default
第一音節の /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開けて発音する短い音です。第二音節は強勢があり、/ɔː/ は日本語の『オー』よりも口を丸めて長く伸ばす音になります。最後の /lt/ は、舌先を上の歯茎につけて発音する 'l' の後に、唇を閉じて発音する 't' が続くため、'l' の音を意識するとより正確になります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
初期設定
機械やソフトウェアなどにおいて、特に設定変更を行わない場合に自動的に適用される、あらかじめ用意された設定のこと。変更可能であることが前提。
When I opened my brand new phone, all the settings were still at the default.
真新しい携帯電話を開いた時、設定はすべて初期設定のままでした。
※ この例文は、新しい電子機器を初めて使う瞬間のワクワク感を想像させます。特に何もいじっていない、工場出荷時の状態が「default」です。パソコンや家電製品の設定画面でよく出会う状況です。「at the default」で「初期設定のままで」という意味になります。
The website's theme was set to the default, so I didn't change anything.
そのウェブサイトのテーマは初期設定になっていたので、私は何も変更しませんでした。
※ ウェブサイトやアプリのデザイン、表示形式などについて、自分でカスタマイズせずに、最初から用意されている標準の状態を使っている場面です。多くの人が特にこだわりがなければ、この「初期設定」のまま使うことが多いでしょう。「set to the default」で「初期設定に設定されている」という意味になります。
If you don't choose a color, the printer will use black as the default.
色を選ばなければ、プリンターは初期設定として黒を使います。
※ プリンターで印刷する際に、特に色を指定しなかった場合、自動的に黒で印刷されるという状況です。システムやプログラムが、ユーザーからの指示がない場合に、あらかじめ決められた動作をする「初期設定」を表しています。「as the default」で「初期設定として」という意味で、何かを指定しない場合に自動的に選ばれるものを指します。
標準の
特に指定がない限り、通常用いられる、または想定される状態や仕様を指す。特別な事情がない限り適用される、というニュアンスを含む。
When I installed the new software, the default folder for saving files was 'Documents'.
新しいソフトウェアをインストールしたとき、ファイルを保存する標準のフォルダは「ドキュメント」でした。
※ 新しいソフトをパソコンに入れたとき、特に自分で保存場所を選ばなければ、自動的に「ドキュメント」フォルダに保存される、という情景です。このように、自分で設定を変えない限り自動的に適用される「初期設定」や「既定」を表すときに、形容詞の default はよく使われます。
My new washing machine's default cycle is a quick wash, which is very convenient.
私の新しい洗濯機の標準コースはクイックウォッシュで、とても便利です。
※ 買ったばかりの洗濯機で、何もボタンを押さずにスタートすると、一番手軽な「クイックウォッシュ」が自動的に選ばれる、という場面です。家電製品などで「標準でこうなっている」「特に設定を変えなければこれが選ばれる」という状況を伝えるのにぴったりの使い方です。
Our team's default meeting time is 10 AM, unless someone requests a change.
私たちのチームの標準の会議時間は午前10時です。誰かが変更を要求しない限り。
※ この例文では、チームのメンバーが特に何も言わなければ、会議はいつも午前10時に始まる、という「既定のルールや習慣」を表しています。ビジネスシーンやグループ活動で、特に指定がない場合に適用される「標準的な取り決め」を説明する際によく使われます。
滞納する
本来支払うべき金額や義務を、期日までに支払わないこと。債務不履行の状態を指す。
She felt a knot in her stomach, fearing she would default on her rent.
彼女は家賃を滞納するのではないかと胃がキリキリした。
※ 家賃や光熱費など、個人が定期的に支払うべきお金を期日までに支払えない状況でよく使われます。「a knot in her stomach」は、心配で胃が締め付けられるような感覚を表します。
He lost his job and couldn't pay, so he might default on his car loan.
彼は仕事を失い、支払いができなかったので、車のローンを滞納するかもしれない。
※ ローン(借金)の返済を期日までにしない場合に「default」が使われます。この例文では、仕事がなくなったために支払いが困難になるという、具体的な理由と状況が描かれています。
The struggling company had no choice but to default on its huge bank loan.
