worthy
最初の /w/ は唇を丸めて発音しますが、すぐに次の母音に移行します。母音 /ɜː/ は、口を軽く開け、舌の中央を少し上げて発音する、日本語にはない音です。「アー」と「ウー」の中間のような音を意識すると良いでしょう。/r/ は舌を丸める音ですが、アメリカ英語のように極端に巻き舌にする必要はありません。イギリス英語では、母音の後に /r/ が来ると発音しないこともあります(括弧書きで示しました)。最後の /ði/ は、舌先を上下の前歯で軽く挟んで出す有声音です。日本語の「ザ・ジ・ズ・ゼ・ゾ」の子音と似ていますが、より摩擦が強い音です。
価値がある
尊敬や称賛、または努力や犠牲を払うだけの十分な理由があることを示す。例:worthy cause(価値のある大義)、worthy opponent(手強い好敵手)
She always helps people in need, so she is truly worthy of our respect.
彼女はいつも困っている人を助けるので、本当に私たちの尊敬に値します。
※ この例文は、困っている人に手を差し伸べる優しい女性と、それを見て心から尊敬する周りの人々の姿を描いています。`worthy of respect` は「尊敬に値する」という形で非常によく使われる表現です。人の行動や性格が、尊敬されるべき価値を持っていることを表す際に役立ちます。`worthy of + 名詞` で「~に値する」という意味になります。
The old castle was so beautiful that it was worthy of a long visit.
その古いお城はとても美しかったので、長く滞在する価値がありました。
※ 歴史を感じさせる美しいお城を訪れた人が、その荘厳さや美しさに感動し、もっと長く見ていたいと感じる様子が目に浮かびます。`worthy of a visit` や `worthy of attention` のように、物や場所が時間や労力を費やすだけの価値があることを表す際によく使われます。`so... that...` は「とても~なので…」という結果を表す構文です。
The little puppy was so gentle and loyal that he was worthy of a loving home.
その小さな子犬はとても優しくて忠実だったので、愛情深い家に値しました。
※ 小さくて可愛らしく、しかも人に懐いて忠実な子犬が、新しい家族に迎えられ、幸せに暮らす姿が目に浮かびます。`worthy of + 抽象的な名詞` (例: love, attention, a home) は、ある存在が特定の感情や環境を受けるにふさわしい、という文脈で使われます。ここでも `so... that...` 構文が使われており、`worthy` は「~に値する」という評価を表す時に便利です。
ふさわしい
特定の地位、役割、または報酬を受けるに足る資格や能力があることを示す。例:worthy successor(ふさわしい後継者)、worthy of consideration(検討に値する)
He worked hard and was truly worthy of the award.
彼は一生懸命努力したので、本当にその賞にふさわしかった。
※ この文は、努力が報われる感動的なシーンを描いています。「worthy of 〜」は、「〜にふさわしい」という意味で、人や物が特別な評価や扱いを受けるに値することを表す際によく使われます。特に、努力や功績に対する正当な評価を示す文脈で自然です。
She is a kind person and worthy of everyone's trust.
彼女は親切な人で、みんなの信頼を得るにふさわしい。
※ 彼女の優しさが伝わり、周りの人々が心から彼女を信頼している様子が目に浮かびます。人の性格や行動が、他者からの尊敬や信頼、評価に値する場合に「worthy」を使うのは非常に一般的です。「worthy of + 名詞」の形で、「〜の信頼に値する」のように使えます。
This old house is beautiful and worthy of protection.
この古い家は美しく、保護する価値がある。
※ 歴史や美しさを持つ建物が、大切に保存されるべきだと感じる気持ちが伝わります。物や場所が、特別な注意や保護、維持などの価値があることを示す際にも「worthy」はよく使われます。文化財や自然保護などの文脈で頻出します。「worthy of + 名詞」の形で「〜する価値がある」と表現できます。
立派な
人柄や行動が道徳的に優れており、尊敬に値することを示す。しばしば、敬意を込めて、またはやや古風なニュアンスで使用される。例:a worthy gentleman(立派な紳士)
She is a truly worthy person who always helps people in need.
