英単語学習ラボ

vice

/vaɪs/(ヴァィス)

母音 /aɪ/ は二重母音で、日本語の『ア』と『イ』を連続して発音するイメージです。『ア』を強めに、『イ』は添える程度に意識すると、より自然な発音になります。語尾の /s/ は、日本語のサ行の子音よりも舌を少し引いて、歯の間から息を出すようにするとクリアな音になります。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

名詞

悪徳

道徳的に悪い行為や習慣。個人的な欠点というより、社会全体を蝕むような深刻な不正や堕落を指すことが多い。例:汚職、売春、麻薬取引など。

He knew staying up late every night was his biggest vice.

彼は毎晩夜更かしすることが、自分の一番の悪癖だと分かっていました。

この例文は、個人が持つ「悪い習慣」や「なかなかやめられないこと」としての「vice」を描写しています。夜遅くまで起きていると分かっているのにやめられない、そんな誰かの心境が伝わるでしょう。ここでは「最も大きな悪癖」という意味で使われています。

The police worked hard to fight against crime and vice in the city.

警察は、その都市の犯罪と悪徳と戦うために懸命に働きました。

この例文は、「vice」が社会的な問題や組織的な不正、不道徳な行為全般を指す場合に使われる典型的な例です。「crime and vice」のように、犯罪と並列で使われることがよくあります。街の安全を守る警察官たちの真剣な努力が目に浮かぶようです。

His constant lying was a serious vice that damaged his relationships.

彼が絶えず嘘をつくことは、人間関係を損なう深刻な悪徳でした。

ここでは、「vice」が個人の性格や行動における「深刻な欠点」や「倫理に反する行為」として使われています。嘘をつくことが、周囲の人々との信頼関係を壊してしまうという、具体的な影響が描かれています。誰かの残念な行動とその結果が鮮明にイメージできるでしょう。

名詞

欠点

性格や行動における良くない傾向。必ずしも深刻な悪事ではなく、弱点や癖に近いニュアンス。例:浪費癖、怠惰、嘘つきなど。

Smoking was his only vice, but he decided to quit for his health.

喫煙は彼の唯一の欠点だったが、彼は健康のためにやめることを決意した。

この例文では、喫煙という「悪い習慣」や「欠点」が、健康への意識から克服される場面を描いています。ここで言う「vice」は、単なる欠点というより「悪癖」や「悪い習慣」といったニュアンスが強く、個人的な弱点として使われる典型的な例です。誰かが自分の悪い習慣を認識し、改善しようとする情景が目に浮かびますね。

My biggest vice is staying up late watching movies every night.

私の最大の欠点は、毎晩遅くまで映画を見ていることだ。

この文は、自分自身の「ちょっとした悪癖」や「ついついやってしまう悪い習慣」を自嘲気味に語る場面です。夜中にこっそり映画を見てしまい、翌朝後悔する、といった情景が想像できます。このように「vice」は、深刻な悪徳だけでなく、生活の中の「やめたいけどやめられない悪い習慣」を指す際にもよく使われます。

He knew his quick temper was a vice and tried to control it.

彼は自分の短気な性格が欠点だとわかっていて、それを抑えようと努めた。

この例文では、人の性格的な「欠点」や「弱点」を「vice」として表現しています。単に「短気である」という事実だけでなく、それが本人にとって「良くない性質」であると認識し、改善しようと努力する内面的な葛藤が伝わってきます。このように「vice」は、道徳的・倫理的な側面を含む、個人の良くない性質や習慣に対して使われることが多いです。

名詞

代理

(古用法)〜の代わりに、〜の代理として、という意味。

The president is on a business trip, so the vice president is leading the meeting today.

社長は出張中なので、今日は副社長が会議を主導しています。

この例文は、会社の重要な会議の様子を描いています。社長が不在の時、その代理として「副社長 (vice president)」が責任を持って会議を進めている情景が目に浮かびますね。このように"vice"は、役職名の前につけて「副〜」「代理の〜」という意味を表すのが最も一般的で自然な使い方です。ビジネスシーンでよく耳にする表現です。

Our principal was sick, so the vice principal gave the morning speech.

校長先生が病気だったので、副校長先生が朝礼のスピーチをしました。

これは学校の朝礼の場面です。校長先生が体調を崩されたため、代わりに「副校長 (vice principal)」が全校生徒の前で話している様子が目に浮かびますね。"vice principal"もまた、学校で使われる「代理」の役職名として非常に典型的です。誰かの代わりを務めるという「代理」の役割がよくわかります。

When the captain left the field, the vice captain took charge of the team.

