能力を指す。状況への適応力が強調される。 【混同しやすい点】『resourceful』は必ずしも新しいものを創造するわけではなく、手持ちのものを工夫して使うという意味合いが強い。一方、『enterprising』は新しい価値を生み出すことに重点が置かれる。
『革新的な』という意味で、新しいアイデア、方法、製品などを導入する際に使われる。技術、ビジネス、芸術など、あらゆる分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は新しい事業を始める意欲や行動力を指すのに対し、『innovative』は新しいアイデアや技術を生み出す能力を指す。必ずしも事業化を伴うとは限らない。 【混同しやすい点】『innovative』はアイデアの新規性に重点が置かれるのに対し、『enterprising』は事業としての実現可能性や利益を生み出す能力に重点が置かれる。革新的なアイデアがあっても、それが事業として成功するとは限らない。
『率先力』『自発性』という意味で、指示されなくても自ら進んで行動することを指す。ビジネス、プロジェクト、社会活動など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は新しい事業を創造する能力を含むが、『initiative』は既存の枠組みの中で自発的に行動することを意味する。規模の大小に関わらず使用できる。 【混同しやすい点】『initiative』は名詞であり、具体的な行動を指すことが多い。一方、『enterprising』は形容詞であり、人の性質や特徴を表す。例えば、『take the initiative』のように使う。
『活動的な』『精力的な』という意味で、変化に富み、活気に満ちた状態を表す。人、組織、プロセスなど、様々な対象に使用される。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は新しい事業を始める能力を指すのに対し、『dynamic』は変化に対応し、成長し続ける能力を指す。必ずしも新しいものを創造するとは限らない。 【混同しやすい点】『dynamic』は変化やエネルギーを強調するのに対し、『enterprising』は事業の創造やリスクを取る姿勢を強調する。例えば、『dynamic market』のように使う。
- proactive
『積極的な』『先を見越した』という意味で、問題が発生する前に予防策を講じたり、機会を積極的に探したりする姿勢を表す。ビジネス、プロジェクト管理など、未来志向の場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『enterprising』は新しい事業を始める積極性を指すのに対し、『proactive』は問題の発生を予測し、事前に対応する積極性を指す。リスク回避のニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『proactive』は問題解決やリスク管理に重点が置かれるのに対し、『enterprising』は新しい価値の創造に重点が置かれる。例えば、『proactive approach』のように使う。
派生語
名詞で「企業」「事業」「進取の気性」。動詞の「enter(始める)」に、名詞を作る接尾辞「-prise」がついた。元々は「冒険的な事業」の意味合いが強く、ビジネスシーンで頻繁に使われる。また、「進取の気性」という抽象的な意味でも用いられる。
- entering
動詞「enter(入る、始める)」の現在分詞。文字通り「入る」という意味の他に、「~を始めている、~に参加している」という意味合いで使われる。例えば、「entering the workforce(労働市場に参入している)」のように、比較的フォーマルな場面でも使用される。
「起業家」という意味の名詞。「enter(始める)」に由来し、「事業を引き受ける人」というニュアンスを持つ。フランス語由来の言葉で、ビジネスシーンでよく用いられる。enterprisingに通じる「進取の気性」を持つ人を指す。
反意語
- unadventurous
「冒険心のない」「消極的な」という意味の形容詞。「adventurous(冒険的な)」に否定の接頭辞「un-」がついた形。enterprisingが持つ「積極性」「進取性」と対照的に、リスクを避ける姿勢を表す。日常会話でも、人の性格を評する際などに使われる。
「用心深い」「慎重な」という意味の形容詞。enterprisingが積極的に行動するのに対し、cautiousはリスクを避けて慎重に行動するニュアンスを持つ。ビジネスシーンや日常生活で、状況に応じて使い分ける必要がある。
「受動的な」「消極的な」という意味の形容詞。enterprisingが自ら積極的に行動するのに対し、passiveは指示待ちで、自ら動こうとしない様子を表す。人の性格や行動様式を表現する際に用いられ、ビジネスシーンでもよく登場する。
語源
"enterprising"は、動詞"enterprise"に形容詞を作る接尾辞"-ing"が付いた形です。"enterprise"自体は、古フランス語の"entrerprendre"(始める、着手する)に由来します。さらに遡ると、ラテン語の"inter"(間に)と"prehendere"(掴む、捕らえる)が組み合わさった"interprehendere"が起源と考えられます。つまり、文字通りには「何かを掴み取るために行動する」という意味合いが含まれています。この「掴み取る」というニュアンスが、困難を乗り越えて事業を始める、あるいは新しいことに積極的に取り組むという「意欲的な」「進取の」といった意味につながっています。日本語で例えるなら、「一旗揚げる」という表現に近いかもしれません。
暗記法
