across
最初の 'a' は曖昧母音 /ə/ で、弱く短く発音します。「ア」と「エ」の中間のような音を意識し、力を抜いて発音するのがコツです。強勢は2番目の音節 'cross' にありますので、ここを強く、はっきりと発音しましょう。最後の 's' は無声音です。
〜を越えて
文字通り空間的な移動を表す場合(橋を渡る、川を越えるなど)と、抽象的な意味(壁を越える、国境を越えるなど)の両方に使える。全体を覆うイメージ(国中に、地域全体に)も含む
The child ran across the street to hug his mother.
その子は、お母さんを抱きしめるために道を横切って走りました。
※ この例文では、子供が「道を越えて」お母さんの元へ急いで行く、日常的で心温まるシーンが描かれています。「across the street」は「道を渡って」という、最も基本的でよく使われる表現です。誰かが何かを横切って移動する様子をイメージしましょう。
A small boat slowly sailed across the calm lake.
小さなボートが、穏やかな湖をゆっくりと横切っていきました。
※ ここでは、ボートが「穏やかな湖の表面を横切って」進む様子が目に浮かびます。自然の風景の中で、乗り物などが場所を横断する場面によく使われます。「slowly」という言葉で、のんびりとした情景が伝わりますね。
I saw my old friend smiling across the busy coffee shop.
賑やかなコーヒーショップの向こう側で、旧友が微笑んでいるのを見かけました。
※ この例文は、物理的な移動だけでなく、「視線が何かを横切って」向こう側にいる人や物を見つける状況を示しています。賑やかな場所で偶然、旧友を見つけた時の驚きや喜びが伝わるでしょう。「across the coffee shop」で「コーヒーショップを隔てた向こう側に」という意味合いになります。
向こう側に
ある地点から見て反対側、または特定範囲の外側を指す。前置詞のacrossと密接に関連し、移動の完了や到達点を暗示する。
The little dog happily ran across to its owner.
小さな犬は嬉しそうに、飼い主のいる向こう側へ走っていきました。
※ 公園で、飼い主を見つけた犬が喜びいっぱいに駆け寄る様子が目に浮かびますね。「across」は、道や広場など「何かを横切って向こう側へ」移動する動作を表す際によく使われます。この文では「to its owner」で、その「向こう側」がどこなのかが具体的に示されています。
My friend waited for me and called, "Come across!"
友人が私を待っていて、「こっちへおいで!」と向こう側から呼びました。
※ 川の向こう岸や、広い部屋の反対側にいる友人が、あなたに「こっちへ来てほしい」と呼びかけている情景です。「Come across!」は、相手に「(何かを横切って)こちら側へ来てほしい」と伝える、とても自然な日常会話表現です。相手との間に物理的な隔たりがある状況で使われます。
Our new neighbors just moved across from us last week.
新しい隣人家族が、先週、私たちの向かい側へ引っ越してきました。
※ アパートや住宅街で、道の向こう側や隣の棟など、比較的近い距離の「向こう側」へ引っ越してきた状況を描写しています。「moved across」で「向こう側へ引っ越した」という動作と結果を表し、「from us」で「私たちから見て」という位置関係が明確になります。日常でよく聞く表現です。
コロケーション
(偶然)~に出くわす、~を見つける
※ 意図せずに何かや誰かを発見・遭遇する状況を表します。単に"find"や"meet"と言うよりも偶然性が強調され、予期せぬ幸運や発見のニュアンスを含みます。例えば、"I came across an old photo album in the attic."(屋根裏で古い写真アルバムを偶然見つけた)のように使います。口語的な表現で、ビジネスシーンよりは日常会話でよく用いられます。
全面的に、例外なく
※ 「盤面全体に」という意味から派生し、何かがすべての人、すべての場所、すべてのものに適用されることを指します。例えば、"The company announced across-the-board pay cuts."(会社は全面的な給与削減を発表した)のように使われます。ビジネスや政治の文脈でよく見られ、公平性や普遍性を強調する際に用いられます。
(何か)を(誰か)に理解させる、伝える
※ 自分の考えや情報を相手に効果的に伝えることを意味します。単に"tell"と言うよりも、相手がきちんと理解し、納得しているニュアンスを含みます。例えば、"I tried to get my point across, but he wouldn't listen."(自分の主張を伝えようとしたが、彼は聞こうとしなかった)のように使います。コミュニケーション能力が問われる場面でよく用いられます。
あらゆる範囲にわたって、多様な層に
