criterion
強勢は「ティ」にあります。/raɪ/ は二重母音で、日本語の「ラ」よりも舌を丸めずに発音します。最後の /ən/ は曖昧母音で、口を軽く開けて弱く発音します。複数形は criteria (/kraɪˈtɪəriə/) で、発音が変わるので注意しましょう。
判断基準
何かを評価・判断する際に用いる、明確な根拠や指標。複数形は"criteria"。合格基準、選考基準など、客観的な評価軸として用いられることが多い。
The teacher explained that clear thinking was a key criterion for a good essay.
先生は、良い小論文を書くための重要な判断基準は、明確な思考だと説明しました。
※ この例文では、先生が「良い小論文」を評価する際の「基準」について話しています。学校の授業で、何かが「良い」とされるための条件を学ぶような情景が目に浮かびますね。「criterion」は、このように何かを評価したり、選んだりする時の「基準」として非常によく使われます。
When I choose a new smartphone, battery life is always my top criterion.
新しいスマートフォンを選ぶとき、バッテリーの持ちがいつも私にとって一番の判断基準です。
※ 新しいスマホを買う時、人それぞれ重視する点が違いますよね。この人は「バッテリーの持ち」を最も大切な「基準」にしています。個人的な選択や、何かを選ぶ際の優先順位について話す時に、このように「my top criterion」(私の一番の基準)という形で使うと、非常に自然です。
For this important job, relevant experience is a crucial criterion.
この重要な仕事では、関連する経験が極めて重要な判断基準です。
※ 会社が新しい人材を採用する場面を想像してみてください。採用担当者が「この仕事には、どんな経験が必要か」と考えている情景が浮かびます。「criterion」は、ビジネスや専門的な分野で、何かを決定したり、選考したりする際の「必須の条件」や「重要な要素」としてよく使われます。「crucial」は「極めて重要な」という意味です。
評価項目
評価や査定を行う際に注目すべき点。単一の基準というより、複数の要素からなる評価の観点を指す場合がある。
Our teacher explained the main criterion for grading our essays.
先生が私たちのエッセイを採点する際の主な評価項目を説明してくれました。
※ この例文は、学校で先生がテストや宿題の「評価の基準」を説明している場面を描いています。生徒たちは、どうすれば良い点数が取れるのか、真剣に耳を傾けている様子が目に浮かびますね。「criterion for ~」で「~の評価項目」という意味でよく使われます。
The most important criterion for this job is teamwork ability.
この仕事で最も重要な評価項目は、チームワーク能力です。
※ これは、会社で新しい社員を採用する際や、プロジェクトのメンバーを選ぶ会議などで使われるような場面です。採用担当者が「何が一番大切か」を明確に伝えている様子が想像できますね。ビジネスの場で、何かを選ぶ際の「決定的な条件」として使われることが多いです。
For me, the main criterion for a good restaurant is delicious food.
私にとって、良いレストランの主な評価項目は、美味しい料理です。
※ 友達と「どんなお店がいいかな?」と話しているような、日常の会話で使える例文です。人それぞれ、レストランを選ぶ基準(評価項目)は違いますよね。この例文は、「自分にとって何が一番重要か」を話すときに使えます。単数形のcriterionは、この例文のように「最も重要な一つ」を指す際によく使われます。
コロケーション
重要な判断基準
※ 「key」は「鍵」という意味だけでなく、「最も重要な」という意味も持ちます。したがって、「key criterion」は、数ある判断基準の中でも特に重視されるべきものを指します。例えば、採用選考における「key criterion」は、学歴ではなく実務経験である、といった使い方ができます。ビジネスシーンで頻繁に使われ、客観的な評価基準を強調する際に有効です。形容詞+名詞の組み合わせの典型例です。
唯一の判断基準
※ 「sole」は「唯一の」「単独の」という意味で、「sole criterion」は、それ以外に考慮すべき要素がない、という強い意味合いを持ちます。例えば、入札の際の「sole criterion」が価格である、といった状況で使われます。他の要素を一切考慮しない、というニュアンスが含まれるため、慎重な使用が求められます。形容詞+名詞の組み合わせです。契約書や公式文書でよく見られます。
基準を満たす
※ 「meet」は「会う」という意味以外に、「(要求・必要条件などを)満たす」という意味があります。「meet the criterion」は、ある基準に合致することを意味し、例えば、品質基準を満たす、入学資格を満たす、といった文脈で使用されます。動詞+名詞の組み合わせで、ビジネスや学術分野で広く用いられます。類語として「satisfy the criterion」があります。
〜という基準で