キャプテンがグラウンドを離れた時、副キャプテンがチームの指揮を執りました。

これはスポーツの試合中のひとコマです。例えば、サッカーやバスケットボールなどで、キャプテンが一時的に場を離れたり、交代したりした時に、「副キャプテン (vice captain)」がリーダーシップを引き継ぐ様子を表しています。"vice"がスポーツチームの役職名にも使われる良い例です。「責任を引き継ぐ」という「代理」の役割が鮮明にイメージできますね。

コロケーション

a life of vice

不道徳な生活、堕落した生活

「vice」が複数形ではなく不可算名詞として使われる場合、特定の悪徳行為というよりも、悪徳に満ちた生活全般を指します。しばしば、ギャンブル、薬物、アルコール、不道徳な性行為などが含まれます。文学作品や歴史的な文脈で、特定の人物の破滅的な人生を語る際によく用いられます。例えば、『彼は若い頃、快楽に溺れ、a life of viceを送った』のように使われます。

a vice squad

風紀取締班、生活安全課

警察内部の専門部署で、売春、麻薬、賭博など、社会の風紀を乱す犯罪を取り締まる部隊を指します。主にアメリカ英語で用いられる表現で、映画やドラマなどのフィクション作品にもよく登場します。日本語の『生活安全課』よりも、より非合法なアンダーグラウンドの世界を取り締まるイメージが強いです。

vice-ridden

悪徳に満ちた、堕落した

形容詞として使われ、場所や社会が悪徳や犯罪で満たされている状態を表します。例えば、『vice-ridden city(悪徳に満ちた都市)』のように使われます。比喩的に、個人の性格や組織の内部が腐敗していることを指す場合もあります。ややフォーマルな表現で、ニュース記事やドキュメンタリーなどで見かけることがあります。

victim of vice

悪徳の犠牲者

悪徳行為(薬物、ギャンブル、売春など)によって苦しめられている人、あるいはその行為に巻き込まれてしまった人を指します。この表現は、単に悪徳行為を行う人ではなく、その影響を受けて苦しんでいる人に焦点を当てています。ニュース記事や社会問題に関する議論で、同情や支援の必要性を訴える文脈で用いられることがあります。

succumb to vice

悪徳に屈する、誘惑に負ける

人が誘惑に負けて、悪徳行為に手を染めてしまうことを意味します。例えば、ギャンブル依存症の人が再び賭けをしてしまう状況などが当てはまります。この表現は、単に悪徳行為を行うだけでなく、葛藤や誘惑との戦いの末に負けてしまうニュアンスを含んでいます。文学作品や心理学的な分析で用いられることがあります。

root out vice

悪徳を根絶する、悪の根源を断つ

社会や組織から悪徳や不正行為を徹底的に排除することを意味します。『root out』は『根こそぎにする』という意味合いを持ち、表面的な対処ではなく、根本的な解決を目指すことを強調します。政治的な演説や改革を訴える文脈でよく用いられます。例えば、『汚職をroot outする』のように使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や専門書で、社会問題や倫理的な議論に関連して使用されることがあります。例えば、政治学の研究で「権力の悪徳(vice of power)」という概念を分析したり、哲学の講義で「人間の本質的な欠点(inherent vice)」について議論したりする際に用いられます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、フォーマルな文書やプレゼンテーションで、組織の弱点や倫理的な問題点を指摘する際に使われることがあります。例えば、「企業の構造的な欠陥(structural vice)」や「不正行為につながる可能性のある悪徳(vice leading to misconduct)」といった表現で、改善の必要性を訴える場面などが考えられます。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、社会問題や個人の行動を批判的に描写する際に使われることがあります。例えば、「ギャンブルという悪徳(vice of gambling)」や「浪費癖という欠点(vice of extravagance)」といった表現で、問題点を強調する際に用いられます。

関連語

類義語

  • 道徳的な堕落、悪徳、腐敗を意味する。しばしば、極めて深刻で根深い道徳的欠陥を指す。文学や哲学、倫理学などの分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"よりも強い意味合いを持ち、より深刻で広範囲にわたる道徳的堕落を指すことが多い。"vice"が個々の悪癖を指すのに対し、"depravity"は社会全体の腐敗や個人の人格の崩壊といった、より大きな概念を扱う。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文脈や文学作品でよく見られる。"vice"の持つ個人的な悪癖というニュアンスよりも、より抽象的で深刻な道徳的堕落を意味することに注意。