その苦戦している会社は、多額の銀行ローンを滞納するしかなかった。
※ 企業が銀行からの借金(ローン)を返済できなくなる状況で使われる典型的な例です。「had no choice but to...」は「~するしかなかった」という意味で、避けられない状況を表します。
コロケーション
ローンや借金を滞納する、不履行になる
※ 金融や経済の文脈で非常によく使われる表現です。債務者が契約で定められた返済義務を果たせない状況を指します。単に『支払いが遅れる』のではなく、『返済不能に陥る』というニュアンスが強いです。例えば、住宅ローンをdefault onすると、家を失う可能性があります。少しフォーマルな場面やニュース記事などで頻繁に見られます。類似表現に 'fall behind on payments' がありますが、こちらは一時的な遅延を指すことが多いです。
初期設定、既定の選択肢
※ コンピュータやソフトウェア、機械製品などで、ユーザーが特に設定を変更しない場合に自動的に適用される設定や選択肢を指します。例えば、ワープロソフトのdefault settingは、フォントや余白などが初期状態に設定されています。『特にこだわりがなければ、このままで使えますよ』というニュアンスが含まれています。ビジネスシーンでも、会議のdefault setting(デフォルトの日時や場所)などを決める際に使われます。
デフォルトで、特に指定がない限り
※ 副詞句として使われ、『特に指示や変更がない限り、自動的にそうなります』という意味を表します。例えば、『The printer is set to print in black and white by default.(プリンターはデフォルトで白黒印刷に設定されています)』のように使います。プログラミングやITの分野で特によく見られますが、日常会話でも『by default, I assume...(特に言われていないので、当然〜だと思います)』のように使えます。類似表現に 'automatically' がありますが、by default は『設定変更が可能』という含みがあります。
不戦敗になる、相手の不戦勝で負ける
※ スポーツやゲームなどで、出場資格がない、または出場を辞退した場合に、相手に勝利が与えられる状況を指します。例えば、テニスの試合で相手が怪我で棄権した場合、『He won by default.(彼は不戦勝した)』と言います。ビジネスシーンでは、提案期限に間に合わなかった場合などに、『We lost the deal by default.(我々は不戦敗で契約を失った)』のように比喩的に使われることもあります。直接的な対決をせずに結果が決まる、という点がポイントです。
システムが自動的に〜になる
※ 技術的な文脈でよく使われ、システムやプログラムが特定のアクションを実行するように事前に設定されていることを指します。例えば、「If no input is received, the system defaults to the main menu.(入力がない場合、システムは自動的にメインメニューに戻ります)」のように使われます。この表現は、システムが予期せぬ事態やエラーが発生した場合に、安全な状態に戻るために自動的に行う処理を説明する際にも用いられます。この構文は、システムの動作を説明するドキュメントや技術マニュアルで特に役立ちます。
〜がない場合、〜を怠った場合
※ ややフォーマルな表現で、契約書や法律文書などで見られます。例えば、「In default of payment, the goods will be repossessed.(支払いを怠った場合、商品は回収されます)」のように使われます。これは、特定の条件が満たされない場合に発生する結果を明示するために用いられます。日常会話ではあまり使われませんが、法的または契約上の義務を強調する際に有効です。
使用シーン
論文や教科書で頻繁に使われます。特に、コンピュータサイエンスや統計学の分野では、アルゴリズムの初期設定や、統計モデルのデフォルトパラメータについて説明する際に「デフォルト値」「デフォルト設定」という言葉がよく登場します。例:『このアルゴリズムのデフォルトの学習率は0.01です。』
ビジネスシーンでは、ソフトウェアやシステムの初期設定、契約不履行などの意味で使用されます。IT関連のプロジェクトや、法務関連の書類で目にする機会が多いでしょう。例:『システムのデフォルト設定を確認してください。』『契約者がローンの支払いをデフォルトした場合、担保が差し押さえられます。』
日常会話ではあまり使いませんが、スマートフォンの設定やアプリの初期設定について話す際に使われることがあります。また、クレジットカードの支払いが滞った場合などに「デフォルト」という言葉を聞くことがあります。例:『スマホのデフォルトの壁紙を変えた。』『クレジットカードの支払いをデフォルトしてしまった。』ニュース記事で「債務不履行」の意味で使われることもあります。
関連語
類義語
『失敗』や『不履行』という意味で、目標の達成に失敗した場合や、義務を果たせない状況を指す。ビジネス、法律、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『default』が契約や義務の不履行に特化しているのに対し、『failure』はより一般的な失敗を意味する。感情的な響きは『failure』の方が強く、個人的な失敗にも用いられる。 【混同しやすい点】『default』は名詞としても動詞としても使われるが、『failure』は主に名詞として使われる。動詞として使う場合は『fail』となる。また、『failure』は具体的な事柄だけでなく、人そのものを指す場合もある(例:He is a failure as a father)。