※ 「on the criterion of」は、ある特定の基準に基づいて判断や評価を行うことを示す際に用いられる表現です。例えば、「on the criterion of cost-effectiveness(費用対効果という基準で)」のように使われます。前置詞+名詞の組み合わせで、フォーマルな文脈でよく見られます。より口語的な表現としては「based on the criterion of」が使えます。
主要な判断基準
※ 「primary」は「第一の」「主要な」という意味を持ち、「primary criterion」は、複数の判断基準の中でも最も重要なものを指します。例えば、プロジェクトの成功における「primary criterion」は、納期厳守である、といった使い方ができます。「key criterion」と似ていますが、「primary」は優先順位が最も高いことを強調します。形容詞+名詞の組み合わせで、ビジネスシーンや学術論文でよく用いられます。
選考基準
※ 「selection criterion」は、人や物事を選び出す際に用いられる基準を指します。例えば、大学の入学選考基準、企業の採用選考基準などが該当します。この表現は、選考プロセスにおける透明性や公平性を強調する際に特に有効です。名詞+名詞の組み合わせで、公式な文書やウェブサイトで頻繁に見られます。
厳格な基準
※ 「stringent」は「厳格な」「厳しい」という意味を持ち、「a stringent criterion」は、容易には満たすことのできない、非常に高い水準の基準を指します。例えば、環境基準や安全基準など、厳守が求められる場合に用いられます。形容詞+名詞の組み合わせで、公式な文書や報道などでよく見られます。類似表現に「strict criterion」があります。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。研究の妥当性や信頼性を評価する際の「判断基準」として、統計分析の結果を解釈する際に「〇〇というクライテリアを満たしている」のように使われます。文語的な表現であり、客観性と厳密性が求められる場面で用いられます。
ビジネスシーンでは、人事評価、プロジェクトの選定、投資判断など、様々な場面で「評価項目」や「選定基準」として使用されます。例えば、「今回のプロジェクト採択のクライテリアは、費用対効果と市場ニーズの高さです」のように、会議や報告書で用いられます。フォーマルな文脈で使用される傾向があります。
日常会話で「criterion」が使われることは稀ですが、ニュースやドキュメンタリー番組などで、何らかの「基準」について議論される際に耳にすることがあります。例えば、「〇〇賞のクライテリアが厳しすぎる」といった文脈で使われます。一般的には、より平易な言葉(standard, benchmark)が用いられることが多いです。
関連語
類義語
『標準』や『基準』という意味で、品質、性能、行動など、何らかのレベルや質を評価するために用いられる。ビジネス、教育、科学など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『criterion』が特定の判断基準であるのに対し、『standard』は一般的に受け入れられている規範やモデルを指すことが多い。『standard』はより広範で、慣習的な意味合いを含むことがある。 【混同しやすい点】『standard』は名詞として使われることがほとんどだが、形容詞としても用いられる(例:standard procedure)。『criterion』は名詞であり、単数形である点に注意(複数形はcriteria)。
『基準点』や『指標』という意味で、特にパフォーマンスや達成度を測るための基準として用いられる。ビジネスやプロジェクト管理、スポーツなどでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『criterion』が判断の根拠となるルールや条件を指すのに対し、『benchmark』は比較対象となる具体的な数値や目標を示すことが多い。競争的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】『benchmark』は動詞としても使用され、『〜をベンチマークする』という意味になる(例:benchmark best practices)。『criterion』は動詞としては使用されない。
『尺度』や『基準』という意味で、何かを評価または比較するための基準として用いられる。比喩的な意味合いが強く、日常会話や文学的な表現で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『criterion』が客観的な判断基準であるのに対し、『yardstick』は主観的な評価や個人的な価値観に基づく基準を指すことがある。より柔軟で、状況に依存する。 【混同しやすい点】『yardstick』は比喩表現として用いられることが多く、具体的な測定器具を指す場合もある。フォーマルな場面では『criterion』の方が適切。
『尺度』や『基準』という意味に加え、『対策』という意味も持つ。広範な意味で使用され、様々な分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】『criterion』が特定の評価基準であるのに対し、『measure』はより一般的な意味合いを持ち、具体的な行動や手段を含むことがある。『measure』は可算名詞としても不可算名詞としても使用される。 【混同しやすい点】『measure』は動詞としても使用され、『〜を測る』という意味になる。また、『take measures』で『対策を講じる』というイディオムになる点も重要。
- touchstone