  • immorality

    道徳に反する行為や性質を指す。社会的に容認されない行動や考え方を広く含む。ニュース記事や倫理的な議論などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"よりも一般的な言葉で、特定の悪癖というよりは、道徳的な原則からの逸脱全般を指す。"vice"が個人的な嗜好や習慣に根ざしている場合があるのに対し、"immorality"は社会規範や倫理観との対立を示す。 【混同しやすい点】"vice"が具体的な悪癖を指すのに対し、"immorality"はより抽象的な概念である。例えば、ギャンブルは"vice"だが、不倫は"immorality"と表現されることが多い。

  • wickedness

    邪悪さ、悪意、不正を意味する。しばしば、意図的で悪質な行為を指す。宗教的な文脈や物語、法律関連などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"よりも強い感情的なニュアンスを持ち、道徳的な非難や嫌悪感を含むことが多い。"vice"が悪癖や嗜好にとどまる場合があるのに対し、"wickedness"は他者への危害や不正行為を伴うことが多い。 【混同しやすい点】しばしば、宗教的な善悪の概念と結びついて用いられる。"vice"よりも深刻な道徳的逸脱を指し、しばしば罰や報復を伴うべき行為として認識される。

  • failing

    欠点、弱点、不足を意味する。性格的な欠陥や能力の不足を指すことが多い。自己啓発や人間関係に関する議論で用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"よりも穏やかな表現で、道徳的な非難のニュアンスは弱い。"vice"が悪癖や嗜好を指すのに対し、"failing"は単なる欠点や弱点を示す。 【混同しやすい点】"vice"が積極的に避けるべき悪癖であるのに対し、"failing"は改善の余地がある欠点として捉えられることが多い。例えば、時間にルーズなのは"failing"だが、薬物中毒は"vice"と表現される。

  • foible

    取るに足らない弱点、癖、欠点。愛嬌のある、または許容できる程度の欠点を指すことが多い。ユーモラスな文脈や軽い自己紹介などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"とは対照的に、深刻な悪癖ではなく、むしろ個性的な特徴として捉えられることが多い。"vice"が隠すべきものであるのに対し、"foible"はむしろ話題の種になる。 【混同しやすい点】"vice"が深刻な道徳的欠陥を指すのに対し、"foible"はほとんど無害な癖や弱点を指す。例えば、爪を噛むのは"foible"だが、詐欺は"vice"と表現される。

  • 弱さ、欠点、抵抗力のなさ。肉体的、精神的、道徳的な弱さを指す。自己分析や心理学的な議論で用いられる。 【ニュアンスの違い】"vice"よりも広い意味を持ち、必ずしも道徳的な悪を意味しない。"vice"が特定の悪癖を指すのに対し、"weakness"はより一般的な弱さを示す。 【混同しやすい点】"vice"が積極的に克服すべき悪癖であるのに対し、"weakness"は必ずしも克服可能とは限らない弱さを含む。例えば、アルコール依存症は"vice"であり"weakness"でもあるが、内気な性格は"weakness"だが"vice"ではない。

派生語

  • 『悪意のある』『堕落した』という意味の形容詞。「vice」が持つ『悪徳』『不正』といった意味合いが、性質や状態として強調された形。接尾辞『-ious』は『〜に満ちた』という意味合いを付与し、悪徳に満ちている状態を表す。日常会話でも使われるが、ややフォーマルな文脈や文学作品にも登場する。

  • viceroy

    『総督』という意味の名詞。「vice」はここでは『代理』の意味で使用され、『王(roy)』の代理として統治する人を指す。歴史的な文脈や、植民地支配に関する話題で用いられることが多い。語源的に『王の代わり』という意味が明確。

  • vice-president

    『副大統領』『副社長』など、『副〜』を意味する名詞。「vice」は『代理』や『次席』の意味合いを持つ。政治やビジネスの分野で頻繁に使われ、役職名として定着している。組織構造における役割を示す明確な用語。

反意語

  • 『美徳』『長所』という意味の名詞。「vice」が『悪徳』を意味するのに対し、こちらは道徳的に優れた性質や行いを指す。哲学、倫理学、宗教などの文脈でよく用いられ、抽象的な概念を扱う議論で重要な役割を果たす。日常会話でも、人の良い性質を褒める際に使われる。

  • 『善良さ』『親切さ』という意味の名詞。「vice」が悪意や不正を指すのに対し、こちらは道徳的な正しさや優しさを表す。日常的な文脈で、人の性格や行いを評価する際に用いられる。より直接的で感情的なニュアンスを持つ。

  • 『道徳』『倫理』という意味の名詞。「vice」が道徳からの逸脱を意味するのに対し、こちらは社会的に正しいとされる行動規範や価値観を指す。哲学、倫理学、社会学などの学術的な文脈で頻繁に用いられ、抽象的な概念を扱う議論で重要な役割を果たす。個人の行動や社会全体のあり方を評価する基準となる。