彼女は困っている人をいつも助ける、本当に立派な人です。
※ 【情景】困っている人に手を差し伸べ、優しく接する女性の姿が目に浮かびます。周りの人々が彼女を尊敬し、「立派だ」と心から感じている場面です。 【解説】worthyは「尊敬や称賛に値する」という意味で、人に対して使うと「立派な人」「価値のある人」というニュアンスになります。
The old house was worthy of repair because it had a long history.
その古い家は、長い歴史があったので修理する価値がありました。
※ 【情景】古くて傷んでいるけれど、どこか趣のある家が目の前にあります。その家が持つ歴史や物語を思うと、壊してしまうのではなく、修理して残すべきだと皆が感じている様子です。 【解説】worthyは「~する価値がある」「~にふさわしい」という意味でも使われます。「worthy of + 名詞」または「worthy of + 動名詞(~ing)」の形で、「~に値する」「~する価値がある」と表現できます。
He made a worthy effort to finish the race even with his injury.
彼は怪我をしながらも、レースを完走するために立派な努力をしました。
※ 【情景】怪我で痛む足を引きずりながらも、ゴールを目指して懸命に走る選手の姿が目に浮かびます。その困難な状況での頑張りが、周りの人々に「よくやった」「立派だ」と称賛されている場面です。 【解説】worthyは「立派な」「称賛に値する」という意味で、人の行動や努力を評価する際にもよく使われます。「a worthy effort」で「立派な努力」という決まった言い方があります。
コロケーション
検討に値する
※ 何かを評価する際に、それが真剣に検討する価値があるかどうかを示す表現です。ビジネスシーンや学術的な文脈で、提案やアイデアが評価される段階でよく使われます。単に『検討する』よりも、その対象が一定の価値や重要性を持っているというニュアンスが含まれます。例えば、新しいプロジェクトの提案が『worthy of consideration』であれば、それは単に目を通されるだけでなく、詳細な分析や議論の対象となることを意味します。
ふさわしいと見なされる
※ ある基準や期待を満たし、それに見合う価値があると判断された状態を表します。公式な文脈や、選考、審査などのプロセスを経た結果として使われることが多いです。例えば、奨学金の選考で『deemed worthy』とされた学生は、学業成績や人物評価において、奨学金を受けるに値すると認められたことを意味します。受動態で用いられることが多く、権威ある機関や人物による評価というニュアンスを含みます。
支援する価値のある大義
※ 経済的、精神的に支援するに値する目標、活動、または組織を指します。チャリティー活動や社会貢献活動など、社会的な意義を持つものに対して使われることが多いです。『worthy of support』は、単に『良いこと』というだけでなく、その活動が社会にとって重要であり、支援することでより良い結果をもたらす可能性があるというニュアンスを含みます。しばしば、寄付やボランティア活動を促す文脈で見られます。
ふさわしい後継者
※ ある地位や役割を引き継ぐ人物が、前任者と同等以上の能力や資質を持っていることを示します。ビジネスの世界や政治の世界で、リーダーシップの交代が行われる際に使われることが多いです。『worthy successor』は、単に後を継ぐだけでなく、前任者の実績や遺産を継承し、さらに発展させる能力が期待されているというニュアンスを含みます。そのため、後継者選びは慎重に行われ、その人物が本当に『worthy』であるかどうかが厳しく評価されます。
価値があることを証明する
※ 期待や要求に応え、自身の能力や価値を実際に示す行為を指します。しばしば、疑念や批判を乗り越えて、その価値を証明する必要がある状況で使われます。例えば、新しい技術が『prove worthy』であるためには、実際の使用環境でその有効性や信頼性を示す必要があります。この表現は、単なる主張ではなく、具体的な行動や結果を通じて価値を示すことを強調します。
手ごわい相手、 достойный противник
※ 競争や議論において、互角以上に戦える相手を指します。単なる敵対者ではなく、尊敬に値する相手というニュアンスが含まれます。スポーツ、ビジネス、政治など、競争的な状況で使われます。『worthy opponent』との対戦は、自身の能力向上につながり、勝利した場合の達成感を高めます。この表現は、相手の強さを認めつつ、自身の勝利への意欲を示す際に用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある研究テーマや調査が探求する価値があるかどうかを議論する際に用いられます。例えば、「この研究は、さらなる調査に値する重要な問題を提起している (This research raises important questions worthy of further investigation)」のように使われます。