blaze
二重母音 /eɪ/ は、日本語の『エ』から『イ』へスムーズに変化させるイメージで発音します。『ブ』は唇を閉じてから勢いよく開く破裂音で、無声音です。語尾の /z/ は有声音なので、喉を震わせるように発音しましょう。日本語のサ行のような無声音にならないように注意してください。
炎
激しく燃え上がる炎。比喩的に、強い感情や輝きを指すこともある。例えば、a blaze of glory(輝かしい成功)のように使う。
We saw a huge blaze coming from the old building.
私たちは古い建物から大きな炎が上がっているのを見ました。
※ 「blaze」は勢いのある「炎」を表し、特に火事の場面でよく使われます。この文では、古い建物から勢いよく燃え上がる火災の様子が目に浮かびますね。「coming from...」は「~から来ている/上がっている」という意味で、火元を示すときによく使われます。
We enjoyed the warm blaze of the campfire under the stars.
私たちは星空の下、キャンプファイヤーの暖かい炎を楽しみました。
※ ここでの「blaze」は、キャンプファイヤーのように明るく燃え盛る炎を指します。単なる「fire」よりも、その明るさや力強さが強調されます。星空の下で暖かな炎を囲む、楽しい情景が目に浮かびますね。「enjoyed the blaze」は「炎を楽しんだ」という自然な表現です。
On a cold night, we watched the orange blaze in the fireplace.
寒い夜、私たちは暖炉の中のオレンジ色の炎をじっと見ていました。
※ 暖炉の「炎」も「blaze」と表現できます。ここでは「orange blaze」と色を加えることで、炎の様子がより鮮明にイメージできます。寒い夜に暖炉の炎を見つめる、心落ち着く時間が伝わってきますね。「in the fireplace」は「暖炉の中で」という場所を示す大切なフレーズです。
燃え盛る
激しく、明るく燃える様子。比喩的に、感情や議論などが激しくなる様子にも使う。
The old abandoned house began to blaze brightly in the night.
その古い廃屋は夜中に明るく燃え盛り始めた。
※ この例文は、火事が勢いよく燃え上がる様子を描写しています。「blaze」は、特に制御不能な火が激しく燃える状況でよく使われます。夜の暗闇の中で、家が明るく燃え盛るという、目に焼き付くような鮮やかなシーンが想像できますね。
We gathered around the campfire as it started to blaze with warmth.
私たちは、暖かく燃え始めたキャンプファイヤーの周りに集まった。
※ ここでは、キャンプファイヤーのように、人が管理している火が元気に燃える様子を表しています。火の「暖かさ (warmth)」を感じながら、みんなで火を囲んでいる情景が目に浮かびます。「blaze」は、単に火があるだけでなく、それが力強く、明るく、熱を発している状態を表すときにぴったりです。
A cozy fire blazed in the fireplace, making the living room feel warm.
暖炉では心地よい火が燃え盛り、リビングルームを暖かくしていた。
※ 冬の寒い日に、暖炉の火が力強く燃えている様子を描写しています。暖炉の火が「blaze」している状態は、部屋を明るくし、暖かさを与えてくれる、安心感のある光景です。このように、快適さや安らぎを感じさせる火の描写にも使えます。
輝きを放つ
光や色が非常に明るく輝く様子。比喩的に、才能や美貌などが際立って輝く様子にも使う。
The morning sun blazed brightly over the mountains.
朝の太陽が山々の上で明るく輝いた。
※ 夜が明け、朝の太陽が力強く光を放ち、あたりを照らす様子を描写しています。太陽や強い光が「まぶしいほどに輝く」時にblazeはよく使われます。
The campfire blazed warmly in the cool evening air.
キャンプファイヤーの火が、涼しい夕方の空気の中で暖かく燃え盛った。
※ 暗くなり始めた森の中で、キャンプファイヤーの炎が勢いよく燃え、周りを暖かく照らしている情景です。火や炎が「激しく燃える」という文脈でblazeを使うのは非常に自然です。
The lighthouse beam blazed through the stormy night.