語源

"vice"は、ラテン語の"vitium"(欠点、傷、悪徳)に由来します。これは「歪み」や「不完全さ」といった概念を表しており、道徳的な欠陥や習慣的な悪行という意味合いで使われるようになりました。英語に取り入れられる際、この基本的な意味合いが保たれ、名詞としては「悪徳」、動詞としては「堕落させる」という意味を持つようになりました。また、「代理」という意味は、フランス語の"vice"(~の代わりに)を経由して英語に入り、「~の代理」という役割を表すようになりました。つまり、「悪徳」と「代理」という一見異なる意味は、元々は「不完全さ」という根源的な概念から派生していると言えます。"Vice President"(副大統領)のように、完全な存在ではない「代わり」というニュアンスが、この単語に潜んでいるのです。

暗記法

「vice」は単なる悪ではなく、社会を蝕む万力。中世では七つの大罪として、社会秩序を破壊する根源と恐れられました。ダンテの『神曲』では地獄へ堕ちる罪として描かれ、シェイクスピア劇では権力と結びつき悲劇を生む象徴に。道化役の「Vice」は罪の誘惑を意識させました。現代では政治腐敗や企業不正と結びつき、社会を揺るがす問題として警戒されています。個人の弱さではなく、社会全体の健全性を脅かす「悪」なのです。

混同しやすい単語

『vice』と『voice』は、母音と子音の一部が似ているため、発音を聞き間違えやすいです。特に、語尾の /s/ と /ɪs/ の区別が難しいことがあります。『voice』は『声』という意味の名詞で、文脈が全く異なります。日本人学習者は、母音の長さに注意して発音練習すると良いでしょう。また、語源的には『voice』はラテン語の『vox』(声)に由来し、『vice』はラテン語の『vitium』(欠点)に由来するため、全く異なるルーツを持つ単語です。

vise

『vice』と『vise』は、完全に同音異義語です。『vise』は、物を固定するために使用する工具(万力)を意味します。スペルが異なるため、文章で使う場合は注意が必要です。アメリカ英語では『vise』が一般的ですが、イギリス英語では『vice』が万力を意味することもあります。どちらのスペルが使われているか、文脈から判断する必要があります。

vices

『vice』の複数形である『vices』は、単数形の『vice』と意味は同じですが、複数であることに注意が必要です。発音は /vaɪsɪz/ となり、語尾に /ɪz/ が加わります。複数形であることに気づかず、文法的に誤った使い方をしてしまうことがあります。例えば、『He has a vice.』と『He has vices.』では意味が異なります。

『vice』と『vicious』は、スペルの一部が似ており、意味も関連があるため混同しやすいです。『vicious』は『悪意のある』『残酷な』という意味の形容詞で、名詞の『vice』から派生した単語です。例えば、『vicious cycle』(悪循環)のように使われます。発音も /vɪʃəs/ と似ていますが、母音と子音が異なるため、注意して聞き分ける必要があります。

『vice』と『advice』は、スペルの一部が似ており、どちらも名詞であるため混同しやすいです。『advice』は『助言』という意味で、発音は /ədˈvaɪs/ となり、『vice』とは異なります。特に、動詞の『advise』(助言する)との区別も重要です。日本人学習者は、名詞と動詞の区別を意識して学習すると良いでしょう。語源的には、『advice』はラテン語の『advisare』(注意を向ける)に由来します。

『vice』と『device』は、スペルの一部が似ており、どちらも名詞であるため混同しやすいです。『device』は『装置』『工夫』という意味で、発音は /dɪˈvaɪs/ となり、『vice』とは異なります。例えば、『electronic device』(電子機器)のように使われます。語源的には、『device』は古フランス語の『deviser』(分割する、計画する)に由来します。

誤用例

✖ 誤用: He has a vice for reading books all night.
✅ 正用: He has a penchant for reading books all night.

『vice』は日本語の『趣味』に近い感覚で使われがちですが、本来は『悪徳』『悪癖』といったネガティブな意味合いが強い単語です。夜通し本を読むのが悪いことではない場合、『penchant』(好み、傾向)や『fondness』(愛情、趣味)を使う方が適切です。日本人は『趣味=vice』と単純に変換しがちですが、英語では趣味の内容によって単語を選ぶ必要があります。

✖ 誤用: His only vice is that he's too kind.
✅ 正用: His only fault is that he's too kind.

