accessibility
強勢は「ビ」にあります。最初の 'a' は曖昧母音 /ə/ で、弱く発音します。'cess' の 'e' も同様です。'bility' の 'i' は短母音 /ɪ/ で、日本語の「イ」よりやや曖昧に発音します。全体的に、各音節をはっきり発音するよりも、流れるように発音することを意識すると自然になります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
利用しやすさ
製品、サービス、場所などが、できるだけ多くの人が利用しやすいように設計・提供されている状態を指す。バリアフリー設計や情報アクセシビリティの文脈でよく使われる。
The new library focused on accessibility for all visitors, including ramps.
新しい図書館は、スロープを含め、すべての来館者にとっての利用しやすさに重点を置きました。
※ この例文は、新しい図書館が、車椅子利用者を含む誰もが簡単に利用できるように設計された様子を描いています。「accessibility」が物理的な場所の「利用しやすさ」を指す、最も典型的な使い方の一つです。特に、障害を持つ人々が施設を使いやすいようにする文脈でよく使われます。「focus on X」は「Xに重点を置く」という、日常会話でもビジネスでもよく使う表現です。
We updated our website to improve its accessibility for people with low vision.
視覚の弱い方々のため、私たちはウェブサイトの利用しやすさを向上させました。
※ この例文は、ウェブサイトが、目の不自由な方でも情報にアクセスしやすいように改善された状況を示しています。「accessibility」は、このようにデジタルコンテンツ(ウェブサイトやアプリなど)が、誰にとっても「アクセスしやすいか」「使いやすいか」を表現する際にも頻繁に登場します。 「improve accessibility」は「利用しやすさを改善する」という、非常に実用的なフレーズです。
The new train station greatly improved the accessibility of the remote village.
新しい駅は、離れた村へのアクセス(利用しやすさ)を大幅に改善しました。
※ この例文は、交通機関の整備によって、今まで行きにくかった場所への「到達しやすさ」が大きく変わった様子を描写しています。遠隔地の村が、新しい駅のおかげで多くの人にとって「利用しやすくなった」という状況です。このように、「accessibility」は、地理的な場所への「たどり着きやすさ」や「交通の便の良さ」を示す際にも使われます。「greatly improved X」で「Xを大幅に改善した」という、変化の大きさを伝えることができます。
参加しやすさ
イベント、コミュニティ、活動などに、様々な人が障壁なく参加できる状態を指す。経済的な負担の軽減や情報提供の工夫などが含まれる。
The city improved the park's accessibility so everyone can enjoy it easily.
市は公園の参加しやすさを改善したので、みんなが簡単に楽しめるようになりました。
※ 新しくなった公園で、ベビーカーを押すお母さんや、車椅子のお年寄りも、誰もが笑顔で楽しく過ごせる情景が目に浮かびます。ここでは、物理的な場所が「利用しやすく、参加しやすくなった」ことを表しています。
The new website design greatly increased its accessibility for older users.
新しいウェブサイトのデザインは、高齢の利用者にとっての参加しやすさを大きく高めました。
※ 老眼鏡をかけたおじいさんが、以前は難しかったウェブサイトを、今では迷うことなくサクサク操作している様子を想像してみてください。ITや情報サービスにおいて、誰でも簡単に情報に「アクセスできる(参加できる)」状態を指す典型的な使い方です。
To ensure accessibility, the conference offered real-time captioning for all attendees.
参加しやすさを確保するため、その会議ではすべての参加者向けにリアルタイム字幕が提供されました。
※ 大きな会議室で、スクリーンに話されている内容がリアルタイムで文字として表示され、耳の不自由な方も安心して議論に参加している場面です。イベントやサービスが、特定の配慮を必要とする人々を含め、誰もが「参加しやすい」ように工夫されている状況で使われます。
入手しやすさ
情報、資源、サービスなどが、容易に入手できる状態を指す。価格設定、流通経路、情報公開などが考慮される。
The store needs to improve the accessibility of popular items so more people can buy them.