灯台の光が嵐の夜を貫いて輝いた。
※ 荒れた海の夜、遠くの船に危険を知らせるために、灯台の光が強く、そして遠くまで届く様子を表しています。暗闇や悪天候の中で、強い光が「際立って輝く」イメージです。
コロケーション
華々しい活躍の末の終焉、劇的な成功の後の終わり
※ 「栄光の炎」という直訳が示すように、何かを成し遂げた後に、最高潮の状態で終わることを意味します。スポーツ選手が引退する時や、事業が成功裡に幕を閉じる時などに使われます。しばしば自己犠牲を伴うニュアンスを含み、勇敢な行為や献身的な行動の結果として迎えるクライマックスを表すこともあります。例えば、映画の主人公が最後の戦いで勝利し、力尽きるような場面が該当します。やや文学的で、格式ばった場面で使われることが多いです。
激しい怒りに燃えて
※ 感情が非常に強く、制御不能な状態を表します。「blaze」が怒りの激しさを強調し、「in a ~ of」という形で感情の高ぶりを表す典型的なパターンです。例えば、誰かが不正を目撃して激怒し、行動を起こすような状況で使われます。口語でも使われますが、ややドラマチックな響きがあります。似た表現に「in a fit of anger」がありますが、「a blaze of anger」の方が、より激しく、爆発的な怒りをイメージさせます。
先駆けとなる、道を切り開く
※ 文字通りには「道を焼いて作る」という意味で、誰も通ったことのない場所に新しい道を作るイメージです。比喩的には、新しい分野を開拓したり、革新的な方法を導入したりすることを指します。例えば、新しい技術を開発したり、前例のないビジネスモデルを確立したりする際に使われます。ビジネスや科学技術の分野でよく用いられる表現です。類似の表現に「pioneer」がありますが、「blaze a trail」はより困難で、障害を乗り越えて進むニュアンスが強いです。
突然炎上する、急に燃え上がる
※ 火災の発生や、感情が急激に高まる様子を表します。物理的な炎だけでなく、比喩的に怒りや情熱が爆発的に燃え上がる状況にも使われます。例えば、議論がエスカレートして激しい口論に発展するような場合に用いられます。「burst into」は、抑えられていたものが突然現れる様子を表す表現で、それに「blaze」が加わることで、その勢いが強調されます。口語でも使用されます。
大々的な宣伝、大々的な報道
※ 「blaze」が注目を集める様子を強調し、多くの人々が関心を持つような状況を表します。新製品の発売や、有名人のスキャンダルなど、世間の耳目を集める出来事に対して使われます。しばしば肯定的な意味だけでなく、ネガティブな意味合いでも用いられます。例えば、企業の不正行為が明るみに出て、大々的に報道されるような場合にも使用されます。
炎の中を、困難を乗り越えて
※ 文字通り炎の中を進むイメージから、困難や試練を乗り越えて進むことを意味します。物理的な危険だけでなく、比喩的に困難な状況や厳しい状況を乗り越えることを指します。例えば、経済的な困難や人間関係のトラブルなどを乗り越えて成功を収めるような場合に用いられます。「through」は、困難を経験しながら進むニュアンスを表します。
使用シーン
学術論文では、比喩表現として「新しい研究分野が急速に発展する」様子を「blaze a new trail(新たな道を切り開く)」のように使うことがあります。また、文学作品の分析で、登場人物の情熱や怒りが「燃え盛る炎」として表現される際に言及されることがあります。専門的な文脈に限られるため頻度は低いです。
ビジネスシーンでは、主に比喩表現として使われます。「blaze a trail(先駆けとなる)」のように、新しい市場を開拓したり、革新的なアイデアを推進したりする際に、スローガンやプレゼンテーション資料で用いられることがあります。ただし、日常的なビジネス会話ではあまり使われません。
日常会話では、文字通りの意味で「炎が燃え盛る」状況を説明する際に使われることがあります。例えば、キャンプファイヤーや山火事のニュースについて話す場合などです。比喩表現としては、「情熱が燃え上がる」といった意味で使われることもありますが、やや文学的な表現であり、頻繁には用いられません。
関連語
類義語
『炎』そのもの、または燃え盛る状態を指す名詞。動詞としては『燃える』という意味。日常会話、科学的な文脈、文学作品など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『blaze』がより激しく、制御不能な印象を与えるのに対し、『flame』は炎の一般的な状態を指す。暖炉の火やろうそくの火など、比較的小規模で制御された炎にも使える。 【混同しやすい点】『flame』は名詞としても動詞としても使われるが、『blaze』は名詞として使われることが多い。動詞として使う場合は『blaze away』のように、勢いよく燃え続ける様子を表す。
