accountability
この単語は強勢が 'bɪ' の部分にあります。最初の 'a' は曖昧母音 /ə/ で、弱く発音します。'count' の 'ou' は二重母音 /aʊ/ で、日本語の『ア』と『ウ』を繋げたように発音します。最後の '-ility' は、日本語の『イ』を弱く、そして『ティ』と発音します。全体として、リズムと強弱を意識するとより自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
説明責任
自分の行動や決定について、その理由や結果を明確に説明する義務や責任のこと。組織やプロジェクトにおける透明性や信頼性を保つために重要。
The manager stressed the team's accountability for the project's delay.
その部長は、プロジェクトの遅延に対するチームの説明責任を強調しました。
※ 会議室で、部長がチームメンバーに厳しい表情で話している場面を想像してください。プロジェクトが遅れた原因について、なぜそうなったのか、どう対応するのかを、チーム全員がきちんと説明する義務がある、と強く伝えている様子です。ビジネスの場で、結果に対する責任の所在を明確にする時によく使われます。
Citizens demanded greater accountability from their city mayor.
市民たちは、自分たちの市長により大きな説明責任を求めました。
※ これはニュースでよく見るような場面です。市民たちが、市長や政府に対して、税金の使い方や政策決定の理由について、もっと透明性を持って、きちんと説明してほしいと強く要求している情景です。特に公共の利益に関わることについて、政治家や公的機関が市民に説明する義務がある、という意味で使われます。
Students learn accountability when they manage their own study plans.
生徒たちは、自分自身の学習計画を管理する際に、説明責任を学びます。
※ 学校で、生徒が自分の勉強や行動に責任を持つことの大切さを学ぶ場面です。自分で立てた学習計画がうまくいかなかった時、なぜそうなったのか、どう改善するのかを考え、必要であれば先生や親に説明する、という状況を指します。自分の行動の結果をきちんと受け止め、説明する能力を育むという意味合いで使われます。
責任追及
不正や過失があった場合に、その原因を特定し、責任者を明らかにするプロセス。単に責任を問うだけでなく、再発防止策を講じる意味合いも含む。
The manager demanded clear accountability for the team's poor performance.
マネージャーは、チームのひどい成績について明確な責任追及を求めました。
※ この例文は、ビジネスの現場で「誰が、何に対して責任を負うのか」をはっきりさせる場面を描いています。プロジェクトの失敗や目標未達成など、チームの悪い結果に対し、マネージャーが責任の所在を明確にしようとしている状況です。'demand accountability for ~' で「~の責任追及を求める」という、この単語の典型的な使い方です。
People demanded accountability from the government for their recent actions.
人々は、政府の最近の行動に対して説明責任を求めました。
※ この例文は、国民が政府や公的な機関の行動に対し、その責任を明確にするよう求める場面です。ニュースなどでよく聞かれるフレーズで、政府の決定や対応について、国民が納得できる説明や責任ある対応を要求する時に使われます。'demand accountability from ~ for ~' の形で「~に~の責任追及を求める」という意味になります。
The public expected full accountability from the company after the scandal.
スキャンダルの後、世間はその会社に徹底的な責任追及を求めました。
※ この例文は、企業や組織が不祥事(scandal)を起こした際に、世間がその責任を徹底的に追及する様子を描いています。問題が起きた時に、誰が、どのように責任を取るべきかを問う、非常に一般的な文脈です。'expect full accountability from ~' で「~に徹底的な責任追及を期待する/求める」という、強いニュアンスが伝わります。
成果報告
目標達成のために行った活動やその結果を、関係者に対して報告する義務。進捗状況の共有や改善点の洗い出しに役立つ。
Our team leader stressed the importance of clear **accountability** for the project's success.
私たちのチームリーダーは、プロジェクトの成功のために、明確な成果報告の重要性を強調しました。
※ この例文は、ビジネスの会議でリーダーが話している場面を想像させます。プロジェクトの成果(結果)について、各メンバーが責任を持って報告することの重要性を伝えています。ビジネスの現場では、自分の仕事の結果を報告する責任がとても大切です。'stress the importance of ~' は「~の重要性を強調する」という、意見を伝える時によく使う表現です。
As a student, she felt strong **accountability** to report her grades to her parents.