その店は、より多くの人が買えるように、人気商品の入手しやすさを改善する必要があります。
※ この例文は、スーパーやお店で人気の商品がなかなか手に入らない状況を描写しています。「accessibility」は、商品やサービスが「どれだけ手に入りやすいか」を指す時に使われます。ビジネスの場で、顧客が商品にアクセスしやすいように改善を求める際によく使われる典型的な表現です。
My grandparents wish for better accessibility to online services, as new apps are often confusing.
祖父母は、新しいアプリがよく分かりにくいので、オンラインサービスへのアクセスしやすさがもっと良くなることを願っています。
※ この例文は、高齢者がスマートフォンやウェブサイトの操作に戸惑っている情景を表しています。「accessibility」は、ウェブサイトやデジタルサービスが「どれだけ利用しやすいか」「情報にたどり着きやすいか」という意味でも使われます。特に、誰もが情報やサービスを使えるように、デザインや機能を改善する話でよく登場します。
The new cafe struggles because of its poor accessibility from the main station.
その新しいカフェは、主要な駅からアクセスが悪いため苦戦しています。
※ この例文は、新しくできたカフェが、駅からの交通の便が悪く、お客さんが来ないで困っている様子を描いています。「accessibility」は、特定の場所への「行きやすさ」「交通の便の良さ」を指す際にも使われます。お店や施設の立地条件について話す時に、非常によく使われる表現です。
コロケーション
アクセシビリティを確保する
※ 「ensure」は「確実にする」「保証する」という意味で、アクセシビリティを単に「提供する」だけでなく、それがきちんと機能し、維持されるように努めるニュアンスを含みます。例えば、ウェブサイトのアクセシビリティを確保する場合、単に代替テキストを提供するだけでなく、それが適切に機能し、すべてのユーザーにとって利用可能であることを保証する責任があることを示唆します。ビジネスや技術関連の文脈で頻繁に使われます。
アクセシビリティを改善する
※ 既存のアクセシビリティが不十分な状況から、より良い状態にすることを意味します。「improve」は段階的な改善や改良を示すため、継続的な努力が必要であることを示唆します。ウェブサイト、建物、サービスなど、あらゆる対象に対して使用できます。法律や規制の遵守だけでなく、より多くの人々が利用しやすい環境を作るという積極的な姿勢を示す場合にも用いられます。
アクセシビリティの欠如、アクセスのしにくさ
※ 「lack of」は「〜の不足」を表す一般的な表現ですが、「accessibility」と組み合わせることで、特定の場所、サービス、情報などへのアクセスが困難である状態を具体的に指摘します。例えば、「lack of accessibility for disabled users」(障害者向けのアクセシビリティの欠如)のように使われます。フォーマルな文脈でよく使われ、問題点を明確に指摘する際に役立ちます。
普遍的なアクセシビリティ、誰にとっても利用しやすいこと
※ 「universal」は「普遍的な」「万人に共通の」という意味で、「universal accessibility」は、年齢、能力、状況に関わらず、すべての人が平等に利用できることを目指す概念です。公共施設、ウェブサイト、ソフトウェアなど、幅広い分野で重要視される考え方です。単に障害者だけでなく、高齢者、子供、外国人など、様々な人々にとって使いやすいデザインや設計を指します。理想的な状態を示すため、目標として掲げられることが多いです。
アクセシビリティを推進する、促進する
※ 「promote」は「促進する」「奨励する」という意味で、アクセシビリティの重要性を広め、その実現を積極的に働きかけることを意味します。企業、政府機関、NPOなどが、アクセシビリティに関する意識向上キャンペーンを行ったり、アクセシビリティ対応の製品やサービスを開発したりする際に用いられます。「promote」は単なる対応だけでなく、積極的な姿勢を示すため、ポジティブな印象を与えます。
アクセシビリティへの障壁、アクセスを阻害するもの
※ 「barrier」は「障壁」「障害物」という意味で、「barrier to accessibility」は、物理的なもの(階段、狭い通路など)だけでなく、技術的なもの(アクセシビリティ対応が不十分なウェブサイト)、経済的なもの(高価な支援技術)、社会的なもの(偏見や差別)など、アクセシビリティを妨げるあらゆる要因を指します。問題点を特定し、改善策を検討する際に用いられます。フォーマルな文脈でよく使われます。
アクセシビリティ機能