『試金石』という意味で、品質や真価を判断するための基準として用いられる。やや古風な表現で、文学や哲学的な文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『criterion』が一般的な判断基準であるのに対し、『touchstone』は本質的な価値や真正さを判断するための、より根本的な基準を指す。時代を超えて普遍的な価値を持つ。 【混同しやすい点】『touchstone』は比喩表現として用いられることがほとんどで、具体的な物事を指すことは少ない。日常会話ではあまり使われず、やや堅い印象を与える。
『指針』や『ガイドライン』という意味で、行動や判断の基準となる推奨事項や指示を指す。公式な文書や専門分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『criterion』が満たすべき条件や原則を指すのに対し、『guideline』はより柔軟で、状況に応じて解釈や適用が可能な推奨事項を示す。強制力は弱い。 【混同しやすい点】『guideline』は複数形で使われることが多く、具体的な手順やアドバイスを含むことが多い。『criterion』は単数形で、抽象的な概念を指す。
派生語
『決定的な』『批判的な』という意味の形容詞。『criterion』が判断基準であることから、『重要な判断を要する』状況や、その判断の性質を表すようになった。日常会話から学術論文まで幅広く使われる。
『批評家』という意味の名詞。『critical』な判断を下す人を指す。映画評論家や文芸評論家など、特定の分野における評価を行う人を指すことが多い。文化・芸術分野で頻出。
『批判する』という意味の動詞。『critic』が評価を下す行為を動詞化したもの。必ずしも否定的な意味だけでなく、評価・分析を含む場合もある。報道や学術論文でよく見られる。
反意語
『曖昧さ』という意味の名詞。『criterion』が明確な判断基準であるのに対し、ambiguityは判断が難しい、または複数の解釈が可能な状態を指す。法律文書や詩など、文脈によって意味が変化する状況で対比的に用いられる。
- subjectivity
『主観性』という意味の名詞。『criterion』が客観的な基準であるのに対し、subjectivityは個人の感情や意見に基づく判断を意味する。哲学や心理学の議論で、客観性との対比として頻繁に用いられる。
語源
"criterion(クライテリアン)"は、判断基準や評価項目を意味する英単語ですが、その語源はギリシャ語の"kriterion(κριτήριον)"に遡ります。これは「判断の基準」や「区別するもの」といった意味合いを持ち、さらに遡ると「判決を下す」という意味の"krinein(κρίνειν)"に由来します。日本語の「危機」という言葉を考えてみてください。危機的状況では、正しい判断基準(クライテリアン)を持つことが重要になります。つまり、criterionという単語は、物事を評価し、重要な決断を下すための根本的な基準を示唆しているのです。
暗記法
「criterion」は単なる尺度ではない。古代ギリシャでは裁判や哲学の論拠であり、美や調和を重んじる価値観の表れだった。中世ではキリスト教的価値観の基準となり、ルネサンス期には芸術の評価基準として、美しさや創造性を重視。現代では客観的尺度として用いられる一方、倫理や環境問題など、人間の感情や価値観に基づく判断も求められる。社会や文化が共有する価値観を反映した、一種の“審美眼”なのだ。
混同しやすい単語
『criterion』の複数形であり、発音もスペルも非常に似ているため混同しやすい。単数形か複数形かで文法的な扱いが変わるため注意が必要。criterion は『基準』、criteria は『基準(複数)』という意味。
語尾の発音が似ているため、聞き取り間違いやすい。スペルも似ているが、意味は大きく異なる。creation は『創造』という意味で、名詞である。criterion が『判断基準』であるのに対し、creation は『何かを作り出す行為』を指す。
criterion の語源であるギリシャ語の krinein(判断する)に関連する単語であり、意味的なつながりがあるため混同しやすい。『評論家』『批判家』という意味で、criterion が『基準』であるのに対し、critic は『判断を下す人』を指す。発音も似ているため注意。
スペルが長く、母音の並びが似ているため、視覚的に混同しやすい。secretarianは『宗派の』という意味で、criterionとは意味が全く異なる。スペルを正確に覚えることが重要。
最初の音節の発音が似ているため、発音を聞き間違えやすい。certain は『確かな』『特定の』という意味で、形容詞である。criterion が名詞であるのに対し、certain は形容詞であり、文法的な役割も異なる。
最初の音節の発音が似ているため、発音を聞き間違えやすい。citron は『シトロン(柑橘類)』という意味で、criterionとは意味が全く異なる。スペルも一部類似しているため、注意が必要。
誤用例
日本語の「基準」という言葉に引きずられ、あたかも複数の基準の中から「一つだけ」選んだニュアンスで "criterion" を使ってしまう例です。 "criterion" は単数形で「(唯一の)基準」という意味合いが強く、この文脈では "sole criterion" や "only criterion" のように、単数であることを強調する語を伴うのが自然です。もし複数の基準があることを示唆したい場合は、複数形の "criteria" を用いるべきです。また、"of his success" はやや冗長で、"for his success" の方がより直接的かつ簡潔です。背景として、日本語では「彼の成功の基準は」のように所有格を使う表現が自然ですが、英語では目的や理由を示す "for" を使う方が適切な場合があります。