『(一時的な)中断』や『過失』という意味で、注意や記憶の一時的な途切れ、または道徳的な逸脱を指す。フォーマルな場面や、やや文学的な表現で使われることがある。 【ニュアンスの違い】『default』が長期的な不履行を暗示するのに対し、『lapse』は一時的な逸脱や中断を意味する。また、『lapse』は道徳的な意味合いを含む場合がある。 【混同しやすい点】『lapse』は自動詞として使われることが多い(例:into silence, into bad habits)。『default』は他動詞としても使われる点が異なる。また、『lapse』は保険などの契約が失効するという意味もある。
- non-payment
『不払い』という意味で、金銭の支払いが滞る状況を指す。主に金融やビジネスの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『default』が契約全体の不履行を指す場合があるのに対し、『non-payment』は特定の支払いが滞ることに焦点を当てる。より直接的で具体的な表現。 【混同しやすい点】『non-payment』は名詞であり、具体的な支払い行為の欠如を指す。『default』は動詞としても使われ、不履行の状態を表すことができる。
『省略』や『怠慢』という意味で、意図的または不注意による行為の欠落を指す。フォーマルな文脈や、報告書、契約書などで使われる。 【ニュアンスの違い】『default』が義務の不履行を指すのに対し、『omission』は何かを意図的または不注意に省くことを意味する。『omission』はしばしば、責任や義務の遂行における欠落を強調する。 【混同しやすい点】『omission』は、何かを「しない」という行為そのものを指す名詞であり、『default』のように状態を表す動詞としては使われない。また、『omission』は情報や詳細の欠落を指す場合もある。
- infraction
『違反』という意味で、規則、法律、契約などの軽い違反を指す。法律、スポーツ、ビジネスなど、規則が存在する様々な分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『default』が契約の根本的な不履行を指すのに対し、『infraction』はより軽微な規則違反を意味する。罰則も『default』の方が重くなる傾向がある。 【混同しやすい点】『infraction』は名詞であり、具体的な違反行為を指す。『default』は名詞としても動詞としても使われ、状態や行為を表すことができる。また、『infraction』はしばしば、スポーツにおける反則行為を指す。
- dereliction
『義務の放棄』や『職務怠慢』という意味で、責任や義務を意図的に放棄する行為を指す。フォーマルな文脈や、法律、軍事関係で使用される。 【ニュアンスの違い】『default』が契約上の義務不履行を指すのに対し、『dereliction』はより広範な責任や義務の放棄を意味する。また、『dereliction』は強い非難のニュアンスを含む。 【混同しやすい点】『dereliction』は名詞であり、行為の放棄そのものを指す。『default』は動詞としても使われ、状態を表すことができる。また、『dereliction』はしばしば、『dereliction of duty』という形で使われる。
派生語
- defaulter
『不履行者』や『滞納者』を意味する名詞。動詞『default』に、人を表す接尾辞『-er』が付加されたもの。金融や契約関連の文脈で、義務を怠った人を指す際に用いられる。日常会話よりはビジネス文書や報道などで見られることが多い。
- defaulting
『不履行の』や『滞納している』という意味の形容詞。動詞『default』に形容詞を作る接尾辞『-ing』が付いた形。債務不履行の状態を表す際によく用いられ、金融関係の記事やレポートで頻繁に見られる。動名詞としても使われ、不履行という行為そのものを指すこともある。
- defaulted
『不履行となった』や『滞納された』という意味の過去形/過去分詞。動詞『default』に過去形/過去分詞を作る『-ed』が付いた形。ローンや債券などが不履行状態になったことを述べる際に用いられる。ニュース記事や金融報告書でよく見られる。
反意語
『法令遵守』や『従順』を意味する名詞。『default』が義務や規則からの逸脱を意味するのに対し、『compliance』はそれらに従うことを指す。ビジネスや法律の文脈で、規則や要求事項への適合を示す際に用いられる。例えば、『default on a loan(ローンの不履行)』に対して、『compliance with regulations(規制の遵守)』のように対比される。
『固守』や『執着』を意味する名詞。『default』が(義務、主義などからの)離反を意味するのに対し、『adherence』は(義務、主義などに)忠実に従うことを意味する。契約や信念に関して用いられることが多い。例えば、『adherence to the terms of the contract(契約条項の遵守)』というように使われる。
- fulfillment