- inferno
大規模で破壊的な火災、特に制御不能なものを指す名詞。『地獄』という意味合いも持つ。主に報道や文学作品で使用され、日常会話では稀。 【ニュアンスの違い】『blaze』よりも規模が大きく、危険で破壊的な印象が強い。比喩的に、激しい感情や苦痛を表すこともある。 【混同しやすい点】『inferno』は常に大規模な火災を指し、ポジティブな意味合いは一切ない。『blaze』は比喩的に『輝き』や『勢い』を表すこともある点が異なる。
燃焼現象全般を指す最も一般的な語。名詞としても動詞としても使われる。日常会話から科学的な文脈まで、あらゆる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『blaze』が激しい炎を指すのに対し、『fire』は炎の大小や種類を問わない。また、『fire』は比喩的に情熱や活力、解雇なども意味する。 【混同しやすい点】『fire』は非常に広範な意味を持つため、文脈によって意味が大きく異なる。『blaze』は常に激しい炎を指すため、誤解が生じにくい。
熱や光を発するが、炎を伴わない状態を指す。名詞としても動詞としても使われる。夕焼けの光や、熱した金属が赤くなる様子などを表す。 【ニュアンスの違い】『blaze』が激しい炎を伴うのに対し、『glow』は穏やかで静かな光を指す。感情や健康状態を表す場合もある。 【混同しやすい点】『glow』は炎を伴わないため、燃焼現象そのものを指す『blaze』とは根本的に異なる。比喩的に、幸福感や満足感を表すこともある。
大規模で破壊的な火災を指す名詞。主に報道や公式文書で使用される、非常にフォーマルな語。 【ニュアンスの違い】『blaze』よりも規模が大きく、制御不能で広範囲に及ぶ火災を指す。また、比喩的に大規模な紛争や混乱を表すこともある。 【混同しやすい点】『conflagration』は日常会話ではほとんど使われず、フォーマルな文脈でのみ使用される。『blaze』はより一般的な語であり、幅広い場面で使用できる。
派生語
『燃え立たせる』『飾り立てる』という意味の動詞。接頭辞『em- (中に)』が『blaze』に付加され、炎の中に何かを置くイメージから、鮮やかに彩ったり、目立つように表現したりする意味に発展。紋章などを鮮やかに描き出す際や、スローガンを大々的に掲げる際などに用いられる。使用頻度はblazeより低いが、文学作品や報道などで見られる。
- blazing
『燃え盛る』『輝かしい』という意味の形容詞。『blaze』に進行形を表す『-ing』が付いた形だが、単なる進行形ではなく、炎が激しく燃えている様子や、非常に鮮やかで印象的な様子を表す。例えば、『blazing sun(燃えるような太陽)』や『blazing success(輝かしい成功)』のように用いられ、比喩的な意味合いで使用されることも多い。日常会話から文学作品まで幅広く使われる。
- trailblazer
『開拓者』『先駆者』という意味の名詞。『trail(道)』と『blaze(印をつける)』が組み合わさり、道なき道に印をつけながら進む人を指す。比喩的に、新しい分野を切り開く人や、革新的なアイデアを提唱する人を指す場合に使われる。ビジネスや学術分野でよく用いられる。
反意語
『(火を)消す』という意味の動詞。『blaze』が燃え上がる様子を表すのに対し、『extinguish』は炎を鎮める、消火するという正反対の行為を表す。火災現場や比喩的に希望や情熱を消し去る状況など、幅広い文脈で使用される。日常会話から報道、文学作品まで、広く用いられる。
『(水などを)浴びせる』『(火を)消す』という意味の動詞。『blaze』が燃え盛る状態であるのに対し、『douse』は水などをかけて火を消す行為を指す。物理的に火を消す場合だけでなく、比喩的に感情や熱意を冷ますという意味でも用いられる。日常会話や報道などで使われる。
- smolder
『くすぶる』という意味の動詞。『blaze』が激しく燃え上がる状態を表すのに対し、『smolder』は炎を出さずにゆっくりと燃える状態を指す。比喩的に、感情や不満が表面化せずに内にくすぶっている状態を表すこともある。火災の初期段階や、比喩的な表現として文学作品などで用いられる。
語源
"blaze"の語源は、古英語の"blæse"(炎、たいまつ)に遡ります。これはさらに、ゲルマン祖語の"*blas-"(輝く、白い)に由来すると考えられています。つまり、元々は明るく輝くもの、特に炎や光を指していたのです。この語源からもわかるように、「blaze」は燃え盛る炎、強い光、そして比喩的には感情や才能などが激しく燃え上がる様子を表すようになりました。日本語で例えるなら、「炎」や「輝き」といった言葉が持つイメージに近いでしょう。炎が勢いよく燃え上がる様子、太陽が燦々と輝く様子、そして情熱がほとばしる様子など、様々な場面で「blaze」の持つ輝きや激しさを感じることができます。