※ 特定の製品やシステムに組み込まれている、アクセシビリティを向上させるための機能や設定を指します。例えば、ウェブサイトの文字サイズ変更機能、音声読み上げ機能、ハイコントラスト表示などが該当します。ソフトウェア、ハードウェア、ウェブサイトなど、幅広い分野で使用されます。技術的な文脈で頻繁に使われ、具体的な機能や仕様を説明する際に役立ちます。
使用シーン
学術論文、研究発表、講義などで頻繁に使用されます。特に、情報科学、福祉学、教育学などの分野で、「アクセシビリティ」は重要な概念です。例えば、ウェブサイトのアクセシビリティに関する研究で、「ウェブアクセシビリティの向上が、高齢者や障害者の情報アクセスを容易にする」といった文脈で用いられます。また、教育分野では、「教育機会のアクセシビリティ」という言葉で、経済状況や地域による教育格差の問題を議論する際に使われます。
ビジネスシーンでは、製品やサービスの「使いやすさ」「利用しやすさ」を意味する言葉として使用されます。例えば、ソフトウェア開発の分野で、「このソフトウェアはアクセシビリティに優れており、誰でも簡単に利用できる」といった表現が用いられます。また、企業のCSR(企業の社会的責任)活動の一環として、「アクセシビリティに配慮した製品開発」や「アクセシビリティ向上のための取り組み」などが報告書やウェブサイトで紹介されることもあります。プレゼンテーション資料などでも使われます。
日常生活では、公共施設や交通機関の「利用しやすさ」を指す場合によく使われます。例えば、「この駅はエレベーターが設置されており、アクセシビリティが高い」といった表現が一般的です。また、スマートフォンのアプリやウェブサイトのデザインに関して、「このアプリはアクセシビリティが良く、視覚障碍者でも使いやすい」といったレビューを見かけることもあります。ニュース記事やドキュメンタリーなどでも、バリアフリーに関する話題で登場することがあります。
関連語
類義語
利用可能であること、手に入りやすいことを意味します。資源、製品、サービスなど、様々なものが利用できる状態を指す場合に用いられます。ビジネスや日常会話で頻繁に使われます。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が利用しやすさ、アクセスしやすさに重点を置くのに対し、"availability"は存在し、利用できる状態にあることに重点を置きます。物理的な存在だけでなく、時間的な利用可能性も含むことがあります。 【混同しやすい点】"availability"は、単に存在することを示す場合があり、必ずしも利用しやすいとは限りません。例えば、「チケットは入手可能だが、非常に高価だ」のように使われます。一方、"accessibility"は、使いやすさ、アクセスしやすさを前提とします。
- approachability
近づきやすさ、話しやすさを意味します。人に対して使われることが多く、友好的で親しみやすい態度や性格を表します。ビジネスシーンでも、顧客や部下が気軽に相談できる雰囲気を示す際に使われます。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が物理的なアクセスや利用のしやすさを指すのに対し、"approachability"は心理的な距離の近さ、親しみやすさを指します。対象が人である場合に限定されます。 【混同しやすい点】"approachability"は人に対してのみ使用され、物理的な場所や物に対しては使用できません。例えば、「この建物は近づきやすい」とは言えません。また、「気軽に話しかけられる」というニュアンスが強いです。
- usability
使いやすさ、操作のしやすさを意味します。主に製品、ソフトウェア、ウェブサイトなどに対して使われ、ユーザーがどれだけ簡単に目的を達成できるかを表します。UI/UXデザインの分野で重要な概念です。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が、障害を持つ人を含む、すべての人が利用できることを目指すのに対し、"usability"は、効率性、効果性、満足度といった、より広範な使いやすさを追求します。必ずしも障害者への配慮を含みません。 【混同しやすい点】"usability"は、特定のユーザーグループ(例えば、ITリテラシーの高い層)にとって使いやすいことを意味する場合がありますが、"accessibility"は、あらゆるユーザーが利用できることを目指します。例えば、高度な機能を備えたソフトウェアは"usable"でも、"accessible"ではない可能性があります。
便利さ、手軽さを意味します。時間や労力を節約できる、手間がかからないといった状況を表します。日常会話やビジネスで広く使われます。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が、利用しやすさ、アクセスしやすさを指すのに対し、"convenience"は、より広範な便利さ、手軽さを指します。例えば、場所が近い、手続きが簡単、時間がかからないなど、様々な要素を含みます。 【混同しやすい点】"convenience"は、必ずしもすべての人にとって利用しやすいとは限りません。例えば、オンラインサービスは便利ですが、インターネット環境がない人にとっては"accessible"ではありません。