また、奨学金や賞の選考基準を説明する文脈で、「成績優秀で、リーダーシップを発揮し、社会貢献活動に熱心な学生は、この奨学金を受けるに値する (Students with excellent grades, demonstrated leadership, and active involvement in community service are worthy of this scholarship)」といった表現も考えられます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの成功や従業員の努力が評価されるべき場合に、ややフォーマルな文脈で使用されます。例えば、「このプロジェクトは、会社全体の収益向上に大きく貢献しており、称賛に値する (This project has made a significant contribution to the overall revenue of the company and is worthy of praise)」のように使われます。人事評価の場面で、「彼は昇進に値する働きをしている (He is doing work worthy of promotion)」という表現も可能です。報告書やプレゼンテーションなど、比較的公式な文書や発表で使用されることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュースやドキュメンタリーなどで、尊敬に値する人物や行動を称賛する際に用いられることがあります。例えば、「彼女は長年にわたり恵まれない子供たちのために尽力しており、尊敬に値する (She has dedicated herself to underprivileged children for many years and is worthy of respect)」のように使われます。また、映画や書籍のレビューで、「この映画は、見る価値がある (This movie is worthy of watching)」といった表現も見られます。やや硬い印象を与えるため、日常会話では「worth」を使った表現の方が一般的です。
関連語
類義語
- deserving
何らかの報酬、尊敬、または注意を受けるに値するという意味。客観的な評価や権利に基づいてふさわしい状態を表す。フォーマルな文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"worthy"は内面的な価値や特性に重点を置くのに対し、"deserving"は行動や実績に基づいた評価に重点を置く。"deserving"はしばしば具体的な報酬や処遇に関連付けられる。 【混同しやすい点】"worthy"はしばしば"of"を伴い、"worthy of praise"のように使われるが、"deserving"は"deserving of"または"deserving + 名詞"(例:deserving candidate)の形で使われる。
- meritorious
賞賛、感謝、または報酬に値するほど優れているという意味。特に、優れた業績や功績を評価する際に用いられる。非常にフォーマルで、文学的、または公式な文脈で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"worthy"が一般的な価値や特性を表すのに対し、"meritorious"は特に顕著な功績や貢献を指す。"meritorious"はより高いレベルの賞賛や評価を伴う。 【混同しやすい点】"meritorious"は日常会話ではあまり使われず、書面や公式なスピーチで用いられることが多い。"worthy"よりも使用頻度が低い。
価値がある、重要であるという意味。物質的な価値だけでなく、精神的、感情的な価値も含む。ビジネス、経済、日常生活など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"worthy"は内面的な質や道徳的な価値に重点を置くのに対し、"valuable"は有用性や実用性、重要性に重点を置く。"valuable"はしばしば具体的な利益や貢献に関連付けられる。 【混同しやすい点】"worthy"は人や物事の内面的な価値を評価する際に使われるが、"valuable"は外的な価値や有用性を評価する際に使われることが多い。"valuable"は可算名詞としても使用可能(例:valuables)。
社会的に認められ、尊敬されるに値するという意味。行動、人格、または社会的地位が社会規範に適合していることを示す。フォーマルな場面や、社会的な評価を重視する文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"worthy"が内面的な価値や倫理的な正しさを強調するのに対し、"respectable"は社会的な基準や期待に合致していることを強調する。"respectable"はしばしば外見や評判に関連付けられる。 【混同しやすい点】"respectable"は必ずしも内面的な価値が高いことを意味せず、社会的な体裁や評判を重視するニュアンスがある。"worthy"よりも社会的な評価に重点が置かれる。