『履行』や『達成』を意味する名詞。『default』が義務や約束の不履行を意味するのに対し、『fulfillment』はそれらを果たすことを指す。ビジネスやプロジェクトの文脈で、目標や契約事項の達成を示す際に用いられる。例えば、『fulfillment of a contract(契約の履行)』のように使われる。
語源
「default」は、古フランス語の「defaute」(欠如、不足)に由来します。これはさらに、ラテン語の「de-」(分離、否定)と「fallere」(欺く、失敗する)が組み合わさった「defallere」(欠ける、なくなる)から派生しました。つまり、本来の意味は「何かが欠けている状態」や「義務を果たせない状態」を指していました。そこから、「初期設定」や「標準」といった意味合いは、何か特別な設定が「欠けている」状態、つまり、あらかじめ用意された状態を指すようになったと考えられます。また、「滞納する」という意味は、支払いの義務を「果たせない」状態から来ています。日本語で例えるなら、「デフォルト」は「規定値」や「初期値」といった言葉で言い換えられますが、その根底には「本来あるべきものが欠けている」というニュアンスが含まれていることを意識すると、より深く理解できるでしょう。
暗記法
「default」は、義務や期待からの逸脱を意味し、中世の封建制度では忠誠の破綻を意味しました。契約社会では信用の失墜を招き、文学では道徳的堕落の象徴として描かれます。現代では、システムの初期設定から国家の債務不履行まで、広範な意味を持ちますが、根底には「本来あるべき状態からの逸脱」という概念が存在します。社会の規範や期待を映し出す、文化的警鐘なのです。
混同しやすい単語
『default』と語頭の 'de' の部分が共通しているため、発音時に混同しやすい。特に、早口で話されると聞き分けが難しくなる。『defeat』は『打ち負かす』『敗北』という意味の動詞または名詞であり、意味も大きく異なる。日本人学習者は、母音の発音の違い(defaultの 'au' と defeatの 'ea')を意識して練習する必要がある。語源的には、'defeat' は 'dis-'(否定)+ 'feat'(行う、実行する)から来ており、行為を無効にすることを意味する。
『default』と最初の3文字が同じ 'def' であるため、スペルを見たときに混同しやすい。発音も似ている部分がある。『defile』は『汚す』『冒涜する』という意味であり、道などを『狭い道にする』という意味もある。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要がある。語源的には、'defile' は 'de-'(下へ)+ 'file'(列)から来ており、列を崩す、汚すというイメージ。
『default』と発音がやや似ており、特に語尾の 'l' の音が共通しているため、耳で聞いたときに混同する可能性がある。『daffodil』は『ラッパスイセン』という花の名前であり、意味は全く異なる。単語の長さも似ているため、スペルも注意して覚える必要がある。語源的には、'daffodil' は中世オランダ語の 'de Affodil'(アッフォディルのこと)から来ている。
『default』と音節数と発音のリズムが似ているため、特に会話の中で聞き間違えやすい。『difficult』は『難しい』という意味の形容詞であり、品詞も意味も異なる。日本人学習者は、各音節を意識して発音練習することで、聞き分けられるようになる。語源的には、'difficult' は 'dis-'(否定)+ 'facile'(容易な)から来ており、容易でないことを意味する。
『default』と最初の3文字が同じで、語尾の 'lf' も共通しているため、スペルが非常に似ており混同しやすい。『Delft』はオランダの都市の名前であり、デルフト焼きで有名。地名であるため、文脈が大きく異なる。発音も若干異なるので(delft は 'ft' をはっきり発音する)、注意して聞く必要がある。
『default』と語頭の 'de' の部分が共通しているため、発音時に混同しやすい。『devote』は『捧げる』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なる。特に受動態の 'be devoted to' という形でよく使われるため、このフレーズで覚えておくと良い。語源的には、'devote' は 'de-'(完全に)+ 'vow'(誓う)から来ており、誓いを立てて捧げるイメージ。
誤用例
『default』は、IT用語として『初期設定』の意味で広く知られていますが、日常会話やビジネスシーンで『当たり前の』『標準的な』という意味で使うと、やや機械的な印象を与えます。提案を受け入れることが『紋切り型の対応』であるニュアンスを含み、感情や状況への配慮が欠けているように聞こえる可能性があります。より自然な表現としては、『standard』や『typical』を用いる方が適切です。日本人が『とりあえず』や『無難な』というニュアンスで『default』を安易に使う傾向がありますが、英語では状況に応じて適切な語を選ぶ必要があります。
『default』は自動詞として使う場合、『default on』という形で『(義務・契約)を履行しない』という意味になります。『default to』とすると、意味が通じにくく、銀行『に』債務不履行を起こす、という不自然な表現になってしまいます。これは、日本語の『〜に』という助詞に引きずられて、不適切な前置詞を選んでしまう典型的な例です。英語では、動詞と前置詞の組み合わせ(句動詞)によって意味が大きく変わるため、注意が必要です。また、債務不履行は、単に『お金を払わない』というだけでなく、契約上の義務を果たさないというニュアンスを含むため、よりフォーマルな文脈で使われます。
