bias
最初の音 /baɪ/ は二重母音で、日本語の『バイ』に近いですが、/aɪ/ のように『ア』から『イ』へスムーズに変化させることが重要です。最後の /əs/ は曖昧母音で、口をリラックスさせて弱く発音します。『ス』とハッキリ発音しないように注意しましょう。全体としては、最初の音節にアクセントがあります。
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偏り
公平でない、一方に傾いた見方や考え方。先入観や個人的な好みによる不公平な判断が含まれるニュアンス。
You can tell he has a strong bias for his favorite team when they play.
彼がひいきのチームを応援する時、強い偏りがあるのがわかるよ。
※ この例文は、スポーツ観戦中に友人が自分のひいきチームだけを褒めたり、相手チームを不当に批判したりする場面を描写しています。個人的な感情や意見の偏りを示す典型的な使い方です。「have a bias for/towards ~」で「〜に対して偏りがある」という意味になります。「You can tell ~」は「〜だとわかる」「〜だと見て取れる」という、日常会話でよく使う表現です。
I felt the news program had a strong bias when reporting on the new project.
新しい計画について報道する際、そのニュース番組に強い偏りがあると感じた。
※ テレビのニュース番組を見ていて、特定の情報だけが強調されたり、ある側面に不利な見方で報道されたりするのを感じる場面です。メディアの報道における公平性の問題は、「bias」が使われる非常に一般的な文脈です。客観性が求められる情報源に偏りがある場合によく使われます。「when reporting on ~」で「〜について報道する際に」という、具体的な行動中の状況を示しています。
Students worried about a possible bias in the teacher's test grading.
生徒たちは、先生のテスト採点に偏りがあるかもしれないと心配していた。
※ 先生がテストを採点する際に、特定の生徒に対して甘かったり厳しかったりするのではないかと、生徒たちが不安に思っている場面です。評価や判断のプロセスにおいて、公平性が欠けている可能性を指摘する際に「bias in ~」が使われる典型例です。「bias in ~」で「〜における偏り」という意味になり、システムやプロセスの中に偏りがあることを示します。「possible bias」は「可能性のある偏り」という、推測や懸念を表す際によく使う組み合わせです。
偏らせる
ある方向へ傾ける、または偏った見方をさせる行為。意図的、または無意識に行われる場合がある。
The TV news often tries to bias viewers' opinions with strong words.
そのテレビニュースは、強い言葉を使ってしばしば視聴者の意見を偏らせようとする。
※ この例文は、メディアが特定の考え方を視聴者に押し付けようとする、日常的によくある状況を描写しています。テレビを見ているあなたが「あれ、このニュース、なんか偏ってるな」と感じるような場面を想像してみてください。「bias + 人 + with 物」の形で、「人にある物を使い偏りを与える」という使い方です。
His bad past experience might bias his view of new people.
彼の悪い過去の経験が、新しい人々に対する彼の見方を偏らせるかもしれない。
※ この例文は、個人の過去の経験や感情が、その人の判断や見方に影響を与え、公平さを失わせる状況を示しています。例えば、過去に嫌な思いをしたせいで、特定の人や物事に対して無意識に偏見を持ってしまうような場面です。このように「bias + 物事/判断」の形で、何かが別の何かを偏らせる、という使い方ができます。
The way the survey questions are written can easily bias the results.
そのアンケートの質問の書き方は、簡単に結果を偏らせることがある。
※ この例文は、アンケートや調査において、質問の仕方やデータの集め方が、意図せず、あるいは意図的に結果を特定の方向に導いてしまう状況を表しています。あなたがウェブサイトでアンケートに答えている時、「この質問の仕方だと、どうしてもこういう答えを選んじゃうな」と感じるような場面です。ビジネスや学術的な文脈でよく使われる、典型的な表現です。
偏った
公平さを欠き、特定の方向へ傾いている状態。中立的でない意見や情報に対して使われる。
I felt the TV news report was a bit biased towards one political party.
テレビのニュース報道は、ある政党に少し偏っていると感じました。
※ この例文は、テレビのニュースを見ているときに「これは公平じゃないな」と感じる、日常的でよくある場面を描写しています。ニュースは公平であるべきなのに、特定の意見やグループに肩入れしていると感じる時に 'biased' を使います。'be biased towards A' で「Aの方に偏っている」という形は非常によく使われます。
My friend's opinion about the new movie was clearly biased because he loves the director.