特定の目的、状況、またはニーズに適しているという意味。適切さ、適合性を表す。日常会話からビジネスまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"worthy"が価値や資格に関連するのに対し、"suitable"は特定の要件や条件に合致していることを示す。"suitable"はしばしば具体的な状況や目的に関連付けられる。 【混同しやすい点】"worthy"は人や物事の価値を評価する際に使われるが、"suitable"は特定の状況や目的に対する適合性を評価する際に使われる。"suitable"はしばしば"for"を伴い、"suitable for children"のように使われる。
特定の仕事、役割、または責任を果たすための必要なスキル、知識、または経験を持っているという意味。資格がある、適任であるという状態を表す。主にビジネスや専門的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"worthy"が一般的な価値や適性を表すのに対し、"qualified"は特定の職務や役割を遂行するための具体的な能力や資格を指す。"qualified"はしばしば履歴書や職務経歴に関連付けられる。 【混同しやすい点】"worthy"は必ずしも具体的なスキルや資格を必要としないが、"qualified"は特定の職務や役割を遂行するための明確な資格や能力を必要とする。"qualified"はしばしば"for"を伴い、"qualified for the job"のように使われる。
派生語
- worthily
『立派に』『ふさわしく』という意味の副詞。『worthy』に副詞語尾『-ly』が付加。行動や態度が『worthy』である様子を表す。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や文学作品で使われることが多い。
- worthiness
『価値』『立派さ』という意味の名詞。『worthy』に名詞語尾『-ness』が付加。抽象的な概念を表し、評価や判断の基準となる。ビジネス文書や学術的な議論で使われる。
- unworthy
接頭辞『un-(否定)』が付き、『価値のない』『ふさわしくない』という意味の形容詞。『worthy』の反対の状態を示す。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。
反意語
- unbecoming
『ふさわしくない』『似合わない』という意味の形容詞。『becoming(似合う、ふさわしい)』に否定の接頭辞『un-』が付いた形。特に、行動や服装が社会的な規範や状況に合わないことを指す際に使われる。
- despicable
『軽蔑に値する』『卑劣な』という意味の形容詞。『worthy』が尊敬や価値に値するのに対し、『despicable』は道徳的に非難されるべき状態を表す。強い否定的な感情を伴うため、日常会話よりも、文学作品や報道などで使われることが多い。
『恥ずべき』『不名誉な』という意味の形容詞。『worthy』が名誉や誇りに値するのに対し、『shameful』は恥や不名誉をもたらす状態を表す。個人の行動や出来事が社会的な規範から逸脱し、非難される場合に用いられる。
語源
"worthy」は古英語の「weorþ」に由来し、「価値がある」「尊重されるべき」という意味を持っていました。この「weorþ」は、さらにゲルマン祖語の「*werþaz」(価値がある、価格)に遡ることができます。これは、「価値」や「代償」といった概念に関連しており、現代英語の「worth」(価値)と同根です。つまり、「worthy」は、元々「価値がある状態」や「価値にふさわしい状態」を表す言葉として形成されました。日本語で例えるなら、「値打ちがある」や「甲斐がある」といった表現が近いニュアンスでしょう。何かを行うことや、ある状態であることが、それに見合うだけの価値や意義を持つ場合に「worthy」が用いられます。
暗記法
「worthy」は騎士道の誉れ。勇敢さだけでなく、清い心と正義感を持つ者のみが聖杯に近づけた。吟遊詩人は物語で「worthy」な行いを讃え、社会貢献の重要性を説いた。現代では、慈善活動や企業のCSRも「worthy」の対象。ただし、何が「worthy」かは時代や価値観で変わる。背景にある倫理観を意識し、「worthy」を共通言語として、より良い社会を築く手がかりに。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の 'y' の音が曖昧になりやすいため混同しやすい。『worthy』は『価値がある』という意味ですが、『wordy』は『言葉数が多い、冗長な』という意味です。品詞はどちらも形容詞ですが、意味が大きく異なります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