生徒として、彼女は両親に成績を報告する強い成果報告の義務を感じていました。
※ この例文は、一人の生徒が、自分の学習の成果である成績について、心配している両親にきちんと伝える責任を感じている情景を描いています。学校生活では、自分の行動や学習の結果について責任を持つことが、大人になる上で大切な経験です。'feel accountability to do something' で「~する責任を感じる」という形で使われます。
The charity promised full **accountability** to donors for how their money was used.
その慈善団体は、寄付されたお金がどのように使われたかについて、寄付者への完全な成果報告を約束しました。
※ この例文は、慈善団体が寄付してくれた人々に対し、集まったお金がどのように使われ、どのような結果(成果)につながったのかを、透明性を持って報告することを約束している場面です。特に公共の利益に関わる団体は、その活動の結果や資金の使途について、関係者への報告義務があります。'promise accountability to someone for something' で、「誰々に何について成果報告を約束する」という意味で使えます。
コロケーション
(人)に責任を問う、責任を追及する
※ このフレーズは、誰かが自分の行動や決定に対して責任を負うようにすることを意味します。特に、期待された基準や義務を満たさなかった場合に用いられます。ビジネスや政治の文脈でよく使われ、責任追及のプロセスを指すことが多いです。例えば、「The board will hold the CEO to account for the company's poor performance.(取締役会は、会社の業績不振についてCEOに責任を問うだろう)」のように使われます。単に「blame(責める)」よりも、責任の所在を明確にし、説明責任を求めるニュアンスが強いです。
説明責任を要求する、責任を強く求める
※ この表現は、透明性と責任を強く求める姿勢を示します。単に「ask for accountability」よりも強いニュアンスを持ち、不正や不適切な行為に対して責任を追及する場面で使われることが多いです。例えば、「The public is demanding accountability from the government after the scandal.(そのスキャンダルの後、国民は政府に説明責任を要求している)」のように使われます。しばしば、抗議や運動などの文脈で見られます。
責任感の欠如、責任体制の不備
※ これは、組織や個人が責任を果たすべき義務を怠っている状態を指します。このフレーズは、問題や不正行為が放置される原因となる、構造的な問題を指摘する際に使われます。例えば、「The lack of accountability in the department led to widespread corruption.(その部署の責任体制の不備が、広範囲にわたる汚職につながった)」のように使われます。組織論やマネジメントの文脈で頻繁に用いられます。
説明責任を確保する、責任体制を確立する
※ 責任が曖昧にならないように、システムやプロセスを構築することを意味します。組織が透明性を高め、不正行為を防ぐために行う対策を指すことが多いです。例えば、「The new regulations are designed to ensure accountability in the financial sector.(新しい規制は、金融セクターにおける説明責任を確保するために設計されている)」のように使われます。法的な文脈や、企業のコンプライアンスに関連する場面でよく用いられます。
説明責任の枠組み、責任体制のフレームワーク
※ 組織内で誰が何に対して責任を負うのかを明確に示す、構造化されたシステムやガイドラインを指します。これには、目標設定、パフォーマンス評価、報告義務などが含まれます。例えば、「The organization developed an accountability framework to improve transparency and efficiency.(その組織は、透明性と効率を改善するために、説明責任の枠組みを開発した)」のように使われます。プロジェクトマネジメントや組織運営において重要な概念です。
個人的な責任、個人の責任感
※ 組織やチームの一員としてではなく、個人が自分の行動や決定に対して責任を負うことを意味します。これは、倫理的な行動やプロフェッショナリズムの重要な要素と見なされます。例えば、「She demonstrated personal accountability by admitting her mistake and taking steps to correct it.(彼女は自分の過ちを認め、それを修正するための措置を講じることで、個人的な責任感を示した)」のように使われます。自己啓発やリーダーシップの文脈でよく議論されます。
使用シーン
学術論文、研究発表、ディスカッションなどで頻繁に使用されます。研究の信頼性や透明性を示す上で重要な概念であり、「研究の限界について説明責任を果たす」「データ収集方法の妥当性について説明責任を負う」といった文脈で使われます。文体はフォーマルで、客観性と厳密性が求められます。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの進捗報告、財務報告、リスク管理など、組織としての責任体制を明確にするために使用されます。「経営陣は株主に対して説明責任を負う」「各部署はKPI達成に関して説明責任を持つ」といった形で、目標達成やコンプライアンス遵守の文脈で使われることが多いです。文体はフォーマルで、明確さと正確さが重視されます。