- affordability
手頃な価格であること、購入しやすい価格であることを意味します。製品やサービスが経済的に負担なく利用できる状態を指します。特に、生活必需品や公共サービスに関して用いられます。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が利用しやすさ全般を指すのに対し、"affordability"は経済的な側面、つまり価格に焦点を当てています。物理的にアクセス可能でも、価格が高ければ"affordable"とは言えません。 【混同しやすい点】"affordability"は、経済的な余裕があるかどうかに依存するため、すべての人にとって"accessible"なわけではありません。例えば、「住宅は物理的にはアクセス可能だが、ほとんどの人にとって"affordable"ではない」という状況があり得ます。
- openness
開放性、公開性、自由なアクセスを意味します。情報、場所、機会などが誰にでも開かれている状態を表します。政治、社会、学術など、幅広い分野で使われます。 【ニュアンスの違い】"accessibility"が、特定の目的を達成するための利用しやすさを指すのに対し、"openness"は、より広範な、制限のないアクセスを意味します。情報公開や自由な参加を強調する際に用いられます。 【混同しやすい点】"openness"は、必ずしもすべての人にとって利用しやすいとは限りません。例えば、公開された情報が専門的すぎて理解できない場合、それは"open"ではあっても、"accessible"とは言えません。
派生語
『接近できる』『利用しやすい』という意味の形容詞。『-ible』は『〜できる』という性質を表す接尾辞。ウェブサイトや建物などが利用しやすい状態を指す場合に使われ、日常会話からビジネス、技術文書まで幅広く用いられる。
『接近』『利用』を意味する名詞および動詞。名詞としては『情報へのアクセス』、動詞としては『ファイルにアクセスする』のように、具体的な行動や状態を表す。日常会話、ビジネス、IT分野で頻繁に使用される。
- accessorize
『アクセサリーをつける』という意味の動詞。直接的な語源関係は薄いが、『access』が『付加的なもの』という意味合いを持つことから派生。ファッション業界でよく使われ、スタイルを向上させる行為を指す。
反意語
- inaccessibility
接頭辞『in-(否定)』が付いた名詞で、『接近不能』『利用不能』を意味する。『accessibility』の直接的な反意語として、物理的な障壁や情報へのアクセス制限を指す場合に使われる。学術論文や技術文書でよく見られる。
『障壁』『障害』を意味する名詞。『accessibility』が確保されていない状態、つまり利用を妨げるものを指す。物理的なバリアフリーの文脈や、情報へのアクセスを阻む技術的な障壁など、比喩的な意味でも使われる。日常会話からビジネスまで幅広く使用される。
『排除』『除外』を意味する名詞。『accessibility』がすべての人に開かれている状態であるのに対し、『exclusion』は特定のグループや個人がアクセスや機会から締め出される状態を指す。社会学や政治学の文脈で、社会的な不平等や差別を議論する際によく用いられる。
語源
"Accessibility"は、「接近できること」「利用しやすさ」を意味する名詞です。この単語は、動詞 "access"(接近する、利用する)に、形容詞を作る接尾辞 "-ible"(〜できる)が付いた "accessible"(接近できる、利用しやすい)に、さらに名詞を作る接尾辞 "-ity"(〜の状態、性質)が付いてできたものです。"Access" はラテン語の "accessus"(接近、入り口)に由来し、これは "ad-"(〜へ)と "cedere"(行く、進む)が組み合わさったものです。つまり、「〜の方へ進んでいく」というイメージが根底にあります。例えば、日本語で「アクセス」という言葉を使うときも、ウェブサイトに「アクセスする」など、何かに向かっていく、近づいていくというニュアンスがありますね。"-ible" は「〜できる」という意味合いなので、「接近できる」状態を表し、それに "-ity" が加わることで、「接近できること」という抽象的な概念、つまり「利用しやすさ」という意味を表すようになったのです。
暗記法
「アクセシビリティ」は単なる機能ではなく、社会正義の象徴。20世紀後半の公民権運動、障害者権利運動を背景に、社会からの排除と闘い、平等を求める中で生まれた概念です。ADA(障害を持つアメリカ人法)はその象徴。倫理的な責任として、多様なニーズに応え、誰もが社会参加できる環境を整備することは、社会の活性化に繋がります。それは単なる技術ではなく、社会の価値観そのものなのです。