「enterprising」は、アメリカンドリームを体現する言葉。西部開拓時代、フロンティアスピリットをもって道を切り開いた人々の精神です。ゴールドラッシュ、鉄道建設、荒地を開墾した開拓者…彼らの進取の気性は、アメリカ発展の原動力となりました。文学作品では、社会の束縛から逃れるハック、革新的なザッカーバーグなど、自己実現の象徴として描かれます。変化を恐れず、新たな価値を創造する精神、それが「enterprising」です。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の 'er' の部分が曖昧になりやすい。スペルも 'enterprising' と 'entrepreneur' は似ており、文字数も多いため視覚的に混同しやすい。意味は『起業家』であり、'enterprising'(進取の気性に富む)とは、人が持つ性質を指すか、人を指す名詞かで大きく異なる。カタカナ英語の『アントレプレナー』に引きずられないように注意。
語幹の 'enter' を含むため、スペルの一部が共通している。発音も、強勢の位置が異なるものの、前半部分は似ているため混同しやすい。『面白い』という意味で、'enterprising' の『進取の気性に富む』とは意味が大きく異なる。'interesting' は形容詞だが、'enterprising' は形容詞としてだけでなく、『進取の気性に富むこと』という意味の名詞としても使われる点に注意。
語尾の '-ing' が共通しているため、形容詞としての形が似ている。また、'enterprising' の発音の最初の部分と 'surprising' の発音の最後の部分が、音の響きとして似ているため、耳で聞いたときに混同しやすい。『驚くべき』という意味で、'enterprising' とは意味が全く異なる。文脈で判断することが重要。
スペルの一部('rising')が共通しているため、視覚的に混同しやすい。特に、手書きで書く場合など、文字の形が崩れるとさらに区別が難しくなる。『生じる』という意味で、'enterprising' とは意味が全く異なる。ビジネスの場面では、'enterprising' は肯定的な意味合いで使われることが多いのに対し、'arising' は中立的な意味合いで使われることが多い。
'enterprising'と'adventurous'はどちらも積極的な行動を伴う性質を表しますが、意味合いが異なります。'enterprising'は新しい事業やプロジェクトを始める意欲や能力を強調するのに対し、'adventurous'はリスクを冒して未知の領域に挑戦する性質を指します。発音も似ていますが、'adventurous'の方がより冒険的なニュアンスが強いです。語源的には、'adventure'(冒険)に関連するため、意味の違いを意識することが重要です。
接頭辞を除いた 'terpreting' の部分が、'enterprising' の一部とスペルが似ているため、視覚的に混同しやすい。また、音節数も多い単語であるため、全体を把握しづらく、結果として一部の類似した部分に注意が向いてしまう。『解釈する』という意味で、'enterprising' とは意味が全く異なる。TOEIC などの試験では、意味の取り違えを狙ったひっかけ問題が出題されることがあるため注意。
誤用例
日本語の『彼は上司にとても企業家的だ』という直訳的な発想から生まれる誤用です。 "enterprising" は、主に『自発的に新しいことや困難なことに挑戦する』という意味合いを持ち、人を評価する際に使われます。しかし、誰か(特に上司)に対して熱心に働きかける様子を表すには不自然です。ここでは、"keen to please"(~を喜ばせようと熱心である)のような表現が適切です。日本人が陥りやすい『〜に対して』を安易に "to" で表現する癖も、この誤用の一因と言えるでしょう。英語では、人間関係や行動の方向性を表す "to" は、より直接的な対象に使われる傾向があります。
"enterprising" は、たしかにビジネスで成功する可能性を示唆しますが、直接的に『金持ち』であることを意味するわけではありません。この誤用は、日本人が結果(金銭的な成功)を重視しすぎる傾向から生まれる可能性があります。英語圏では、"enterprising" は、むしろその人の性格や行動特性(創造性、積極性、問題解決能力など)を評価する言葉として使われます。成功はあくまで結果であり、"enterprising" な性格はそのための重要な要素の一つ、というニュアンスです。直接的な金銭的価値観を控えめに表現する英語圏の文化が背景にあります。
"enterprising" は、新しい事業や計画を立ち上げようとする積極的な姿勢を指すことが多いです。単に『困難な状況を乗り越えようとする』という意味合いで使うと、少し不自然になります。このような場合には、"resourceful"(機転が利く、工夫に富む)という単語がより適切です。日本人が『頑張る』という言葉を色々な場面で使うように、英語でも安易に "enterprising" を使ってしまうと、文脈によっては意味が通じにくくなります。英語の単語は、日本語よりも意味の範囲が狭く、より具体的な状況に特化していることが多いことを意識する必要があります。
文化的背景
「enterprising」という言葉は、単に「進取の気性に富む」という意味を超え、アメリカンドリームの核心にある、自力で成功を掴み取る開拓者精神を体現しています。それは、リスクを恐れず、新しい機会を積極的に探し求め、困難を乗り越えて事業を成功させる、アメリカ人の自己実現の物語と深く結びついているのです。
19世紀、アメリカ西部開拓時代、フロンティアスピリットを持つ人々は、未知の土地に希望を託し、自らの手で道を切り開きました。「enterprising」という言葉は、こうした時代背景の中で、単なるビジネスの才覚だけでなく、困難な状況を打破し、新たな価値を創造する強い意志と行動力を意味するようになりました。ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアで一攫千金を夢見た人々、鉄道建設に命を懸けた労働者たち、そして、荒れ地を耕し農場を築いた開拓者たち。彼らの「enterprising」な精神は、アメリカの経済発展の原動力となり、今もなお、シリコンバレーの起業家精神や、宇宙開発を目指すベンチャー企業などに受け継がれています。