新しい映画に対する私の友人の意見は、監督が大好きだから明らかに偏っていました。
※ この例文は、友人との会話で「あぁ、やっぱり好きなものには甘い(偏った)意見になるよね」と感じる状況です。客観的であるべき意見が、個人的な感情や好みに影響されて偏っていることを表します。'opinion'(意見)のような判断を表す名詞と組み合わせて使う典型的な例です。
Some students felt the teacher's grading for the project was a little biased.
何人かの生徒は、先生のプロジェクトの採点が少し偏っていると感じていました。
※ この例文は、学校や評価の場で公平であるべき基準が、実際には偏っていると感じる場面を描写しています。採点や評価が特定の人に有利であったり、不公平だと感じたりする時に 'biased' を使います。'grading'(採点)のように、公平性が求められる行為やシステムに対して使われることも多いです。
コロケーション
無意識の偏見
※ 自覚していない偏った見方や先入観のこと。社会心理学でよく用いられ、採用選考や人事評価など、客観性が求められる場面での影響が問題視されます。意識していないため、気づきにくいのが特徴です。'implicit bias'も同様の意味で使われますが、'unconscious bias'の方がより一般的です。研修などで扱われることが多い表現です。
メディアの偏向報道
※ 報道機関が特定の政治的立場やイデオロギーに偏った報道をすること。客観的な事実報道が求められるメディアにおいて、批判的に用いられる言葉です。'editorial bias'(編集方針の偏り)も類似表現です。ニュースリテラシーを学ぶ上で重要な概念です。
確証バイアス
※ 自分の考えを裏付ける情報ばかりを集め、反証する情報を無視する傾向。心理学の用語で、意思決定や判断を誤らせる原因となります。投資や政治など、様々な分野でその影響が指摘されます。'cognitive bias'(認知バイアス)の一種です。論文や学術的な文脈でよく見られます。
~に対する偏見/~に有利な偏り
※ 前置詞'towards'または'against'を伴い、特定の人や物事に対する好意的または否定的な偏見を示す構文です。例えば、'a bias towards younger employees'(若い従業員を優遇する偏り)のように使います。'bias in favor of' も同様の意味で使えますが、'towards'/'against'の方が簡潔で一般的です。ビジネスシーンや社会問題の議論で頻繁に登場します。
内在的な偏り
※ システムや構造に元々備わっている偏り。例えば、アルゴリズムの学習データに偏りがある場合に、'inherent bias'が生じます。AI倫理やデータサイエンスの分野で重要な概念です。'built-in bias'も類似表現です。技術的な文脈でよく用いられます。
偏見を克服する
※ 意識的に偏見を認識し、それを乗り越えようと努力すること。多様性やインクルージョンを推進する文脈でよく使われます。'address bias'(偏見に対処する)、'mitigate bias'(偏見を軽減する)なども類似表現です。企業研修や人事関連の文書で頻繁に見られます。
性別による偏見
※ 性別に基づいて特定の個人や集団を不当に扱うこと。雇用、教育、医療など、様々な分野で問題視されています。'sexual bias'も同様の意味で使われますが、'gender bias'の方がより一般的です。社会問題や人権に関する議論で頻繁に登場します。
使用シーン
学術論文、研究発表、講義などで頻繁に使用されます。特に社会科学、心理学、統計学などの分野で、「データや分析結果に偏りがある」「〜バイアスが影響している可能性がある」といった文脈でよく見られます。研究者が客観性を保つために、バイアスの存在を認識し、それを制御しようとする際に重要な語彙となります。
ビジネスシーンでは、市場調査、人事評価、意思決定プロセスなど、様々な場面で「偏り」を意味する言葉として使われます。例えば、「市場調査の結果に顧客層のバイアスが見られる」「人事評価制度に評価者のバイアスが影響している」といった使い方をします。会議や報告書など、フォーマルなコミュニケーションで用いられることが多いです。
日常会話では、政治、ニュース、スポーツなどに関する意見交換で、「先入観」や「偏見」といった意味合いで使われることがあります。ただし、やや硬い表現であるため、より口語的な「偏り」や「思い込み」といった言葉で言い換えられることが多いです。例えば、「メディアの報道は偏っている」「審判の判定はバイアスがかかっている」といった文脈で使用されます。