混同しやすい単語
『accessibility』とスペルが非常に似ており、タイプミスしやすい。また、発音もほぼ同じになる可能性があるため、注意が必要。『assessibility』は、一般的には存在しない単語であり、もし使うとすれば、何かを評価できる性質や能力を指す造語的な意味合いになる。正確なスペルと意味を意識することが重要。
『accessibility』と語幹が同じ『access』であるため、意味的な関連から混同しやすい。しかし、『accessibly』は副詞であり、『容易にアクセスできるように』という意味を表す。品詞が異なるため、文法的な構造を理解することで区別できる。『-ibly』という語尾は副詞を作る接尾辞であることを覚えておくと役立つ。
語尾の『-ible』と『-able』が似ているため、スペルミスしやすい。また、『access』と『accept』という異なる語幹を持つため、意味の混同も起こりやすい。『acceptable』は『受け入れられる』という意味であり、形容詞。文脈から判断することが重要。『accept』の語源はラテン語の『accipere』(受け取る)であり、『access』とは異なる。
スペルが似ており、特に『excess』という単語を知っていると、誤って『excessibility』と書いてしまう可能性がある。ただし、『excessibility』は一般的に使われない単語。意味を考慮すれば、『excess』(過剰) と『access』(接近) の意味的な違いから区別できる。『excess』はラテン語の『excedere』(超える)に由来する。
語尾が『-ibility』で共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味も抽象的な概念を表す点で共通するため、注意が必要。『sensibility』は『感受性』や『繊細さ』という意味であり、『accessibility』とは異なる。語源的には、『sense』(感覚)に関連する言葉であることを覚えておくと良い。
語尾の『-ibility』が共通しており、抽象名詞である点も共通するため、混同しやすい。意味は『実現可能性』であり、『accessibility』(接近可能性、利用しやすさ)とは異なる。特にビジネスやプロジェクト関連の文脈では『feasibility study』(実現可能性調査)という表現がよく使われるため、覚えておくと役立つ。
誤用例
日本語の『アクセスが良い』という表現を直訳すると、このように『accessibility』を使ってしまいがちですが、これは誤りです。英語の『accessibility』は、物理的なアクセス(例:車椅子でのアクセス)や、情報へのアクセス(例:ウェブサイトのアクセシビリティ)を指します。人が『親しみやすい』『話しかけやすい』という意味で使う場合は、『approachable』が適切です。日本人がつい『〜が良い』という表現を『good』で済ませてしまう傾向と、カタカナ英語の『アクセス』に引きずられることで、この誤用が起こりやすいと考えられます。英語では、人柄を表す形容詞は多様であり、『approachable』の他にも『affable』『amiable』など、ニュアンスに応じて使い分けることが重要です。
ここでの『accessibility』は、チームメンバーが『利用しやすい』状態、つまり時間的な余裕があることを意味しようとしていますが、これも不適切です。『accessibility』は、前述の通り物理的なアクセスや情報へのアクセスを指すことが一般的です。プロジェクトチームの『利用可能性』を高めるという意味では、『availability』を使うのが適切です。日本人は、チームやリソースが『使える』状態を、安易に『accessできる』と捉えがちですが、英語では、人や組織の『availability』という概念が重要です。特にビジネスシーンでは、相手の時間を尊重し、事前にアポイントメントを取る文化があるため、『availability』を意識したコミュニケーションが不可欠です。
この文では、『意見を表明するためのアクセスしやすさ』を伝えようとしていますが、これも不自然です。より適切な表現は、『opportunity(機会)』を使うことです。英語の『accessibility』は、権利や機会そのものを指すのではなく、あくまでそれらに『アクセスするための容易さ』を指します。日本人は、抽象的な概念に対しても『アクセス』という言葉を使いがちですが、英語では、抽象的な権利や機会そのものを指す言葉を選ぶ必要があります。民主主義社会においては、単に『アクセスしやすい』だけでなく、『機会が与えられている』ことが重要であるという視点を持つことが大切です。
文化的背景