日常生活では、政治ニュースや社会問題に関する議論で使われることがあります。「政府は国民に対して政策の説明責任を果たすべきだ」「企業は環境問題に対して説明責任を負うべきだ」といった形で、より広範な倫理的、社会的な責任を問う文脈で用いられます。日常会話で直接使われることは少ないですが、ニュース記事などを理解する上で重要な語彙です。
関連語
類義語
責任。ある任務、役割、義務を遂行する責任を指し、結果の責任を必ずしも伴わないことが多い。ビジネス、日常生活、法律など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】「accountability」よりも広い意味を持ち、責任を負う『状態』を指すことが多い。「accountability」は責任を負い、説明する『義務』に重点がある。 【混同しやすい点】「responsibility」は責任を『持つ』こと、「accountability」は責任を『果たす』ことに重点が置かれているため、結果責任を問う文脈では「accountability」がより適切。
法的責任、負債。法律や契約上の義務を指し、金銭的な責任を伴うことが多い。主に法律、会計、ビジネスの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】「accountability」は道徳的、倫理的な責任を含むが、「liability」は法的、金銭的な責任に限定される。また、「liability」はしばしば損失や負担といったネガティブな意味合いを含む。 【混同しやすい点】「liability」は可算名詞としても使われ、「負債」という意味を持つ。一方、「accountability」は不可算名詞として使われることが多い。
- answerability
説明責任。質問や要求に対して答える義務を指す。主にフォーマルな文脈や、組織における責任体制を議論する際に使用される。 【ニュアンスの違い】「accountability」と非常に近い意味を持つが、「answerability」は質問に答えること、情報を開示することに重点が置かれる。一方、「accountability」は結果に対する責任をより強く意味する。 【混同しやすい点】「answerability」は「accountability」ほど一般的ではない。また、「answerability」はしばしば受動的なニュアンスを持ち、要求に応じて答えるという印象を与える。
- culpability
有罪、過失。非難に値する行為や過失を指し、法的または道徳的な責任を伴う。主に法律、倫理、道徳の文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】「accountability」は責任を負うことを意味するが、「culpability」は非難されるべき責任があることを意味する。より強い非難や罪の意識を含む。 【混同しやすい点】「culpability」は、しばしば犯罪や不正行為に関連して使用される。「accountability」は、必ずしも不正行為を意味しない。
非難、責任。過ちや失敗の原因を特定し、責任を負わせることを指す。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】「accountability」は責任を明確にし、改善を促すニュアンスがあるのに対し、「blame」は責任を追及し、非難するニュアンスが強い。しばしば感情的な反応を伴う。 【混同しやすい点】「blame」は動詞としても名詞としても使用できる。「accountability」は主に名詞として使用される。
責任、任務。特定の任務や責任を人に課すことを指す。ビジネス、軍事、法律など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"accountability"は責任を負うことを意味するが、"charge"は人に責任を課す、または特定の任務を委ねることを意味する。"charge"はしばしば権限や命令を伴う。 【混同しやすい点】"charge"は動詞としても名詞としても使用でき、文脈によって意味が大きく異なる(例:料金、告発)。一方、"accountability"は主に責任という概念を表す名詞として使用される。
派生語
『説明する』『計算する』という意味の動詞であり、名詞としては『口座』『説明』を意味します。元々は『数える』という意味から派生し、そこから『責任を果たすために説明する』という意味合いに発展しました。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われます。
会計士。動詞"account"に、人を表す接尾辞 "-ant" が付いたもので、『会計を説明する人』、つまり『会計士』を意味します。ビジネスシーンで頻繁に使われます。
『説明責任がある』という意味の形容詞。 "account" に形容詞化する "-able" がつき、『説明できる状態』を表します。ビジネスや政治の文脈で、責任を問われる状況でよく用いられます。
反意語
- irresponsibility
『無責任』という意味。 "responsibility"(責任)に否定の接頭辞 "ir-" が付いた形です。accountabilityが責任を明確にすることであるのに対し、irresponsibilityは責任を回避または無視する状態を指します。日常会話や報道などで使われます。
- impunity