関連語
類義語
『先入観』や『偏見』という意味で、多くの場合、人種、宗教、性別など特定のグループに対する不当な意見や感情を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】"bias"よりもネガティブな意味合いが強く、不当な差別や不利益をもたらす可能性を示唆する。より強く、感情的な偏りを含むことが多い。 【混同しやすい点】"bias"は必ずしもネガティブではない場合もあるが、"prejudice"はほぼ常にネガティブな意味合いを持つ。また、"prejudice"は行動や制度に影響を与える可能性が高い。
- partiality
『不公平なえこひいき』という意味で、特定の個人やグループを他の人よりも優遇する傾向を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】"bias"と似ているが、より個人的な関係や感情に基づいており、特定の対象に対する好意的な偏りを強調する。家族や友人に対するえこひいきなどが該当する。 【混同しやすい点】"bias"は必ずしも好意的なものではないが、"partiality"は好意的な意味合いが強い。また、"partiality"は特定の人に対する優遇措置を意味することが多い。
『傾向』や『好み』という意味で、ある行動や意見に傾く自然な傾向を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】"bias"よりも弱く、中立的な意味合いを持つことが多い。個人的な好みや習慣など、意識的な選択に基づかない傾向を示す。 【混同しやすい点】"bias"は不公平な判断や意見につながる可能性があるが、"inclination"は単なる好みや傾向を意味する。また、"inclination"は意識的な選択の結果ではないことが多い。
- leaning
『傾倒』や『支持』という意味で、特定の意見や立場に傾いている状態を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】"bias"と似ているが、より意識的な選択や支持を意味することが多い。政治的な立場や宗教的な信念など、明確な意見に基づく傾倒を示す。 【混同しやすい点】"bias"は無意識的な偏りを含むことがあるが、"leaning"は意識的な選択や支持を意味する。また、"leaning"は特定の意見や立場に対する支持を強調する。
『好み』や『偏愛』という意味で、特定のものを特に好む傾向を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】"bias"よりもポジティブな意味合いが強く、特定の対象に対する強い愛情や好みを強調する。芸術、音楽、食べ物など、個人的な好みに基づく偏愛を示す。 【混同しやすい点】"bias"は必ずしもポジティブではないが、"predilection"はポジティブな意味合いが強い。また、"predilection"は特定の対象に対する強い愛情や好みを意味する。
『偏り』や『見方』という意味で、特定の視点から物事を解釈または提示することを指す。ジャーナリズムやメディアでよく使われる。名詞、動詞。 【ニュアンスの違い】"bias"と似ているが、意図的に特定の視点を強調するニュアンスがある。ニュース報道などで、特定の立場を支持するために情報を選別したり、強調したりする行為を指す。 【混同しやすい点】"bias"は必ずしも意図的ではないが、"slant"は意図的な偏りを意味することが多い。また、"slant"は情報操作やプロパガンダの手段として使われることがある。
派生語
『偏った』『先入観を持った』という意味の形容詞。過去分詞形が形容詞として転用されたもので、『bias』が動詞として働く場合に『偏らせる』という意味を持つことからも理解できる。日常会話から報道、学術論文まで幅広く使われる。
『偏りのない』『公平な』という意味の形容詞。接頭辞『un-』が『否定』を表し、『biased』を打ち消す。報道や学術論文など、客観性が求められる文脈で特に重要となる。
- biasing
『バイアスをかけること』『偏らせること』を意味する動名詞または現在分詞。技術的な文脈で、電子回路や機械システムに特定の状態を設定することを指す場合がある。また、心理学や社会学では、調査や実験において意図的または非意図的に結果を偏らせる行為を指す。
反意語
『公平性』『公正さ』を意味する名詞。『bias』が個人的な偏りや先入観を指すのに対し、『fairness』は客観的で平等な判断基準を意味する。法律、倫理、ビジネスなど、あらゆる分野で『bias』の欠如を示す重要な概念。