※ "spectrum"(スペクトル、範囲)という言葉が示すように、特定の範囲全体に広がる様子を表します。意見、年齢層、社会階層など、多様なグループやカテゴリに言及する際に使われます。例えば、"The issue has support across the political spectrum."(その問題は政治的な範囲全体で支持を得ている)のように使われます。社会問題や政治に関する議論でよく用いられます。
真横に、まっすぐ向こうに
※ 文字通り、ある地点から反対側の地点へ、障害物などを避けることなく直接進む様子を表します。物理的な位置関係を示すだけでなく、比喩的に「率直に」「正直に」という意味合いで使われることもあります。例えば、"The bank is straight across from the park."(銀行は公園の真向かいにある)のように使います。道案内や説明で頻繁に用いられます。
~という印象を与える
※ 人が他人に対してどのような印象を与えるかを表す際に使用します。外見や行動を通じて、ある特定の性格や特徴があるように「見える」ことを意味します。例えば、"He comes across as a very confident person."(彼はとても自信がある人のように見える)のように使われます。印象や評価を述べる際に便利で、口語的な表現です。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。分野を問わず、データや研究結果を比較・分析する際に「~にわたって」「~全体で」という意味で用いられます。例:『The study showed a significant difference in performance across different age groups.(その研究は、異なる年齢層間でパフォーマンスに有意差があることを示した)』のように、実験結果を説明する際に使われます。また、複数の研究を比較検討する際にも、『Across various studies, the results are consistent.(様々な研究を通して、結果は一貫している)』のように使われます。
ビジネスシーンでは、部署、プロジェクト、地域など、複数の範囲にわたる状況を説明する際に用いられます。報告書やプレゼンテーションで、データや情報を比較・分析する際に役立ちます。例:『Our sales increased across all regions.(当社の売上は全地域で増加しました)』のように、業績を報告する際に使われます。また、『The new policy will be implemented across the entire company.(新しい方針は全社に適用されます)』のように、組織全体への影響を説明する際にも使われます。フォーマルな文書やプレゼンテーションで使われることが多いです。
日常会話やニュース記事などで、場所や空間的な広がりを表す際に用いられます。「~を横切って」「~の向こう側に」といった意味で、物理的な移動や位置関係を説明する際に役立ちます。例:『I walked across the street.(私は通りを渡った)』のように、移動を表す際に使われます。また、『The park is across from the library.(公園は図書館の向かい側にある)』のように、位置関係を説明する際にも使われます。ニュース記事では、『The bridge across the river collapsed.(川にかかる橋が崩落した)』のように、事件や事故を伝える際に使われることがあります。
関連語
類義語
『~を通って』という意味で、三次元的な空間や時間的な経過を表す場合に使われる。物理的な空間だけでなく、プロセスやシステムなど抽象的なものにも適用可能。 【ニュアンスの違い】『across』が表面的な移動や横断を指すのに対し、『through』は内部を通過すること、あるいは何かを経由することを強調する。また、『through』は困難や障害を乗り越えるニュアンスを含む場合がある。 【混同しやすい点】『across』が基本的に二点間の移動を指すのに対し、『through』は始点と終点があり、その間を通過するイメージ。そのため、壁などの障害物を『across』することはできない。
『~を越えて』『~の上に』という意味で、障害物を乗り越える、範囲を超える、などを表す。物理的なものだけでなく、抽象的な概念にも使用される。 【ニュアンスの違い】『across』が平面的な横断を意味するのに対し、『over』は高さや障害物を乗り越えるニュアンスが強い。また、『over』は『~に関して』という意味合いで使用される頻度も高い。 【混同しやすい点】『across』はある地点から別の地点への移動を指すが、『over』は必ずしも移動を伴わない場合がある(例:The meeting is over.)。また、『across』は基本的に二次元的な移動に使われるが、『over』は三次元的な移動にも使われる。