英語学習者が陥りやすい誤りとして、単数形 "criterion" と複数形 "criteria" の混同があります。日本語では単数・複数の区別があいまいな場合でも意味が通じることがありますが、英語では厳密に区別する必要があります。この文脈では、通常、従業員が満たすべき基準は一つではなく複数存在するため、複数形の "criteria" を使うのが適切です。 "criterion" は、例えば「その実験における唯一の判断基準」のように、本当に単一の基準を指す場合にのみ用いるべきです。背景として、日本語では集合名詞的な用法が許容される場合でも、英語では可算名詞の単数・複数に注意を払う必要があります。
この誤用は、前置詞の選択ミスと、やや不自然な語順が原因です。 "criterion" は通常 "for" と共に用いられ、「〜のための基準」という意味を表します。 "to be a politician" は不定詞で目的を表そうとしていますが、この文脈では動名詞 "being a politician" の方が自然です。また、"good" は汎用的な表現ですが、ここでは "important" の方がより適切です。背景として、日本語の「〜になるための良い基準」という発想をそのまま英語にしようとすると、不自然な表現になることがあります。英語では、名詞と前置詞の組み合わせ、そして形容詞の選択に注意を払うことで、より自然で洗練された表現が可能になります。
文化的背景
「criterion(基準)」という言葉は、単なる客観的な尺度ではなく、社会や文化が共有する価値観や理想を反映した、一種の“審美眼”のような役割を担ってきました。特に芸術や倫理の領域において、何が優れているか、正しいかを判断する際の拠り所として、時代や社会の変遷とともにその意味合いを深めてきたのです。
古代ギリシャにおいて、「κριτήριον (kritērion)」は「判断の手段」を意味し、裁判における証拠や、哲学的な議論における論拠として用いられました。しかし、その根底には、単なる論理的な正しさだけでなく、美しさや調和といった、より高次の価値観に基づいた判断が求められていたと考えられます。例えば、プラトンは『国家』において、理想的な社会を構築するための「基準」として、知恵、勇気、節制、正義といった徳を重視しましたが、これらは単なるルールではなく、人間の精神的な成熟度を示すものでもありました。つまり、「criterion」は、単なる客観的な尺度ではなく、人間の内面的な成長や、社会全体の調和を促すための指針でもあったのです。
中世以降、キリスト教的な価値観が社会を支配するようになると、「criterion」は、神の教えや聖書の解釈に基づいて判断するための基準として用いられるようになりました。しかし、ルネサンス期に入ると、再び古代ギリシャの価値観が見直され、人間の理性や感覚に基づいた判断が重視されるようになります。この時期には、芸術作品の評価基準として、「criterion」が重要な役割を果たすようになり、美しさや創造性といった要素が、判断の重要な基準となりました。例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチは、絵画における「criterion」として、正確な描写力だけでなく、感情の表現や物語性といった要素を重視しましたが、これは、単なる技術的な巧みさだけでなく、人間の内面的な豊かさを表現することを目指したものでした。
現代社会においては、「criterion」は、科学的なデータや統計に基づいた客観的な尺度として用いられることが多くなりました。しかし、その一方で、倫理的な問題や環境問題など、客観的な尺度だけでは判断できない問題も多く存在します。このような問題に対しては、過去の歴史や文化から学び、人間の感情や価値観に基づいた判断を行うことが重要になります。つまり、「criterion」は、単なる客観的な尺度ではなく、社会や文化が共有する価値観や理想を反映した、一種の“審美眼”のような役割を、現代においても担っていると言えるでしょう。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。主にアカデミックな話題や社会的なテーマで、基準、尺度という意味で使用されます。複数形criteriaを問う問題や、文脈に合った適切な意味を選ぶ問題に注意が必要です。ライティングでの使用も意識しましょう。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解問題)で稀に出題されることがあります。ビジネスシーンでの意思決定や評価基準に関連する文脈で登場しやすいです。類義語との識別や、文法的な適合性を問われることがあります。ビジネス英語の語彙として覚えておきましょう。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で、評価基準、判断基準といった意味合いで用いられます。同意語選択問題や、文脈における意味の特定が問われます。ライティングセクションでも使用できると高得点に繋がります。
難関大学の長文読解問題で出題されることがあります。評論文や論説文など、抽象的な概念を扱う文章で登場しやすいです。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われることがあります。単語の意味だけでなく、文章全体の内容理解が重要です。