文学作品においても、「enterprising」な人物は、しばしば成功の象徴として描かれます。例えば、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』に登場するハックは、社会の束縛から逃れ、自由を求めて旅をする「enterprising」な少年として描かれています。また、映画『ソーシャル・ネットワーク』では、Facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグが、既存の価値観にとらわれず、革新的なアイデアを実現する「enterprising」な起業家として描かれています。これらの作品を通じて、「enterprising」という言葉は、単なるビジネススキルを超え、自己実現を追求する人間の普遍的な欲求と結びつけられていることがわかります。
現代社会において、「enterprising」は、変化を恐れず、自ら道を切り開く積極的な姿勢を意味する言葉として、ますます重要性を増しています。グローバル化が進み、社会構造が複雑化する中で、従来の価値観にとらわれず、新たな視点を持って課題に取り組む「enterprising」な人材が求められています。それは、単に企業で働く人々だけでなく、地域社会を活性化させるNPOや、社会問題を解決しようとするソーシャル・アントレプレナーなど、あらゆる分野で活躍する人々にとって不可欠な資質と言えるでしょう。アメリカンドリームの象徴として、「enterprising」は、これからも自己実現を目指す人々の心を奮い立たせる言葉として、その輝きを失うことはないでしょう。
試験傾向
英検では、主に準1級以上で出題される可能性があります。
1. **出題形式**: 主に語彙問題(短文の空所補充)や長文読解で出題される可能性があります。
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上で、語彙問題や長文読解パートで出題される可能性があります。1級ではエッセイで使うことも考えられます。
3. **文脈・例題の特徴**: ビジネスや社会問題など、やや硬めの文脈で出題されることが多いです。例:"The company is looking for enterprising individuals to lead the new project."
4. **学習者への注意点・アドバイス**: "enterprise"(企業、事業)との関連性を理解し、形容詞としての意味(進取の気性に富む、積極的な)を覚えることが重要です。類義語(ambitious, innovative)との使い分けも意識しましょう。
TOEICでは、主にPart 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で出題される可能性があります。
1. **出題形式**: 主にPart 5の語彙問題、またはPart 7の長文読解で登場します。
2. **頻度と級・パート**: Part 5では中〜高難度の語彙問題として、Part 7ではビジネス関連の長文中で見られます。
3. **文脈・例題の特徴**: ビジネスシーン(新規事業、起業、プロジェクトなど)に関連した文脈で使われることが多いです。例:"We need an enterprising manager to handle this challenging task."
4. **学習者への注意点・アドバイス**: ビジネス英語特有の語彙として捉え、類義語(resourceful, proactive)とのニュアンスの違いを理解することが大切です。
TOEFLでは、アカデミックな文脈の長文読解で出題される可能性があります。
1. **出題形式**: 主にリーディングセクションの長文読解問題で登場します。
2. **頻度と級・パート**: TOEFL iBTのリーディングセクションで、高頻度ではありませんが、アカデミックな内容の文章で使われることがあります。
3. **文脈・例題の特徴**: 経済学、社会学、歴史など、アカデミックなテーマの文章で、問題解決や革新的な取り組みに関する文脈で使われることが多いです。例:"Enterprising researchers are exploring new methods to combat climate change."
4. **学習者への注意点・アドバイス**: アカデミックな文脈での意味合いを理解し、同義語(innovative, resourceful, inventive)との使い分けができるようにしましょう。名詞形の"enterprise"の意味も確認しておきましょう。
大学受験では、難関大学を中心に長文読解で出題される可能性があります。
1. **出題形式**: 主に長文読解問題で、文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることがあります。
2. **頻度と級・パート**: 難関大学の入試問題で、比較的高度な語彙として出題されることがあります。
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、経済、科学技術など、幅広いテーマの文章で、積極的な取り組みや革新的なアイデアに関連する文脈で使われることが多いです。例:"Enterprising students are developing new technologies to solve environmental problems."
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する練習を重ね、類義語(ambitious, innovative)とのニュアンスの違いを理解することが重要です。また、"enterprise"(企業、事業)との関連性も覚えておきましょう。