『~に沿って』という意味で、線状のものを並行して進む、または配置されることを表す。道、川、海岸線など、細長いものに適用される。 【ニュアンスの違い】『across』が横断的な移動を指すのに対し、『along』は線に沿った移動を意味する。『along』は方向性や連続性を強調する。 【混同しやすい点】『across』は二点間の最短距離を移動するイメージだが、『along』は特定の経路に沿って進むイメージ。そのため、川を『across』することは可能だが、『along』する場合は川岸に沿って進むことを意味する。
『~の上に』『~に接して』という意味で、何かの表面に位置することを表す。物理的な接触だけでなく、抽象的な概念にも使用される。 【ニュアンスの違い】『across』が横断的な移動を指すのに対し、『on』は静的な位置関係を示す。ただし、『on』も文脈によっては『across』のように移動を表すことがある(例:He went on a trip across Europe.)。 【混同しやすい点】『across』は主に移動を表すが、『on』は静的な位置関係を表すことが基本。ただし、『on』が移動を表す場合でも、『across』のように二点間の移動ではなく、継続的な移動や活動を表すことが多い。
『~の向こうに』『~を超えて』という意味で、物理的な距離や抽象的な限界を超えることを表す。到達困難な場所や、能力、理解の範囲外のものにも使用される。 【ニュアンスの違い】『across』がある地点から別の地点への移動を指すのに対し、『beyond』はさらに遠い場所、または到達困難な領域を示す。『beyond』は限界や可能性の拡張を示唆する。 【混同しやすい点】『across』は比較的容易に到達可能な場所への移動を指すが、『beyond』は困難や障害を伴う場合が多い。また、『beyond』は抽象的な概念(例:beyond comprehension)にも頻繁に使用される。
- transversely
『横断的に』という意味で、何かを横切る方向、特に直角に近い角度で横切ることを指す。学術的な文脈や、技術的な説明でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『across』が一般的な横断を表すのに対し、『transversely』はより専門的で、特定の角度(通常は直角)での横断を強調する。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】『transversely』は副詞であり、単独で場所を表すことはできない。常に動詞を修飾する形で使用される(例:The beam was placed transversely.)。また、『across』よりもフォーマルな表現である。
派生語
- astride
『〜にまたがって』という意味の前置詞・副詞。across と同様、古英語の『on strīde(またがって)』に由来し、『跨ぐ』という動作を含む点で共通。across が『横切る』という空間的な概念を表すのに対し、astride は物理的な姿勢を表す。乗馬やオートバイに乗る際など、具体的な状況描写で用いられる。
- accross-the-board
『全面的な』『例外なく』という意味の形容詞。across が『全体に及ぶ』という概念を表すのに対し、accross-the-board はそれが『例外なく』適用されることを強調する。ビジネスや政治の文脈で、広範囲に影響を及ぼす決定や政策について言及する際に用いられる。例えば、『across-the-board budget cuts(全面的な予算削減)』など。
- crossroads
『交差点』『岐路』という意味の名詞。across が『交差する』という概念を表すのに対し、crossroads はそれが具体的な場所(交差点)や比喩的な状況(人生の岐路)を指す。日常会話でも比喩表現としても頻繁に使われ、『人生の岐路に立っている』のような状況を表現する。
反意語
『〜に沿って』という意味の前置詞・副詞。across が『横切る』という動作を表すのに対し、along は『並行して進む』という動作を表す。川や道に沿って進む場合など、具体的な状況描写で用いられる。across が『AからBへ』という移動を示すのに対し、along は『Aに沿って』という継続的な位置関係を示す。
『後ろへ』『戻って』という意味の副詞。across が『前進して横切る』という概念を表すのに対し、back は『元の場所へ戻る』という概念を表す。across が『空間的な移動』を示すのに対し、back は『逆方向への移動』を示す。例えば、『go across the street(通りを渡る)』と『go back home(家に帰る)』のように対比される。
『〜の中に』という意味の前置詞。across が『〜を横切って』という外側の移動を示すのに対し、within は『〜の内部に留まる』という状態を示す。空間的な意味だけでなく、時間的な意味でも対比され、『across the day(一日中)』に対して『within a day(一日以内に)』のように使われる。
語源