『不処罰』『免責』という意味。法的責任や道徳的責任を問われない状態を指し、accountabilityが責任追及を意味するのとは対照的です。政治や法律、社会問題に関する議論で用いられます。
語源
「accountability」は、「説明責任」「責任追及」といった意味を持ちますが、その語源は中英語の「acounte」(計算、勘定)に遡ります。さらに遡ると、古フランス語の「acont」(計算、勘定)に由来し、これはラテン語の「computare」(計算する)から派生した「computus」(計算)に繋がります。ここで重要なのは、「count」(数える)という概念が根底にあることです。「account」は「計算する」「説明する」という意味を持ち、「-able」は「~できる」という形容詞を作る接尾辞、「-ity」は名詞化する接尾辞です。つまり、「accountability」は直訳すると「説明できる状態」「計算できる状態」となり、そこから「説明責任を負う状態」という意味合いへと発展しました。例えば、会社の会計(account)がきちんと説明できる状態(accountable)であることが、accountability(説明責任)につながる、と考えると理解しやすいでしょう。
暗記法
「アカウンタビリティ」は、不祥事続発で社会の信頼が揺らいだ20世紀後半に重要視。企業不正は透明性の欠如を露呈させ、企業統治の強化を促しました。文学作品では、個人の責任を問うテーマとして登場。SNSの普及で、個人も発言の責任を問われる時代に。義務ではなく、信頼を築き、社会の健全性を保つ不可欠な要素。より良い社会を築く第一歩となるでしょう。
混同しやすい単語
『accountability』と『responsibility』は、どちらも責任に関連する単語ですが、意味合いが異なります。responsibility は「責任」や「義務」という意味で、与えられたタスクを遂行する責任を指します。一方、accountability は「説明責任」という意味合いが強く、結果に対する責任を負い、その結果について説明する義務があることを意味します。スペルも似ているため混同しやすいですが、意味の違いを理解することが重要です。責任の所在と、その責任を果たすことの説明義務の違いを意識しましょう。
『accountability』と『accessibility』は、語尾の '-ibility' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすいです。accessibility は「接近可能性」「利用しやすさ」という意味で、例えば、ウェブサイトのアクセシビリティは、視覚障碍者など、さまざまな人が利用しやすいかどうかを指します。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。また、発音も異なるため、注意が必要です。
『accountability』の語幹である『account』は、「口座」「説明」「記事」など多様な意味を持つ単語です。accountability は、この account に「~できる」という意味の接尾辞 -able と、名詞化する -ity が付いた形です。つまり、accountability は「説明できる状態」から派生して「説明責任」という意味になったと考えると理解しやすいでしょう。account 自体の意味を理解しておくことで、accountability の意味もより深く理解できます。
『capability』は「能力」「力量」という意味で、語尾が '-ability' で終わる点で『accountability』とスペルが似ています。capability は、何かをする能力があることを指し、accountability は、結果に対する責任があることを指します。意味が異なるため、混同しないように注意が必要です。また、発音も異なるため、注意しましょう。
『acceptability』は「受容性」「許容範囲」という意味で、語尾が '-ability' で終わる点で『accountability』とスペルが似ています。acceptability は、何かが受け入れられるかどうか、許容範囲内かどうかを指し、accountability は、結果に対する責任があることを指します。意味が全く異なるため、混同しないように注意が必要です。また、発音も異なります。
『unaccountable』は『accountable』の否定形で、「説明できない」「理由のわからない」という意味です。accountability とスペルが似ていますが、意味は正反対になります。un- という接頭辞が付いていることに注意し、意味を混同しないようにしましょう。例えば、「unaccountable behavior(説明のつかない行動)」のように使われます。
誤用例
多くの日本人は「accountability」を「責任」と直訳し、プロジェクトの成功に対する責任を『私が全てをこなす』という誤った形で表現しがちです。しかし、英語の「accountability」は、単に責任を負うだけでなく、説明責任を果たす、つまり結果に対して説明できる立場であることを意味します。プロジェクトにおいては、チームメンバーのパフォーマンスを監督し、全体として成功に導く責任を指します。この誤用の背景には、日本的な『責任』の概念、すなわち『自分が全てを背負い込む』という考え方が影響していると考えられます。英語圏では、責任を分担し、透明性をもって結果を報告することが重視されます。