暗記法
「blaze」は炎の激しさを示すと同時に、情熱や輝き、破壊の象徴でもあります。文学では、『ジェーン・エア』の火災のように、秘密や情熱の奔放を意味し、黙示録では終末の炎として罪深さを暗示します。「blaze a trail(道を切り開く)」は開拓精神、「go down in a blaze of glory(華々しく散る)」は英雄的な最期を連想させます。現代では、大規模火災やスポーツの圧倒的スピード、若者の斬新なスタイルも「blaze」と表現され、時代と共に意味を広げています。
混同しやすい単語
『blaze』と『bless』は、どちらも短い母音で始まり、子音の組み合わせも似ているため、発音を聞き間違えやすいです。『bless』は『祝福する』という意味の動詞で、宗教的な文脈や感謝の気持ちを表す際によく使われます。スペルも似ていますが、『blaze』は炎や輝きを表す名詞または激しく燃えるという意味の動詞であるのに対し、『bless』は動詞である点が大きく異なります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。また、動詞の活用形(blessed, blessing)も覚えておきましょう。
『blaze』と『bales』は、母音の発音と語尾の子音の組み合わせが似ているため、音声的に混同しやすいです。『bales』は『俵』や『梱包された商品』という意味の名詞で、農業や貿易の文脈で使われます。スペルも似ていますが、意味は全く異なります。日本人学習者は、単語の意味と使われる文脈をしっかりと区別する必要があります。例えば、『cotton bales』(綿花俵)のように、具体的な名詞と組み合わせて使われることが多いことを覚えておくと良いでしょう。
『blaze』と『bleak』は、母音の発音が似ており、語尾の子音が異なるものの、全体的な音の印象が似ているため、混同されることがあります。『bleak』は『荒涼とした』『寒々とした』という意味の形容詞で、風景や状況を表す際に使われます。スペルも似ていますが、意味は全く異なります。日本人学習者は、形容詞『bleak』が感情や状況を表現する際に使われることが多いことを覚えておくと良いでしょう。例えば、『bleak winter landscape』(荒涼とした冬の風景)のように使われます。
『blaze』と『braise』は、スペルが似ており、特に最初の4文字が同じであるため、視覚的に混同しやすいです。『braise』は『蒸し煮にする』という意味の動詞で、料理の文脈で使われます。発音も似ていますが、意味は全く異なります。日本人学習者は、『braise』が料理に関連する動詞であることを覚えておくと良いでしょう。例えば、『braised beef』(牛肉の蒸し煮)のように使われます。
『blaze』に接尾辞 '-er' がついた形であるため、スペルと発音が似ており、混同しやすい可能性があります。『blazer』は『ブレザー』、つまりジャケットの一種を指す名詞です。意味は全く異なり、『blaze』が炎や輝きを表すのに対し、『blazer』は衣服を指します。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。ファッションに関する話題で登場することが多いことを覚えておくと良いでしょう。
『blaze』と『blasé』は、発音が似ており、特に最初の部分が同じであるため、混同されることがあります。『blasé』はフランス語由来の単語で、『飽き飽きした』『無感動な』という意味の形容詞です。スペルも似ていますが、意味は全く異なります。日本人学習者は、『blasé』がフランス語由来であり、感情を表す形容詞であることを覚えておくと良いでしょう。特に、高級なものや刺激的なものに慣れてしまった人が、それらに対して無関心になった状態を表すことが多いです。
誤用例
『blaze』は確かに『燃え上がる』という意味を持ちますが、感情が『燃え上がる』という比喩表現には、やや不自然さが残ります。日本語の『怒りがメラメラ燃える』というイメージから直訳するとこうなりがちですが、英語では感情の激しさを表す場合、『fiery』のような形容詞を使う方が自然です。また、『blaze』は名詞として炎や光を表すことが多く、動詞として使う場合は、火災や爆発など、物理的な燃焼を伴う状況を指すことが多いです。感情の比喩に使う場合は、詩的な表現や、非常に強い感情を表す場合に限られます。
『blaze』は『勢いよく進む』という意味も持ちますが、この文脈では不適切です。確かに『blaze a trail(道を切り開く)』という表現があるように、新しい道を切り開くような、勢いのある行動を指す場合に『blaze』は適しています。しかし、単に『速く終わらせる』という意味で使うと、語感が強すぎます。ここでは、より一般的な『speed through』を使う方が適切です。日本人が『勢い』という言葉に引っ張られて『blaze』を選んでしまうのは、日本語のニュアンスをそのまま英語に当てはめようとする傾向があるためです。英語では、文脈に応じて適切な強さの語を選ぶ必要があります。