- objectivity
『客観性』を意味する名詞。『bias』が主観的な偏向を表すのに対し、『objectivity』は事実に基づいた、個人的感情や解釈を含まない視点を指す。科学、ジャーナリズム、学術研究など、真実を追求する分野で不可欠な概念。
- impartiality
『公平無私』『偏見のなさ』を意味する名詞。『bias』が特定の立場や意見に傾倒している状態を指すのに対し、『impartiality』はどの立場にも偏らず、平等に扱うことを意味する。裁判、紛争解決、人事評価など、公平な判断が求められる場面で重要な概念。
語源
"bias」の語源は、古フランス語の「 biais (斜め、傾斜)」に遡ります。これはさらに古い起源として、俗ラテン語の「 *bigasius 」、おそらくは古代ギリシャ語の「 epikarsios (斜めの)」に由来すると考えられています。元々は「斜め」や「傾き」といった物理的な意味合いで使用されていましたが、そこから比喩的に「偏り」や「先入観」といった意味へと発展しました。例えば、建物の柱が「斜め」になっている状態から、判断や意見が「偏っている」状態を連想すると理解しやすいでしょう。日本語の「斜(はす)」という言葉が、文字通りには傾きを表しつつ、比喩的に「斜に構える」といったように、反抗的な態度やひねくれた見方を表すのと似ています。このように、「bias」は物理的な傾きから、心理的な偏りへと意味が拡張された単語なのです。
暗記法
「bias(偏見)」は、単なる好き嫌いを超え、社会の不均衡を映す言葉です。元々は物理的な「偏り」を意味し、それが人の判断の「偏り」を指すようになりました。啓蒙思想以降、客観性が重視されるにつれ、否定的な意味合いを強めます。現代では、社会構造に組み込まれた権力関係の表れとして認識され、是正の必要性が高まっています。無意識のbiasに気づき、意識的に正すことが、公正な社会への第一歩です。
混同しやすい単語
『bias』の形容詞形であり、発音もスペルも非常に似ているため、品詞を間違えやすい。『biased』は『偏った』という意味で、形容詞として名詞を修飾する際に使用される。例えば、『biased opinion(偏った意見)』のように使う。日本人学習者は、文中でどちらの品詞が必要かを意識する必要がある。
発音が非常に似ているため、リスニング時に混同しやすい。特にネイティブスピーカーが早口で話す場合、『bias』と『by us』の区別が難しくなる。『by us』は『私たちによって』という意味で、前置詞と代名詞の組み合わせである。文脈をよく理解し、どちらが適切かを判断する必要がある。
『bias』と『buyers』は、スペルの一部が似ており(buy-)、発音も母音部分が似ているため、混同されることがある。『buyers』は『買い手』という意味で、名詞の複数形である。ビジネスの文脈では特に注意が必要である。発音記号を確認し、母音の違いを意識することが重要である。
『bias』と『vices』は、どちらも名詞の複数形であり、語尾の 's' が共通しているため、スペルミスや発音の混同が起こりやすい。『vices』は『悪徳、悪癖』という意味で、道徳的な文脈で使われることが多い。『bias』とは意味が大きく異なるため、文脈から判断する必要がある。
『bias』と『biomass』は、どちらも接頭辞 'bio-' を含み、生物学的な文脈で使われることがある。『biomass』は『生物資源、バイオマス』という意味で、エネルギー資源や環境問題に関する議論でよく用いられる。意味は全く異なるが、スペルの一部が共通しているため、注意が必要である。語源的に 'bio'(生命)という共通のルーツを持つことを理解すると、区別しやすくなる。
『bias』と『buys』は、発音が似ている上に、綴りも一部重なるため、混同しやすい。『buys』は『buy(買う)』の三人称単数現在形であり、動詞として使用される。『He buys a book.(彼は本を買う)』のように使う。特に、リスニングの際には、文脈からどちらが適切かを判断する必要がある。
誤用例
『bias』は日本語の『バイアス』としてカタカナ語で広まっており、先入観や偏見といったネガティブな意味合いで理解されがちです。そのため、単に『好み』を伝えたい場合に安易に『bias』を使ってしまうと、相手に不快感を与えたり、意図が正確に伝わらなかったりする可能性があります。ここでは、より中立的な『preference』を使うのが適切です。日本人は謙遜の文化から、自分の意見を控えめに表現しようとする傾向がありますが、英語ではストレートな表現が好まれる場合も多いことを意識しましょう。日本語の『〜の方が好き』を直訳的に『bias for〜』としないように注意が必要です。