"Across"は、古英語の"on cross"という表現に由来します。"On"は「〜の上に」を意味し、"cross"は「十字架」を意味していました。つまり、元々は「十字架の上で」という意味合いだったものが、場所や空間的な概念へと発展し、「〜を横切って」「〜の向こう側に」という意味を持つようになりました。この変化は、十字架が二つの線が交差する形であることから、ある地点から別の地点へ線を越えて移動するイメージに繋がると考えられます。日本語で例えるなら、「道を跨ぐ(またぐ)」という表現が、物理的な移動と「越える」という概念を同時に表すのと似ています。このように、具体的な物(十字架)から抽象的な概念(横断、向こう側)へと意味が拡張された好例と言えるでしょう。
暗記法
「across」は単なる横断ではない。開拓時代、人々は大草原を越え、未知なる地へ希望を託した。「across the prairie」はフロンティア精神の象徴だ。比喩表現「come across as...」は、境界を越え相手に響く印象を指す。文化の違いを越えた理解が重要となる。政治では「across party lines」、党派を超えた協力が、地球規模の課題解決には不可欠だ。「across」は境界を越え、人々を結びつける希望の言葉なのだ。
混同しやすい単語
『across』と『cross』は、スペルが非常に似ており、意味も『交差する』『横切る』など関連性があるため混同しやすい。しかし、『across』は『~を横切って』という前置詞や副詞として使われることが多いのに対し、『cross』は動詞や名詞として使われることが多い点が大きく異なる。日本人学習者は、文脈における品詞の違いを意識する必要がある。語源的には、どちらもラテン語の『crux(十字)』に由来するが、その派生経路が異なっている。
『across』と『a crease』は、発音が似ているため、リスニング時に混同しやすい。特に、ネイティブスピーカーが速く話す場合や、母音の弱化が起こる場合に注意が必要である。『a crease』は『折り目』という意味の名詞であり、意味も文脈も全く異なる。日本人学習者は、文脈から判断するだけでなく、発音記号を確認し、それぞれの単語の発音を正確に区別できるように練習する必要がある。
『across』と『access』は、最初の『a』と最後の『ss』が共通しているため、スペルが似ていると感じる学習者がいるかもしれない。『access』は『接近』『利用』という意味の名詞または動詞であり、『~へのアクセス』のように使われる。意味や文脈が大きく異なるため、注意が必要である。また、発音も異なり、『access』はアクセントが最初の音節にある。
『across』と『a course』は、音の響きが似ている箇所があり、特に『co』と『cro』の部分が混同されやすい。また、両者とも『進む』というイメージを含むことがあるため、意味的にも誤解が生じることがある。『a course』は『道筋』『講座』などの意味を持つ名詞であり、文脈によって意味が大きく異なる。日本人学習者は、文脈から判断する能力を養うとともに、発音の違いを意識して学習する必要がある。
『across』と『accuse』は、最初の『ac』が共通しているため、スペルが似ていると感じる学習者がいるかもしれない。『accuse』は『告発する』という意味の動詞であり、文脈が大きく異なる。発音も異なり、『accuse』は二番目の音節にアクセントがある。日本人学習者は、スペルだけでなく、発音と意味の違いを意識する必要がある。
『across』と『gross』は、語尾の音が似ているため、発音を聞き間違えやすい。また、スペルにも共通する文字があるため、視覚的にも混同しやすい。『gross』は『総計の』『ひどい』という意味の形容詞であり、『gross profit(粗利益)』や『gross misconduct(重大な不正行為)』のように使われる。文脈が全く異なるため、注意が必要である。
誤用例
日本語の『〜の向こうで』という表現に引きずられ、『across』を場所を表す副詞として不自然に使用する例です。across は基本的には『〜を横切って』という前置詞として用いられ、場所を表す副詞としてはやや限定的な用法になります。この文脈では、単に『店の中で』と場所を示す場合は 'inside' がより自然です。日本人は空間認識において、対象物との位置関係を重視する傾向があり、それが前置詞の過剰使用につながることがあります。英語では、文脈によってはよりシンプルな表現が好まれます。
『across』を『賛成』の意味で使うのは誤りです。これは、日本語の『意見が食い違う』という表現から、反対の意味と誤解してしまった可能性があります。『across』は基本的に『横切る』『向こう側』といった意味合いを持ち、意見の一致・不一致を表す際には使いません。意見に賛成する場合は 'agree with'、反対する場合は 'disagree with' を使うのが適切です。日本人は、直接的な反対を避ける傾向があるため、婉曲的な表現を探しがちですが、英語では明確な意思表示が求められる場面もあります。
『come across as』は『〜という印象を与える』という意味ですが、この文脈では少し回りくどい表現です。ニュースが衝撃的だったことを直接的に表現するなら 'The news was shocking.' がより自然です。日本人は、英語を学ぶ際に形式的な表現を好み、結果として不自然な英語になることがあります。『come across as』は、より微妙なニュアンスや印象を伝えたい場合に適しています。例えば、『The politician came across as insincere.(その政治家は不誠実な印象を与えた)』のように、主観的な評価を含む場合に有効です。