スペルの一部が似ており、特に 'wor' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『worthy』は『価値がある』という意味に対し、『worried』は『心配している』という意味です。品詞は、『worthy』が形容詞であるのに対し、『worried』は動詞の過去分詞または形容詞として使われます。発音も異なります(worthy: /ˈwɜːrði/, worried: /ˈwɜːrid/)。日本人学習者は、'ry' と 'ried' の違いに注意し、意味と文脈を考慮して区別する必要があります。
語尾の '-thy' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすいです。『worthy』は『価値がある』という意味ですが、『earthy』は『土の、素朴な』という意味です。発音も異なります(worthy: /ˈwɜːrði/, earthy: /ˈɜːrθi/)。日本人学習者は、接頭辞の違い('wor-' vs 'earth-')に注目し、それぞれの単語が持つイメージを理解することで区別しやすくなります。
『worthy』はしばしば『worthy of』という形で使われますが、この『of』を省略してしまったり、別の前置詞と混同したりすることがあります。例えば、『worthy to』や『worthy for』のような誤った表現を使ってしまうことがあります。正しい形は『worthy of』であり、『~に値する』という意味を表します。日本人学習者は、『worthy of』というフレーズ全体をセットで覚えることが重要です。
発音が似ており、特に語頭の 'wh-' の音が曖昧になりやすいため混同しやすいです。『worthy』は『価値がある』という意味ですが、『whirly』は『旋回する、渦巻く』という意味合いを持ちます。品詞はworthyが形容詞であるのに対し、whirlyは形容詞または副詞として使われます。whirlybird(ヘリコプター)のような複合語で使われることもあります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
スペルの一部が似ており、特に語頭の 'wr-' が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『worthy』は『価値がある』という意味に対し、『wrath』は『激しい怒り』という意味です。発音も異なります(worthy: /ˈwɜːrði/, wrath: /ræθ/)。日本人学習者は、'thy' と 'ath' の違いに注意し、意味と文脈を考慮して区別する必要があります。また、'wr-' で始まる単語は発音しない 'w' を含むことが多いという点も覚えておくと良いでしょう。
誤用例
日本人が『〜する価値がある』を直訳的に 'worthy to do' と表現しがちですが、'worthy' は通常 'worthy of + 名詞/動名詞' の形で使われます。さらに、受動的な意味合いを含める場合は 'worthy of being + 過去分詞' となります。この誤用は、日本語の『〜する価値がある』という表現に引っ張られ、英語の文法構造を無視した結果生じます。英語では、家が『住まわれる価値がある』という受動的な関係性を明確にする必要があります。また、'live in' のように、場所を表す前置詞を伴う動詞句の場合、前置詞を忘れずに動名詞の後に置くのが自然です。
『worthy』は『価値がある』という意味ですが、人の内面的な価値や道徳的な高潔さを指すことが多いです。一方、『rich(金持ち)』は経済的な豊かさを示すため、直接的な因果関係を示すのは不自然です。より適切なのは、『respectable(尊敬に値する)』を使い、成功(success)との関連性を示唆することです。日本人は『価値がある人=成功している人』というステレオタイプなイメージを持ちがちですが、英語では内面的な価値と外面的な成功は必ずしも結びつきません。むしろ、誠実さや倫理観といった内面的な価値が、長期的な成功につながるというニュアンスを含ませる方が適切です。
『worthy』は、謙遜の表現としては硬すぎる場合があります。特に、相手からの褒め言葉に対する返答としては、過度に自己卑下しているように聞こえる可能性があります。英語圏では、褒められた際には感謝の意を示しつつ、自分の功績を控えめに語るのが一般的です。『flattered(お褒めいただき光栄です)』や『I'm not sure I deserve it(それに値するかどうか分かりません)』といった表現を使うことで、感謝と謙虚さのバランスを取ることができます。日本人は謙譲の美徳を重んじるため、英語でも同様の表現を選びがちですが、英語ではストレートに感謝を伝える方が好まれる場合もあります。
文化的背景