「accountability」は、単に謝罪という行為だけで示されるものではありません。謝罪は「responsibility(責任)」を取るという行動の一環であり、「accountability」はその後、結果として説明責任を果たすこと、つまり、調査や評価を経て責任の所在が明確になるプロセス全体を指します。日本人は『謝罪=責任を取る』と捉えがちですが、英語圏では、謝罪は責任を認める第一歩に過ぎず、その後の具体的な行動(改善策の実施、再発防止策の策定など)と、それに対する説明責任が重要視されます。したがって、この文脈では、まずCEOが責任を認め(took responsibility)、その上で、取締役会の調査によってaccountabilityが判断されるという流れがより適切です。
日本語の「説明責任を求める」という表現を直訳的に「demand accountability from...」とすると、不自然な印象を与えます。より自然な英語では、「hold someone accountable for something」という構文が用いられます。これは、「〜に対して責任を負わせる」という意味合いを含み、単に説明を求めるだけでなく、責任追及のニュアンスを含んでいます。また、この表現は、フォーマルな文脈や、強い要求を伴う場合に適しています。日本人は、直接的な表現を避け、婉曲的な言い方を好む傾向がありますが、英語では、明確な意思表示が求められる場面も多く、状況に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。この場合、政府に対する要求であるため、より直接的な表現が適切です。
文化的背景
「Accountability(アカウンタビリティ)」は、単なる責任追及を超え、透明性、説明責任、そして信頼という、現代社会における倫理的な基盤を象徴する言葉です。特に、組織や権力を持つ者が、その行動や決定について公に説明し、責任を果たすことを求められる場面で、その重要性が際立ちます。この言葉は、民主主義社会における健全な統治、企業の社会的責任(CSR)、そして個人の倫理観といった、多岐にわたる領域で重要な意味を持ちます。
アカウンタビリティという概念が広く浸透したのは、20世紀後半以降、特に企業不祥事や政府の不正行為が相次いで発覚し、社会全体の信頼が揺らいだ時期でした。エンロン事件やワールドコム事件といった大規模な企業不正は、企業の会計処理の透明性の欠如と経営陣の責任の曖昧さを露呈し、アカウンタビリティの確立が急務であることを社会に強く認識させました。これらの事件を契機に、企業統治(コーポレート・ガバナンス)の強化や内部統制システムの構築が推進され、アカウンタビリティを確保するための法規制や倫理規範が整備されていきました。同時に、市民社会の成熟とともに、政府や企業に対する監視の目が厳しくなり、情報公開の要求が高まったことも、アカウンタビリティの重要性を高める要因となりました。
文学作品や映画においても、アカウンタビリティは重要なテーマとして扱われています。例えば、アーサー・ミラーの戯曲『セールスマンの死』は、アメリカンドリームの幻想と、その陰で犠牲になる個人の責任というテーマを描いていますが、主人公のウィリー・ローマンは、自身の行動とその結果に対するアカウンタビリティを十分に果たせず、悲劇的な結末を迎えます。また、現代社会においては、SNSの普及により、個人の発言や行動が瞬時に拡散され、その責任を問われるケースが増加しています。ソーシャルメディアにおける炎上騒動は、アカウンタビリティが、組織だけでなく、個人にとっても重要な課題であることを示しています。
アカウンタビリティは、単なる義務や負担ではなく、信頼を築き、社会全体の健全性を維持するための不可欠な要素です。透明性の高い情報公開、公正な意思決定プロセス、そして責任を果たす姿勢は、組織や個人の信頼を高め、持続可能な社会の実現に貢献します。アカウンタビリティを意識することは、私たち一人ひとりが社会の一員として、より良い未来を築くための第一歩と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、ビジネス、環境問題など、硬めのテーマの長文で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「説明責任」の意味が基本だが、「責任」一般の意味でも使われる点に注意。形容詞 accountable とセットで覚えること。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7 で比較的頻出。ビジネス文書、メール、レポートなどで見られる。
- 文脈・例題の特徴: 企業の業績報告、プロジェクトの進捗報告、顧客対応など、ビジネス関連の文脈で登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの「説明責任」という意味合いを理解しておくこと。類義語の responsibility とのニュアンスの違いに注意。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会科学、政治学、経済学など、学術的なテーマの文章で登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。動詞 account (説明する)との関連性を理解しておくと、文脈把握に役立つ。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、国際関係など、評論的な文章で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。単語単体の意味だけでなく、文章全体の内容を理解する必要がある。関連語句 (accountable, account for) も覚えておくこと。