『default』を人の性格や態度に対して使うと、まるでその人が工場出荷時の設定のように、感情や意志がない機械的な存在であるかのように聞こえてしまいます。人の性質を表す場合は、『tend to』や『have a tendency to』を使う方が自然です。日本人は『初期設定』という言葉を、自分の性格や考え方を説明する際に比喩的に使うことがありますが、英語では不適切です。英語では、人の性格や行動は、環境や経験によって形成されるものであり、固定的な『設定』として捉えるべきではないという考え方が根底にあります。より人間味のある表現を選ぶことが大切です。
文化的背景
「default」は、本来なされるべき行為や状態から「逸脱する」という概念を内包し、しばしば義務の不履行や、期待された状態からの乖離を意味します。この語は、単なる機能不全を超え、信頼や契約といった社会的な基盤が揺らぐ瞬間に立ち現れる、一種の文化的警鐘としての役割を担ってきました。
中世の封建制度において、「default」は領主への義務を怠る、すなわち貢納や軍役を履行しない場合に発生しました。これは単なる経済的な問題ではなく、忠誠という社会契約の破綻を意味し、領主からの土地の没収や法的制裁につながる重大な事態でした。この文脈において、「default」は個人の失敗に留まらず、社会秩序を脅かす行為として認識されていたのです。同様の概念は、近世以降の契約社会においても引き継がれ、借金の返済義務の不履行は、単なる金銭的な問題を超え、信用という社会的な信頼を損なう行為として重く見られました。文学作品においても、「default」はしばしば道徳的な堕落や破滅の象徴として描かれ、登場人物の運命を左右する重要な要素として機能してきました。
現代社会においては、「default」はより広範な意味を持つようになり、システムやプログラムにおける初期設定、あるいは暗黙の了解といった意味合いも含むようになりました。しかし、その根底には依然として「本来あるべき状態からの逸脱」という概念が存在します。たとえば、ソフトウェアの「default設定」は、開発者が想定した標準的な使用方法を示唆するものであり、ユーザーが意図的に変更しない限り維持される状態を意味します。この「default設定」は、ユーザーに対する一種のガイドラインであり、同時に、逸脱した状態が必ずしも最適ではない可能性を示唆しています。
国家の債務不履行、すなわち「デフォルト」は、現代社会において最も深刻な「default」の一つです。これは単なる経済的な危機に留まらず、国家の信用失墜、国際的な信頼の崩壊を招き、社会全体に深刻な影響を及ぼします。ギリシャの財政危機やアルゼンチンのデフォルト騒動は、その典型的な例であり、「default」が経済的な問題を超え、社会、政治、文化に深く根ざした問題であることを示しています。このように、「default」は、時代や文脈によってその意味合いを変えながらも、常に社会的な規範や期待からの逸脱を意味し、私たちにその重要性と影響力を再認識させる言葉なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広い分野で用いられる。フォーマルな文脈が多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(初期設定、既定)と動詞(債務不履行、デフォルトする)の意味を区別して覚える。形容詞形defaulted/defaultingも重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連の長文でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 契約、IT関連、金融などビジネスシーンで使われることが多い。「初期設定」の意味で登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「初期設定」の意味を確実に覚える。default on (債務不履行) の形で使われる場合もあるので注意。意味の近い単語(standard, typical)との区別を意識する。
1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく用いられる。
3. 文脈・例題の特徴: 科学、社会科学、歴史など幅広い分野で登場。抽象的な概念の説明や、論理的な議論の中で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞、動詞両方の意味を理解する。文脈から意味を判断する練習をする。類義語(convention, norm)とのニュアンスの違いを把握する。
1. 出題形式: 主に長文読解。文法問題や語彙問題で問われることもある。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など幅広いテーマで登場。評論や説明文でよく使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力を養う。複数の意味(初期設定、債務不履行など)を理解し、文脈に応じて使い分ける。類義語や対義語を覚えて語彙力を強化する。