『vice』は道徳的に非難されるべき欠点や悪習を指します。『親切すぎる』ことは一般的に美徳とみなされるため、『vice』を使うのは不適切です。このような場合は、単に『fault』(欠点) や 『weakness』(弱点) を使う方が自然です。日本人は謙遜の文化から、自分の良い点を『欠点』として表現することがありますが、英語では『vice』のような強い否定的な意味合いを持つ単語を使うと、皮肉やユーモアとして解釈される可能性があります。

✖ 誤用: The vice-president will succeed the president.
✅ 正用: The vice president will succeed the president.

『vice-president』は『副大統領』を意味しますが、ハイフンで繋げると、文法的には名詞を修飾する形容詞的な用法になり、意味が通じなくなります。正しくはハイフンなしの『vice president』と表記します。日本語では『副〜』という言葉を安易に英語に直訳しようとしがちですが、英語では複合語の形成ルールが異なるため、注意が必要です。特に、役職名や組織名では、ハイフンの有無が意味を大きく変えることがあります。

文化的背景

「vice」は、道徳的な欠陥や悪徳を指す言葉ですが、単なる個人的な過ちというよりも、社会全体を蝕むような、より根深い堕落や腐敗を連想させます。それは、あたかも社会の構造そのものを歪ませる「万力(バイス)」のように機能し、個人の自由意志を奪い、倫理的な判断力を麻痺させる力を持つものとして、文化的に認識されてきました。

中世ヨーロッパにおいては、キリスト教的な罪の概念と結びつき、「vice」は七つの大罪(傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰)を指す言葉として頻繁に用いられました。これらの罪は、個人の魂を堕落させるだけでなく、社会秩序を破壊する根源と見なされ、教会の説教や文学作品において、「vice」に屈することの恐ろしさが繰り返し語られました。ダンテの『神曲』地獄篇では、様々な「vice」を犯した者たちが、その罪の重さに応じて地獄の底へと落ちていく様子が描かれており、「vice」が単なる倫理的な逸脱ではなく、永遠の罰を受けるに値する重大な罪であるという認識が示されています。

シェイクスピアの戯曲においても、「vice」はしばしば重要な役割を果たします。例えば、『リチャード三世』のリチャードは、権力への野心という「vice」に取り憑かれ、王位簒奪のためには手段を選びません。彼の行動は、単なる個人的な悪意というよりも、社会全体を覆う腐敗の象徴として描かれており、「vice」が権力と結びついた時に、いかに恐ろしい結果をもたらすかを物語っています。また、シェイクスピア劇には「Vice」というキャラクターがしばしば登場し、道化のような姿で観客を煽りながら、物語の道徳的なテーマを浮き彫りにします。これらの「Vice」は、観客に罪の誘惑と、それに対する抵抗の必要性を意識させる役割を担っていました。

現代社会においても、「vice」は政治的な腐敗や企業の不正行為など、社会の根幹を揺るがす問題と関連付けられることが多いです。例えば、金融危機を引き起こしたウォール街の不正行為は、「greed(強欲)」という「vice」がもたらした悲劇として認識されています。このように、「vice」は、単なる個人的な弱さというよりも、社会全体を蝕む可能性のある、より深刻な問題として、常に警戒されるべき対象として存在し続けているのです。それは、個人の倫理観だけでなく、社会全体の健全性を維持するために、絶えず監視し、闘わなければならない「悪」の象徴なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。稀にリスニング

- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、法律関連のテーマで登場しやすい。長文読解では、筆者の主張を理解する上で重要なキーワードとなる場合がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「悪徳」「欠点」といったネガティブな意味合いを理解する。類義語の「flaw」「defect」とのニュアンスの違いを把握する。動詞としての用法(~に悪影響を与える)も押さえておく。

TOEIC

- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)

- 頻度と級・パート: Part 5, 7で時々出題される

- 文脈・例題の特徴: ビジネス倫理、企業不祥事、コンプライアンス関連の文脈で登場しやすい。広告やマーケティングの倫理的な問題点について言及する際にも用いられる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(悪徳、悪癖)を理解する。文脈から意味を推測する練習をする。関連語句(e.g., corporate vice, ethical vice)も覚えておくと役立つ。

TOEFL

- 出題形式: リーディングセクション

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で稀に出題

- 文脈・例題の特徴: 社会学、心理学、哲学などの分野における倫理的な問題や人間の行動に関する議論で登場する可能性がある。抽象的な概念を説明する際に用いられることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な文脈での意味を理解する。学術的な文章でどのように使用されるかを確認する。他の倫理的な概念との関連性を理解する。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で稀に出題

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、政治問題など、倫理的な側面を含むテーマの文章で登場する可能性がある。筆者の主張を理解するためのキーワードとなる場合がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をする。類義語との違いを意識する。過去問で実際に出題された文脈を確認する。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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