『bias』は名詞として『偏り』という意味を持つことは確かですが、政治的な文脈においては、より穏当な表現が求められることがあります。『leaning』は『傾倒』という意味で、『bias』よりも客観的なニュアンスを含みます。特に、メディアや学術的な文脈では、感情的な色合いを避け、中立性を意識した表現が重要です。日本語では『偏向報道』のように強い言葉を使うこともありますが、英語では状況に応じて表現を使い分けることが大切です。また、日本人は『bias』を『〜に対する偏り』のように直訳的に捉えがちですが、英語では『bias toward/against』のように前置詞を伴うこともあります。
『biased to say that』は直訳的で不自然な表現です。この文脈では、『客観的な判断ができないかもしれない』というニュアンスを伝える必要があります。英語では、自分の意見が偏っている可能性があることを認める場合、『I am probably not the best person to judge』や『It's just my opinion, but...』のような表現を使います。日本人は、自分の意見を主張する際に、控えめな表現を好む傾向がありますが、英語では、自分の立場を明確にすることが重要です。また、日本語の『そう言うとひいき目に見えるかもしれないけど』というニュアンスをそのまま英語に置き換えるのではなく、英語の文化的な背景に合わせた表現を選ぶようにしましょう。
文化的背景
「bias(偏見)」という言葉は、単なる好みや意見の相違を超え、社会構造や権力関係に根ざした不均衡を象徴します。中立性を装いながら、特定の集団や考え方を不当に有利または不利にする、目に見えにくい「傾き」こそが、biasの本質です。
歴史的に見ると、「bias」は元々、物理的な傾きや偏りを意味していました。例えば、ボウリングの球に意図的に重心を偏らせることで、特定の方向に曲がるようにする細工を指しました。この物理的な「偏り」が、比喩的に人の判断や認識における偏り、つまり「先入観」や「偏見」を意味するようになったのです。18世紀以降、啓蒙思想の普及とともに、客観性や合理性が重視されるようになり、biasは「理性的な判断を妨げるもの」として、より否定的な意味合いを強めていきました。
文学作品や映画においては、「bias」はしばしば社会の不正や差別を浮き彫りにする装置として用いられます。例えば、法廷ドラマでは、陪審員のbiasが公正な判決を妨げる要因として描かれることがあります。また、歴史的な出来事を題材にした作品では、特定の民族や宗教に対するbiasが、悲劇的な結末を招く原因として示唆されることもあります。近年では、メディアにおける情報の偏りや、アルゴリズムのbiasが社会問題として注目されており、これらの問題を描いたドキュメンタリーやフィクション作品も増えています。
現代社会において、「bias」は単なる個人的な感情の問題ではなく、社会構造に組み込まれた権力関係の表れとして認識されるようになっています。企業の人事評価、メディアの報道姿勢、教育制度など、あらゆる場面でbiasが存在し、それが特定の集団の機会を奪ったり、不当な扱いを受けさせたりする可能性があります。そのため、biasを認識し、是正するための取り組みが、社会の公正性を高める上で不可欠であると考えられています。無意識のbias(unconscious bias)を自覚し、意識的に是正しようとする姿勢は、現代社会における倫理的な行動規範として重要視されています。
試験傾向
準1級・1級で長文読解、語彙問題で頻出。意見論述問題で自身の意見を述べる際に使用できると高評価につながる。動詞、名詞での意味の使い分けに注意。類義語とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。
Part 5, 6, 7で登場。ビジネスやニュース記事など、多様な文脈で使われる。特に、データ分析や市場調査の結果に関する文章で頻出。先入観や偏見といった意味合いで使われることが多い。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章、特に社会科学や心理学の分野でよく見られる。研究や実験におけるバイアスの影響について問われることが多い。名詞形での使用が中心。
難関大学の長文読解で頻出。社会問題や科学的なテーマなど、論理的な文章でよく見られる。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることが多い。同意語・反意語を覚えておくと役立つ。