「アクセシビリティ(accessibility)」は、単に「アクセスできること」以上の意味を持ち、社会の公平性、包容性、そして人間の尊厳を象徴する言葉として、現代社会において重要な文化的意義を持っています。これは、物理的な障壁を取り除くだけでなく、情報、サービス、機会への平等なアクセスを保証するという、より広範な社会正義の概念と深く結びついています。
歴史的に見ると、「アクセシビリティ」という概念が注目を集めるようになったのは、20世紀後半の公民権運動や障害者権利運動の高まりと密接に関連しています。これらの運動は、社会における差別や排除に異議を唱え、すべての人々が平等な権利と機会を持つべきだと主張しました。特に、障害を持つ人々が社会生活に参加する上で直面する物理的、制度的、そして態度の障壁に焦点を当て、「アクセシビリティ」の向上を求める声が高まりました。この流れの中で、建築基準法や公共交通機関の改善、情報アクセシビリティの確保など、具体的な政策や法律が整備されていきました。例えば、アメリカではADA(障害を持つアメリカ人法)が制定され、障害者の権利保護が強化されました。
「アクセシビリティ」は、単なる法律や政策の遵守にとどまらず、倫理的な問題としても捉えられています。それは、社会の一員としてすべての人々を受け入れ、そのニーズに応える責任を意味します。企業や組織は、製品やサービスを設計する際に、アクセシビリティを考慮することで、より多くの人々が恩恵を受けられるように努めています。ウェブサイトのアクセシビリティは、視覚障碍者や聴覚障碍者、認知障碍者など、様々なニーズを持つ人々が情報を得られるようにするために不可欠です。また、教育機関や図書館などは、アクセシブルな教材や学習環境を提供することで、すべての人々が学習機会を平等に享受できるようにしています。
さらに、「アクセシビリティ」は、社会の多様性を尊重し、包容的な社会を築くための重要な要素です。それは、障がい者だけでなく、高齢者、子ども、外国人など、様々な背景を持つ人々が社会生活に参加しやすくなるように、環境やシステムを改善することを意味します。例えば、公共スペースのデザインにおいては、車椅子利用者だけでなく、ベビーカーを押す親や高齢者も快適に利用できるように配慮する必要があります。「アクセシビリティ」の向上は、社会全体の活性化にもつながります。多様な人々が社会に参加することで、新たなアイデアや視点が生まれ、社会の創造性や革新性が高まります。このように、「アクセシビリティ」は、単なる技術的な問題ではなく、社会全体の価値観や文化と深く結びついた概念として、現代社会において重要な役割を果たしています。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニング。
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で比較的頻出。2級でも長文で稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: バリアフリー、情報技術、社会問題など、アカデミックな文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての用法が中心だが、形容詞(accessible)や動詞(access)との関連も理解しておく。類義語(availability)との使い分けも重要。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。
- 頻度と級・パート: Part 5, 7で中程度の頻度。高スコアを狙う場合は対策必須。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、ウェブサイト、公共施設など、ビジネスや公共性の高い文脈で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての用法がほとんど。文脈から意味を推測する練習が重要。関連語のaccess, accessibleとの区別。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで高頻度。
- 文脈・例題の特徴: 社会学、都市計画、技術開発など、アカデミックな文脈で頻繁に登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。同義語や反意語も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 長文読解問題で頻出。文脈から意味を推測させる問題が多い。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、技術革新など、幅広いテーマで出題される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈依存度が高い単語なので、前後の文脈から意味を推測する練習が不可欠。accessible, accessなどの関連語も覚えておく。