文化的背景
「across」は、単に空間的な横断を示すだけでなく、境界や障壁を乗り越える、あるいは異なる領域を結びつけるという文化的意義を内包しています。物理的な移動から抽象的な概念まで、「向こう側へ」という願望や挑戦の精神を象徴する言葉として、西洋文化において様々な形で表現されてきました。
例えば、アメリカ開拓時代を舞台にした映画や文学作品では、「across the prairie(大草原を越えて)」という表現が頻繁に登場します。これは単なる地理的な移動の描写にとどまらず、未知の領域への挑戦、フロンティア精神、そして新天地に希望を託す人々の姿を象徴しています。大草原という広大な空間は、当時の人々にとって文字通り乗り越えるべき物理的な障壁であり、同時に、旧世界を離れ新たな生活を築くという精神的な障壁でもありました。「across」は、こうした二重の意味合いを含み、開拓者たちの決意と希望を力強く表現する言葉として機能しています。
また、比喩的な表現としても「across」は頻繁に用いられます。「come across as...(~という印象を与える)」という表現は、相手に伝わる印象や、表面的な境界を越えて相手の心に響くイメージを指し示します。この表現は、単なる言葉や行動だけでなく、非言語的な要素や文化的背景が複合的に作用して生まれる印象を伝える際に用いられます。異なる文化的背景を持つ人々とのコミュニケーションにおいては、「come across as...」という表現は、相手の文化的フィルターを通して自分がどのように解釈されるかを意識することの重要性を示唆しています。
さらに、政治的な文脈においても「across」は重要な意味を持ちます。「across party lines(党派を超えて)」という表現は、政治的な対立やイデオロギーの壁を乗り越え、共通の目標に向かって協力する姿勢を意味します。現代社会においては、地球温暖化やパンデミックといったグローバルな課題に対して、国家や政治的な枠組みを超えた協力が不可欠となっています。「across」は、こうした協力の必要性を強調し、分断された世界を結びつける希望の象徴として、その重要性を増しています。このように、「across」は単なる空間的な移動を示す言葉ではなく、文化的な境界を越え、人々を結びつけ、新たな可能性を切り開く象徴として、その意味を深めてきたのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題
- 頻度と級・パート: 準1級以上で登場。2級でも長文読解で読解語彙として必要。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いテーマで登場。ニュース記事、物語、説明文など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「~を横切って」「~の向こう側に」という基本的な意味に加え、「~の至る所に」「~中に」という意味も押さえておく。across from (~の向かい側)などの句動詞も重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7で複数回登場することも。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(Eメール、報告書、広告など)で、場所や範囲を示す際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「~全体に」「~にわたって」という意味を理解しておく。across the board (全面的に)などの表現も重要。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使われる。
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、学術的なテーマの文章で、場所、範囲、または比較を示す際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念(例:文化、社会)に「~を越えて」「~にわたって」という意味で使用される場合がある。文脈から意味を正確に判断することが重要。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出現頻度が高い。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、科学記事など、幅広いテーマで登場。文脈によって意味が異なるため注意が必要。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、「~の至る所に」「~中に」という意味も重要。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。前置詞のacross, over, throughなどの使い分けを理解しておく。