「worthy」は、単に「価値がある」という意味を超え、道徳的、倫理的な高潔さや、社会的な尊敬に値する状態を象徴する言葉です。中世ヨーロッパの騎士道精神において、勇敢さや忠誠心とともに、名誉を重んじ、それに見合う行動をとることが「worthy」であるとされました。この価値観は、現代においても、個人の人格や行動規範を評価する上で重要な要素として残っています。
騎士道物語における「worthy」は、単なる戦闘能力の高さを示すものではありませんでした。アーサー王伝説に登場する円卓の騎士たちは、聖杯探求の旅に出るにあたり、その心が清く、正義感に溢れ、神の恩寵を受けるに値する「worthy」な者でなければなりませんでした。ランスロット卿のように、優れた武勇を持ちながらも、不義の愛に囚われた者は、最終的に聖杯を手に入れることができませんでした。これは、「worthy」が単なる能力だけでなく、倫理的な純粋さを含む概念であることを示しています。中世の吟遊詩人たちは、騎士たちの武勇伝を語り継ぐ中で、「worthy」な行いを通じて社会に貢献することの重要性を強調しました。彼らの物語は、人々に道徳的な指針を与え、社会全体の価値観を形成する上で大きな役割を果たしました。
現代社会においても、「worthy」は、個人の評価や組織の理念を語る上で重要な言葉です。例えば、慈善活動に尽力する人々は、「社会的にworthyな活動」として評価されます。企業がCSR(企業の社会的責任)活動を推進する際も、「worthyな事業」への投資を通じて、社会貢献を目指します。政治の世界では、「国民の信頼にworthyなリーダー」が求められます。このように、「worthy」は、個人の行動から組織の活動まで、倫理的な基準を満たし、社会的な価値を生み出すことを意味する言葉として、広く用いられています。
ただし、「worthy」という言葉を使う際には、注意が必要です。なぜなら、何が「worthy」であるかという判断は、時代や文化、個人の価値観によって異なる可能性があるからです。例えば、かつては「勇敢な戦士」が「worthy」であるとされましたが、現代社会では「平和を愛し、対話を通じて問題を解決する人」が「worthy」であるとされるかもしれません。そのため、「worthy」という言葉を使う際には、その背景にある価値観や判断基準を明確にすることが重要です。そうすることで、「worthy」は、単なる褒め言葉ではなく、倫理的な議論を深め、より良い社会を築くための共通言語となり得るのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにライティングの語彙選択。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級の語彙問題で問われる可能性が高い。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史など、やや硬めの話題で出題されることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: worthy of ~ (~に値する)の形で覚えること。類義語の deserving との違い(worthy は対象が受動的、deserving は能動的なニュアンス)を理解すること。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 中級〜上級レベル。Part 5では、前置詞との組み合わせで出題されることが多い。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(契約書、報告書、メールなど)で、価値や貢献度を示す際に用いられる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: worthy の後に続く前置詞(of)に注意。形容詞として使われることが多いが、派生語の worthwhile (価値がある)との使い分けも重要。
1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 高頻度ではないが、アカデミックな文章で登場する。
3. 文脈・例題の特徴: 学術的な論文やエッセイで、アイデアや研究の価値を評価する際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: worthy が使われている文脈を理解することが重要。同意語や関連語(valuable, significant)との関連性を意識すると理解が深まる。
1. 出題形式: 長文読解、空所補充問題。
2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など、幅広いテーマで出題される。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。worth, worthwhile などの関連語との違いを理解しておくこと。また、worthy of being doneという形も重要。