『blaze』は『炎』や『輝き』といった意味合いが強く、抽象的な『騒動』や『論争』に使うと、やや不自然に聞こえます。日本語の『炎上』という言葉から直訳するとこうなりがちですが、英語では『firestorm』という言葉がより適切です。『firestorm』は、激しい炎の嵐を表す言葉で、比喩的に激しい論争や批判の嵐を意味します。日本語の『炎上』は、ネット上での批判が広がる様子を指しますが、英語の『firestorm』は、それよりもさらに激しい、制御不能な状況を表します。文化的背景として、英語圏では、炎や火を使った比喩表現が、より激しい感情や状況を表す傾向があります。
文化的背景
「blaze」は、炎が激しく燃え盛る様子を指す言葉であると同時に、情熱、輝き、そして時には破壊的な力をも象徴します。古英語の「blæse」(たいまつ、炎)に由来し、光と熱の両面を内包するこの言葉は、文化的な文脈において、希望の光であると同時に、制御不能な破壊のメタファーとしても用いられてきました。
文学作品における「blaze」の登場は、その二面性を鮮やかに描き出します。例えば、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』では、ソーンフィールド館の火災が、過去の秘密や抑圧された情熱の「blaze」として描かれています。炎は、主人公ジェーンの人生を大きく変える出来事の引き金となり、同時に、彼女自身の内に秘められた情熱を解放する象徴ともなっています。また、黙示録的な物語においては、世界の終末を告げる炎として「blaze」が登場し、人類の罪深さや文明の崩壊を暗示することがあります。このように、「blaze」は、物語のクライマックスや転換点を彩る、強烈なイメージを喚起する言葉として用いられてきました。
「blaze」は、比喩表現においても、その多面性を発揮します。「blaze a trail」(道を切り開く)という表現は、困難を乗り越え、新たな道を切り開くパイオニア精神を象徴します。一方、「go down in a blaze of glory」(華々しく散る)という表現は、名誉や誇りを守りながら、最後を迎える英雄的な姿を連想させます。また、競馬の世界では、顔に白い斑点がある馬を「blaze」と呼ぶことがあり、これはその馬の個性や特徴を際立たせる意味合いを持ちます。このように、「blaze」は、人間の感情や行動、そして個性を表現する多様な比喩として、私たちの言語生活に深く根付いています。
現代社会においても、「blaze」は様々な文脈で使用されています。報道においては、大規模な火災や紛争を「blaze」と表現し、その破壊的な規模や影響力を強調します。また、スポーツの世界では、選手の圧倒的なパフォーマンスを「blazing speed」(猛烈なスピード)と表現し、そのスピード感や勢いを伝えます。さらに、若者の間では、斬新なファッションや音楽を「blazing」と表現し、その革新性やエネルギーを称賛することがあります。このように、「blaze」は、時代や文化の変化とともに、その意味合いを拡大し、私たちの生活に密接に関わる言葉として、生き続けています。
試験傾向
主に長文読解、稀に語彙問題。
準1級以上でまれに出題。1級でやや頻度があがる。
自然災害、事件、比喩表現など幅広い文脈で使用。
名詞(炎、閃光)と動詞(燃え上がる、激しく非難する)の意味を区別。比喩的な意味合いも理解しておくこと。
Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
TOEIC L&Rで出題頻度は低い。
事件・事故に関するニュース記事、災害に関する報告書などで見られることがある。
ビジネスの文脈では、比喩的な意味(激しい感情、騒動)で使われることは少ない。ニュース記事など、硬い文体で使われる場合に注意。
リーディングセクション。
アカデミックな文章で比較的頻出。
自然科学、歴史、社会科学など、幅広い分野のアカデミックな文章で登場。
名詞と動詞の両方の意味を理解しておくこと。特に、比喩的な意味(感情の爆発、激しい議論など)で使われることが多いので、文脈から正確に意味を判断できるように練習すること。
主に長文読解。
難関大学で出題される可能性あり。
社会問題、環境問題、歴史的な出来事など、多様なテーマで登場。
文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な意味で使われることも多いので、辞書で複数の意味を確認しておくこと。関連語句(ablazeなど)も一緒に覚えておくと理解が深まる。